シュルツ艦

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シュルツ艦(シュルツかん)は、『宇宙戦艦ヤマトシリーズ』に登場する宇宙戦艦。デザイン担当は松本零士加藤直之

本項では『宇宙戦艦ヤマト2199』に登場する、ハイゼラード級航宙戦艦についても解説する。

概要

艦体諸元
全長 270メートル[1]
全幅 不明
全高 不明
基準排水量 不明
主機関 不明
兵装 大型3連装エネルギー砲×2基
中型3連装エネルギー砲×1基
小型3連装エネルギー砲×4基
その他魚雷発射管多数
搭載機 不明

ガミラス帝国冥王星艦隊の旗艦で、冥王星基地司令シュルツが乗艦していた。

艦容は魚を思わせる独特の生物的フォルムをしている。艦体色は艦上部が濃緑色で、下部が黄緑[2]に塗られ、艦首から大型3連装エネルギー砲塔[3]手前にかけての部分と、メインノズル周辺が灰色[4]である。さらに艦首先端のアンテナ2本、艦首から大型3連装砲塔の間にあるアンテナ1本と、大型3連装砲塔と艦橋上部は、他のガミラス艦と同じ緑色で塗られている。

武装は、前甲板上部に大型3連装エネルギー砲塔2基、船体中央下部に中型3連装エネルギー砲塔1基、後部に小型3連装エネルギー砲塔4基、その他、艦首や艦底、艦尾などに魚雷発射管を多数を備える。また、『宇宙戦艦ヤマト』第9話ではヤマトと同様の多段式格納棚を持つ格納庫を存在が確認できるが、ゲーム版を含めて艦載機を運用するシーンはない。

また、艦首先端には開口部があり、内部には板状の構造物と3つ並んだ穴が確認出来る。この艦首が開口したデザインは、ガルマン・ガミラス帝国中型戦闘艦でも踏襲されている。

劇中での登場

『宇宙戦艦ヤマト』第8話で初登場し、反射衛星砲破壊による津波で水没寸前だった冥王星基地から艦隊を率いて脱出。第9話で、補修中のヤマトに砲撃を加えるも、ヤマト側のアステロイドリングの防御に阻まれ、戦況が進展しなかった。ヤマトの修理が完了し波動砲で全滅することを恐れたシュルツの指示で、艦隊とともに体当たり攻撃を行おうとするが、解除されたアステロイドリングの岩盤を避けるために味方艦同士で次々と激突し艦隊は壊滅。最後に残ったシュルツ艦はヤマトに体当たり寸前まで接近するが、ロケットアンカーを側面に打ちこまれて突き放され、小惑星に衝突し爆沈した。

宇宙戦艦ヤマト2』では、第3話においてガミラス残存艦隊として1隻の同型艦が1カット登場した。その際、全身緑色に塗られていた。

以後、続編で登場することはなかった。

宇宙戦艦ヤマト2199

艦体諸元
艦級 ガイデロール級
艦種 二等航宙戦艦[5]
地球側識別名称 ガ軍超弩級宇宙戦艦TYPE A
全長 350m[5][6][7]
全幅 42m[7]
全高 70m[7]
主機関 ゲシュ=タム機関[6]
兵装 330ミリ三連装陽電子ビーム砲塔×3基(艦上2基、艦底1基)[5]
280ミリ二連装陽電子ビーム砲塔×4基(艦尾)[5][8]
近接防御火器(単装)×32基(艦橋側面)[5]
近接防御火器(四連装)×6基(艦橋前方及び後方)[5]
魚雷発射管×12門(艦首)[5]
魚雷発射管×21門[6][7](艦底)

『宇宙戦艦ヤマト』のリメイク版である『宇宙戦艦ヤマト2199』では、「ガイデロール級航宙戦艦」という艦種名で登場。シュルツの座乗艦については、「シュバリエル」の個艦名が付与された。デザイン担当は石津泰志[9]。 細部デザインのディテールアップと変更が行われている。寸法が設定し直されて、全長350m、全幅42m、全高70mと大型化されたほか、「ガ軍超弩級宇宙戦艦TYPE A」という地球側の識別名称と〈G-SDBS-01〉との識別コードが設定されている[10]

オリジナルでは艦側面(第二砲塔付近)に、内部が赤色の開口部が両舷にあったが、これは他のガミラス艦同様に「目玉」状の光る開口部に変更された。この部分は巡航時は薄緑色で、戦闘時のみ馴染みのある段階的な色に発光する。これは、他のガミラス艦にも共通する特徴である。艦尾の主推進ノズルの周囲には多用途発射管が8門あり、探査機や機雷などを射出する[11]

