臥牙丸勝

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臥牙丸勝
土俵入り中の臥牙丸
基礎情報
四股名 臥牙丸 勝
本名 ジュゲリ・ティムラズ
თეიმურაზ ჯუღელ
愛称 ガガ
生年月日 (1987-02-23) 1987年2月23日(37歳)
出身 グルジアトビリシ
身長 185cm
体重 209kg
所属部屋 木瀬北の湖→木瀬
得意技 押し
成績
現在の番付 西前頭2枚目
最高位 東小結
生涯戦歴 216勝170敗(39場所)
幕内戦歴 78勝87敗(11場所)
優勝 十両優勝1回
幕下優勝1回
序ノ口優勝1回
敢闘賞2回
データ
初土俵 2005年11月場所
入幕 2010年7月場所
趣味 DVD観賞
備考
2012年5月21日現在

臥牙丸 勝(ががまる まさる、1987年2月23日 - 、本名「ジュゲリ・ティムラズ」 、グルジア語თეიმურაზ ჯუღელიラテン文字転写Teimuraz Jugheli)は、グルジア共和国の首都トビリシ市出身で、木瀬部屋(閉鎖処分中は北の湖部屋)所属の現役大相撲力士。愛称は「ガガ」。趣味はDVD観賞。身長185cm、体重210kg、血液型はO型。得意技は、押し。最高位は東小結(2012年3月場所)。

来歴

バルセロナオリンピック1992年柔道95kg超級金メダリストダヴィド・ハハレイシヴィリの弟子。相撲でも2005年7月の世界ジュニア相撲選手権大会で無差別級3位という成績を挙げている。

その後、木瀬部屋に入門して2005年11月場所に初土俵を踏む。本人の「ガガ」というニックネームに師匠の木瀬親方(元前頭・肥後ノ海)が好む「臥」「牙」の字を当てて「臥牙丸」という四股名が付いた。翌2006年1月場所に7戦全勝で序ノ口優勝。翌3月場所は序二段を6勝1敗の好成績で1場所で通過、翌5月場所には三段目に昇進、三段目で3場所連続して勝ち越しを果たし、同年11月場所において幕下に昇進した。

幕下昇進直後の場所でこそ6勝1敗だったものの、その後2007年に入ってからは幕下中位から下位に留まり、同年11月場所では一旦三段目に番付を下げた。その場所では6勝1敗の好成績を挙げて1場所で幕下に復帰したが、2008年に入っても幕下中位から下位に留まっていた。しかし、同年11月場所と続く2009年1月場所で連続して6勝1敗の好成績を収め、一気に自己最高位の東幕下3枚目まで番付を上げた。東幕下10枚目で迎えた同年9月場所では7戦全勝で優勝決定戦へ進出し、同じく7戦全勝だった魁聖を優勝決定戦で破り初の幕下優勝を果たした。幕下上位15枚目以内での7戦全勝優勝ということで内規により翌11月場所において新十両へ昇進した。

新十両の2009年11月場所は8勝7敗と勝ち越しを決め、翌2010年1月場所は東十両13枚目で12勝3敗の成績を挙げて十両優勝を果たした。続く3月場所は東十両3枚目で8勝7敗、2010年5月場所では西十両筆頭の位置で10勝5敗の好成績を収め、翌7月場所において新入幕を果たした。その場所は5勝10敗と大敗したが、翌9月場所では10勝5敗の好成績を収めた。

2011年の大相撲八百長問題では、特別認定調査委員会の調査において八百長に関与した力士として名前が挙がったものの[1]、その後八百長に関与していないと認められた[2]

