日本の山小屋一覧

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白馬岳頂上直下の日本最大規模の山小屋である白馬山荘 (収容人数1,200人) と村営白馬岳頂上宿舎のキャンプ指定地
白山室堂山荘 (収容人数750人)

日本の山小屋一覧(にほんのやまごやいちらん)は、日本に現存する、あるいはかつて存在した山小屋の一覧である。以下は地域別・五十音順。避難小屋を含む。名称には、小屋、山荘、ヒュッテ、温泉などが付く。

概要

登山口や登山道及び山頂などに、宿泊ができる施設が整備されている。北海道などでは、無人で食事提供がない避難小屋が多い。尾瀬中央アルプスなどの一部の山域では、完全予約制を採用している。大部分の山小屋は、登山シーズン以外には閉鎖される。期間外に一部が緊急避難場所として開放される場合がある。北アルプス西穂山荘八ヶ岳の複数の山小屋などは通年営業を行っている。八ヶ岳の山域には非常に山小屋が多く、八ヶ岳が『小屋ヶ岳』と称されることがある。一部の山小屋ではキャンプ指定が併設されていて、国立公園の山域では指定地以外の幕営が禁止されている。豪雪地帯の山域の避難小屋では、小屋の上部に冬期用の入口が設けられている場合があるが、白山などでは小屋全部が雪に埋もれていまうこともある。小屋の建設と運営は、や地元の自治体、民間、山岳会などが行っている。大部分では入浴施設がないが、ごく一部で温泉露天風呂が併設されている[1]

北海道

名称
よみ
所在地
標高(m)
収容人数
テント
山域
開業
備考
木下小屋 きのしたごや 斜里町岩尾別温泉
230
30人
羅臼岳 知床国立公園
忠別岳避難小屋 ちゅうべつだけひなんごや 忠別岳と五色岳の中間点東
1,620
30人
15張
忠別岳 大雪山国立公園
白雲岳避難小屋 はくうんだけひなんごや 白雲岳の南東の肩
1,990
60人
80張
大雪山 大雪山国立公園
ヒサゴ沼避難小屋 ひさごぬまひなんごや ヒサゴ沼畔
1,600
30人
30張
トムラウシ山 大雪山国立公園

東北

名称
よみ
所在地
標高(m)
収容人数
テント
山域
開業
備考
県営くろがね小屋 けんえいくろがねごや 鉄山直下東
1,660
43人
安達太良山 磐梯朝日国立公園

関東

丹沢山地

名称
よみ
所在地
標高(m)
収容人数
テント
山域
開業
備考
蛭ヶ岳山荘 ひるがたけさんそう 蛭ヶ岳山頂
1,673
41人
蛭ヶ岳 通年営業
尊仏山荘 そんぶつさんそう 塔ノ岳山頂
1,491
塔ノ岳 通年営業
みやま山荘 みやまさんそう 丹沢山山頂
1,567
丹沢山 通年営業
青ヶ岳山荘 あおがたけさんそう 檜洞丸山頂付近
1,590
檜洞丸
鍋割山荘 なべわりさんそう 鍋割山山頂
1,273
鍋割山 通年営業

富士山

富士山の山頂近辺の標高3,740 m付近には、日本最高所に位置する頂上富士館、扇屋、山口屋の小屋がある。食料の運搬やゴミの搬出は、以前は「歩荷」や「強力」と呼ばれる人力であったが、富士山レーダー建設以降は、その資材運搬で初めて用いられたブルドーザー(高地と急傾斜に適応するよう噴射ポンプ燃料ポンプに改造が加えられている)と当時建設された専用道が用いられている。

名称
よみ
所在地
標高(m)
収容人数
テント
山域
開業
備考
佐藤小屋 さとうごや 富士吉田口五合目
2,230
100人
富士山 通年営業

八ヶ岳

名称
よみ
所在地
標高(m)
収容人数
テント
山域
開業
備考
湯元本沢温泉 ゆもとほんざわおんせん 夏沢峠北東
2,100
170人
125張
天狗岳 通年営業、露天風呂

