goo

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goo(グー)は、NTTレゾナントが運営するポータルサイトである。名称は「global network が無限大()に拡大し続ける」ことに由来する。NTTグループがサービスするポータルサイト「NTT DIRECTORY」は「OCN navi」へ名称変更後、「OCNサーチ[1]」としてサービスしている。アレクサランキングでの順位は2020年12月10日現在では、世界594位、日本国内45位である。[2]

概要・沿革

開設からサービスの拡大へ

当初はNTTグループが提供する、インターネットガイド&ネットショップ「G-Square」内の一サービスメニューとしてNTTアドが検索システムを提供、NTTは検索技術の実験として1997年3月27日Inktomi社のエンジンとNTT研究所の日本語解析技術をミックスしたロボット型検索エンジンを始めた。NTT自体はコンテンツを有しておらず、各種コンテンツを有する企業と共同でサービスを展開している。NTTマルチメディアビジネス開発部の塚本良江(マイクロソフト執行役員MSN事業部長、ACCESSメディア事業準備室長を経て現NTTコミュニケーションズ)含む3名でサービスを開始し、5か月後の8月に100万ページビュー/日を越えた。

技術的に協力していたNTTが、1998年5月に実験として運営に参加してスタッフを10数名に増員する。Webメールを「gooフリーメール」として提供し、ニュースやスポーツ、天気などのコンテンツを得意分野の企業と提携して「gooホットチャネル」として提供し、それぞれ広告の出稿を募るなどを先進的に試み、検索エンジンからポータルサイトの地位を確立した。

1999年に、事業会社としてNTT-Xが発足して実験運用から商用運用を開始した。5月にサイト構成を大規模に刷新し、ショッピングモール「gooショップ」を開設、リクルートと提携、日本経済新聞社と共同事業、三菱総研とインターネットリサーチを協業、三省堂と提携して無料辞書サービス「goo辞書」を開始、など新たなサービス事業でポータル機能の充実を図り、以後は毎年5月のサイト刷新が定着する。Yahoo! JAPANと連携し、Yahoo! JAPANの検索結果に該当がなかったものはgooの検索結果が表示された。2004年以降はOCNぷららWAKWAKなどNTT系プロバイダのポータルサイトの検索エンジンや情報提供サービスの多くははgooを利用する。

「環境goo」、「教えて!goo」(2007年1月の月間訪問者数が428万人のユーザー参加型Q&Aサイトで、「OKWave」と提携した時期もある。)、「gooブログ」、旧BROBAコンテンツの配信など、各種サービスを提供する。

2000年代以降の沿革
  • 2003年12月1日、Google社と戦略的に提携し、InktomiからGoogleへ検索エンジンを移行して話題となった。gooは検索系ポータルとして最後までInktomiのエンジンを利用した。
  • 2004年4月1日にNTT-X社から、新設したNTTレゾナント社へgooの譲渡された。
  • 2005年2月16日から、gooブログ無料版の容量を最大3GBに、gooブログアドバンスの容量を最大1TBへそれぞれ増加した。
  • 2006年4月18日から、「goo 辞書」の「フリー百科事典」でウィキペディア日本語版の記事が検索できるようになった。2006年6月から日本語版ウィキペディアの部分を独立して「goo Wikipedia記事検索」とした。
  • 2007年8月22日から、検索で得られた収益の一部を環境保護団体へ寄付する「緑のgoo」を開始した。2007年12月11日に、ウェブブラウザMozilla Firefoxを公開するMozilla Japanと提携して環境保護をテーマにしたWebブラウザ「緑のgoo版 Firefox」を公開した[3]
  • 2008年3月31日にgooトップページをリニューアルした。
  • 2010年4月2日からgooメールがバージョンアップし、無料版が2GB、gooメールアドバンスが5GBまでメールボックスが利用可能となった。
  • 2010年5月31日からgooメールの動作を軽くした、gooメールシンプルを提供開始する。
  • 2013年4月不正ログイン攻撃を受けて全アカウントをロックする。解除には登録した氏名、生年月日、メールアドレスのすべてが必要である。
  • 2015年1月27日に、教えて!gooとOKWaveが分離した。
  • 2019年7月29日に、8月27日でgooカテゴリー検索のサービスを終了すると発表した[4]

goo提供の主なサービス

gooメール

日本のポータルサイトで早期に、フリーWebメールを取り入れている。メールアドレスはXXXX@mail.goo.ne.jpとなる。通常のメールの送受信の機能のほかに以下のサービスを提供している。

