アルファロメオ・GT

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アルファロメオ・GT
概要
販売期間 2003年 - 2010年[1]
ボディ
乗車定員 5人
ボディタイプ 2ドアクーペ
駆動方式 前輪駆動
プラットフォーム Type Two rev. 3英語版
パワートレイン
エンジン
変速機
前: ダブルウィッシュボーン
後: パラレルリンクストラット
前: ダブルウィッシュボーン
後: パラレルリンクストラット
車両寸法
ホイールベース 2,595 mm
全長 4,495 mm
全幅 1,765 mm
全高 1,375 mm
車両重量 1,360-1,430 kg
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アルファロメオ・GTは、イタリアの自動車メーカーアルファロメオが2003年から2010年まで製造販売していたクーペ型の自動車である[1][2]

概要

2003年3月のジュネーブ・モーターショーで発表。2ドア+ハッチゲートを持つ車体のデザインはベルトーネによるもの。「アルファGT」と呼ばれることが多い(フィアット・オート・ジャパンの公式ウェブサイトなどでもアルファGTと呼称されている)。

開発当初、アルファロメオのラインナップにはミドルクラスの2ドアクーペとして、別に「GTV」(後の「ブレラ」)が存在していたため、新規設計車として開発することは商業的に避けられることとなり、「GT」の主要部分は147156の部品を流用して作られた。

プラットフォームを含めた主要構成要素は156の発展系だが、フロントサスペンションは147GTA、リアサスペンションは156スポーツワゴン用が基盤となっている。またフロントフェンダーは147GTAのものを、ドアやダッシュボード、シート等は147のデザインを採用している。特にダッシュボードは147とほとんど変わらないデザインだが、センターコンソールとメーター周囲のリングの色を147GTA仕様にし、シフトノブ周辺のデザインもGT専用にアレンジすることでうまい具合に高級感を演出している。 クーペではあるが、独立したトランクではなくハッチバックを採用しており、またスペース効率に優れたリアサスペンションを採用していることもあり、荷室容量は156スポーツワゴンに匹敵するほど大きい。後部座席もあり、長距離の移動でなければ大人2人が普通に過ごせる空間はある(乗車定員は5人)。スポーツカーというよりは(その名の通り)グランツーリスモとしての性格が強い。

エンジン

エンジンは基本的に156と共通である。エンジンのレイアウトと設計は同一だが、出力に若干差異があり、170 PSのディーゼルエンジンが利用可能で、V6エンジインの出力は156の250 PSから240 PSにわずかに下がっている。日本市場では2.0リットル直噴ガソリンエンジンと3.2リットルV型6気筒エンジン(2008年8月まで)が設定された。

  • ガソリン
  • ディーゼル
モデル[3][4][5] エンジン 排気量 最大出力 最高トルク 最高速度 0–100 km/h (62 mph)
(秒)
1.8 TS 直4 1.7 L (1,747 cc) 140 PS (138 hp; 103 kW) @ 6,500 rpm 163 N⋅m (120 lb⋅ft) @ 3,900 rpm 200 km/h 10.6
2.0 JTS 2.0 L (1,970 cc) 165 PS (163 hp; 121 kW) @ 6,400 rpm 206 N⋅m (152 lb⋅ft) @ 3,250 rpm 216 km/h 8.7
3.2 V6 V6 3.2 L (3,179 cc) 240 PS (237 hp; 177 kW) a@ 6,200 rpm 300 N⋅m (221 lb⋅ft) @ 4,800 rpm 243 km/h 6.7
1.9 JTDm 直4 1.9 L (1,910 cc) 150 PS (148 hp; 110 kW) @ 4,000 rpm 305 N⋅m (225 lb⋅ft) @ 2,000 rpm 209 km/h 9.2
170 PS (168 hp; 125 kW) @ 3,750 rpm 330 N⋅m (243 lb⋅ft) @ 2,000 rpm 216 km/h 8.2

グレード構成

日本では2004年6月より導入開始。デビュー当初のライナップはエンジンや装備の違いにより以下の3種類が用意された。

  • 2.0JTSセレスピード - 2.0Lエンジンを積んだベースグレード。
  • 2.0JTSセレスピード・エクスクルーシブ - 2.0JTSセレスピードの豪華装備版。
  • 3.2V6 24V - 3.2リットルエンジンを積んだ最上級グレード。

変速機は直4モデルには5段セレスピード、V6モデルには6段MTが組み合わされた。なお、日本の純正仕様では、直4モデルは右ハンドル、V6モデルは左ハンドルのみの設定となっている。

上記3モデルを基軸に、以下の特別仕様車が限定販売等の手法により順次追加された。

  • ディスティンクティブおよびプログレッション - 2.0JTSセレスピードをベースに内外装に手を加えた限定車。2004年11月追加。
  • スポルティーバおよびコレッツィオーネ - 2.0JTSセレスピード」をベースに内外装に手を加えた限定車。2006年4月追加。
  • スポルティーバIIおよびコレッツィオーネII - 2.0JTSセレスピード」をベースに内外装に手を加えた受注生産車。2008年3月追加。

