ワーキング・ホリデー

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ワーキング・ホリデー英語: Working Holiday)とは、2国間の協定に基づいて、青年(18歳〜25歳または30歳)が異なった文化(相手国)の中で休暇を楽しみながら、その間の滞在資金を補うために一定の就労をすることを認める査証及び出入国管理上の特別な制度である。

原則として、各相手国ごとに一生に一度しか利用できない[1]

査証に関する申請条件などは絶えず変化しているため、申請にあたっては、各国の大使館イミグレーションが開設している公式サイトで、公式な情報を確認することが重要である。


目的[編集]

この制度は、両国の青年を1年にわたって相互に受け入れることによって、

  • 広い国際的視野をもった青年を育成
  • 両国間の相互理解、友好関係を促進すること

が目的とされている。

また、青年自身にとっては海外生活を長期かつ総合的に体験できる場・自分探しの場ともなっている。


特徴[編集]

この査証を使用する青年はアルバイトで滞在資金を補うことが許可されており、ワーキング・ホリデーは「旅する」ことに加え、「学ぶ」「働く」「暮らす」といった海外生活が総合的に体験できる制度といる。しかしながら、あくまで観光が目的の査証なので、ワーキング・ホリデー査証を使用して、就労や就学を第一目的とする渡航は禁じられている。


  • 就労については、あくまで「許されている」という程度なので、日本から持参する生活費については、少し多めに持っていくことが望ましい。
  • 国によって語学学校に通える期間の制限があるが、到着〜3ヶ月目までは、語学習得や情報収集・仲間作りのため語学学校に通い、その後アルバイトボランティアスポーツ旅行などをするというパターンが一般的である。
  • アルバイトは、現地無料サポートオフィスの掲示板や新聞、日本語新聞などの求人広告などを精力的に探したり、インフォメーションボードなどから情報が得られることが多い。職種は国家や地域によって異なるが、農畜産関連作業、ツアーガイド、お土産屋、免税店、ブライダルカンパニー、レストラン、貴金属店などが多い。
  • 風俗営業に関する業種は禁止されている。


日本のワーキング・ホリデー協定国[編集]

日本政府とワーキング・ホリデー査証(ビザ)に関する取り決め又は協定を結んでいるのは発効順にオーストラリアニュージーランドカナダ韓国フランスドイツイギリスアイルランドデンマーク台湾中華民国)、香港ノルウェーポーランドポルトガルスロバキアオーストリアの16か国である。



日本におけるワーキング・ホリデー制度の歴史[編集]

日本政府は、次の各国とワーキング・ホリデー制度に関する外交上の取極・協定を結んでいる。日付は発効日。

  1. 1980年(昭和55年)12月1日 - オーストラリアの旗 オーストラリア口上書交換による取極)
  2. 1985年(昭和60年)7月1日 - ニュージーランドの旗 ニュージーランド(口上書交換による取極)
  3. 1986年(昭和61年)3月1日 - カナダの旗 カナダ(口上書交換による取極)
  4. 1999年(平成11年)4月1日 - 大韓民国の旗 大韓民国(協定)
  5. 1999年(平成11年)12月1日 - フランスの旗 フランス(口上書交換による取極)
  6. 2000年(平成12年)7月15日 - フランスの旗 フランス(協定)
  7. 2000年(平成12年)12月1日 - ドイツの旗 ドイツ(口上書交換による取極)
  8. 2001年(平成13年)4月16日 - イギリスの旗 イギリス(口上書交換による取極。日本人にはYouth Exchange Schemeという呼称で観光査証を発給)
  9. 2007年(平成19年)1月1日 - アイルランドの旗 アイルランド(口上書交換による取極)
  10. 2007年(平成19年)10月1日 - デンマークの旗 デンマーク(口上書交換による取極)
  11. 2008年(平成20年)11月27日 - イギリスの旗 イギリス(口上書交換による取極。日本人に対してはワーキング・ホリデー査証ではなく就労査証のYouth Mobility Schemeを発給)
  12. 2009年(平成21年)6月1日 - 台湾の旗 台湾中華民国) (財団法人交流協会台北駐日経済文化代表処との間の書簡交換による)
  13. 2010年(平成22年)1月1日 - 香港の旗 香港(口上書交換による取極)
  14. 2010年(平成22年)3月29日 - ニュージーランドの旗 ニュージーランド(口上書交換による取極。1985年の取極の一部改正)
  15. 2013年(平成25年)2月1日 - ノルウェーの旗 ノルウェー(協定)
  16. 2015年(平成27年)2月27日 - ポーランドの旗 ポーランド(協定)
  17. 2015年(平成27年)3月27日 - ポルトガルの旗 ポルトガル(協定)
  18. 2016年(平成28年)2月24日 - スロバキアの旗 スロバキア(口上書交換による取極)
  19. 2016年(平成28年)4月14日 - オーストリアの旗 オーストリア(口上書交換による取極)


