ワーキング・ホリデー

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ワーキング・ホリデー英語: Working Holiday)とは、2国間の協定に基づいて、青年(18歳〜25歳または30歳)が異なった文化(相手国)の中で休暇を楽しみながら、その間の滞在資金を補うために一定の就労をすることを認める査証及び出入国管理上の特別な制度である。

原則として、各相手国ごとに一生に一度しか利用できない[1]

査証に関する申請条件などは絶えず変化しているため、申請にあたっては、各国の大使館イミグレーションが開設している公式サイトで、公式な情報を確認することが重要である。

目的[編集]

この制度は、両国の青年を1年にわたって相互に受け入れることによって、

  • 広い国際的視野をもった青年を育成
  • 両国間の相互理解、友好関係を促進すること

が目的とされている。

また、青年自身にとっては海外生活を長期かつ総合的に体験できる場・自分探しの場ともなっている。

特徴[編集]

この査証を使用する青年はアルバイトで滞在資金を補うことが許可されており、ワーキング・ホリデーは「旅する」ことに加え、「学ぶ」「働く」「暮らす」といった海外生活が総合的に体験できる制度といる。しかしながら、あくまで観光が目的の査証なので、ワーキング・ホリデー査証を使用して、就労や就学を第一目的とする渡航は禁じられている。

  • 就労については、あくまで「許されている」という程度なので、日本から持参する生活費については、少し多めに持っていくことが望ましい。
  • 国によって語学学校に通える期間の制限があるが、到着〜3ヶ月目までは、語学習得や情報収集・仲間作りのため語学学校に通い、その後アルバイトボランティアスポーツ旅行などをするというパターンが一般的である。
  • アルバイトは、現地無料サポートオフィスの掲示板や新聞、日本語新聞などの求人広告などを精力的に探したり、インフォメーションボードなどから情報が得られることが多い。職種は国家や地域によって異なるが、農畜産関連作業、ツアーガイド、お土産屋、免税店、ブライダルカンパニー、レストラン、貴金属店などが多い。
  • 風俗営業に関する業種は禁止されている。

日本のワーキング・ホリデー協定国[編集]

アジア
北アメリカ
ヨーロッパ
オセアニア

日本政府とワーキング・ホリデー査証(ビザ)に関する取り決め又は協定を結んでいるのは発効順にオーストラリアニュージーランドカナダ韓国フランスドイツイギリスアイルランドデンマーク台湾中華民国)、香港ノルウェーポーランドポルトガルスロバキアオーストリアの16か国である。

また、現在、イタリア[2]スペイン[3]ハンガリー[4]イスラエル[5]が制度導入を実現する意向を示している。また、ベルギー[6]が制度導入に興味を示している。

日本におけるワーキング・ホリデー制度の歴史[編集]