中部

名称
よみ
所在地
標高(m)
収容人数
テント
山域
開業
備考
雨飾温泉 あまかざりおんせん 鉱度倉沢
900
100人
10張
雨飾山 妙高戸隠連山国立公園
五の池小屋 ごのいけごや 御嶽山飛騨頂上直下南
2,800
100人
御嶽山 小坂口(濁河温泉
小秀山避難小屋 こひでやまひなんごや 小秀山頂上西側
1,980
小秀山 2010年 バイオトイレ
白山南竜山荘 はくさんなんりゅうさんそう 白山南の南竜ヶ馬場
2,086
150人
100張
別山 白山国立公園、美濃禅定道
白山室堂 はくさんむろどう 白山室堂平
2,450
750人
白山 夏山診療所、白山国立公園、禅定道

日本アルプス

北アルプス

北アルプスは日本の山小屋の中で、最も大規模で利用者が多い山域の一つである。涸沢周辺の山小屋では、夏期休暇の他に紅葉シーズンにも多くの利用者がある。いくつかの小屋では、夏期に大学の医学部による夏山診療所が開設されている。

後立山連峰

名称
よみ
所在地
標高(m)
収容人数
テント
山域
開業
備考
白馬山荘 はくばさんそう 白馬岳頂上直下南
2,840
1,200人
白馬岳 1906年 夏山診療所、日本最大規模
白馬岳頂上宿舎 はくばだけちょうじょうしゅくしゃ 白馬岳頂上南西
2,730
1,000人
100張
白馬岳 1932年 夏山診療所、簡易郵便局
白馬岳蓮華温泉ロッジ はくばだけれんげおんせんろっじ 白馬大池北下の蓮華温泉
1,470
250人
50張
朝日岳 1848年 露天風呂、内湯
白馬鑓温泉小屋 はくばやりおんせんごや 白馬鑓ヶ岳南東下
2,020
150人
15張
白馬鑓ヶ岳 1928年 露天風呂
山小屋祖母谷温泉 やまごやばばだにおんせん 黒部峡谷祖母谷と祖父谷出合
780
50人
30張
黒部峡谷 明治の頃 露天風呂
唐松岳頂上小屋 からまつだけちょうじょうごや 唐松岳南東の肩
2,465
350人
30張
唐松岳 1933年
五竜山荘 ごりゅうさんそう 白岳と五竜岳との鞍部
2,490
300人
30張
白岳 1951年 遠見尾根
キレット小屋 キレットごや 八峰キレット
2,470
100人
鹿島槍ヶ岳 1933年
種池山荘 たねいけごや 柏原新道の稜線との合流部
2,450
200人
20張
爺ヶ岳 1919年 種池畔
新越山荘 しんごしさんそう 新越乗越の北東近傍
2,465
80人
鳴沢岳 1971年
大沢小屋 おおさわごや 篭川の大沢出合
1,670
20人
3張
扇沢駅 1925年 針ノ木雪渓
針ノ木小屋 はりのきごや 針ノ木峠
2,536
100人
22張
針ノ木岳 1930年

