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張昊

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オリンピック
フィギュアスケート
2006 ペア
張 昊
Hao ZHANG
フィギュアスケート選手
張丹・張昊ペア(2009年)
生誕 (1984-07-06) 1984年7月6日(39歳)
ハルビン
身長 183 cm
選手情報
パートナー 張丹
コーチ 姚濱
Xiaofei Chen
所属クラブ ハルビンSC
ISUパーソナルベストスコア
総合197.822008 世界選手権
SP74.362008 世界選手権
FS126.582010 世界選手権

張 昊(ちょう こう、簡体字张昊繁体字中国語: 張昊ラテン文字:Zhang Hao, 1984年7月6日 - )は中華人民共和国ハルビン出身の男性フィギュアスケートペア選手。2006年トリノオリンピックペア銀メダリスト。パートナーは張丹、コーチは姚濱。趣味はコンピューター・ゲーム。好きなスポーツはバスケットボール(父親の影響)、卓球、バドミントン。

経歴

中国のスケート競技のメッカ、ハルビン生まれ。この町からは申雪張丹龐清佟健というように、数々の優秀な選手が次々と現れているが、彼もその中の一人である。1988年、4歳の時に名門ハルビン・スケートクラブでスケートを始める(現在も所属)。

当初は男子シングル選手で、10歳の時にはトリプルループが飛べるようになっていた。しかし「リフトをやってみたかった」という理由で14歳の時にペア競技に転向。

現在のパートナー(二人目)は張丹(同じ苗字ではあるが二人の間に血縁関係や婚姻関係は無い)。

1999-2000シーズンよりISUジュニアグランプリに参戦。このシーズンはISUジュニアグランプリのSBC杯で優勝、JGPモントリオール杯で準優勝、JGPファイナル5位、世界ジュニア選手権5位、中国選手権2位という成績を残す。

2000-2001シーズンはJGP中国、JGPピルエッテン、JGPファイナル、世界ジュニア選手権の全てで優勝し、ジュニアクラスのタイトルを総なめにした。2000年の世界ジュニア選手権では史上初めてISUに公式に認定された4回転ツイストリフトを成功させている。

2001-2002シーズンのISUジュニアグランプリシリーズも全勝。シニアクラスのISUチャンピオンシップスにも参戦し、2002年四大陸選手権3位、2002年世界選手権9位、ソルトレイクシティオリンピック11位など、早くも檜舞台を経験。この時の世界選手権で、今度はシニアクラスでも4回転ツイストリフトに成功。オリンピックのショートプログラムでは、ダイナミックな技の連続で観客を魅了し、スタンディングオベーションを受けた。

2002-2003シーズンからはISUグランプリシリーズに参戦。表彰台に上ることはなかったが、中国選手権では優勝している(ただしこのシーズン以降、申雪&趙宏博組は中国選手権に参戦していないので、彼等を破っての優勝ではない)。

2003-2004シーズンにはISUグランプリシリーズはエリック・ボンパール杯で優勝、スケートアメリカロシア杯で3位、グランプリファイナルにも出場したが6位に終わった。

2004-2005シーズンには世界選手権3位にまで到達し、申雪&趙宏博組に肉薄する。この2シーズンでの彼等の演技の進歩は著しいものであり、同様に力を付けた同門の龐清&佟健組とともに、ペア競技に中国の時代が到来したことを感じさせた。

2005-2006シーズンのトリノオリンピックでは優勝候補だった申雪&趙宏博組の趙宏博がアキレス腱断裂の大怪我をおったため、中国の一番手として大会に挑んだ。ショートプログラムで2位につけた彼らは、フリースケーティングにおいて4年前に申雪&趙宏博組が挑んで果たせなかった4回転スロー・ジャンプに挑戦した。しかし張丹は、着氷時に転倒し、左膝に負傷をおい演技は一時中断された。もはや演技続行は不可能かと思われたが、張丹は演技続行を選び、負傷後のパートでサイド・バイ・サイドの2回転アクセル-3回転トウループ という女子シングルのトップ選手でも難しいコンビネーションジャンプを成功させ、銀メダルを獲得した。さらにチームは翌月の世界選手権にも出場。こちらでも2位に入り、彼等が今や世界のトップ・チームの一角であることを満天下に示したのだった。