基本的な塗装については、艦上部が緑色、下部が薄緑となり、艦首先端、艦後部の上下にあるエアーインテイク状の構造物の先端が黄色になった。

シュバリエル
シュルツの乗艦。第1話で初登場。第6話において、反射衛星砲破壊による津波で基地が水没寸前になったため、艦隊とともに脱出を試みるが、ヤマトの攻撃により本艦のみが離脱に成功する。その後、単艦でヤマトを追跡するも手を出せずにいたところ、第8話で補給物資としてガス生命体を積載した「デスラー魚雷」を与えられ、グリーゼ581星系でヤマトを雷撃する。しかし、ガス生命体はフレアによって消滅し、全責任をゲールから転化された後、ヤマトへ最後の突撃を敢行するが、グリーゼ581のフレアに巻き込まれて爆沈した。
ゲルガメッシュ
銀河方面軍司令官グレムト・ゲールの乗艦であり、迷彩塗装で艦橋が白く塗装されている。第10話で初登場し、直属艦隊を率いて次元断層から脱出した直後のEX178とヤマトを攻撃するが、次元断層の揺り戻しに巻き込まれ艦隊は全滅し、本艦のみゲシュタムジャンプで辛うじて逃れる。第18話でのバラン観艦式においては、ゲールがゼルグートII世を訪問する際に使用。第25話では、デスラーと合流し、バラン星宙域においてヤマトを亜空間ゲート内におびき入れる指揮をしたが、本国への召還命令を無視していたため、差し向けられた次元潜航艦UX-01に撃沈される。

PSゲームシリーズ

PS版『宇宙戦艦ヤマト 遥かなる星イスカンダル』にて、新たに設定と描写が追加された。デザイン担当は宮武一貴[12]。艦種名が「艦隊旗艦級戦艦」となり、中・大規模の艦隊の旗艦として多くの戦線に配備されており、ゲーム内で同型艦が多数存在する。シュルツ艦のほか、シュルツの兄コルサック(ゲームオリジナルキャラ)の艦隊旗艦「バードラII」やデスラー親衛隊「蒼い電光」の艦隊旗艦として登場。「バードラII」が廃艦寸前の老朽艦であるなど、形式の古いタイプのようだが、ガミラス艦隊の旗艦として広く使用されているらしく、中でも「蒼い電光」の艦隊旗艦はドメラーズ3世に匹敵するほどの高性能艦である[13]

また、派生として主砲をミサイル砲塔に換えた「艦隊旗艦級戦艦・ミサイル艦」も登場しているが、性能的には艦隊旗艦級戦艦と変わらず、塗装は基本的に同じだが、艦首開口部周りのみ白く塗られている[14]

PS2版『宇宙戦艦ヤマト イスカンダルへの追憶』においては、艦種名は「ガミラス艦隊指揮戦艦級戦闘艦」とされており、タランが座乗した「カンプルードIII」、他に「カンプルードIV」、「シュルツIV」などの艦名が存在する。本ゲームでは自艦として操作できる艦もあり、ヤマトに近い性能を持つが、レーダー範囲が広い反面、波動砲デスラー砲等の決戦兵器の装備は無い。

漫画での登場

松本零士の漫画版『宇宙戦艦ヤマト』では、ドメルの乗艦として迷彩塗装を施された艦が登場している。異次元空洞内でヤマトを追撃したが、それ以降は登場しない。

ひおあきら漫画版ではロメル将軍(アニメ版のドメルに相当するキャラ)の乗艦であると同時に、ライバルであるゲル将軍(アニメ版では設定画は存在するものの未登場。)の乗艦でもある。デザインはアニメ版に比べ単純になっており、魚雷発射管の数は大幅に減っているほか、艦橋の窓が丸型になっている。ロメル艦とゲル艦で若干塗装が異なっており、ゲル艦には艦首に目が描かれている。

ロメル艦は立体的な艦隊格闘戦法を使ったり、ワープ中のヤマトと亜空間内で一騎討ちをするなど独特な活躍を見せるが、ガミラス星前面の戦いでキャプテン・ハーロックの戦闘艦と戦ってロメルもろとも撃沈された。ゲル艦は数に頼った力押しの戦法でヤマトに対抗するが、ロメル艦に比べると特筆すべき戦果は上げておらず、戦闘では常に艦隊の過半を失って敵前逃亡するなど見せ場はない。

ハイゼラード級航宙戦艦

艦体諸元
艦級 ハイゼラード級
全長 392m[15]
主機関 ゲシュタム・ドライブ
兵装 330ミリ三連装陽電子カノン砲塔×2基[15](艦上)
330ミリ三連装陽電子ビーム砲塔×1基[15](艦底)
280ミリ二連装陽電子ビーム砲塔×4基[15](艦尾)
近接防御火器(単装)×32基[15]
近接防御火器(四連装)×8基[15](艦上6基、艦底2基)
艦首魚雷発射管×12門[15]
艦底魚雷発射管×21門[15]

『宇宙戦艦ヤマト2199』に登場する新規設定の艦。デザイン担当は石津泰志[16]