北アルプス南部

名称
よみ
所在地
標高(m)
収容人数
テント
山域
開業
備考
燕山荘 えんざんそう 燕岳頂上直下南
2,710
600人
30張
燕岳 1921年 夏山診療所、表銀座
鏡平山荘 かがみだいらさんそう 弓折岳直下南東
2,280
100人
弓折岳 1965年 小池新道
涸沢小屋 からさわごや 涸沢カール
2,350
100人
穂高岳 1939年 カール
涸沢ヒュッテ からさわひゅって 涸沢カール
2,300
200人
500張
穂高岳 1951年 夏山診療所、カール
北穂高小屋 きたほたかごや 北穂山頂直下
3,100
80人
20張
北穂高岳 1948年
常念小屋 じょうねんごや 常念乗越
2,450
300人
40張
常念岳 1917年 夏山診療所、高山蝶
水晶小屋 すいしょうごや 水晶岳直下南東
2,900
30人
水晶岳 1933年 裏銀座
双六小屋 すごろくごや 双六岳と樅沢岳との鞍部
2,550
200人
60張
双六岳 1935年 夏山診療所、小池新道
高天原山荘 たかまがはらさんそう 岩苔小谷右岸
2,130
50人
雲ノ平 1970年 露天風呂
立山室堂山荘 たてやまむろどうさんそう 前穂高岳南西下の岳沢
2,450
200人
立山 1726年 旧称「室堂小屋」
岳沢小屋 だけさわごや 前穂高岳南西下の岳沢
2,170
30人
30張
前穂高岳 1956年 旧称「岳沢ヒュッテ」
蝶ヶ岳ヒュッテ ちょうがたけひゅって 蝶ヶ岳頂上直下北
2,650
250人
30張
蝶ヶ岳 1958年 夏山診療所
西穂山荘 にしほさんそう 西穂高岳独標南
2,370
250人
30張
西穂高岳 1941年 夏山診療所、新穂高ロープウェイ
野口五郎小屋 のぐちごろうごや 野口五郎岳直下北
2,870
50人
野口五郎岳 1965年 裏銀座、テント場廃止
穂高平小屋 ほたかたいらごや 蒲田川右俣谷左岸の穂高平
1,340
30人
15張
穂高岳
穂高岳山荘 ほたかだけさんそう 涸沢岳と奥穂高岳との鞍部
2,983
300人
30張
奥穂高岳 1924年 夏山診療所
槍ヶ岳山荘 やりがだけさんそう 槍ヶ岳頂上直下南
3,060
650人
30張
槍ヶ岳 1926年 夏山診療所
槍平小屋 やりだいらがごや 蒲田川右俣谷左岸の槍平
1,990
80人
50張
南岳 1924年 奥丸山
湯俣温泉晴嵐荘 ゆまたおんせんせいらんそう 高瀬川の湯俣川と水俣川との出合
1,410
100人
15張
槍ヶ岳 1927年 露天風呂、北鎌尾根
横尾山荘 よこおさんそう 上高地最奥の横尾
1,615
250人
100張
横尾 1947年 入浴施設、梓川
わさび平小屋 わさびだいらごや 蒲田川左俣谷左岸のわさび平
1,402
60人
30張
笠ヶ岳 1947年 入浴施設、小池新道

中央アルプス

中央アルプスで有人の営業を行っている山小屋は、北部の木曽駒ヶ岳周辺に集中している。南部では大部分の小屋が避難小屋である。

名称
よみ
所在地
標高(m)
収容人数
テント
山域
開業
備考
池山小屋 いけやまごや 空木岳東の池山尾根
1,750
20人
空木岳 林内作業所
空木駒峰ヒュッテ うつぎこまほうひゅって 空木岳頂上直下東
2,800
30人
空木岳 1969年
空木平避難小屋 うつぎだいらひなんごや 空木岳東の空木平
2,520
20人
空木岳
恵那山山頂小屋 えなさんさんちょうごや 恵那山頂上
2,190
15人
恵那山
越百山屋 こすもごや 越百山頂上西の鞍部
2,340
30人
越百山
駒ヶ岳頂上山荘 こまがたけちょうじょうさんそう 木曽駒ヶ岳と中岳との鞍部
2,870
200人
100張
木曽駒ヶ岳
摺鉢窪避難小屋 すりばちくぼひなんごや 南駒ヶ岳東下摺鉢窪
2,560
30人
南駒ヶ岳 摺鉢窪カール

南アルプス

要所には、山梨県静岡県が整備した小屋が多い。収容人数は、北アルプスと比べると少ない。また隣接する小屋間の距離は、北アルプスと比べると長い。稜線上以外の山小屋では、流水の水場がある山小屋がある。

