朝紅龍琢馬

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朝紅龍 琢馬
基礎情報
四股名 石崎→朝紅龍
本名 石崎 拓馬
愛称 タクマ、コーリュー
生年月日 (1998-09-24) 1998年9月24日(25歳)
出身 日本の旗 日本大阪府四條畷市
身長 177.0cm
体重 123.3kg
BMI 39.4
所属部屋 高砂部屋
成績
現在の番付 東十両8枚目
最高位十両8枚目
生涯戦歴 94勝61敗3休(18場所)
優勝 三段目優勝1回
データ
初土俵 2021年5月場所
趣味 筋トレ
備考
2024年3月24日現在

朝紅龍 琢馬(あさこうりゅう たくま、1998年9月24日 - )は、大阪府四條畷市出身で、高砂部屋所属の現役大相撲力士。本名は石崎 拓馬(いしざき たくま)。身長177.0cm、体重123.3kg、血液型はA型[1]。最高位は東十両8枚目(2024年3月場所)。

来歴[編集]

四條畷市立くすのき小学校3年次に初心者による相撲大会に出場したが初戦敗退し、これに激怒した母親に「スイッチが入った」ことにより[2]、地元の四条畷相撲連盟で相撲を始めることになった[1]。幼少期は相撲以外にレスリングや空手の指導も受けた[2]

幼少期に母の課した稽古は非常に厳しく、腕立て伏せは毎日1300回やらされ、サンドバッグまで買って当たりの稽古を行い、動きが悪いと姉にステッキで殴られた。ある時父は余りのスパルタ指導を見かねて怒り出して止めに入ったが、気付けば父と石崎は一緒になって怒られていた[3]

中学校からは明徳義塾中学校・高等学校へ進学し、中学3年次に全国都道府県中学生相撲選手権大会団体優勝・全国中学校相撲選手権大会個人3位、高校2年次に国民体育大会相撲競技少年の部個人3位などの実績を残した[1]。高校卒業後は日本体育大学スポーツ文化学部武道教育学科に進学し、1年次に東日本学生相撲選手権大会115kg未満級で優勝、2年次に全日本選手権ベスト16、相撲部主将を務めた4年次に学生選手権3位などの実績を残した[1]

大学卒業後は、明徳義塾高校OBの8代高砂(元関脇・朝赤龍)が師匠を務めている縁で高砂部屋に入門した[4]。相撲部の主将を務めていた関係で卒業式への出席を優先したため、初土俵は卒業後の2021年5月場所で踏んだ[2]。学生選手権3位の実績から三段目最下位(100枚目)格付出での初土俵となり、この場所は7戦全勝で三段目付出の力士としては史上3人目となる三段目優勝を果たした[5]幕下に昇進した翌7月場所も6連勝スタートとしたが、7番相撲で北青鵬に敗れて幕下優勝を逃し、初土俵以来の連勝が13でストップした[6]

2023年7月場所は東幕下5枚目まで番付を上げ5勝2敗と勝ち越し、「新十両昇進確実」と報じられ[7]、場所後の番付編成会議で、9月場所の新十両昇進が正式に発表された。新十両を機に、四股名を「朝紅龍」に改名した。四股名の「朝紅」の2文字は両親が朝焼けをイメージし「人生、どんな困難でも乗り越えられる」との意味が込められたという[8]。このとき大の里高橋(後の白熊)が同時に十両昇進したが、同じ場所で同一大学から3人新十両が誕生するのは大相撲史上初となった[9]。9月場所直前には「10勝以上します!」と力強く宣言していた[10]が、7勝8敗でこの場所で新十両を果たした4人のうち、唯一の負け越しとなった。2024年3月場所は前半絶好調で、中日の白熊戦での不戦勝も手伝って中日勝ち越しを決め、同時点で十両優勝争いの単独トップに立っていた[11]

エピソード[編集]

  • 2023年9月場所前は鍛え上げられた筋肉が話題となった[10]
  • 十両昇進を機に深緑の締め込みを使うようになった。締め込みの色に緑を選んだ理由について記者から問われると「カメが好きなので」と意表を突く回答[10]
  • 2023年9月8日、世田谷区の母校・日体大で行われた化粧廻し贈呈式に高橋、大の里と共に参加。大の里に対して後輩いじりをする「場外戦」を行ったが、大の里も終始笑顔で、仲の良さをうかがわせた。2人に挟まれる格好だった高橋は大学時代はよく生チョコを作っていたエピソードなどを披露。癒やし系キャラクターと女子力の高さに朝紅龍は焼きもち状態。マイペースな高橋には駆け引きが通用しなかったが、大の里に対してと同様に仲の良さをうかがわせた[12]
  • 2歳下の弟・涼馬は朝紅龍と同じく明徳義塾から日体大に進み、2023年より滋賀県長浜市で教員を勤める。日体大4年時に全日本相撲選手権で3位入賞、教員となってからは全国教職員相撲選手権個人戦優勝、国体滋賀県代表など、アマチュア相撲界の強豪として知られる[13]
  • ビスケット・オリバに「まさに男の中の男」と惚れ込んでおり、ビスケット・オリバのフィギュアを常に欠かさず持ち歩き、場所入り前には「行ってきます」とフィギュアに向かってあいさつを交わす自己流の験かつぎを行う。部屋では英語で「BAKI」と書かれたTシャツを着るほどの熱中ぶりで、周りから「『BAKI』じゃなくて、『BAKA』と書いてない?」とイジられても、笑って返す余裕ぶり[14]

