鳥類用語

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鳥類用語(ちょうるいようご)では、鳥類の身体の名称、および特徴や生態を示す用語について記す。

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目次

身体の構造 [編集]

頭部 [編集]

頭頂(とうちょう、英:crown
眼より上の部分。
頭央線(とうおうせん、英:crown stripe)
頭側線(とうそくせん、英:lateral crown stripe)
冠羽(かんう、かんむりばね、英:crest
頭頂部から生える細長い羽根。繁殖期 (夏羽)の雄にのみ出現する場合もある。
繁殖期に現れる長い羽毛を飾り羽(かざりばね)と呼ぶ。
耳羽(じう、みみばね、英:ear-coverts)
耳を覆っている羽。
後頭(こうとう、英:hind head)
頭部のうち眼より後ろの部分。
額(ひたい、英:forehead)
(くちばし、英:Beak
上下の顎が変化したもので、採食方法にあわせて様々に進化している。上側の嘴を上嘴(じょうし、英:upper mandible)、下側を下嘴(かし、英:lower mandible)と呼ぶ。
(め、英:eye)
虹彩(こうさい、英:iris)
アイリング(英:eye-ring)
眉斑(びはん、英:supercilium
過眼線(かがんせん、英:eye stripe)
眼を中心に、前後方向に入る線状(帯状)の模様。カルガモハクセキレイなどで見られる。
眼先(めさき、英:lore)
頬(ほお、英:cheek)
眼の下の部分。スズメニュウナイスズメのように、この部分に入る斑点等で種を見分ける場合がある。
頬線(ほおせん、英:moustachial stripe)
外頬線(そとほおせん、英:submoustachial stripe)
顎線(がくせん、英:malar stripe)
腮(さい、英:chin)
顎(あご)。
腮線(さいせん、英:mesial line)
下顎線。
喉(のど、英:throat)
前頸(ぜんけい、英:fore neck)
頸側(けいそく、英:lateral neck)
後頸(こうけい、英:nape)

体部 [編集]

胸(むね、英:breast)
腹(はら、英:belly)
胸に近い方を上腹(じょうふく)、脚に近い方を下腹(かふく、したはら、英:vent)と呼ぶ。
脇(わき、英:flank)
肩羽(かたはね、英:scapulars)
上背(じょうせ、うわぜ、英:mantle)
背(せ、英:back)
腰(こし、英:rump)
背より下、尾羽の付け根より上の部分。
尾筒(びとう、英:tail coverts
尾羽の付け根部分。上面を上尾筒(じょうびとう、英:uppertail coverts)、下面を下尾筒(かびとう、英:undertail coverts, crissum)と呼ぶ。

足部 [編集]

腿(もも、英:thigh)
跗蹠(ふしょ、英:tarsus)
脚(あし、英:feet)
(あしゆび、英:toe)
蹼足(ぼくそく)
足指が薄い蹼膜(ぼくまく)でつながったひれ状の水かき足。
弁足(べんそく、英:lobate)
足指がつながらず独立した葉状の弁膜(べんまく)をもつ水かき足。
(つめ)

翼羽部 [編集]

雨覆(あまおおい、英:wing coverts
大雨覆(おおあまおおい、英:greater coverts)
中雨覆(ちゅうあまおおい、英:median coverts)
小雨覆(しょうあまおおい、英:lesser coverts)
風切羽 (かざきりばね、英:flight feathers
初列風切(しょれつかざきり、英:primaries
飛行機におけるウィングレットに相当
次列風切(じれつかざきり、英:secondaries
三列風切(さんれつかざきり、英:tertials
小翼羽(しょうよくう、英:alula
親指にあたり、飛行機でのスラットのような役割を果たす。
初列雨覆(しょれつあまおおい、英:primary coverts)
翼鏡(よくきょう、英:speculum
主にカモ類に見られる、次列風切付近の金属光沢のある部分。
翼帯(よくたい、英:Wing bar)
尾羽(おばね、英:tail)
中央尾羽(ちゅうおうおばね、英:central rectrices)
外側尾羽(そとがわおばね、英:lateral rectrices)

骨格 [編集]

竜骨突起(りゅうこつとっき、英:keel

生態 [編集]

