葛西敬之
かさい よしゆき 葛西 敬之 | |
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生誕 |
1940年10月20日(83歳) 新潟県 |
出身校 | 東京大学 |
職業 | 東海旅客鉄道代表取締役名誉会長 |
葛西 敬之(かさい よしゆき、1940年10月20日[1] - )は、日本の実業家、東海旅客鉄道(JR東海)代表取締役名誉会長[2]。
人物
松田昌士、井手正敬とともに「国鉄改革3人組」と呼ばれ[要出典]、日本国有鉄道の分割民営化を推進した。また、親米保守の立場から新聞コラムの執筆も手がけた。
JR発足当初から、政治家に対しても容赦しないほどの強いリーダーシップを発揮して、現在に至るまでのJR東海の経営スタイルを築いた。
2014年、JR東海の代表取締役会長から、異例ともいえる[3]代表権のある名誉会長へ異動。代表権のある会長・社長とともに、トロイカ体制と報じられた[4][5]。
来歴
兵庫県生まれ[新聞 1]、東京都出身[6]。東京都立西高等学校卒業[新聞 2]。
- 1963年(昭和38年):東京大学法学部卒業[6]。国鉄に入社[6]。
- アメリカ・ウィスコンシン大学マディソン校大学院留学[6][7]、1969年(昭和44年)卒業[新聞 3](経済学修士号取得[7])。
- 1977年(昭和52年):国鉄静岡鉄道管理局総務部長に就任[要出典]。
- 1979年(昭和54年):国鉄仙台鉄道管理局総務部長に就任[要出典]。
- 1981年(昭和56年):国鉄経営計画室計画主幹に就任[要出典]。
- 1983年(昭和58年):国鉄職員局職員課長に就任[要出典]。
- 1986年(昭和61年):国鉄職員局次長に就任[要出典]。
- 1987年(昭和62年):国鉄分割民営化により発足したJR東海の取締役総合企画本部長に就任[1]。
- 1988年(昭和63年):JR東海常務取締役総合企画本部長に就任[1]。
- 1990年(平成2年):JR東海代表取締役副社長に就任[1]。
- 1995年(平成7年):JR東海代表取締役社長に就任[1]。
- 2000年(平成12年)9月11日 - 9月12日:東海豪雨により、東海道新幹線が最大22時間21分遅れで終着駅に到着するという遅延を起こした。数日後の社長定例会見で、「あれは未曾有の大災害が原因で、正常で適切な運行だった」と発言したが、この発言に批判が集まり、後の会見では「多くの乗客にご迷惑をおかけしました」と陳謝した[要出典]。
- 2004年(平成16年):JR東海代表取締役会長に就任[1]。
- 2006年(平成18年)
- 2011年(平成23年)
- 5月[要出典]:政府の東京電力に関する経営・財務調査委員会委員に就任。
- 9月[要出典]:原子力損害賠償支援機構運営委員会委員に就任。
- 2012年(平成24年)7月[要出典]:内閣府宇宙政策委員会委員長に就任。
- 2013年(平成25年)12月:正論大賞受賞[8]。
- 2014年(平成26年)4月:JR東海代表取締役名誉会長に就任[1]。旭日大綬章を受章[9]。
その他、東京大学、皇学館大学、名城大学などの客員教授や特別招聘教授を務め、産経新聞「正論」欄[7]、読売新聞にコラムを連載するなどさまざまな分野で活動中。財界を代表する「親米保守」の論客である。JR東海、トヨタ自動車、中部電力の共同出資による全寮制男子校海陽学園の副理事長も務めている。
人物・エピソード
- 自著によると、国鉄へ入社した動機は、落とした学生証を荻窪駅に受け取りに行った際、同駅の助役から「東大出身なら国鉄での出世が早い」と勧められたことによる。国鉄に入社して1年後、「この職場に一生をかけて良いのか」と悩み、恩師の岡義武教授に弟子入りを申し出るが、岡に「君には一生遊んで暮らせる財産がありますか」「君は語学が得意ですか」と質問され、「よく考えてどうしても会社を辞めて戻りたかったらもう一度来なさい。その時は相談に乗るから」と言われたという[10]。