  • 日本人に対するフランス政府発給のワーキング・ホリデー査証は、フランスのヨーロッパ県においてのみ有効。海外県・海外領土(ギアナポリネシア等)で行使することはできない。当該海外県・海外領土在住のフランス人が日本政府から同査証の発給を受けることは可能。
  • イギリス人に対する日本政府発給のワーキング・ホリデー査証は、英国国籍法上の分類(6つ)のうち連合王国市民(British Citizen - GBR)保持者のみ発行対象。[2]
  • 口上書・協定上の Working Holiday の日本政府外務省による正式和文表記は「ワーキング・ホリデー」であるが、一般には中黒(・)を省いたり、「ホリデー」を「ホリデイ」とする、などの表記も用いられる。
  • 「ワーキング・ホリデー」を短縮し「ワーホリ」と呼ばれることもあるが、公儀では使用されない。
  • ワーキング・ホリデー査証で渡航する人のことを指して、「ワーキング・ホリデー メーカー(Working Holiday Maker)」と呼ぶことがある。


日本のワーキング・ホリデー制度の概要[編集]

オーストラリア[編集]

日本が最初に協定を結んだオーストラリアの人気は高く、日本からワーキング・ホリデーを目的に渡航する青年はワーキング・ホリデー制度利用者の半数以上を占めている。

オーストラリアでもっとも人気のある都市がシドニーで、シドニーは日系企業や日本人経営のレストランが多いため、日本からのワーキング・ホリデー メーカーが就ける仕事が比較的多く、英語力が多少低くてもレストランなどのバイトに就けるのが人気の理由である。

オーストラリアでは、「ラウンド」という旅行をするワーキング・ホリデーメーカーも多い。これは、オーストラリアを一周ぐるっと回ってみる、という形態の長期旅行といえる。ワーキング・ホリデーの締めくくりに行ったり、ラウンドしながら滞在地を変えたりとさまざまな形態が見られる。


カナダ[編集]

日本からのワーキング・ホリデーではオーストラリアに続き2番目に渡航者数が多い。

ワーキング・ホリデーメーカーの主な渡航先はバンクーバートロントに二分される。バンクーバー、トロントの順に人気が高く、どちらの都市にもワーキング・ホリデーメーカー向けの情報センターや留学エージェントが多数ある。現地の留学エージェントはそのほとんどが手数料無料で運営しており、日本の手数料有料の留学エージェントと同じサービスを無料で受けることが出来る。


世界のワーキング・ホリデー査証発給国[編集]

アジア

バングラデシュの旗 バングラデシュ香港の旗 香港インドネシアの旗 インドネシアイスラエルの旗 イスラエル日本の旗 日本マレーシアの旗 マレーシアフィリピンの旗 フィリピンシンガポールの旗 シンガポール(シンガポールは就労査証のWork Holiday)、韓国の旗 韓国台湾の旗 台湾タイ王国の旗 タイトルコの旗 トルコベトナムの旗 ベトナム

北アメリカ

カナダの旗 カナダコスタリカの旗 コスタリカメキシコの旗 メキシコアメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国

ヨーロッパ

アンドラの旗 アンドラオーストリアの旗 オーストリアベルギーの旗 ベルギークロアチアの旗 クロアチアキプロスの旗 キプロスチェコの旗 チェコデンマークの旗 デンマークエストニアの旗 エストニアフィンランドの旗 フィンランドフランスの旗 フランスドイツの旗 ドイツギリシャの旗 ギリシャハンガリーの旗 ハンガリーアイスランドの旗 アイスランドアイルランドの旗 アイルランドイタリアの旗 イタリアラトビアの旗 ラトビアリヒテンシュタインの旗 リヒテンシュタインリトアニアの旗 リトアニアマルタの旗 マルタモナコの旗 モナコオランダの旗 オランダノルウェーの旗 ノルウェーポーランドの旗 ポーランドポルトガルの旗 ポルトガルルーマニアの旗 ルーマニアロシアの旗 ロシアスロバキアの旗 スロバキアスロベニアの旗 スロベニアスペインの旗 スペインスウェーデンの旗 スウェーデンスイスの旗 スイスウクライナの旗 ウクライナイギリスの旗 イギリス(イギリスは就労査証のYouth Mobility Scheme)

オセアニア

オーストラリアの旗 オーストラリアニュージーランドの旗 ニュージーランド

南アメリカ

アルゼンチンの旗 アルゼンチンブラジルの旗 ブラジルチリの旗 チリコロンビアの旗 コロンビアペルーの旗 ペルーウルグアイの旗 ウルグアイ

アフリカ

南アフリカ共和国の旗 南アフリカ共和国


世界のワーキング・ホリデー制度の概要[編集]