日本政府は、次の各国とワーキング・ホリデー制度に関する外交上の取極・協定を結んでいる。日付は発効日。

  1. 1980年(昭和55年)12月1日 - オーストラリアの旗 オーストラリア口上書交換による取極)
  2. 1985年(昭和60年)7月1日 - ニュージーランドの旗 ニュージーランド(口上書交換による取極)
  3. 1986年(昭和61年)3月1日 - カナダの旗 カナダ(口上書交換による取極)
  4. 1999年(平成11年)4月1日 - 大韓民国の旗 大韓民国(協定)
  5. 1999年(平成11年)12月1日 - フランスの旗 フランス(口上書交換による取極)
  6. 2000年(平成12年)7月15日 - フランスの旗 フランス(協定)
  7. 2000年(平成12年)12月1日 - ドイツの旗 ドイツ(口上書交換による取極)
  8. 2001年(平成13年)4月16日 - イギリスの旗 イギリス(口上書交換による取極。ただし日本人には観光査証のYouth Exchange Schemeという呼称で査証を発給)
  9. 2007年(平成19年)1月1日 - アイルランドの旗 アイルランド(口上書交換による取極)
  10. 2007年(平成19年)10月1日 - デンマークの旗 デンマーク(口上書交換による取極)
  11. 2008年(平成20年)11月27日 - イギリスの旗 イギリス(口上書交換による取極。日本人に対してはワーキング・ホリデー制度ではなく就労査証のYouth Mobility Schemeとして)
  12. 2009年(平成21年)6月1日 - 台湾の旗 台湾中華民国) (財団法人交流協会台北駐日経済文化代表処との間の書簡交換による)
  13. 2010年(平成22年)1月1日 - 香港の旗 香港(口上書交換による取極)
  14. 2010年(平成22年)3月29日 - ニュージーランドの旗 ニュージーランド(口上書交換による取極。1985年の取極の一部改正)
  15. 2013年(平成25年)2月1日 - ノルウェーの旗 ノルウェー(協定)
  16. 2015年(平成27年)2月27日 - ポーランドの旗 ポーランド(協定)[7]
  17. 2015年(平成27年)3月27日 - ポルトガルの旗 ポルトガル(協定)[8]
  18. 2016年(平成28年)2月24日 - スロバキアの旗 スロバキア(口上書交換による取極)[9]
  19. 2016年(平成28年)4月14日 - オーストリアの旗 オーストリア(口上書交換による取極)[10]
  • 日本人に対するフランス政府発給のワーキング・ホリデー査証は、フランスのヨーロッパ県においてのみ有効。海外県・海外領土(ギアナポリネシア等)で行使することはできない。当該海外県・海外領土在住のフランス人が日本政府から同査証の発給を受けることは可能。
  • イギリス人に対する日本政府発給のワーキング・ホリデー査証は、英国国籍法上の分類(6つ)のうち連合王国市民(British Citizen - GBR)保持者のみ発行対象。[11]
  • 口上書・協定上の Working Holiday の日本政府外務省による正式和文表記は「ワーキング・ホリデー」であるが、一般には中黒(・)を省いたり、「ホリデー」を「ホリデイ」とする、などの表記も用いられる。
  • 「ワーキング・ホリデー」を短縮し「ワーホリ」と呼ばれることもあるが、公儀では使用されない。
  • ワーキング・ホリデー査証で渡航する人のことを指して、「ワーキング・ホリデー メーカー(Working Holiday Maker)」と呼ぶことがある。

日本のワーキング・ホリデー協定国の比較一覧[編集]

日本人のワーキング・ホリデー協定国の比較表
国または地域 定員(人) 有効期間 延長期間 年齢(申請時) 手数料 申請方式 審査・発行日数 備考
1 オーストラリアの旗 オーストラリア なし 入国から1年 1年可 18〜30歳 A$440 インターネット 2日 滞在中でも帰国後でも条件を満たせば2回目の査証取得が可能。
2 ニュージーランドの旗 ニュージーランド なし 入国から1年 3ヶ月可 18〜30歳 無料 インターネット 1〜2週間 インターネット申請のほか、入国前に指定医師(病院)による胸部レントゲン検査が必要。
3 カナダの旗 カナダ 抽選6,500 入国から1年 不可 18〜30歳 C$250

※注1

インターネット 一次審査2週間

二次審査6週間

実際の審査にかかる日数は、一次審査が1日程度、二次審査が5日程度。

カナダ国内でビジター査証6ヶ月間への切替は可能。 ※注1 手数料は「プログラム参加費」C$150と「就労許可証費用」C$100の合計。

4 大韓民国の旗 大韓民国 10,000 発給から1年 不可 18〜30歳 無料 本人が大使館または領事館へ出頭 3〜5日 査証取得日から1年以内に入国しなければならない。
5 フランスの旗 フランス 1,500 入国予定日から1年 不可 18〜30歳 無料 本人が大使館へ出頭 2週間以内 入国予定日は申請時に決まっていること。
6 ドイツの旗 ドイツ なし 発給から3ヶ月以上1年以内 不可 18〜30歳 無料 本人が大使館・総領事館へ出頭 3〜5日 申請日から3ヶ月以内に入国しなければならない。

