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渋沢・クローデル賞 (しぶさわ・クローデルしょう)は、日本およびフランス における学術賞 。
概要
1984年、創立60周年を迎えた日仏会館 が、創立者である渋沢栄一 とポール・クローデル とを記念して設けた。2007年度まで毎日新聞社 共催、2008年度より読売新聞社 共催。日仏両国において、それぞれ相手国の文化に関する優れた研究成果(著作や翻訳書)に対して贈られる。受賞者には日本・フランス間往復航空券と、相手国での1か月間の滞在費が贈呈される。日本側では第3回から、ルイ・ヴィトン ジャパン社の名を冠したLVJ特別賞も加わり、原則として年2件顕彰される。
受賞一覧
賞名、受賞者、受賞作の順。
第1回(1984年)
第2回(1985年)
本賞 篠田勝英 ジョルジュ・デュビー(Georges Duby )著『中世の結婚 騎士・女性・司祭』翻訳 (新評論 、1984 )
フランス側 ドミニク・テュルク 『ラニマル・ストラテジック 日本企業におけるあいまいな構造』
第3回(1986年)
第4回 (1987年)
第5回(1988年)
本賞 坪井善明 L'Empire vietnamien : face à la France et à la Chine, 1847-1885 , Harmattan, 1987
LVJ特別賞 木村三郎 リュック・ド・ナントゥイユ著『David』翻訳 (美術出版社 、1987)
フランス側 ジャン=ノエル・ロベール 『九世紀初期における日本の天台宗 の教義』
第6回(1989年)
本賞 吉岡知哉 『ジャン=ジャック・ルソー 論』(東京大学出版会 、1988)
LVJ特別賞 中地義和 Combat spirituel ou immense dérision? : essai d'analyse textuelle d'Une saison en enfer , J. Corti, 1987
フランス側 ジャック・クラヴロー 『日本 天皇の世紀』
第7回(1990年)
第8回(1991年)
第9回(1992年)
第10回 (1993年)
本賞 松澤和宏 Introduction à l'étude critique et génétique des manuscrits de L'Education sentimentale de Gustave Flaubert : l'amour, l'argent, la parole (フランス図書、1992)
LVJ特別賞 栗田啓子 『エンジニア・エコノミスト フランス公共経済学の成立』 (東京大学出版会、1992)
第10回記念特別賞 月村辰雄 『恋の文学誌 フランス文学の原風景をもとめて』 (筑摩書房、1992)
フランス側 マルグリット大矢 『江戸時代の漢詩』
第11回(1994年)
本賞 西野嘉章 『十五世紀プロヴァンス絵画研究 祭壇画の図像プログラムをめぐる一試論』 (岩波書店、1994)
LVJ特別賞 今橋映子 『異都憧憬 日本人のパリ』 (柏書房 、1993)
藤田亀太郎特別賞 森村敏己 『名誉と快楽 エルヴェシウス の功利主義』 (法政大学出版局 、1993)
フランス側 クリスチャン・セギ 『明治期における日本新聞史』
第12回(1995年)
第13回(1996年)
本賞 大村敦志 『法源・解釈・民法学 フランス民法総論研究』 (有斐閣、1995)
LVJ特別賞 山下雅之 『コント とデュルケーム のあいだ 1870年代のフランス社会学』 (木鐸社 、1996)、松浦寿輝 『平面論 1880年代西欧』 (岩波書店、1994)
フランス側 ジョルジュ・ゴトリーブ 『日本の小説の一世紀』
特別賞 エマニュエル・ロズラン 『1912年から1921年の森鴎外 ・林太郎』
第14回 (1997年)
第15回(1998年)
第16回(1999年)
第17回(2000年)
本賞 矢後和彦 『フランスにおける公的金融と大衆貯蓄 預金供託金庫と貯蓄金庫 1816-1944』 (東京大学出版会、1999)
LVJ特別賞 塚本昌則 ラファエル・コンフィアン(Raphaël Confiant )著 『コーヒーの水』翻訳 (紀伊國屋書店 、1999)
現代フランス・エッセー賞特別賞 西川長夫 『フランスの解体? もうひとつの国民国家 論』 (人文書院、1999)
現代フランス・エッセー賞特別賞 鈴木裕之 『ストリートの歌 現代アフリカの若者文化』 (世界思想社 、2003)
フランス側 クレール・ドダヌ 『与謝野晶子 情熱の歌人・日本女性解放運動の先駆』(博士論文)
第18回(2001年)
本賞 秋吉良人 『サド における言葉と物』 (風間書房、2001)
LVJ特別賞 高階絵里加 『異界の海 芳翠 ・清輝 ・天心 における西洋』 (三好企画、2000)
現代フランス・エッセー賞特別賞 大谷悟 『みちくさ生物哲学 フランスからよせる「こころ」のイデア論』 (海鳴社、2000)
フランス側 エリザベト・ドゥ・トゥシェ 『横須賀海軍工廠の創立1865‐1882 フランスから日本への技術移転』(博士論文)
第19回(2002年)
本賞 中山洋平 『戦後フランス政治の実験 第四共和制 と「組織政党 」 1944-1952』 (東京大学出版会、2002)
LVJ特別賞 亀井克之 『新版 フランス企業の経営戦略とリスクマネジメント』 (法律文化社 、2001)
現代フランス・エッセー賞特別賞 コリン・コバヤシ 『ゲランド の塩物語 未来の生態系のために』 (岩波書店、2001)
フランス側 ミカエル・リュケン 『20世紀の日本美術』(南明日香訳、三好企画、2007)
第20回(2003年)
本賞 山口裕之 『コンディヤック の思想 哲学と科学のはざまで』 (勁草書房、2002)
