1792年アメリカ合衆国大統領選挙
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州ごとの投票状況、全てワシントンに | ||||||||||||||||||||||||||
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1792年アメリカ合衆国大統領選挙(1792ねんアメリカがっしゅうこくだいとうりょうせんきょ、英語: United States presidential election, 1792)は、1792年11月2日から11月13日に施行されたアメリカ合衆国の大統領選挙である。
概要
建国後2回目の大統領選挙であり、建国時の13州全てが初めて選挙人を指名した選挙でもあった。また、新たに合衆国の州となったケンタッキー州とバーモント州を併せ、15州が選挙に参加した。
1789年の第1回選挙の時はジョージ・ワシントンが第2期目も反対無く出馬するものとされていた。当時1800年の選挙まで、各選挙人は2票を持っており、最大得票の候補者が大統領に、2番目に多い者が副大統領に選出されることになっていた。第1期目の時と同様に、ワシントンが全会一致で再選されたと考えられている。
77票を獲得したジョン・アダムズが第2位となり、副大統領に再選された。
1792年の選挙は第1回の3年後であった。しかし、ワシントンの任期は1789年4月30日の宣誓からほぼ4年後の1793年3月までだった。1792年以降、大統領選挙は4年ごとに行われている。
選出方法
選出方法 | 採用州 | 選挙人 |
---|---|---|
州議会による選出 | コネチカット州 | 9 |
ジョージア州 | 4 | |
ニュージャージー州 | 7 | |
ニューヨーク州 | 12 | |
サウスカロライナ州 | 8 | |
デラウェア州 | 3 | |
ノースカロライナ州 | 12 | |
ロードアイランド州 | 4 | |
バーモント州 | 4 | |
4つの選挙区で5人または3人の選挙人を選出 | マサチューセッツ州 | 16 |
有権者の直接選挙で選出。選挙人定数にしたがって選挙区を設定。 | ケンタッキー州 | 4 |
バージニア州 | 21 | |
有権者の直接選挙で選出。州全域で一選挙区。 | ニューハンプシャー州 | 6 |
メリーランド州 | 10 | |
ペンシルベニア州 | 15 | |
選挙人計[1] | 135 |
一般選挙
選挙運動
この時までに政党が結成されていた。1つは財務長官を務めていたアレクサンダー・ハミルトンに率いられる連邦党であり、経済を引っ張る役目を果たす強い連邦政府を望んでいた。もう1つは国務長官を務めていたトーマス・ジェファーソンとアメリカ合衆国下院議員のジェームズ・マディスンに率いられる民主共和党であり、州の権限を重んじ、ハミルトンの経済政策に反対していた。マディスンは、初めは連邦党員であったが、1791年にハミルトンによって設立された合衆国第1銀行に反対し、反連邦党のトーマス・ジェファーソンと共に民主共和党を結成した。
1792年の選挙は、党派間の闘争に似た形で争われた最初のものになった。ジェファーソンの参謀であったジョン・ベックリーが指摘した様に、ほとんどの州でこの議会選挙はある意味で「財務省と共和派の利益の間の闘争」として認識されていた。ニューヨーク州では、知事選挙もこの線に沿った形になった。ニューヨーク州知事選挙の候補者は、合衆国最高裁判所長官でハミルトン支持者のジョン・ジェイと現職でジェファーソンと民主共和党に結びついたジョージ・クリントンであった。
ワシントンは引退を考えていたものの、両方の政党が両派の相違に対する橋渡しをする役目として大統領職に留まるよう進めた。ワシントンはその任期中両方の政党から実際に支持され、権利章典の制定により以前にも増して人気を得ていた。しかし、民主共和党と連邦党は副大統領の座を争った。現職のジョン・アダムズは連邦党の候補者であり、ジョージ・クリントンは民主共和党の候補者であった。民主共和党の選挙人がジョージ・クリントンに投票することに反対して、その代わりにジェファーソンやアーロン・バーに投票したために、アダムズが容易に副大統領に選ばれる道ができた。
選挙結果
選挙人は全会一致で再びワシントンを大統領に選んだ。ジョン・アダムズは、今回は投票人の過半数を超える票を得て第2位となり、副大統領に再選された(前回の第1回選挙ではわずかに過半数に届かなかった)。ジョージ・クリントンは、ジョージア州、ノースカロライナ州、バージニア州、出身地のニューヨーク州の全選挙人と、ペンシルベニア州の1票を得たに留まった。トーマス・ジェファーソンは、出身地バージニア州から分離したばかりのケンタッキー州の票を獲得した。サウスカロライナ州の1票がアーロン・バーに投じられた。
一般投票
選挙人出身党派 | 得票数 | 得票率 |
---|---|---|
連邦党 | 9,478 | 71.1 |
民主共和党 | 3,854 | 28.9 |
計 | 38,818[2] | 100,0 |
選挙人投票
候補者 | 一般投票 | 選挙人投票 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
氏名 | 出身党派 | 出身州 | 得票数 | 得票率 | 得票数 | 得票率 |
ジョージ・ワシントン | 無所属 | バージニア州 | 38,818 | 100.0 | 132 | 100.0 |
ジョン・アダムズ | 連邦党 | マサチューセッツ州 | - | - | 77 | 58.3 |
ジョージ・クリントン | 民主共和党 | ニューヨーク州 | - | - | 50 | 37.9 |
トーマス・ジェファーソン | 民主共和党 | バージニア州 | - | - | 4 | 3.0 |
アーロン・バー | 民主共和党 | ニューヨーク州 | - | - | 1 | 0.8 |
計[1][3] | 13,332 | 100.0 | 132 (264) |
100.0 |
脚注
- ^ a b メリーランド州の選挙人2人とバーモント州の選挙人のうち1人が棄権したため有効投票数は132。
- ^ U.S. President National Vote. Our Campaigns
- (a) 15州のうち6州が一般投票の形で選挙人を選んだ。
- (b) 人口の0.5%足らずが投票した。1790年の国勢調査ではアメリカ合衆国の人口は390万人、うち320万人が自由人、70万人が奴隷であった。
- (c) 選挙人を一般投票で選んだ州は、その州によって有権者の財産に関する幅広い制限を設けていた。
- ^ National Archives EV source| year=1792| as of=July 30, 2005
関連項目
参考文献
- Berg-Andersson, Richard (2000年9月17日). “A Historical Analysis of the Electoral College”. The Green Papers. 2005年3月20日閲覧。
- Elkins, Stanley; McKitrick, Eric (1995). The Age of Federalism. Oxford University Press
- A New Nation Votes: American Election Returns, 1787-1825