世界各国のドイツ大使館・総領事館またはドイツ国内で申請が可能。

7 イギリスの旗 イギリス 抽選1,000 入国予定日から2年 不可 18~30歳 530

※注2

本人が英国ビザ申請センター(東京)または英国ユーザーペイズビザ申請センター(大阪)へ出頭 5日~2週間 2008年11月27日以後はワーキング・ホリデー査証ではなく就労査証(Youth Mobility Scheme)。入国予定日は申請時に決まっていること。入国予定日から30日以内に入国し、入国10日以内に英国内で査証を受取る。世界各国の英国ビザ申請センターで申請が可能。

※注2 手数料は「申請手数料」£230と「国民保健サービス」£300の合計。なお大阪での申請者のみUser Pay Fee(ユーザペイズ料金)としてこの手数料に£52を追加して支払う。

8 アイルランドの旗 アイルランド 400 発給から1年 不可 18〜30歳 無料 一次審査 Eメールで送信、または大使館へ郵送

二次審査 大使館へ郵送

一次審査1ヶ月

二次審査1ヶ月

2015年6月申請よりそれまで原則25歳までとされていたものを、制限を設けず18歳~30歳(申請受理時点)まで申請が可能となる。
9 デンマークの旗 デンマーク なし 発給から1年 不可 18〜30歳 無料 本人が大使館へ出頭 1〜2ヶ月 デンマーク国内で申請が可能で、その場合、デンマーク雇用維持・外国人雇用庁に申請。また基本的に在住地での申請となるため世界各国のデンマーク大使館で申請が可能。
10 台湾の旗 台湾中華民国 5,000 入国の翌日から180日 180日可 18~30歳 無料 本人が台北駐日経済文化代表処へ出頭 1〜3日 査証取得日から1年以内に入国しなければならない。

延長は滞在期限が切れる15日前から、居住地の内政部入出国移民署のサービスステーションに更新手続をすれば可能、その後の更新変更は不可。

11 香港の旗 香港 250 入国から1年 不可 18〜30歳 無料 本人が中国大使館・総領事館へ出頭、または香港政府一站通へ郵送 2週間以内 査証発給から3ヶ月以内に入国しなければならない。
12 ノルウェーの旗 ノルウェー なし 発給から1年 不可 18〜30歳 3 700kr

57,000

本人が大使館・総領事館へ出頭 2週間 滞在許可から6ヶ月以内に入国しなければならない。

入国してから7日以内に現地の警察にて登録を済ませる必要がある。

13 ポーランドの旗 ポーランド 500 発給から1年 不可 18〜30歳 無料 本人または代理人が大使館・総領事館へ出頭 1週間以上
14 ポルトガルの旗 ポルトガル なし 発給から1年 不可 18〜30歳 無料 本人が大使館へ出頭 1〜2ヶ月 入国してから3日以内に現地の警察にて登録を済ませる必要がある。
15 スロバキアの旗 スロバキア 400 発給から1年 不可 18〜30歳 未定 本人が大使館へ出頭 1〜2ヶ月 初年度2016年6月1日から2016年12月31日発給分については定員220人で調整。
16 オーストリアの旗 オーストリア なし 入国から6ヶ月 不可 18〜30歳 未定 未定 未定 2016年7月1日から開始

日本のワーキング・ホリデー制度の概要[編集]

オーストラリア[編集]

日本が最初に協定を結んだオーストラリアの人気は高く、日本からワーキング・ホリデーを目的に渡航する青年は毎年9,000人弱と日本全体のワーキング・ホリデー制度利用者の半数以上を占めている。

オーストラリアでもっとも人気のある都市がシドニーで、シドニーは日系企業や日本人経営のレストランが多いため、日本からのワーキング・ホリデー メーカーが就ける仕事が比較的多く、英語力が多少低くてもレストランなどのバイトに就けるのが人気の理由である。