2006-2007シーズンのISUグランプリファイナルでは3位に入賞するも表彰式を欠席した。パートナーの張丹は大会中体調が思わしくなく大会後検査入院を受けた。万全でない状態で出場した世界選手権ではショートプログラムではミスが響き10位と大幅に出遅れ、フリースケーティングでもパッとしない演技で4位、総合5位でシーズンを終えた。

2007-2008シーズンも張丹の体調は万全ではないもののISUグランプリシリーズではエリック杯、ロシア杯共に1位。しかしグランプリファイナル、四大陸選手権では共に2位に終わる。パートナーの張丹が四大陸選手権終了後手術を受け、世界選手権に出場、ショートプログラムでは43.5点というすさまじい技術点をたたき出し1位につけたが、フリースケーティングではミスが目立ち総合2位。

2008-2009シーズンもグランプリシリーズで2連勝を果たすも、グランプリファイナル、四大陸選手権では優勝をすることはできず世界選手権も2年連続の銀メダルとなった。

2009-2010シーズンは中国杯で2位、スケートアメリカで3位と振るわず、グランプリファイナルでは最下位の6位に沈む。ショートプログラムの曲を2シーズン前のものに戻し、フリースケーティングの衣装を変更して臨んだ四大陸選手権では優勝したものの、二大会連続のメダルを狙ったバンクーバーオリンピックでは5位に終わる。翌月の世界選手権ではショート、フリー共にミスの少ない演技を見せ、フリーではパーソナルベストを更新し、技術点ではトップだったものの、演技構成点で他組に差をつけられ、こちらも総合5位に終わり、苦しいシーズンとなった。

2010-2011シーズンはシーズンイン直前の練習中に中指を粉砕骨折し、全試合を欠場の予定。

特徴

姚濱門下に共通するダイナミックな演技が持ち味である。特に4回転ツイスト・リフトを世界選手権で初めて成功させたことは特筆される。ペア選手としては大柄な張丹を持ち上げたり投げたりしなければならない為、その上半身は見事にビルドアップされている。

フリースケーティングでのコンビネーションジャンプでは、2アクセル+3トウループを飛ぶ。コンビネーションジャンプのセカンドジャンプで3回転のジャンプを飛ぶのは、現在まで張丹と張昊のペアのみ。

主な戦績

大会/年 99-00 00-01 01-02 02-03 03-04 04-05 05-06 06-07 07-08 08-09 09-10
冬季オリンピック 11 2 5
世界選手権 9 6 5 3 2 5 2 2 5
四大陸選手権 3 3 2 1 2 3 1
中国選手権[1] 2 3 1 2 2 1
GPファイナル 6 5 2 3 2 2 6
GPスケートカナダ 1
GPNHK杯 1 2
GP中国杯 2 1 2
GPロシア杯 3 1 1 1
GPエリック杯 4 1 1
GPスケートアメリカ 4 3 1 1 3
世界国別対抗戦 1
ユニバーシアード 1 1 1
世界Jr.選手権 4 1 1
JGPファイナル 5 1 1
JGP中国 1 1
JGPトラパネーゼ杯 1
JGPサルコウ杯 1
JGPピルエッテン 1
JGPSBC杯 1
JGPモントリオール杯 2