行動 [編集]

コウロコフウチョウディスプレイ(オスの求愛)
混群(こんぐん)
異なる種類がひとつの群れを形成すること。
ディスプレイ(英:display)
求愛や威嚇などの際、音や動作・姿勢などで誇示する行為。
ドラミング(英:drumming)
翼や尾羽などを使って、またはキツツキ類が嘴で木の幹を繰り返し叩くことで連続音を出す行動。ディスプレイや仲間(繁殖相手や子供など)との合図に使われる。
クラッタリング(英:clattering)
嘴を叩き合わせるように激しく開閉して音を出す行動で、ディスプレイや仲間との合図に用いられる。コウノトリなど鳴管が未発達の種で見られる。クラッターリングとも呼ぶ。
モビング(疑攻撃、英:mobbing)
大型の天敵などに対し、同種の仲間が集団になって攻撃を仕掛けて被捕食から逃れる行動。
ペリット(英:pellet
未消化のものを吐き出した残骸。

繁殖 [編集]

マミジロタヒバリの孵ったばかりの。羽がなく飛べないばかりか、目も開いていない。
ムクドリ若鳥。まだ羽が生え揃っていないが巣を出て自力で飛ぶことができる。
親鳥(おやどり)
繁殖中、育雛中の成鳥のこと。
(ひな、英:chick)
孵化して間もない成長段階にある鳥。または、未成熟な鳥全般を指す場合もある。雛鳥(ひなどり)。※異なる用法も多いので、「幼鳥」も参照のこと。
幼鳥(ようちょう、英:juvenile)
孵化後、主に羽根が生え揃った後、第一回換羽までの成長段階にある鳥。または、未成熟な鳥全般を指す。あるいは、若鳥のこと。※一般的用法、他の学術的用法、家禽での用法などを含め、詳しくは「幼鳥」を参照のこと。
若鳥(わかどり、英:immature)
第一回換羽から、成鳥までの成長段階にある鳥。一般に、この時期になると自力で飛ぶことができる。※異なる用法も多いので、「幼鳥」も参照のこと。
成鳥(せいちょう、英:adult)
成熟した鳥のこと。
老鳥(ろうちょう)
老いた成鳥。加齢等によって体力や商品価値が大いに低下した鳥。学術的に用いられることはほとんど無いが、一般と、家禽ペットおよび食肉流通の分野では通常的に用いられる。※「幼鳥#家禽の幼鳥」も参照のこと。
(す、英:nest
鳥類は卵を産んで温めて孵し、また孵ったばかりの雛は飛べないため、ある程度に成長するまで育雛(いくすう、英:parental care)をする。そのため多くの種類の親鳥は予め卵や雛を気温変動や外敵から護るための場所を確保するが、その場所を巣と呼ぶ。※鳥類の巣の主な形態については「巣#鳥類」を参照のこと。
なお、一部には自ら育雛せず他種の親鳥に育てさせるもの(→托卵)や、卵を産みっぱなしにし地熱等で温め孵す種類も存在する。
鳥類の巣は繁殖期にのみ用いられ、非繁殖期の成鳥や巣立ち後の若鳥が夜間(夜行性の種では日中)休息を取る場所は(ねぐら)と呼んで区別される。
抱卵(ほうらん、英:incubation
巣立ち
狭義には、巣で育雛する種類の雛(幼鳥・若鳥)が巣から出ることを指す。または、雛が親鳥から独立することを指す場合もある。
雛が飛べる段階になるまで巣で育てる種類が多いが、卵が孵るとすぐに巣を出て育雛する種類(カモ類など)もある。
換羽(かんう、英:moult)
羽根が生え変わることをいう。成長に伴う換羽については、成長順に第○回換羽と呼ぶ。:成鳥については年 2回(主に繁殖期と非繁殖期)生え変わるものが多い。このとき体色や模様が大きく変わるものについては、各々の外形上の特徴を夏羽(なつばね、英:summer plumage、繁殖期の羽色)、冬羽(ふゆばね、英:winter plumage、非繁殖期の羽色)と呼び区別する。
コガモのメスとエクリプス
エクリプス(英:eclipse
カモ類の雄は派手な体色をするものが多いが、繁殖期を過ぎた後、一時的に雌のような地味な羽色になるものがおり、その状態を指す。もともとは日食や月食などのを意味する。
托卵(たくらん、英:brood parasitism
多くの種は親鳥が卵を孵し巣立ちまで育てるが、一部種類は、他種の巣に卵を産み他種の親鳥に子育てをさせるものがあり、その行為を指す。カッコウホトトギスなどで見られる。
コロニー(英:bird colony
(鳥の)集団営巣地。英語の場合、"colony" だけで鳥類に限ることはできない。
アジサシ求愛給餌
求愛給餌(きゅうあいきゅうじ)
繁殖相手としたい異性に自らの獲物を差し出そうとすることで成立する、一種の求愛行動。一般に、雄が雌に対して行うもので、雌はこれを受け取るか拒むかで求愛の受け入れの是非を体現する。