- 葛西が社長を務めた時期のJR東海は、航空路線との競争力を高める目的で、東海道新幹線に品川駅を2003年に開業したほか、「のぞみ」を大幅に増発させ、自由席を設定するなどして「のぞみ」中心のダイヤを構築するなど、現行の新幹線ダイヤの骨格を形成した。また、専用クレジットカードを用いて予約の平易化を図った会員制新幹線インターネット座席予約システム「エクスプレス予約」も開始された[要出典]。
国家公安委員として
- 2010年9月の国家公安委員会の会議において、「極端な『民族主義・排外主義的主張』に基づき、『外国人参政権反対』などと訴える市民運動が各地で展開され、反対勢力とのトラブル事案もみられることから、各都道府県警察で諸対策を実施している」旨が報告された。葛西はこの種の運動について、「こうしたグループは『国家』の意義・役割を軽視するマスコミに国民の知る権利が抑圧されてきた中で、インターネットを利用して『声なき声』を取り上げた象徴的なものだ」、「暴力的でもなければ『極端な民族主義・排外主義』でもない」との見解を示した。左翼運動については、「左翼についても、これまでのそれぞれのセクトというような形ではなくて、散発的にゲリラ的な者がインターネットを通じて活動するような世の中になる恐れがあり、既にテロリストの組織がそういうふうになっている傾向がある。その意味で、日本は今いろいろな意味で転換期にあると思う」と述べた[11]。
著書
- 『人生に座標軸を持て-自分の価値は自分で決める』(1999年4月30日 ウェッジ)ISBN 4900594296
- 『未完の「国鉄改革」-巨大組織の崩壊と再生』(2001年2月8日 東洋経済新報社)ISBN 4492061223
- 『国鉄改革の真実 - 「宮廷革命」と「啓蒙運動」』(2007年7月1日 中央公論新社)ISBN 4120038491
- 『明日のリーダーのために』(2010年4月20日 文春新書)ISBN 4166607480
脚注
- ^ a b c d e f g 東海旅客鉄道株式会社第28期有価証券報告書p.42
- ^ 代表取締役および役員の異動について (PDF) 東海旅客鉄道株式会社 平成24年5月15日
- ^ “「代表取締役名誉会長」は何する人ぞ?”. 東洋経済新報社 (2013年12月26日). 2016年1月7日閲覧。
- ^ “JR東海社長に柘植副社長 葛西氏は名誉会長に”. 日本経済新聞. (2013年12月16日) 2016年1月7日閲覧。
- ^ “代表権3人、トロイカ体制 JR東海、リニア・海外展開にらむ”. 産経新聞. (2013年12月17日) 2016年1月7日閲覧。
- ^ a b c d 「【時代のリーダー】葛西敬之・JR東海副社長」『日経ビジネス』2009年3月10日
- ^ a b c “【第29回 正論大賞】 (1) ≪大賞≫JR東海会長・葛西敬之氏 (3/3)”. 産経ニュース (産経新聞). (2013年12月10日) 2015年10月5日閲覧。
- ^ “正論大賞 葛西敬之氏 新風賞に吉崎達彦氏”. 産経WEST (産経新聞). (2013年12月9日) 2015年10月5日閲覧。
- ^ “春の叙勲4104人 旭日大綬章に葛西氏ら”. 日本経済新聞. (2014年4月29日) 2015年10月5日閲覧。
- ^ 葛西敬之『明日のリーダーのために』文藝春秋〈文春新書〉、2010年4月、58-59頁。ISBN 978-4166607488。
- ^ “国家公安委員会定例会議(平成22年9月2日)”. 国家公安委員会. 2014年8月16日閲覧。
新聞記事
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