過疎地域の農場の人手不足対策のため農場で3か月の季節労働実施者に対して、2005年からオーストラリア政府は2回目のワーキング・ホリデー査証を発給している(希望者のみ)。さらに2006年7月以降、畜産関連作業(羊毛の刈り取り・食肉解体)や林業漁業に、2008年7月1日以降、採掘関連作業(採炭・金属鉱石採掘など)や建築建設(土木工学建築・建築施工など)にも拡大し申請者が増加していた。なお、2回目のワーキング・ホリデー査証を発給するにあたり、それまで「季節労働」としてきた条件が・採掘と建築、建設が追加されたことで「指定された仕事」という呼称に変わった。

「指定された仕事」を3ヶ月間従事したことを条件に、滞在期間を1年から2年に延長できるこの制度をセカンド・ワーキング・ホリデーと呼ぶ。これに対し従来のワーキング・ホリデーをファースト・ワーキング・ホリデーと呼ぶようになった。「3ヶ月間の指定された仕事」という条件は過去にさかのぼって適用されるため、既に帰国した人でも対象年齢(18~30歳)内で、職歴を証明するものがあればセカンド・ワーキング・ホリデーに申請できる。

ファースト・ワーキング・ホリデーでオーストラリアに滞在する若者は、セカンド・ワーキング・ホリデーの資格を得ようと入国当初から「指定された仕事」に就くことも多い。オーストラリアでは多くの農家がワーキング・ホリデーの若者を貴重な労働力とみている。

オーストラリアでは、「ラウンド」という旅行をするワーキング・ホリデーメーカーも多い。これは、オーストラリアを一周ぐるっと回ってみる、という形態の長期旅行といえる。ワーキング・ホリデーの締めくくりに行ったり、ラウンドしながら滞在地を変えたりとさまざまな形態が見られる。

変遷や注意事項
  • オーストラリアについては、2006年7月1日から「1雇用主につき6ヶ月間就労可能」となっている。
  • オーストラリアについては語学学校に17週間通える。

カナダ[編集]

日本からのワーキング・ホリデーではオーストラリアに続き2番目に渡航者数が多い。定員は年間6,500人(2015年度)だが、インターネットで簡単に査証申請が可能なため応募開始から4ヶ月足らずで定員に達して終了してしまう。

2011年12月12日2012年度)より、International Experience Canada(インターナショナル・エクスペリエンス・カナダ)という名称になった。略してIECとも呼ばれている。

申請はカナダ政府のホームページに記載された概要にしたがって申請する事になるが、日本国内では査証は発行されずPOE就労許可通知書(Port of Entry Letter of Introduction)が発行されるにとどまる。IEC就労許可証(ワーキング・ホリデー査証)はカナダ入国時に国境(空港等)で入国審査官に提示することにより発給されることになる。

以前は年度内にカナダに入国する必要があったが、2010年度よりPOE就労許可通知書は有効期限が設けられたため、その期限内にカナダに入国すればよくなった。入国時に発行されるIEC就労許可証の有効期限は入国日から通常1年間となる。 また、入国に際して、カナダ滞在の全期間有効な海外旅行保険の加入証明書と資金証明のための英文残高証明書の提示が必要になる。これらの書類の提示がない場合はカナダに入国ができない。

ワーキング・ホリデーメーカーの主な渡航先はバンクーバートロントに二分される。バンクーバー、トロントの順に人気が高く、どちらの都市にもワーキング・ホリデーメーカー向けの情報センターや留学エージェントが多数ある。現地の留学エージェントはそのほとんどが手数料無料で運営しており、日本の手数料有料の留学エージェントと同じサービスを無料で受けることが出来る。 バンクーバーはダウンタウンの一部のエリアのみ日本人、韓国人が多く集まるが、それ以外の地域ではまばらである。 トロントは毎年10月から3月はマイナスの天候になり11月から3月はマイナス20度になる日もある。10月から4月の半年間はダウンコートやゴアテックスは必需品。

バンクーバーは雪は降らないがロッキー山脈の雪が太平洋の風で解けて雨になる。10月から4月は雨季となるが、日本の雨季と異なり、傘が必要となるほど雨が降ることはまれである。

