ワン・フロム・ザ・ハート

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ワン・フロム・ザ・ハート
One from the Heart
監督 フランシス・フォード・コッポラ
脚本 アーミアン・バーンスタイン
フランシス・フォード・コッポラ
原案 アーミアン・バーンスタイン
製作 グレイ・フレデリクソン
フレッド・ルース
製作総指揮 バーナード・ガースタン
出演者 フレデリック・フォレスト
テリー・ガー
音楽 トム・ウェイツ
撮影 ロナルド・V・ガーシア
ヴィットリオ・ストラーロ
編集 ルーディ・ファー
アン・ゴアソード
ランディ・ロバーツ
製作会社 アメリカン・ゾエトロープ
配給 アメリカ合衆国の旗 コロンビア ピクチャーズ
日本の旗 東宝東和
公開 アメリカ合衆国の旗 1982年2月12日
日本の旗 1982年8月14日
上映時間 107分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $26,000,000
興行収入 $636,796[1]
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ワン・フロム・ザ・ハート』(One from the Heart)は、フランシス・フォード・コッポラが監督した1982年公開のアメリカ映画。主演は『地獄の黙示録』『ローズ』で全米映画批評家協会賞助演男優賞を獲得したフレデリック・フォレストと、『ヤング・フランケンシュタイン』『未知との遭遇』等の助演で知られるテリー・ガーレベッカ・デモーネイの映画デビュー作でもある。2004年にDVD化された。

概要[編集]

ラスベガスを舞台とした恋愛映画だが、全編ハリウッドにあるコッポラ所有のスタジオ「ゾーイトロープ・ロス・スタジオ」で制作され、巨大な飛行機に至るまでセットが作られた[2]。一説には『地獄の黙示録』のフィリピンロケにおける被害(ハリケーンでセットが破壊されたこと)を考慮し、時間や天候を全てコントロールできる室内撮影を実施したかったとされている[3]が、本作は興行的に失敗し、巨額の制作費を回収できなかったコッポラは、ゾーイトロープ・ロス・スタジオを売却せざるを得なくなる。

シンガーソングライタートム・ウェイツが音楽を担当。コッポラは、男女の会話を音楽で表現することを考え、女性カントリー歌手クリスタル・ゲイルもサウンドトラックに参加。詳細はワン・フロム・ザ・ハート (アルバム)参照。

日本公開は1982年8月、字幕は戸田奈津子が担当。

あらすじ[編集]

ラスベガスで同棲していたカップル、ハンクとフラニーは、独立記念日の前日に大喧嘩してしまう。そして、二人はそれぞれ新しい恋に走る。

キャスト[編集]

評価[編集]

本国アメリカでは『ニューヨーク・タイムズ』『ロサンゼルス・タイムズ』『ヴァラエティ』『ヴィレッジ・ヴォイス』等の大手メディアに批判される。一方、イギリスフランスではアメリカほどの悪評ではなく、イギリスの音楽雑誌NMEでは「この映画を嫌う者は冷たい心の持ち主」という好意的なレビューが掲載された[4]

サウンドトラック・アルバムは高く評価され、アカデミー編曲・歌曲賞にノミネートされた。

その他[編集]

モンテ・ヘルマンジャン=リュック・ゴダールが本作の制作現場を撮影。ヘルマンのフィルムは雑誌のおまけの短編ドキュメンタリー・ビデオとして発表され、ゴダールのものは1985年にテレビ番組『Vision』で使用された[2]

ARAKAWA RAP BROTHERSのアルバム『ARAKAWA魂』に収録されている「O.V.E. OVERFLOW ERROR」という楽曲で、本作の輸入盤のビデオに、テリー・ガーとフレデリック・フォレストがベッドルームで口論しているシーンがカットされているという蘊蓄が述べられている。

脚注[編集]

  1. ^ One from the Heart”. Box Office Mojo. Amazon.com. 2013年5月8日閲覧。
  2. ^ a b 『フランシス・F・コッポラ』(エスクァイアマガジンジャパン、2008年 ISBN 978-4-87295-117-2)p.78-79
  3. ^ 『底抜け超大作』(洋泉社、1996年)
  4. ^ 『トム・ウェイツ 素面の、酔いどれ天使』(パトリック・ハンフリーズ:著、金原瑞人:訳、東邦出版 ISBN 978-4-8094-0705-5)pp.234-235

外部リンク[編集]