2011年9月場所は初日に敗れたものの2日目から10連勝して一時は優勝争いに加わった。その後は3連敗して優勝は逃したが、11日目には初対戦で大関の把瑠都を破り、最終的には11勝4敗の好成績を挙げて、初の三賞となる敢闘賞を受賞した。翌11月場所では自身初の幕内上位となる西前頭3枚目の位置まで番付を上げるも2勝13敗と大敗したが、翌2012年1月場所では西前頭10枚目の位置で12勝3敗の好成績を挙げて2回目の敢闘賞を受賞した。翌3月場所で新三役となる自己最高位の東小結へ昇進したが、199kgに留めていた体重が210kgにまで増加し、ばったりと前に倒れる相撲が多くなってしまった。終盤戦で巻き返したものの結果的には6勝9敗の負け越しに終わった。3月場所後に木瀬部屋が再興されたため、それに伴って本人は北の湖部屋から木瀬部屋へと再び転籍したが、本人は北の湖部屋で過ごした間に兄弟子らに親切にしてもらったため複雑な心境であったと語っている。木瀬部屋に戻って初めて迎えた5月場所は西前頭2枚目で5勝10敗だった。

取り口

200キロ超の巨体を生かした突き押しが最大の武器。立ち合いの出足が鋭く一気に相手を持っていくこともある。

エピソード

  • ラーメンが大好き。その中でも師匠である木瀬親方の出身地である、熊本県熊本ラーメンが大好きと本人は語っている。
  • アイスクリームも大好きであり、三段目や幕下の頃は1日に2~3kg食べていた。その頃は体重が140kg前後だったが、アイスクリームを大量に食べだしてから太りだした。本人は「昔はアイスを2~3kg? ああ、食べてましたね。今でもアイスは食べますよ。大好きなんです。一番好きな商品? 『ピノ』ですね」とのこと。現在は『ピノ』を1日5.6箱食べる程度に減らしている[3]
  • 2006年10月に警察官だった父親を交通事故で失い、ワイン用のぶどう園を営む母親もその時の後遺症により現在も毎週3日ほど通院している。将来的には母を日本の病院に入れたいと語っている。
  • 2009年5月末に、緊迫する対ロシア情勢の中、徴兵検査を受け、1ヶ月ほどの軍事訓練を受けるために帰国、7月に再入国した(栃ノ心黒海も同様)[4]
  • 四股名は「ガガ」という自身の幼少時からのニックネームから付けられたものだが、レディー・ガガが有名になって以降、本人は「(レディー・)ガガから臥牙丸って付けたって言われる」と困惑している。ただ、本人はレディー・ガガの曲は好きだという。
2010年9月
  • 2011年1月14日、墨田区内のインド料理店で食事中の際に黒海と口論になり、店の厨房と客席を仕切るガラス扉を割った上に天井に穴を開けていた[5]ことが判明し[6]、その際、店長からの警察への通報により器物破損罪容疑で警視庁本所警察署から事情聴取を受けたということが同年1月24日に明らかになった[7]。黒海は「親類を亡くして落ち込んでいた臥牙丸を励ましていたが、立ち上がった際にガラスが手に当たった」と説明している[8]。黒海の師匠である追手風親方は騒動から5日経過した1月19日に放駒理事長に事件について報告し、同年1月24日に黒海・臥牙丸の両者と監督責任として追手風親方が放駒理事長から厳重注意を受けた[8]。放駒理事長は「喧嘩したとは聞いていない。ただ、(本場所中の)そんな時間まで顔が合う(取組が組まれる)力士(同士)が飲んでいたのは問題だ」と本場所中の騒動であったことを問題視し、放駒理事長は同年2月1日に開かれた力士会において両者に対して注意を行った[8]。店側とは既に示談が成立している。

略歴

  • 2005年11月場所 - 初土俵
  • 2006年1月場所 - 序ノ口(7戦全勝優勝)
  • 2006年3月場所 - 序二段
  • 2006年5月場所 - 三段目
  • 2006年11月場所 - 幕下
  • 2009年9月場所 - 幕下優勝(7戦全勝)
  • 2009年11月場所 - 十両
  • 2010年1月場所 - 十両優勝(12勝3敗)
  • 2010年7月場所 - 新入幕
  • 2011年9月場所 - 敢闘賞(初、11勝4敗)
  • 2012年1月場所 - 敢闘賞(2度目、12勝3敗)
  • 2012年3月場所 - 新三役