変遷や注意事項
  • カナダの定員は2007年度は年間5,000人、2008年度は年間9,500人、2009年度は年間10,000人、2010年度は年間7,250人、2011年度から2015年度は年間6,500人であった。
  • カナダについては、就労期間の規定はなく、1雇用主のもとで1年間の就労が可能であり業種も特に限定されていない。都市部においては仕事は安易に見つかり、時給も他の国に比べると高額である。(参考:バンクーバー最低賃金$10.25/hr)特に飲食店で就労する場合、チップ収入として給与以上の収入が見込める場合も多い。
  • 2013年度より申請は書類審査とオンライン審査の2段階で行われるようになったが、2014年1月16日(2014年度)より全てオンライン審査で行われるように変更された。
  • 2015年4月24日(2015年度)より、就労許可証費用として100カナダドルが課金されることになった。
  • カナダの査証は2016年度より、それまで行われていた先着順ではなく抽選方式に申請方法が変更され、当選した人のみが申請できるようになった。ただこれは一度に全員を決める抽選ではなく、年度内に複数回の抽選期間を設けてその回毎に人数を割り振り当選者を決める方式となる。

フランス[編集]

年間1,500人の定員がある。査証は例年、10月から翌度年の査証申請が開始され、定員を満たすと締め切りになるが、実質毎年の申請者は1,000人程度で定員に達しないため、通年申請できる査証となっている。査証審査には申請にあたっての動機作文を提出することになっていて、この作文の内容次第で却下されることもあり、ワーキング・ホリデー査証の中では取得が困難な国となっている。

この査証のフランス語名は、Visa Vacances-travail であり、略して VVT とも呼ばれている。

日本人は東京の在日フランス大使館に対して申請する事になる。申請に際し、渡航者本人がフランス大使館に直接来館し申請書を提出しなければいけない。受付は事前にインターネット上で来館予約をする必要がある。

変遷や注意事項
  • フランスの定員は初年度1999年度は年間25人、2000年度は年間250人、2001年~2002年度は年間350人(東日本で230人・西日本で120人)、2003年度は年間400人(東日本で250人・西日本で150人)、2004年度は年間500人(東日本で300人・西日本で200人)、2005年度~2007年度は年間550人(2005年から東西日本の区分廃止)、2008年度は年間1,500人、2009年度は年間1,200人、2010年度以降は年間1,500人。2008年は日仏の国交150年にあたることから、この年に語呂合わせで1,500人になった。
  • フランスの査証は2010年度より、それまで行われていた二段階の申請方法(一次審査の動機作文に合格した者のみ二次審査を受ける権利を得る審査方法)が改定され、申請が一回で済むようになった。
  • フランスの査証申請は2004年までは東日本地区と西日本地区に分かれていて、東日本地区を東京の在日フランス大使館、西日本地区を大阪の在大阪・神戸フランス領事館で受けていた。またそれぞれの地区で定員があった。なお、在大阪・神戸フランス領事館は2009年11月27日に閉館し、京都市のアンスティチュ・フランセ関西-京都(旧 関西日仏学館)に移転後、在京都フランス総領事館となったが、現在査証取得等の受付業務は一切行っていない。
  • フランスについては、2013年度から専門職調理師デザイナー技術者職人建築士など資格を必要とする職業)での就労が完全に禁止されることとなり、日本で専門職の職歴や資格があったり、査証申請の際に提出する動機作文で専門職の活動を窺わせるような申請者に対しては「私はフランスでは専門職として働かない」という署名付の宣誓書の提出がフランス大使館から要求され、宣誓を拒否した場合は査証申請が却下される。就職や研修、アルバイト、ボランティアなど形態に関係なく、少しでも専門職に従事しようとする申請者に対してワーキング・ホリデー査証は発給されない。
  • 渡航3ヶ月前に申請が可能になるため翌年1月1日のフランス入国を希望する場合は10月1日に申請が可能になる。なお、10月1日以降であれば新年度のビザの概要が発表されていなくても申請が可能となっている。

イギリス[編集]