  • 迷惑メールフィルター、ウイルスチェック
  • 他のプロバイダメールとの統合
  • 画面のカスタマイズ
  • iモード携帯電話での利用、携帯電話への着信通知機能。
  • HTMLメールの作成
  • 振り分け設定
  • 通常のメーラーを使ったメールの送受信(有料オプション)
  • 2010年4月1日付の全面リニューアルで不具合が生じ、朝日新聞で『文字化けなどの不具合 苦情1万2千件』及び毎日新聞で『文字化けなどの不具合 苦情1万2千件』と報道され、雑誌の日経コンピュータでも紹介された。
  • 上記を踏まえ2010年5月31日、動作を軽くしたgooメールシンプルモードが提供された。
  • 無料版サービスの新規登録受付を、2013年10月1日11時に停止。
  • 2014年3月10日に無料版サービスを停止し有料版の一本化となる。

情報提供サービス

  • gooニュース - 政治経済、社会、スポーツ、芸能等のニュースの提供。当初、動画などのストリーミング配信には対応していなかったが、2019年7月から日テレNEWS24など一部の配信メディアにおいて対応している。
  • 日経goo - gooニュースとは別に日本経済新聞との提携による、日経新聞及び日経4紙のサイトの閲覧。有料の紙面においてはgooポイントが利用できる。
  • goo天気 - 日本気象協会提供の天気予報。季節ごとの名所やレジャースポットなどの、ピンポイント天気予報も利用が可能となっている。アメダス、衛星画像、波情報、天気図などが表示される。
  • goo地図 - ゼンリンデータコム提供の地図検索サービスが利用できる。日本測地系を採用している。携帯電話のサイトでも提供しており、携帯電話のGPSと連携した乗り換え案内なども提供される。[5]javaScript対応のNTTドコモの携帯電話ではブラウザ上でスクロールも可能となる。2010年4月からはXperiaなどのandroid機種でも利用が可能となった。
  • goo乗換案内 - ジョルダンの乗換案内を利用できる。gooホームで登録した住所近郊の鉄道運行状況がトップ画面に表示される。
  • gooタウンページ - 1100万件の電話番号検索ができる
  • goo辞書 - 国語、英和、和英他の辞書サービス。
    • 英辞郎
    • 大辞林 第二版」及び 「デイリー 新語辞典+α」(約25万語)
    • 英和「EXCEED 英和辞典」(約12万語)
    • 和英 「EXCEED 和英辞典」 (約9万4千語)
    • 四字熟語 「新明解四字熟語辞典」
  • gooRSSリーダー - 最新ニュースやブログを自動収集
  • goo旅行 - じゃらんnet楽天トラベルるるぶトラベル、宿プラザ、宿なび、やど上手、近畿日本ツーリストJTBといった各旅行サイトと提携したサイト
  • gooランキング - 様々なカテゴリの人気ランキング、gooメーカー☆メーカーを使ってユーザーが作成することもできる。
  • gooメーカー☆メーカ - クイズ・占い・クロスワード、ランキングなどが作れるサービス。
  • gooスピードテスト - 現在の通信速度を計測することができる。
  • gooテレビ番組 - テレビ番組の放送内容を検索できるサービス。ワイヤーアクションからの情報を受けている[6]

コミュニティーサービス

  • gooホーム - インターネット上の総合ポータルサイトgooが提供するSNS。
  • gooブックマーク - 良質なブックマークを会員同士で共有するサイト
  • gooからだログ - ダイエットから健康をサポートする健康SNS
  • 教えて!goo - 利用者の質問を同じgoo利用者が回答するgooの人気サービス。2015年1月にOKWaveと分離した。
  • gooブログ - 無料のブログサービスを提供している。現在約140万人の利用がある。無料版と有料版とがあり、有料版を利用すると詳細なアクセス解析ができたり、テンプレートが自由に変更ができ、芸能人等も多数利用している。
  • goo SNS - 詳細はgooホーム参照。
  • gooグルメ&料理 - 様々な料理のレシピ、作り方などを紹介。