オーストラリア[編集]

全世界からのオーストラリアへのワーキング・ホリデーは毎年20万人以上といわれており、イギリス・アイルランドからは毎年5万人以上がオーストラリアにワーキング・ホリデー メーカーとして渡航していることからも人気のほどが伺える。

オーストラリア政府が制定している最低時給は、15.51豪ドルと他国の倍以上(NSW州/2011年6月時点)、農場での仕事は時給が18豪ドルと時給が高く設定されている。ただしワーキング・ホリデー査証保持の就業者は税務上"非居住者"扱いになるため、所得税率は最低29%と高めに設定されている。また税務上の"非居住者"には低所得者向けの優遇措置も適用されないため、政府制定の最低時給と実質受け取ることができる賃金は異なる。また、国内の同じ場所に6ヶ月以上住んでいる場合は、申告すれば税率が低い"居住者"に変更することができる。

南半球では11月ごろから3月ごろが夏季にあたる。日本と比べると冬季は暖かい上に、夏季もシドニーやメルボルン、パースなどの大部分の都市で湿気が少なく年間を通してとても過ごしやすい。内陸部の高地や最南部のタスマニアを除いて、国土のほとんどの地域で雪が降ることは非常に稀である。

天候の良さと資源バブルでの景気の良さ、観光業(飲食・ホテル)へのアルバイトの多さとともに、時給が他国よりも安定しているのが世界中から若者を呼んでいる要因であるが、景気が2012年後半から急激に減速しており求人も減りつつある。


カナダ[編集]

バンクーバーはダウンタウンの一部のエリアのみ日本人、韓国人が多く集まるが、それ以外の地域ではまばらである。 トロントは毎年10月から3月はマイナスの天候になり11月から3月はマイナス20度になる日もある。10月から4月の半年間はダウンコートやゴアテックスは必需品。

バンクーバーは雪は降らないがロッキー山脈の雪が太平洋の風で解けて雨になる。10月から4月は雨季となるが、日本の雨季と異なり、傘が必要となるほど雨が降ることはまれである。


日本[編集]

外国人に対する日本国政府発給のワーキング・ホリデー査証は、諸外国日本国大使館や日本国総領事館で申請を受け付けている。Working Holiday Schemeと呼ばれていて査証の有効期間は1年間。定員の数は相互の国で取極められたとおりであるが、年齢条件は国によって異なる事がある。また、イギリスのように協定を結んだ後に査証の目的や有効期間が相互で異なってしまっている場合がある。

風俗営業に関する業種は禁止されている。売春目的では、ワーキング・ホリデー査証を使用した、大韓民国からの入国が他の国に比べて圧倒的に多く、2014年6月には、それまで例外的に30歳までと緩和していた、韓国人女性に対する査証発給の年齢条件を、元来の25歳以下に厳格化するなど、日本国政府が対策を講じてる[3][4]

ワーキング・ホリデー査証で日本に滞在している外国人の数(2015年6月現在)[5]
順位 国籍 人数
1 韓国人 2,488
2 台湾人 2,199
3 フランス人 711
4 オーストラリア人 566
5 イギリス人 444

ワーキング・ホリデーの在留資格を持って日本に滞在している外国人は7,343人(2015年6月現在)である[5]


脚注[編集]

  1. ^ オーストラリアについては2005年11月より一定の条件を満たすことにより2回目の査証取得が可能になった。
  2. ^ 対象とならない残り5つはアルファベット順で、British Dependent Territories Citizen - GBD、British National (Overseas) - GBN、British Overseas Citizen - GBO、British Protected Person - GBP、British Subject - GBS である。
  3. ^ 韓国女性へのワーキングホリデービザ急に厳格化 産経新聞 2014年6月26日
  4. ^ 安倍政権、韓国人売春婦を締め出しか ワーキングホリデー制度悪用者を相次ぎ強制送還 夕刊フジ 2014年6月28日
  5. ^ a b 在留外国人統計(旧登録外国人統計)”. 法務省 統計局 (2015年). 2015年11月14日閲覧。


外部リンク[編集]

日本の旗 日本政府
各国の大使館やイミグレーション
オーストラリアの旗 オーストラリア
ニュージーランドの旗 ニュージーランド
カナダの旗 カナダ
イギリスの旗 イギリス
フランスの旗 フランス
韓国の旗 韓国
ドイツの旗 ドイツ
アイルランドの旗 アイルランド
デンマークの旗 デンマーク
台湾の旗 台湾中華民国
香港の旗 香港
ノルウェーの旗 ノルウェー
ポーランドの旗 ポーランド
ポルトガルの旗 ポルトガル
スロバキアの旗 スロバキア
オーストリアの旗 オーストリア