主な成績

2012年5月場所終了現在

通算成績

  • 通算成績:216勝170敗(39場所)
  • 十両成績:38勝22敗(4場所)
  • 幕内成績:78勝87敗(11場所)

各段優勝

  • 十両優勝:1回(2010年1月場所)
  • 幕下優勝:1回(2009年9月場所)
  • 序ノ口優勝:1回(2006年1月場所)

三賞

  • 敢闘賞:2回(2011年9月場所、2012年1月場所)

場所別成績

 

                                               
臥牙丸 勝
一月場所
初場所(東京
三月場所
春場所(大阪
五月場所
夏場所(東京)
七月場所
名古屋場所(愛知
九月場所
秋場所(東京)
十一月場所
九州場所(福岡
2005年
(平成17年)
x x x x x (前相撲)
2006年
(平成18年)
西序ノ口34枚目
優勝
7–0
東序二段28枚目
6–1 
西三段目64枚目
4–3 
西三段目45枚目
5–2 
西三段目16枚目
5–2 
西幕下55枚目
6–1 
2007年
(平成19年)
西幕下24枚目
3–4 
東幕下35枚目
3–4 
西幕下46枚目
4–3 
東幕下39枚目
3–4 
東幕下48枚目
2–5 
西三段目12枚目
6–1 
2008年
(平成20年)
西幕下35枚目
4–3 
西幕下27枚目
3–4 
東幕下35枚目
2–5 
西幕下54枚目
4–3 
西幕下43枚目
4–3 
西幕下32枚目
6–1 
2009年
(平成21年)
東幕下13枚目
6–1 
東幕下3枚目
3–4 
西幕下6枚目
4–3 
西幕下5枚目
3–4 
東幕下10枚目
優勝
7–0
東十両14枚目
8–7 
2010年
(平成22年)
東十両13枚目
優勝
12–3
東十両3枚目
8–7 
西十両筆頭
10–5 
東前頭12枚目
5–10 
東前頭15枚目
10–5 
東前頭10枚目
9–6 
2011年
(平成23年)
西前頭6枚目
5–10 
八百長問題
により中止
東前頭14枚目
8–7 
西前頭7枚目
5–10 
西前頭11枚目
11–4
西前頭3枚目
2–13 
2012年
(平成24年)
西前頭10枚目
12–3
東小結
6–9 
東前頭2枚目
5–10 
x x x
各欄の数字は、「勝ち-負け-休場」を示す。    優勝 引退 休場 十両 幕下
三賞=敢闘賞、=殊勲賞、=技能賞     その他:=金星
番付階級幕内 - 十両 - 幕下 - 三段目 - 序二段 - 序ノ口
幕内序列横綱 - 大関 - 関脇 - 小結 - 前頭(「#数字」は各位内の序列)

改名歴

  • 臥牙丸 太郎(ががまる たろう)2005年11月場所 - 2008年5月場所
  • 臥牙丸 勝(- まさる)2008年7月場所 -

脚注

  1. ^ 八百長問題:30人超関与の可能性 1日最終報告難しく 毎日jp 2011年4月1日
  2. ^ 蒼国来と星風は継続して調査 臥牙丸はシロ 2011年4月2日
  3. ^ 臥牙丸「アイス1日3キロ」どか食い 東スポWeb 2011年09月25日
  4. ^ グルジア3力士が兵役…ぶっつけで本場所 日刊スポーツ 2009年7月1日閲覧
  5. ^ 東京・墨田区のインド料理店で外国人力士2人がけんか 店の備品破損 FNNニュース 2011年1月24日
  6. ^ 器物損壊:黒海関と臥牙丸関、酔ってけんか 店の備品壊す毎日jp(毎日新聞) 2011年1月24日
  7. ^ 初場所中に黒海関と臥牙丸関が大げんか 飲食店で口論、ガラス破壊MSN産経ニュース 2011年1月24日閲覧
  8. ^ a b c 黒海と臥牙丸を厳重注意=場所中の騒ぎ問題視-相撲協会 時事ドットコム 2011年1月24日

関連項目