南アルプス北部

名称
よみ
所在地
標高(m)
収容人数
テント
山域
開業
備考
北岳山荘 きただけさんそう 北岳と中白根山との鞍部
2,880
150人
80張
北岳 1978年
塩見小屋 しおみごや 塩見岳頂上直下北西
2,760
40人
塩見岳
仙丈小屋 せんじょうごや 仙丈ヶ岳頂上直下南
2,880
55人
仙丈ヶ岳 藪沢カール

南アルプス南部

名称
よみ
所在地
標高(m)
収容人数
テント
山域
開業
備考
赤石小屋 あかいしごや 赤石岳東尾根の富士見平下
2,540
100人
15張
赤石岳 1926年 静岡県営
赤石岳避難小屋 あかいしだけひなんごや 赤石岳山頂直下南
3,100
30人
赤石岳
中岳避難小屋 なかだけひなんごや 荒川中岳東側の山頂直下
3,060
30人
荒川岳
荒川小屋 あらかわごや 荒川前岳と小赤石岳との鞍部
2,610
100人
30張
荒川岳 静岡県営
兎岳避難小屋 うさぎだけひなんごや 兎岳山頂直下の東
2,740
8人
兎岳 飯田市
大沢渡山荘 おおさわわたしさんそう 大沢渡の東400 m
1,247
15人
兎岳 飯田市、老朽化
ウソッコ沢小屋 うそっこさわごや 上河内沢とウソッコ沢との出合
1,170
30人
7張
茶臼岳
小河内岳避難小屋 こごうちだけひなんごや 小河内岳山頂直下東
2,780
10人
小河内岳
聖光小屋 せいこうごや 便ヶ島
970
24人
40張
聖岳 長野県側の聖岳登山口
千枚小屋 せんまいごや 千枚岳の南東
2,610
60人
50張
荒川岳 2009年焼失、再建
高山裏避難小屋 たかやまうらひなんごや 板屋岳と荒川前岳との鞍部
2,410
20人
20張
荒川岳
茶臼小屋 ちゃうすごや 茶臼岳北東下
2,400
60人
45張
茶臼岳 静岡県営
光小屋 てかりごや イザルガ岳と光岳との鞍部
2,510
40人
8張
光岳 1998年にリニューアル、静岡県営
二軒小屋ロッジ にけんごやろっじ 大井川の東俣林道
1,390
32人
20張
赤石岳 東海フォレスト
広河原小屋 ひろがわらごや 小渋川上流部の福川出合
1,450
30人
5張
荒川岳 無人
百間洞山の家 ひゃっけんぼらやまのいえ 赤石岳と大沢岳との鞍部南
2,430
60人
20張
兎岳 静岡市営
横窪沢小屋 よこくぼさわごや 茶臼岳登山道の横窪沢左岸
1,610
60人
60張
茶臼岳

西日本

近畿

名称
よみ
所在地
標高(m)
収容人数
テント
山域
開業
備考
朝明ヒュッテ あさけひゅって 朝明渓谷
500
300人
20張
釈迦ヶ岳 キャンプ場
藤内小屋 とうないごや 三滝川北谷
665
20人
御在所岳 1959年 藤内壁

中国

四国

名称
よみ
所在地
標高(m)
収容人数
テント
山域
開業
備考
剣山頂上ヒュッテ つるぎさんちょうじょうひゅって 剣山頂上
1,920
150人
剣山 1955年 キャンプ場

九州

脚注

  1. ^ 『山と溪谷2011年1月号付録(山の便利手帳2011)』山と溪谷社、2010年12月、pp.74-192、ASIN B004DPEH6G頁。 

参考文献

  • 『北アルプス山小屋案内』山と溪谷社、1987年6月。ISBN 4635170225 
  • 『北アルプス山小屋物語』東京新聞出版局、1990年6月。ISBN 4808303744 
  • 『山小屋の主人の炉端話』東京新聞出版局、2001年9月。ISBN 4808307405 
  • 『のんびり山歩き 山小屋ガイド』学習研究社、2006年3月。ISBN 4054030645 
  • 『小屋番三六五日』山と溪谷社、2008年10月。ISBN 9784635330008 

関連項目

外部リンク

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