十七角形
十七角形(じゅうしちかくけい、じゅうななかっけい、heptadecagon)は、多角形の一つで、17本の辺と17個の頂点を持つ図形である。内角の和は2700°、対角線の本数は119本である。
性質
正十七角形においては、中心角と外角は約21.18°で、内角は約158.82°となる。 また、一辺の長さがaである正17角形の面積は
作図
正十七角形は定規とコンパスによる作図が可能な図形の一つである。p が素数である正p角形のうち、このような作図が可能なものは p がフェルマー素数である場合に限られる。具体的には p=3, 5, 17, 257, 65537のときで正三角形、正五角形、正十七角形、正二百五十七角形、正六万五千五百三十七角形の5つしか知られていない。
作図可能性
正十七角形がコンパスと定規で作図できることは1796年3月30日の朝に19歳のカール・フリードリヒ・ガウスが目覚めてベッドから起き上がる時に発見した[1][2]。これは任意の三角関数において、その変数としての角が 2π/17 radのとき、関数の値が有理数と平方根の組み合わせのみで表現できることを意味する。例えばcosでは以下のように計算される[3][4]。
作図方法
正17角形の具体的な作図方法はヨハネス・エルチンゲルによって1800年頃に見つけられた[5]。実際の作図方法をアニメーションで示すとこのようになる。全部で64段階。
17角形の作図から等倍の正多角形が作図できる。正34角形:
正51角形:
正85角形:
正255角形:
参考文献
- ガウス「第7章 円の分割を定める方程式」『ガウス整数論』高瀬正仁訳、朝倉書店、1995年6月(原著1801年)。ISBN 4-254-11457-5 。 - 歴史的文献。特に第365条を参照。
- 倉田令二朗『ガウス円分方程式論』河合文化研究所、1988年11月。ISBN 4-87999-955-5。
- 高木貞治「§17.1のp乗根,特に17乗根」『初等整数論講義』(第2版)共立出版、1971年10月。ISBN 4-320-01001-9。
- 高木貞治「1.正十七角形のセンセーション」『近世数学史談』岩波書店〈岩波文庫〉、1995年8月。ISBN 4-00-339391-0 。
- 高木貞治「1.正十七角形のセンセーション」『近世数学史談・数学雑談』(復刻版)共立出版、1996年12月。ISBN 4-320-01551-7。
- G・H・ハーディ、E・M・ライト「§5.8 正17角形の作図」『数論入門』示野信一・矢神毅訳、シュプリンガー・フェアラーク東京、2001年7月(原著1979年)。ISBN 4-431-70848-0 。
参照
外部リンク
- Weisstein, Eric W. "Heptadecagon". mathworld.wolfram.com (英語).