(イギリス政府は2008年に観光目的のワーキング・ホリデー査証を廃止しているが、日本人に対して就労を第一目的とする他の査証を発給しているため掲載している)

イギリスの査証が日本で一般にイギリス・ワーキング・ホリデーと称されるのは、査証の雰囲気が他国のワーキング・ホリデー制度のそれと似ているためである。現在イギリス政府が発給する査証にはワーキング・ホリデー (Working-Holiday) と呼ばれる観光を第一目的とする査証はない。

この査証の正式名はYouth Mobility Scheme(英国生活の体験を希望する、参加国からの若者を対象とする)であり、イギリス査証のカテゴリー (points-based system) のTier 5(短期就労カテゴリ)に属される就労を第一目的とする査証である。Youth Mobility Schemeは略してYMSとも呼ばれている。

年間1,000人の定員があり2年間の査証が発給される。査証の応募は例年1月に電子メールアドレスによる抽選が行われ当選した人のみが申請できる。

日本国内での申請は東京または大阪の英国ビザ申請センター (VFS Global[12]) に対して申請する事になる。申請に際し、渡航者本人が英国ビザ申請センターに直接来館し申請書を提出しなければいけない。受付は事前に来館予約をする必要がある。

変遷や注意事項
  • 2008年11月4日に英国政府によって英国査証制度が改定されるまでは、日本人を対象にしたYouth Exchange Scheme(略してYES)と呼ばれる査証がイギリス・ワーキング・ホリデーと呼ばれていた。既に廃止されたYouth Exchange Schemeは目的が観光、対象年齢18歳~25歳、定員400名、期間が1年間であったのに対し、現在のYouth Mobility Schemeは目的が就労、対象年齢18歳~30歳、定員1,000名、期間が2年間で内容が大幅に異なっている。
  • イギリスの査証は2012年度より、それまで行われていた先着順ではなく電子メールアドレスによる抽選方式に申請方法が変更され、当選した人のみが申請できるようになった。
  • Youth Mobility Schemeはワーキング・ホリデー査証でなく就労査証なので、就労期間の規定はない。よって、2年間の就労・就学が可能となっている。また条件付で個人事業主として起業も可能になっている。
  • Youth Mobility Schemeは就労を第一目的とする査証なので、ワーキング・ホリデーと勘違いして観光目的でイギリスに入国しようとすると国境で通常の観光と判断されてYouth Mobility Scheme査証が無効になることがある。その場合イギリスにYouth Mobility Schemeとして再入国しないと査証を有効にできない。よって空港のイミグレーションで入国目的を質問されたときはワーキング・ホリデーでなくYouth Mobility Schemeや就労、ビジネスでと答える必要がある。
  • 2015年4月6日(2015年度)より、申請にNational Health Service「国民保健サービス」の保険料が課金されるようになった。保険料は滞在期間の2年間分をまとめて払うことになっていて400(2015年4月6日)、£300(2016年4月6日)と変わってきている。
  • 2015年5月1日(2015年度)より、査証は渡航前にパスポートに付加されるのではなく、Biometric Residence Permit(生体認証付在留許可カード)として、英国入国後にpost office(英国郵便局)で取得する形式になった。
  • Youth Mobility Schemeの申請手数料の変遷は£99(2008年11月28日)、£125(2010年1月)、£128(2010年4月)、£130(2010年10月)、£190(2011年4月6日)、£194(2013年1月)、£200(2013年4月6日)、£208(2014年4月6日)、£225(2015年5月)、£230(2016年4月12日)と値上げが続いている。
  • Youth Mobility Schemeの資金証明額の変遷は£1600(2008年11月28日)、£1800(2013年1月1日)、£1890(2014年7月1日)と変わってきている。

世界のワーキング・ホリデー査証発給国[編集]

アジア

バングラデシュの旗 バングラデシュ香港の旗 香港インドネシアの旗 インドネシアイスラエルの旗 イスラエル日本の旗 日本マレーシアの旗 マレーシアフィリピンの旗 フィリピンシンガポールの旗 シンガポール(シンガポールは就労査証のWork Holiday)、韓国の旗 韓国台湾の旗 台湾タイ王国の旗 タイトルコの旗 トルコベトナムの旗 ベトナム

