ソジュ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
ソジュ
Soju jinro gfdl.jpg
ソジュ
眞露が製造している「チャミスル」ブランドのソジュ)
各種表記
ハングル 소주
漢字 燒酒
発音 ソジュ
日本語読み: そじゅ
しょうしゅ
2000年式
MR式
Soju
Sochu
テンプレートを表示

ソジュ: 소주朝鮮漢字: 燒酒)は朝鮮半島で製造されている蒸留酒。朝鮮半島古来からの伝統酒の一種。日本の焼酎に相当するものであるため、韓国焼酎とも。

伝統的にコメから造られてきたが、第二次世界大戦後から経済成長期にかけてのコメ不足を契機としてジャガイモコムギオオムギサツマイモタピオカなどのでんぷんを加えたソジュや、完全にこれらの原料から作るソジュが造られるようになっている。

ソジュは色が透明であり、アルコール度数は20%から45%までと様々だが20%がもっとも一般的になっており、度数の低いソジュが好まれる傾向が1990年代以降強まっている。その味はウォッカなどと似ているが、製造過程で砂糖や香料が加えられることもあるので若干甘めである。

ソジュとは、中国語の「焼酒」(拼音: shāojiǔ)から来ている。英語のブランデーもオランダ語が語源で元の意味は「焼いたワイン」(brandewijn = burned wine)であったことから、偶然にせよ洋の東西で蒸留酒が同じような語源をもつ言葉で表されていることになる。

歴史[編集]

伝統的なソジュ造りを再現した展示

ソジュは1300年頃、高麗元王朝の支配下にあった時期にはじめて製造された。1256年以降のモンゴルの中央アジア・中東征服の過程で、ペルシャ人からモンゴル人にアラック(arak)という蒸留酒の製法が伝わっていた[1]。アラックは中国や高麗などモンゴル人が支配する各地へも伝わり、高麗の首都・開城の付近にもアラックを造る蒸留所ができた。これがソジュにつながっている。開城付近では、ソジュはアラクジュ(아락주)の名でも呼ばれている[2]。もとはソジュを飲んで死んだ人もいるほどにきつい酒であった。製造が難しく高級酒とされ、主に王室と両班に飲まれた。薬用に飲まれることも多かった。家庭料理集である『飲食知味方』などに醸造法が記録されていることで民間でもよく製造された。また、甘紅路、竹瀝膏、梨薑膏なと多くの種類のソジュが製造された。これらは、クモノスカビでコメを発酵させマッコリにし、重ねた壷でマッコリを単式蒸留するという方法であった。

日本統治時代に大衆化が始まり、日本からコウジカビと連続蒸留装置を用いて大量に生産する方式(日本の「焼酎甲類」と同様のもの)が取り入れられた。1916年、朝鮮全土で醸造所の数は28,404か所にも達した。ただ、この時期に梨薑膏など伝統焼酒は消えた。代表的なメーカーである眞露(ジンロ)は1924年平安南道龍岡郡で張学燁が創業した真泉醸造商会が前身で、朝鮮戦争で南へ逃れ、1953年ソウルに移転している。

安東焼酒

戦後の高度成長期の韓国ではコメ不足が起こったため、1965年から1991年の間、政府は穀物を発酵させたもろみから直接ソジュを蒸留するという伝統的な製法を禁じていた。代わりにイモやタピオカなど様々な原料を元に蒸留させた度数の高いエタノールを水と混ぜ希釈し、甘味料などで人工的に味をつけた希釈式ソジュが造られるようになった。伝統的製法に対する規制は既に撤廃されているが、安いソジュはなおこうした製法で造られている。韓国政府は希釈式ソジュのアルコール度数を35%以下と定めている。一方で、地方のソジュ業者には伝統的な蒸留法でのソジュ製造に立ち返るところもある。慶尚北道安東市で造られているものはその代表で、アルコール度数は45%に達する。

ブランド[編集]

眞露(ジンロ)は2007年に7,200万ケースを売った[3]韓国最大のソジュ製造業者であり[4]、その中でも現在のところチャミスル(참 이슬)という竹炭で複数回ろ過していることを売りにする製品に人気がある。眞露は1968年南ベトナムに進出して以降、80カ国以上へ輸出を行い、特に日本などで人気を誇る。チャミスルを追撃しているのがロッテ傘下のトゥサン(斗山)が製造するチョウムチョロム(처음처럼)で、順調にシェアを伸ばしている[5]

しかし、ソジュは地域ごとに地元ブランドが愛飲されるという特徴もある[6]釜山ではデソン酒造のシウォンソジュ(C1ソジュ、시원 소주)に人気がある。慶尚南道および蔚山市では馬山市の舞鶴(ムハク)が製造しているホワイトソジュ(화이트소주)の人気が高く、済州道ではハルラサンソジュ(漢拏山ソジュ)の人気が高い。また、キョンウォル(鏡月)やチョウムチョロムを造ってきた斗山も、もとは江原道に強いメーカーである。

消費[編集]

韓国料理とソジュ

ビールウィスキーワインなどの消費が韓国では高まっているが、ソジュは手に入れやすさと安さから現在も韓国で最もポピュラーな酒類である。2004年には韓国国内で30億本以上が消費され[7]2006年には韓国の20歳以上の成人は一人平均90本のソジュを1年間に消費するという調査結果が出た[8]

伝統的にはソジュはそのままストレートで飲むものだが、ソジュの入ったグラスをビールの入った大きなジョッキへ落とす「爆弾酒」、逆にソジュの中にビールの入ったグラスを落とす「水素爆弾酒」など酔いが一気に回る飲み方もなされる。

脚注[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ Moving Beyond the Green Blur: a History of Soju”. 2008年1月19日閲覧。
  2. ^ History of Soju” (Korean). Doosan Encyclopeida. 2009年6月21日閲覧。
  3. ^ http://www.businessweek.com/globalbiz/blog/eyeonasia/archives/2008/08/heres_quick_qui.html
  4. ^ http://www.trifood.com/soju.html
  5. ^ 斗山はもとはソジュやOBビールなど食品を中核とした財閥だったが重工業へとシフトし、酒類事業は切り離されロッテに売却された。
  6. ^ 韓国の焼酎(ソジュ)、ソウル代表は真露のチャミスル!-韓国料理豆知識
  7. ^ Cigarette Sales Surge to Historic High”. Chosun Ilbo. 2005年6月29日閲覧。
  8. ^ Let's Have a Soju Tonight”. KBS World. 2008年1月1日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]