詳細

2009-2010 シーズン
開催日 大会名 SP FS 結果
2010年3月23日-24日 2010年世界フィギュアスケート選手権トリノ 5
69.20
5
126.58
5
195.78
2010年2月14日-15日 バンクーバーオリンピックバンクーバー 5
71.28
4
123.06
5
194.34
2010年1月27日-28日 2010年四大陸フィギュアスケート選手権全州市 1
65.86
1
126.36
1
192.22
2009年12月3日-5日 2009/2010 ISUグランプリファイナル東京 5
66.24
6
114.01
6
180.25
2009年11月13日-14日 ISUグランプリシリーズ スケートアメリカレークプラシッド 5
56.84
2
111.35
3
168.19
2009年10月30日-31日 ISUグランプリシリーズ 中国杯北京 4
61.92
2
124.57
2
186.49


2008-2009 シーズン
開催日 大会名 SP FS 結果
2009年4月17日-18日 世界フィギュアスケート国別対抗戦2009東京 1
70.42
1
123.40
1
193.82
2009年4月9日-10日 中華人民共和国第十一回全国運動会青島 1
71.58
1
134.96
1
206.54
2009年3月24日-25日 2009年世界フィギュアスケート選手権ロサンゼルス 3
67.42
2
119.10
2
186.52
2009年2月21日-22日 第24回冬季ユニバーシアードハルビン 1
68.32
1
127.00
1
195.32
2009年2月4日-5日 2009年四大陸フィギュアスケート選手権バンクーバー 3
63.2
3
111.78
3
174.98
2008年12月10日-14日 2008/2009 ISUグランプリファイナル(高陽) 2
68.34
2
119.88
2
188.22
2008年11月21日-11月23日 ISUグランプリシリーズ ロシア杯(モスクワ) 1
67.06
2
110.36
1
177.42
2008年11月5日-9日 ISUグランプリシリーズ 中国杯(北京) 1
67.12
1
115.10
1
182.22


2007-2008 シーズン
開催日 大会名 SP FS 結果
2008年3月17日-23日 2008年世界フィギュアスケート選手権(ヨーテボリ) 1
74.36
3
123.46
2
197.82
2008年2月11日-17日 2008年四大陸フィギュアスケート選手権(高陽) 1
70.45
2
111.39
2
181.84
2008年1月18日-21日 中華人民共和国第11回全国冬季運動会チチハル 2
67.94
1
119.2
2
187.14
2007年12月13日-16日 2007/2008 ISUグランプリファイナル(トリノ) 2
71.40
2
119.80
2
191.20
2007年11月22日-25日 ISUグランプリシリーズ ロシア杯(モスクワ) 1
69.96
1
122.72
1
192.68
2007年11月15日-18日 ISUグランプリシリーズ エリック・ボンパール杯(パリ) 1
71.60
1
125.36
1
196.96


2006-2007 シーズン
開催日 大会名 SP FS 結果
2007年3月19日-25日 2007年世界フィギュアスケート選手権(東京) 10
57.00
4
116.39
5
173.39
2007年1月18日-19日 第23回冬季ユニバーシアードトリノ 1
65.42
1
116.45
1
181.87
2006年12月14日-17日 2006/2007 ISUグランプリファイナル(サンクトペテルブルク) 2
64.18
4
111.75
3
175.93
2006年11月30日-12月3日 ISUグランプリシリーズ NHK杯(長野) 2
63.82
2
118.05
2
181.87
2006年11月2日-5日 ISUグランプリシリーズ スケートカナダ(ビクトリア) 1
69.54
1
121.43
1
190.97


2005-2006 シーズン
開催日 大会名 SP FS 結果
2006年3月19日-26日 2006年世界フィギュアスケート選手権(カルガリー) 1
65.58
4
120.84
2
186.42
2006年2月10日-26日 トリノオリンピック 2
64.72
2
125.01
2
189.73
2005年12月16日-18日 2005/2006 ISUグランプリファイナル(東京) 4
61.76
2
124.36
2
186.12
2005年12月1日-4日 ISUグランプリシリーズ NHK杯(大阪) 2
60.86
1
110.60
1
171.46
2005年10月20日-23日 ISUグランプリシリーズ スケートアメリカ(アトランティックシティ) 1
59.90
1
119.24
1
179.14


