マリー・アントワネット (映画)
マリー・アントワネット | |
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Marie-Antoinette | |
監督 | ソフィア・コッポラ |
脚本 | ソフィア・コッポラ |
製作 |
ソフィア・コッポラ ロス・カッツ |
製作総指揮 |
フランシス・フォード・コッポラ ポール・ラッサム フレッド・ルース |
出演者 |
キルスティン・ダンスト ジェイソン・シュワルツマン ジュディ・デイヴィス ジェイミー・ドーナン |
音楽 | ブライアン・レイツェル |
撮影 | ランス・アコード |
編集 | サラ・フラック |
製作会社 | アメリカン・ゾエトロープ |
配給 |
コロンビア映画 東宝東和、東北新社 |
公開 |
2006年10月20日 2007年1月20日 |
上映時間 | 122分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
製作費 | $40,000,000[1] |
興行収入 | $60,917,189[1] |
『マリー・アントワネット』(Marie-Antoinette)は、2006年のアメリカ映画。
概要
ソフィア・コッポラ監督が、初監督作『ヴァージン・スーサイズ』の主演であるキルスティン・ダンストを再び主演に迎えてマリー・アントワネットを描いた伝記映画。原作は英国の歴史作家アントニア・フレーザーの『マリー・アントワネット』(日本語版:野中邦子訳、ハヤカワ文庫.上下巻)。撮影はフランスのヴェルサイユ宮殿で、3ヶ月にわたり行われた。
第59回カンヌ国際映画祭に出品したが、プレス試写ではブーイングが起こった。また、フランスのマリー・アントワネット協会の会長も「この映画のせいで、アントワネットのイメージを改善しようとしてきた我々の努力が水の泡だ」とコメントし本作を非難している[2]。ただし、本作は伝記映画というよりはマリー・アントワネットを一人の少女として描いた青春映画の側面があり、必ずしも史実を忠実に再現する事を意図して製作された作品ではない(上述の批判に対しても主演のダンストが「歴史的事実というよりも歴史的な感覚の映画。マリー・アントワネットの教育用伝記映画を期待しないでほしい」とコメントしている)。根本的なテーマが誰も知る人のいない異国にわずか14歳で単身やってきた少女の孤独であることは、監督の前作の『ロスト・イン・トランスレーション』と似たものがある。
露骨な性的描写や残酷な場面はほとんどなく、最初から最後まで豪華絢爛なドレスや色とりどりのお菓子などがふんだんに映し出され、観客はファッションショーやお菓子の本を見ているような気分になる。マリー・アントワネットの描写も、良い面や悪い面を強調するのではなく、一人の女性としての心の動きを淡々と描写し、王妃という一般人とは縁遠い世界の人間に、一般人女性でも共感しやすい描写になっている。ガーリー・カルチャーの旗手であるソフィア・コッポラにより女性の目を意識して作られたといえる女性向けの映画である。
第79回アカデミー賞にて衣装デザイン賞を受賞(受賞者: ミレーナ・カノネロ)。
ストーリー
1769年、オーストリアの皇女マリア・アントニア[3]は、オーストリアとフランスの同盟関係強化の一策として、母マリア・テレジアの命によってフランス王室に嫁ぐことになった。フランスの大地を踏み、フランスの服に着替えた彼女は翌年、ルイ16世と式を挙げる。
しかし当初の数年間、男性の性的機能に不都合のあったルイ16世との夫婦生活はなく、「オーストリア女」とよそ者扱いされ、「不妊症かしら」と陰口を叩かれるにつき、結婚生活にストレスを抱えた彼女は次第にパーティーやギャンブル、ドレスや靴のショッピングなど浪費に楽しみを見出し、それに傾斜していくことになる。こうした中、仮面舞踏会でフェルセン伯爵と出会う。
フランスを訪れた兄:ヨーゼフ2世の助言により、子供に恵まれたアントワネットは、田舎風の穏やかな暮らしを愛し、宮廷から逃れ、プチ・トリアノン宮殿に娘や親しい友人とともに過ごすようになる。
やがてフランスではアメリカ独立戦争への援助をきっかけに国の財政が窮乏し始め、民衆の不満の矛先は豪奢な生活を送るマリー・アントワネットに向けられる。飢餓に苦しむ民衆はフランス革命をおこす。
ルイ16世の側近は王と王妃に逃亡を進言するが、ルイ16世は毅然として「私はここに残る」と言い、王妃アントワネットも「私の居場所は王の側です」と言い放つ。そしてやはりベルサイユ宮殿は襲撃され、王と王妃は宮殿から拉致される。
キャスト
その他
- 劇中にこの時代にはある筈のない、コンバースのALL STARが一瞬登場する。
- ヴェルサイユ宮殿での撮影を特別に許可されたが、撮影料は1日1万6千ユーロであった。
- フランスのバンドPHOENIX(ボーカルはソフィア・コッポラの夫トーマス・マーズ)が劇中で演奏している。曲名は「OU BOIVENT LES LOUPS」。
サウンドトラック
ディスク1
- "Hong Kong Garden (With Strings Intro)" – スージー・アンド・ザ・バンシーズ
- ""Aphrodisiac" – バウ・ワウ・ワウ
- "What Ever Happened" – ザ・ストロークス
- "Pulling Our Weight" – ザ・レディオ・デプト
- "Ceremony" – ニュー・オーダー
- "Natural's Not in It" – ギャング・オブ・フォー
- "I Want Candy (Kevin Shields Remix)" – バウ・ワウ・ワウ
- "Kings of the Wild Frontier" – アダム&ジ・アンツ
- "Concerto in G" – アントニオ・ヴィヴァルディ/ Reitzell
- "The Melody of a Fallen Tree" – Windsor for the Derby
- "I Don’t Like It Like This" – ザ・レディオ・デプト
- "Plainsong" – ザ・キュアー
ディスク2
- "Intro Versailles" – Reitzell / Beggs
- "Jynweythek Ylow" – エイフェックス・ツイン
- "Opus 17" – Dustin O’Halloran
- "Il Secondo Giorno (Instrumental)" – エール
- "Keen On Boys" – ザ・レディオ・デプト
- "Opus 23" – Dustin O’Halloran
- "Les barricades mystérieuses" – フランソワ・クープラン/ Reitzell
- "Fools Rush In (Kevin Shields Remix)" – バウ・ワウ・ワウ
- "Avril 14th" – エイフェックス・ツイン
- "K. 213" – Domenico Scarlatti / Reitzell
- "Tommib Help Buss" – スクエアプッシャー
- "Tristes Apprêts, Pâles Flambeaux" – ジャン=フィリップ・ラモー/ W. Christie
- "Opus 36" – Dustin O’Halloran
- "All Cats Are Grey" – ザ・キュアー
キャッチコピー
脚注
- ^ a b “Marie Antoinette (2006)”. Box Office Mojo. 2009年7月15日閲覧。
- ^ シネマトゥデイ (2006年10月5日). “キルスティン・ダンストのアントワネットに歴史学者もブーイング”. 2009年7月15日閲覧。
- ^ フランス語では「マリー・アントワネット」となる。