特別仕様車

生産終了時点まで、以下のモデルを含む数種類の特別仕様車が販売された。

スペシャル・エディション(イギリス市場)
Special Edition 1.9 JTDmがイギリス市場向けに生産された(要事前注文)[6]。革の内装とQ2システム(トルクベクタリングシステム)が標準装備であった[7]
Run Outエディション(スポーツ)(オランダ市場)
GT Run Outエディション(スポーツ)
Run Outエデッション2.0 JTS(黒色のみ)は、オランダのディーラーだけのために12台が組み立てられた[8][9][10][11]。本特別仕様車は安心・快適設備の点でいくつかの点が改善されている。例えば、ボーズ製オーディオシステムがマルチメディアUSBに接続され、Bluetooth Blue&Me英語版システムと統合されていた。Run Outエディションは18インチアルミホイール、塗装ブレーキキャリパー、白色の背面照明付きの黒色の機器、黒色の革巻きステアリングホイール、アルミペダルを備える。さらに、特定の大きさの灰色の革シートと内装が装着されている[12]
Centenario(オーストラリア、南アフリカ、フランス市場)
「100th anniversary limited edition」[13]はオーストラリアおよび南アフリア市場向けである[14]。Rosso Alfa、Atlantic Blue、黒、Ice Whiteの4色から選択可能。「100th Anniversary Limited Edition」は限定130台が生産された(100台がオーストラリア市場、30台が南アフリカ市場)。
市場の品揃えの見直しに伴い、GTには3.2リットルV6エンジンとマニュアル6速ギアボックスが搭載されるようになった。「Centenario」版はフランス市場向けに作られた[15]。Centenarioはリアビューカメラ、Blue&Me、および1.9 JTDm 16Vエンジンを搭載した。
Quadrifoglio Oro(日本市場)
「Quadrifoglio Oro」は日本市場向けの限定60台の特別仕様車であり、オランダ版のRun Outと似た仕様(2.0 JTSエンジン、Selespeedギアボックス、赤色機器、アルミホイール、赤色塗装)を有していた[16]。これが生産された最後のGTモデルであった[17]

出典

  1. ^ a b Enrique García (2010年). “Alfa Romeo cesa la producción del GT” (スペイン語). es.autoblog.com. 2010年11月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年8月21日閲覧。
  2. ^ 大矢 アキオ (2010年8月21日). “第156回:さらば「アルファGT」−大矢アキオの思い出−”. WebCG. 2020年8月15日閲覧。
  3. ^ Technical specifications Alfa GT 1.9 JTDM 16v 170 CV and Q2 system”. alfaromeopress.com/. 2018年7月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年10月2日閲覧。
  4. ^ Press release 04 November 2003”. alfaromeopress.com (2003年). 2018年7月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年6月7日閲覧。
  5. ^ 2003 Alfa Romeo GT 3.2 V6”. carfolio.com (2013年2月28日). 2018年7月27日閲覧。
  6. ^ Top Gear. “Alfa GT Cloverleaf news - Coming up clover - 2008 - BBC Top Gear”. BBC Top Gear. Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
  7. ^ Fabio Sciarra (2008年6月23日). “Alfa Romeo GT Quadrifoglio: nuova serie speciale per la Gran Bretagna”. Autoblog.it. Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
  8. ^ Automotive Database”. Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
  9. ^ (オランダ語)Brochure showing the "Run Out Edition 2010" aka GT Sport Archived 2016-03-03 at the Wayback Machine.
  10. ^ GT Sport data sheet” (ドイツ語). Alfa Romero (2010年6月). 2014年2月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年10月4日閲覧。
  11. ^ Descrizione dell'evoluzione del motore 2000 JTS”. 2013年10月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年7月18日閲覧。
  12. ^ Andrea Zaliani (2013年3月4日). “Alfa Romeo GT”. Autoblog.it. Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
  13. ^ Dario Montrone (2010年9月4日). “Alfa Romeo GT: versione "Centenario" per Australia e Sud Africa”. Autoblog.it. Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
  14. ^ Brochure Alfa GT Centenario Archived April 10, 2012, at the Wayback Machine.
  15. ^ Dario Montrone. “Alfa Romeo 147 e GT in allestimento "Centenario" per il mercato francese”. Autoblog.it. 2019年6月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年8月12日閲覧。
  16. ^ Alfa GT Quadrifoglio Oro - SESSANTA PEZZI PER IL GIAPPONE - Quattroruote”. Quattroruote.it. 2014年2月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。 Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
  17. ^ Dario Montrone (2010年7月30日). “Alfa Romeo GT: la versione Quadrifoglio Oro per il Giappone”. Autoblog.it. Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。

関連項目

ウルトラマンマックス-対怪獣防衛チーム「DASH」の専用車『ダッシュアルファ』として登場。またトミオカ長官の依頼によりアルファロメオが製作したという設定がなされている。

外部リンク