LVJ特別賞 長谷川秀樹 『コルシカ の形成と変容 共和主義 フランスから多元主義 ヨーロッパへ』 (三元社 、2002)
フランス側 ポール・ジョバン 『労働組合の新しいスピリット 戦後日本における「産業病」を巡る闘争と認知』(博士論文)
第21回(2004年)
本賞 木村琢麿 『財政法理論の展開とその環境 モーリス・オーリウの公法総論研究 』 (有斐閣、2004)
LVJ特別賞 桑瀬章二郎 Les confessions de Jean-Jacques Rousseau en France (1770-1794) : les aménagements et les censures, les usages, les appropriations de l'ouvrage , Honoré Champion, 2003
フランス側 ファビエンヌ・デュテイユ・オガタ 『東京の下町 における日常生活の中の宗教』 (博士論文)
特別賞 ミッシェル・ビエイヤール・バロン(Michel Vieillard-Baron) 『作庭記 』翻訳 "De la création des jardins : traduction du Sakutei-ki", Tokyo : Maison franco-japonaise, 2003
第22回 (2005年)
本賞 竹中幸史 『フランス革命と結社』 (昭和堂 、2005)
LVJ特別賞 宇野重規 『政治哲学へ 現代フランスとの対話』 (東京大学出版会、2004)
フランス側 エマニュエル・ロズラン 『文学と国柄 19世紀における日本文学史の誕生』
第23回(2006年)
本賞 寺戸淳子 『ルルド 傷病者巡礼の世界』 (知泉書館 、2006)
LVJ特別賞 鳥海基樹 『オーダー・メイドの街づくり パリの保全的刷新型「界隈プラン」』 (学芸出版社、2004)
フランス側 アルノー・ナンタ 『日本列島の住民の起源に関する人類学的・考古学的考察 1870‐1990』(博士論文)
第24回(2007年)
本賞 原大地 Lautréamont , vers l'autre : étude sur la création et la communication littéraires , L'Harmattan, 2006
LVJ特別賞 河本真理 『切断の時代 20世紀におけるコラージュ の美学と歴史』 (ブリュッケ、2007年)
フランス側 ミッシェル・ダリシエ 『西田幾多郎 統一の哲学』(博士論文)
第25回(2008年)
本賞 川嶋周一 『独仏関係と戦後ヨーロッパ国際秩序 ドゴール 外交とヨーロッパの構築 1959-1963』(創文社 、2007)
LVJ特別賞 高村学人 『アソシアシオンへの自由 「共和国」の論理』(勁草書房、2007)
フランス側 ギブール・ドラモット 『日本の防衛政策の決定要因と政治ゲーム』(博士論文)
第26回(2009年)
本賞 藤原貞朗 『オリエンタリストの憂鬱 植民地主義時代のフランス東洋学者とアンコール遺跡 の考古学』(めこん 、2008)
LVJ特別賞 林洋子 『藤田嗣治 作品をひらく 旅・手仕事・日本』(名古屋大学出版会、2008)
フランス側 カリン・プペ 『LES JAPONAIS 日本人』(Tallandier、2008年)
第27回(2010年)
本賞 互盛央 『フェルディナン・ド・ソシュール 〈言語学〉の孤独、「一般言語学」の夢』(作品社、2009)
LVJ特別賞 陳岡めぐみ 『市場のための紙上美術館 19世紀フランス、画商たちの複製イメージ戦略』(三元社、2009)
特別賞 田口卓臣 『ディドロ 限界の思考 小説に関する試論』(風間書房、2009)
フランス側 クレール=碧子・ブリッセ (Claire-Akiko BRISSET) 『文章と絵画の交差点で』(Collège de France、2009)
第28回(2011年)
本賞 重田園江 『連帯の哲学Ⅰ―フランス社会連帯主義』(勁草書房、2010)
LVJ特別賞 伊達聖伸 『ライシテ、道徳、宗教学―もうひとつの19世紀フランス宗教史』(勁草書房、2010)
フランス側 ニコラ・ボーメール 『日本酒 日本固有の歴史、文化の地理学』の博士論文
第29回(2012年)
本賞 小田涼 『認知と指示 定冠詞の意味論』(京都大学学術出版会、2012)
LVJ特別賞 高山裕二 『トクヴィルの憂鬱―フランス・ロマン主義と〈世代〉の誕生』(白水社、2012)
フランス側 マチュー・セゲラ 『ジョルジュ・クレマンソーと極東』(博士論文)
第30回(2013年)
本賞 吉川順子 『詩のジャポニスムージュディット・ゴーチエの自然と人間』(京都大学学術出版会、2012)
LVJ特別賞 小島慎司 『制度と自由ーモーリス・オーリウによる修道会教育規制法律批判をめぐって』(岩波書店、2013)
フランス側 クレア・パタン 『日本美術市場の社会学的アプローチ 美術品の販売、流通、普及、価値形成のための仲介業者ネットワーク』(博士論文)
第31回(2014年)
本賞 泉美知子 『文化遺産としての中世―近代フランスの知・制度・感性に見る過去の保存』(三元社、2013)
LVJ特別賞 橋本周子 『美食家の誕生―グリモと「食」のフランス革命』(名古屋大学出版会、2014)
フランス側 ノエミ・ゴドフロワ 『古代から19世紀初頭までの蝦夷地をめぐる交流、支配と対外関係』(著作)
第32回(2015年)
本賞 大森晋輔 『ピエール・クロソウスキー 伝達のドラマトゥルギー』(左右社, 2014)
LVJ特別賞 安藤裕介 『商業・専制・世論ーフランス啓蒙の「政治経済学」と統治原理の転換』(創文社, 2014)
フランス側 フランク・ミシュラン 『太平洋戦争直前の仏領インドシナと日本の南進』(博士論文)
外部リンク