北アメリカ

カナダの旗 カナダコスタリカの旗 コスタリカメキシコの旗 メキシコアメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国

ヨーロッパ

アンドラの旗 アンドラオーストリアの旗 オーストリアベルギーの旗 ベルギークロアチアの旗 クロアチアキプロスの旗 キプロスチェコの旗 チェコデンマークの旗 デンマークエストニアの旗 エストニアフィンランドの旗 フィンランドフランスの旗 フランスドイツの旗 ドイツギリシャの旗 ギリシャハンガリーの旗 ハンガリーアイスランドの旗 アイスランドアイルランドの旗 アイルランドイタリアの旗 イタリアラトビアの旗 ラトビアリヒテンシュタインの旗 リヒテンシュタインリトアニアの旗 リトアニアマルタの旗 マルタモナコの旗 モナコオランダの旗 オランダノルウェーの旗 ノルウェーポーランドの旗 ポーランドポルトガルの旗 ポルトガルルーマニアの旗 ルーマニアロシアの旗 ロシアスロバキアの旗 スロバキアスロベニアの旗 スロベニアスペインの旗 スペインスウェーデンの旗 スウェーデンスイスの旗 スイスウクライナの旗 ウクライナイギリスの旗 イギリス(イギリスは就労査証のYouth Mobility Scheme)

オセアニア

オーストラリアの旗 オーストラリアニュージーランドの旗 ニュージーランド

南アメリカ

アルゼンチンの旗 アルゼンチンブラジルの旗 ブラジルチリの旗 チリコロンビアの旗 コロンビアペルーの旗 ペルーウルグアイの旗 ウルグアイ

アフリカ

南アフリカ共和国の旗 南アフリカ共和国

世界のワーキング・ホリデー制度の概要[編集]

オーストラリア[編集]

全世界からのオーストラリアへのワーキング・ホリデーは毎年20万人以上といわれており、イギリス・アイルランドからは毎年5万人以上がオーストラリアにワーキング・ホリデー メーカーとして渡航していることからも人気のほどが伺える。

オーストラリア政府が制定している最低時給は、15.51豪ドルと他国の倍以上(NSW州/2011年6月時点)、農場での仕事は時給が18豪ドルと時給が高く設定されている。ただしワーキング・ホリデー査証保持の就業者は税務上"非居住者"扱いになるため、所得税率は最低29%と高めに設定されている。また税務上の"非居住者"には低所得者向けの優遇措置も適用されないため、政府制定の最低時給と実質受け取ることができる賃金は異なる。また、国内の同じ場所に6ヶ月以上住んでいる場合は、申告すれば税率が低い"居住者"に変更することができる。

南半球では11月ごろから3月ごろが夏季にあたる。日本と比べると冬季は暖かい上に、夏季もシドニーやメルボルン、パースなどの大部分の都市で湿気が少なく年間を通してとても過ごしやすい。内陸部の高地や最南部のタスマニアを除いて、国土のほとんどの地域で雪が降ることは非常に稀である。

天候の良さと資源バブルでの景気の良さ、観光業(飲食・ホテル)へのアルバイトの多さとともに、時給が他国よりも安定しているのが世界中から若者を呼んでいる要因であるが、景気が2012年後半から急激に減速しており求人も減りつつある。

イギリス[編集]

現在、イギリス政府が発給する査証にはワーキング・ホリデー (Working Holiday) と呼ばれる査証はない。2008年11月4日にイギリス査証制度の改定時に観光目的のワーキング・ホリデー査証が廃止された後、就労目的のYouth Mobility Scheme査証が誕生したが、就労査証のためワーキング・ホリデー制度ではない。この査証で観光を第一目的とするイギリス入国は禁じられていて、必ず就労を第一目的としなければならない。