ガイデロール級の後継艦。火力、装甲、推進機関などが増強されており、高密度のガス状星雲の近くや、大気のある宇宙空間でも行動可能[15]。航宙艦隊の指揮艦を務めるほか、帝星政府閣僚の専用艦としても運用されている[15]

形状はガイデロール級に類似している(艦体中央部は完全に同一[17])が艦首と艦尾が伸びている。ガミラス軍艦艇特有の目玉状の発光部は、艦舷中央部の下方(艦首魚雷発射管の下部)に存在する。また、ガイデロール級より尖った艦首には開口部が存在しない。艦尾の推進ノズルは、ガイデロール級と同じ小判形ではなく、他のガミラス艦に一般的な円形である[18]。艦橋の形状もガイデロール級とは若干異なり、大型になっている[18]。艦尾の形状はメルトリア級に類似したものとなっている[19]

兵装は、基本的にガイデロール級とほぼ同一だが、前部甲板に2基装備している砲塔は有砲身の三連装陽電子カノン砲塔となっており、徹甲力が強化されている。

設定画自体は第一章上映前からチラシ等で公開されていたが、劇中での初登場は第14話と遅く、また直接発砲や戦闘するシーンは一切なかった。

シャングリ・ラー
ミーゼラ・セレステラ専用艦で、塗装は淡いパープルカラー。第14話に登場し、バラン星の遺跡に訪れている。
キルメナイム
ハイドム・ギムレー専用艦で、塗装は青。第15話で初登場し、航宙親衛艦隊を率いて、惑星オルタリアに攻撃を仕掛けている。第23話で再登場したが、ほとんど出番もないまま第二バレラスの爆発に巻き込まれ、爆沈した。

玩具・模型

バンダイのプラモデルシリーズ「宇宙戦艦ヤマト・メカコレクション」ではラインナップには入らなかったが、その後、商品化されている。

  • B-CLUBのレジンキャストキットNo.2546。スケールは1/2100。
  • ザッカピー・エイ・ピーのブラインド商品宇宙戦艦ヤマト メカニカルコレクションPART.4」にラインナップ。塗装済完成品。
  • バンダイのプラモデル「1/1000Scale 大ガミラス帝国航宙艦隊 ガミラス艦セット2」で、ガイデロール級として商品化。また、ハイゼラード級も「1/1000Scale 大ガミラス帝国航宙艦隊 ガミラス艦セット4」で商品化される。

出典・脚注

  1. ^ 設定資料に「ヤマトよりも小さい」との記述がある[要出典]が、これは製作時のヤマトの全長が300メートル以上と設定されていた事による。詳細はヤマトの諸元を参照。
  2. ^ 『宇宙戦艦ヤマト』の劇中描写より。なお近年発売されている玩具やゲームなどでは黄色と解釈されている[要出典]
  3. ^ エネルギー砲は駆逐型デストロイヤー艦の表記より。『宇宙戦艦ヤマト メカニック大図鑑1』[要ページ番号]ではフェザー砲になっている。
  4. ^ 『宇宙戦艦ヤマト』では描写が一定せず、艦首全体が濃緑で、艦首先端のみが灰色となっているシーンが多々ある。
  5. ^ a b c d e f g ガイデロール級航宙戦艦宇宙戦艦ヤマト2199公式サイト、2016年3月27日閲覧
  6. ^ a b c 『宇宙戦艦ヤマト2199 公式設定資料集[GARMILLAS]』P004。
  7. ^ a b c d 『宇宙戦艦ヤマト2199 COMPLETE WORKS-全記録集-Vol.2』(マッグガーデン、2014年)P246。
  8. ^ 砲熕兵器の口径は地球側の換算による数値。
  9. ^ 『宇宙戦艦ヤマト2199 公式設定資料集[GARMILLAS]』P006-010。
  10. ^ 『宇宙戦艦ヤマト2199』第1話の識別モニターの表示より。
  11. ^ 『宇宙戦艦ヤマト2199 公式設定資料集[GARMILLAS]』P007。
  12. ^ 『宇宙戦艦ヤマト 遥かなる星イスカンダル 設定資料集』(スタジオDNA、2000年)P056。
  13. ^ 『宇宙戦艦ヤマト画報 ロマン宇宙戦記二十五年の歩み』P186。
  14. ^ 『宇宙戦艦ヤマト画報 ロマン宇宙戦記二十五年の歩み』P189。
  15. ^ a b c d e f g h i j 『宇宙戦艦ヤマト2199 公式設定資料集[GARMILLAS]』P030。
  16. ^ 『宇宙戦艦ヤマト2199 公式設定資料集[GARMILLAS]』P032, 033。
  17. ^ 『宇宙戦艦ヤマト2199 公式設定資料集[GARMILLAS]』P032。
  18. ^ a b 『宇宙戦艦ヤマト2199 公式設定資料集[GARMILLAS]』P033。
  19. ^ 『宇宙戦艦ヤマト2199 公式設定資料集[GARMILLAS]』P253。

参考文献

関連項目