主な成績[編集]

2024年3月場所終了現在

通算成績[編集]

  • 通算成績:94勝61敗3休(18場所)

各段優勝[編集]

  • 三段目優勝:1回(2021年5月場所)

場所別成績[編集]

朝紅龍 琢馬
一月場所
初場所(東京
三月場所
春場所(大阪
五月場所
夏場所(東京)
七月場所
名古屋場所(愛知
九月場所
秋場所(東京)
十一月場所
九州場所(福岡
2021年
(令和3年)
x x 三段目付出100枚目
優勝
7–0 
西幕下56枚目
6–1 
東幕下25枚目
5–2 
西幕下15枚目
3–4 
2022年
(令和4年)
東幕下23枚目
1–3–3 
東幕下51枚目
4–3 
東幕下40枚目
5–2 
東幕下26枚目
5–2 
西幕下16枚目
5–2 
東幕下8枚目
5–2 
2023年
(令和5年)
西幕下筆頭
2–5 
西幕下7枚目
3–4 
東幕下11枚目
5–2 
東幕下5枚目
5–2 
西十両13枚目
7–8 
西十両13枚目
9–6 
2024年
(令和6年)
東十両9枚目
8–7 
東十両8枚目
9–6 
x x x x
各欄の数字は、「勝ち-負け-休場」を示す。    優勝 引退 休場 十両 幕下
三賞=敢闘賞、=殊勲賞、=技能賞     その他:=金星
番付階級幕内 - 十両 - 幕下 - 三段目 - 序二段 - 序ノ口
幕内序列横綱 - 大関 - 関脇 - 小結 - 前頭(「#数字」は各位内の序列)

改名歴[編集]

  • 石崎 拓馬(いしざき たくま)2021年5月場所 - 2023年7月場所
  • 朝紅龍 琢馬(あさこうりゅう たくま)2023年9月場所 -

脚注[編集]

注釈[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b c d 「夏場所全新弟子名鑑」『相撲』2021年6月号、ベースボール・マガジン社、92頁。 
  2. ^ a b c 「十両以下各段優勝力士喜び詳報」『相撲』2021年6月号、ベースボール・マガジン社、69頁。 
  3. ^ 朝紅龍 負けず嫌いの母からスパルタ教育「毎日腕立て1300回やらされて、サンドバックも買って…」 Sponichi Annex 2024年2月17日 19:32 (2024年2月18日閲覧)
  4. ^ 日体大・石崎拓馬が高砂部屋入門「相撲うまい」親方」『日刊スポーツ』、2021年2月11日。2021年9月3日閲覧。
  5. ^ 「三段目付け出しで石崎がデビュー」『相撲』2021年6月号、ベースボール・マガジン社、98頁。 
  6. ^ 「相撲部屋聞き書き帖」『相撲』2021年8月号、ベースボール・マガジン社、84頁。 
  7. ^ 膜下5枚目の石崎が新十両昇進確実に 2連敗から5連勝「初めて自分を褒めたい」“名言”で喜び表現 Sponichi Annex 2023年7月21日 23:47 (2023年7月23日閲覧)
  8. ^ 朝紅龍「自分を信じた」 2年余りで関取の座」『サンスポ』、2023年7月26日。2023年7月26日閲覧。
  9. ^ 【秋場所新番付 】朝乃山は返り三役射程圏!史上初日体大から同時3人関取/平幕以下関取編 日刊スポーツ 2023年8月28日6時1分 (2023年8月29日閲覧)
  10. ^ a b c 新十両の朝紅龍「10勝以上します!」 アピールポイントはムキムキの筋肉 日刊スポーツ 2023年9月8日13時51分 (2023年9月9日閲覧)
  11. ^ 十両・朝紅龍が不戦勝でストレート勝ち越し「運もある。それをどう生かせるか」と後半戦へ決意 日刊スポーツ 2024年3月17日17時22分 (2024年3月18日閲覧)
  12. ^ 新十両の朝紅龍、高橋、大の里、日体大から化粧まわし 初日対戦の朝紅龍と大の里は場外戦 !? 日刊スポーツ 2023年9月8日18時47分 (2023年9月9日閲覧)
  13. ^ 身上は押し相撲、滋賀で飛躍期す 長浜の教員、兄は十両朝紅龍関京都新聞2023年11月1日付
  14. ^ 男の中の男を目指す25歳・十両朝紅龍の験担ぎは大好きな人形へのあいさつ「勇気をもらえる」 日刊スポーツ 2024年3月12日10時0分 (2024年3月12日閲覧)

関連項目[編集]

外部リンク[編集]