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アースティカとナースティカ

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アースティカ」と「ナースティカ」は、正統バラモン側から見た、正統と異端を区別するための呼称である。

概説

インドには伝統的にはぐくまれた哲学・宗教思想体系があり、それはダルシャナなどの名称で呼ばれている[1]

正統バラモンは、そしたダルシャナを、ヴェーダ聖典の権威を認めるか否かを基準として区分し、認める思想を サンスクリット: आस्तिक(Āstika、 アースティカ)つまり「正統派」と呼び、ヴェーダに権威を認めない思想を「(नास्तिक nāstika ナースティカ」つまり「異端派」と呼んだ[1]

正統バラモンたちからアースティカの代表格と見なされたのは六派哲学で、その中でもヴェーダ聖典解釈と密接な関係があるミーマーンサーヴェーダーンタを正統の中の正統とする傾向がある[1]

それに対し、ナースティカと見なされたのは、チャールヴァーカ(=唯物論者)、仏教徒ジャイナ教徒だった[1]

古典期においてはバラモンたちはチャールヴァーカや仏教徒たちをナースティカとして異端視する傾向が強かった。

ヴェーダーンタ不二一元論派によって書かれた、各学説・哲学・教義の要覧でも「アースティカ」「ナースティカ」という語を用いているが、そうした書では、どの学説も唯一の実在ブラフマンを説いているが学び手の能力にあわせて教え方が変わっているのだ、などと説明された。こうした説明には、異質な要素でも取り込んでしまおうとする包括主義が見られ、これは現在のヒンドゥーイズムの顕著な特徴である包括主義に継承されている。さらにネオ・ヒンドゥーイストたちは「真理は一つ。表現が異なっているだけなのだ」としつつ、西洋の宗教や哲学までも包括するようなモデルを構築しようとした。

参考文献

『岩波 哲学思想事典』pp.921-922【正統と異端】丸井浩 執筆

出典

  1. ^ a b c d 『岩波 哲学思想事典』pp.921-922


関連項目

関連書

  • Flood, Gavin (1996), An Introduction to Hinduism, Cambridge University Press, ISBN 8175960280