イギリスが対象としているYouth Mobility Scheme参加国は開始順にオーストラリア、カナダ、日本、ニュージーランド、モナコ、台湾、韓国、香港の8ヶ国となっていて、これらの国に対してのみYouth Mobility Scheme査証が発給される。(Immigration Rules Appendix G: Youth Mobility Scheme 出典:イギリス内務省

Youth Mobility Scheme査証の定員数の変遷 [単位:人]
年度 オーストラリア人 カナダ人 日本人 ニュージーランド人 モナコ人 台湾人 韓国人 香港人
2016年 45,000 5,000 1,000 12,000 1,000 1,000 1,000 1,000
2015年 38,000 5,000 1,000 11,000 1,000 1,000 1,000 1,000
2014年 38,500 5,500 1,000 9,500 1,000 1,000 1,000 1,000

日本[編集]

外国人に対する日本国政府発給のワーキング・ホリデー査証は、諸外国日本国大使館や日本国総領事館で申請を受け付けている。Working Holiday Schemeと呼ばれていて査証の有効期間は1年間。定員の数は相互の国で取極められたとおりであるが、年齢条件は国によって異なる事がある。また、イギリスのように協定を結んだ後に査証の目的や有効期間が相互で異なってしまっている場合がある。

風俗営業に関する業種は禁止されている。売春目的では、ワーキング・ホリデー査証を使用した、大韓民国からの入国が他の国に比べて圧倒的に多く、2014年6月には、それまで例外的に30歳までと緩和していた、韓国人女性に対する査証発給の年齢条件を、元来の25歳以下に厳格化するなど、日本国政府が対策を講じてる[13][14]

ワーキング・ホリデー査証で日本に滞在している外国人の数(2015年6月現在)[15]
順位 国籍 人数
1 韓国人 2,488
2 台湾人 2,199
3 フランス人 711
4 オーストラリア人 566
5 イギリス人 444

ワーキング・ホリデーの在留資格を持って日本に滞在している外国人は7,343人(2015年6月現在)である[15]

脚注[編集]

  1. ^ オーストラリアについては2005年11月より一定の条件を満たすことにより2回目の査証取得が可能になった。
  2. ^ イタリア共和国首相訪日に際しての共同記者発表 外務省 2007年4月16日
  3. ^ 日スペイン首脳会談 外務省 2013年10月3日
  4. ^ 日ハンガリー首脳会談 外務省 2013年11月21日
  5. ^ 日・イスラエル首脳会談 外務省 2014年5月12日
  6. ^ 外務副大臣のベルギー訪問 外務省 2013年8月28日
  7. ^ 日・ポーランド・ワーキング・ホリデー協定の署名 外務省 2015年2月27日
  8. ^ 日・ポルトガル・ワーキング・ホリデー協力覚書の署名 外務省 2015年3月27日
  9. ^ スロバキアとの間のワーキング・ホリデー制度に関する口上書の交換 外務省 2016年2月24日
  10. ^ オーストリアとの間のワーキング・ホリデー制度に関する口上書の交換 外務省 2016年4月14日
  11. ^ 対象とならない残り5つはアルファベット順で、British Dependent Territories Citizen - GBD、British National (Overseas) - GBN、British Overseas Citizen - GBO、British Protected Person - GBP、British Subject - GBS である。
  12. ^ VFS Globalは、日本での英国査証の申請についてUK Visas and Immigration(英国内務省 Home Office)から業務を委託されている民間機関。また2008年4月から英国の査証審査を管轄してきた UK Boarder Agency(英国国境局、UKBA)は2013年3月に閉鎖されており、以後、査証審査などは英国内務省 Home Officeが直接管轄している。
  13. ^ 韓国女性へのワーキングホリデービザ急に厳格化 産経新聞 2014年6月26日
  14. ^ 安倍政権、韓国人売春婦を締め出しか ワーキングホリデー制度悪用者を相次ぎ強制送還 夕刊フジ 2014年6月28日
  15. ^ a b 在留外国人統計(旧登録外国人統計)”. 法務省 統計局 (2015年). 2015年11月14日閲覧。

外部リンク[編集]

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