動画・音楽配信

NTTコミュニケーションズ、OCNなどと提携して、様々な動画の配信を行っている。

  • goo楽曲配信 by MUSICO - 音楽配信サービス
  • goo ClipLife - 動画共有サービス
  • gooブロードバンドナビ - 動画配信 有料(gooブロードバンドプレミアム)
  • goo映画 - 映画配信、予告編、上映館情報 ハリウッド映画、Vシネマなど観ることができる。

決済サービス

同じNTTグループのOCN、ぷららなどと提携した決済サービス。gooの有料コンテンツをOCNやぷららの請求で支払いことなどが可能となる。

  • gooショッピング - 各カテゴリ毎にネットショッピングを利用することができる。
  • オークション
  • gooダウンロード - フリーウェアシェアウェアソフトのダウンロードサイトVECTORのサービスの利用が可能となる
  • gooらくらく決済(クレジットカード、イーバンク、Pちょコム)
  • OCNペイオン決済(プロバイダー)
  • ぷらら決済(プロバイダー)
  • FunBee決済(フレッツ利用者)
  • goo Research アンケートに答えてgooポイントがもらえる。

携帯電話での利用

モバイルgooという携帯電話用のサイトも構築している。同サイトでは、上記であげたメール、ブログ、教えて!goo、地図、路線検索、RSSリーダーなど、gooのサービスのほとんどが利用できる。着メロ着うた等ダウンロードサイトなどが多数ある。教えて!gooはiモードの公式サイトに登録されている。

goo.co.jpドメイン紛争について

岡山県倉敷市の有限会社ポップコーンは、こちらの goo が開設される以前の1996年8月に goo.co.jp というドメイン名を取得していた[7]。ドメイン取得当時は女子高生をテーマにした非アダルトサイトとして運営されていたが、goo.ne.jp が著名になった1999年9月頃アダルトサイトへ転送するサイトに切り替えられた[7]2000年11月に当時の goo 運営元である NTT-X は工業所有権仲裁センター(現日本知的財産仲裁センター)に対しドメインの移転を求める申し立てを行い、2001年1月に同センターはポップコーンにドメインの移転を命じる裁定を下した[8]。これを不服としたポップコーンは2001年2月に NTT-X を相手取り東京地方裁判所にドメイン使用権確認の訴えを提起したが、2002年4月に東京地裁はポップコーン側の請求を棄却する判決を下し[9]、同年10月の控訴審判決でもポップコーン側の控訴は棄却され、ポップコーン側のドメイン使用権が否定された[10][11]

.jp汎用ドメインの取得が開始された際、先にドメインを取得していたものを優先に取得が可能とされた。この紛争前は、goo.ne.jpを取得していたNTT-Xよりも、goo.co.jpを先に取得していた有限会社ポップコーンが、「goo.jp」を優先取得できていた。しかし、goo.co.jpの権利がNTT-Xに移行したことによって、「goo.jp」をNTT-Xが優先取得 した。

脚注

  1. ^ http://www.ocn.ne.jp/search/
  2. ^ goo.ne.jp Competitive Analysis, Marketing Mix and Traffic - Alexa”. Alexa Internet. 2020年12月10日閲覧。
  3. ^ 環境保護をテーマにしたブラウザ「緑のgoo版 Firefox」公開
  4. ^ goo カテゴリー検索 サービス終了のお知らせ”. goo (2019年7月29日). 2020年1月9日閲覧。
  5. ^ 携帯向け「goo地図」、無料のルート案内機能
  6. ^ goo、テレビ番組での紹介内容を検索できる「TVトピック検索」 - BB Watch
  7. ^ a b 揺れるドメイン名の先願主義 「goo.co.jp」事件の舞台は法廷へ, ITpro, 2001年2月28日
  8. ^ 「goo.co.jp」をめぐるドメイン名紛争で、「goo」の訴えが“勝利”, INTERNET Watch, 2001年2月7日
  9. ^ 「goo.co.jp」ドメイン名使用権でNTT-Xが勝訴~東京地裁が判決, INTERNET Watch, 2002年4月26日
  10. ^ 「goo.co.jp」ドメイン名使用権、NTT-Xが控訴審でも勝訴, INTERNET Watch, 2002年10月17日
  11. ^ 東京高判平成14年10月17日 平成14(ネ)3024号

関連項目

外部リンク