2004-2005 シーズン
開催日 大会名 SP FS 結果
2005年3月14日-20日 2005年世界フィギュアスケート選手権モスクワ 4
64.19
3
116.03
3
180.22
2005年1月14日-20日 2005年四大陸フィギュアスケート選手権江陵市 1
63.67
1
117.94
1
181.61
2004年12月16日-19日 2004ISUグランプリファイナル北京 5
59.28
4
113.22
5
172.5
2004年11月25日-28日 ISUグランプリシリーズ ロシア杯モスクワ 1
57.56
1
110.14
1
167.7
2004年11月10日-14日 ISUグランプリシリーズ 中国杯北京 2
62.28
2
112.74
2
175.02
2004年10月21日-24日 ISUグランプリシリーズ スケートアメリカピッツバーグ 3
56.98
1
109.88
1
166.86


2003-2004 シーズン
開催日 大会名 SP FS 結果
2004年3月22日-28日 2004年世界フィギュアスケート選手権ドルトムント 6 5 5
2004年2月19日-25日 2004年四大陸フィギュアスケート選手権ハミルトン 2 2 2
2003年12月11日-14日 2003ISUグランプリファイナルコロラドスプリングス 5
53.08
6
107.96
6
161.04
2003年11月20日-23日 ISUグランプリシリーズ ロシア杯モスクワ 3
58.38
2
121.9
3
180.28
2003年11月14日-16日 ISUグランプリシリーズ ラリック杯パリ 2
60.12
1
114.76
1
174.88
2003年10月23日-26日 ISUグランプリシリーズ スケートアメリカレディング 4
56.14
3
115.12
3
171.26


2002-2003 シーズン
開催日 大会名 SP FS 結果
2003年3月24日-30日 2003年世界フィギュアスケート選手権ワシントンD.C. 7 6 6
2003年2月24日-3月2日 2003年世界ジュニアフィギュアスケート選手権オストラバ 1 1 1
2003年2月10日-16日 2003年四大陸フィギュアスケート選手権北京 3 3 3
2002年11月14日-17日 ISUグランプリシリーズ ラリック杯パリ 3 5 4
2002年10月23日-27日 ISUグランプリシリーズ スケートアメリカスポケーン 4 4 4
2002年10月17日-20日 ISUジュニアグランプリ 北京北京 1 1 1

プログラム使用曲

シーズン SP FS EX
2010–2011 映画『ヤング・フランケンシュタイン』より
トランシルヴァニアの子守唄
作曲:ジョン・モリス
バレエ『スパルタクス』より
スパルタクスとフリーギアのアダージョ
作曲:アラム・ハチャトゥリアン
-
2009–2010 ミュージカル『フォッシー』より
ピアノファンタジー
演奏:マクシム・ムルヴィツァ
シェヘラザード
作曲:リムスキー=コルサコフ
Riding on the Wings of Songs
作曲:フェリックス・メンデルスゾーン
2008-2009 Riding on the Wings of Songs
作曲:フェリックス・メンデルスゾーン
揚子江(ピアノ協奏曲)
作曲:Hao Weiya
大いなる世界
ボーカル:サラ・ブライトマンアンドレア・ボチェッリ
2007–2008 ピアノファンタジー
演奏:マクシム・ムルヴィツァ
映画『THE MYTH/神話』より
作曲:ネイサン・ウォン、ゲイリー・チェイス
梁山伯と祝英台
作曲:何占豪陳鋼
2006–2007 Spanish Caravan The Offspring of the Dragons -
2005–2006 カシミール
曲:レッド・ツェッペリン
映画『ジャングル・ブック』より
作曲:ジョージ・ブランズ

脚注

  1. ^ 中国では全国選手権として複数の大会が行われている。ここでは、国内順位として国際スケート連盟に報告された大会の結果を記載している。08-09シーズンは、複数の大会結果を総合して付けられた国内順位が報告されたため、総合順位を付ける際にもっとも比重の高かった大会の結果を記載している。

参考文献

外部リンク