鳴き声(呼吸器) [編集]

鳴管(めいかん、英:syrinx

この音声や映像がうまく視聴できない場合は、サウンド再生のヒントをご覧ください。
さえずり(英:bird song
主に縄張り宣言や雌を呼ぶために、繁殖期の雄が発する鳴き声。中でも鳴禽類鳴管の筋肉がよく発達しており、高度なさえずりをする種がある。
地鳴き(じなき)
さえずり以外の鳴き声。主に繁殖期以外での鳴き声を言う。一例として、ウグイスのさえずりが「ホーホケキョ」、地鳴きが「チャッチャ、チャッチャ」。ほかには警戒や威嚇の際の鳴き声、雛を呼ぶときなどの鳴き声を言う。状況に応じ使い分ける。
聞きなし
鳴き声を言葉になぞらえたもの。ホトトギスの「特許許可局 (とっきょきょかきょく)」、サンコウチョウの「月日星ホイホイホイ(つきひほしほいほいほい)」(三光鳥の語源)、センダイムシクイの「焼酎一杯ぐいーっ (しょうちゅういっぱいぐいーっ)」、ホオジロでは「一筆啓上仕り候(いっぴつけいじょうつかまつりそうろう)」、「源平つつじ白つつじ(げんぺいつつじしろつつじ)」、「もちろん弁慶皿持ってこい(もちろんべんけいさらもってこい)」など地方によってさまざまなものがある。
気嚢(きのう、英:air sac
の一部にあたる呼吸器。鳥類は効率的に酸素を得ることができる呼吸器を持つことにより、酸素濃度の薄い上空を飛ぶことも可能となった。詳しくは気嚢および肺#鳥類の肺を参照。

飛翔 [編集]

ハクセキレイフライングキャッチ
停空飛翔(ホバリング、英:hovering)
空中に停止するように飛ぶこと。獲物を狙うコアジサシなどでよく見られる。
帆翔(はんしょう、ソアリング、英:soaring)
翼を広げて気流などに乗ることにより、はばたかずに飛ぶこと。海鳥などで見られる。
フライングキャッチ(英:flying catch)
飛びながら獲物の虫などを捕らえる様子。

歩き方 [編集]

ホッピング(英:hopping)
両脚をそろえてはね歩くこと。主に樹上性の鳥に見られる(例としてスズメ)。
ウォーキング(英:walking)
脚を片方ずつ前に出して歩くこと。主に地上性の鳥に見られる(例としてハト)。

渡り [編集]

渡り(わたり、英:migration
渡り鳥(わたりどり、英:migrant bird)
季節により住む地域を変える鳥。この場合、ある地域で見られる季節を基準とし、夏鳥(なつどり、英:summer migrant, Summer Visitor)、冬鳥(ふゆどり、英:winter migrant, Winter Visitor)、旅鳥(たびどり、英:passage migrant 、渡りをする途中でのみ見られる種類)、迷鳥 (めいちょう、英:vagrant bird 、通常は渡ってこないが稀に渡ってくることがある種類)と呼び区別することがある。留鳥・冬鳥の分け方は地域によって異なる。例えば、北日本のみで繁殖し、西日本では繁殖せず冬にのみ見られるルリビタキベニマシコなどは、北日本では留鳥であり、西日本では冬鳥となる。
留鳥(りゅうちょう、英:resident bird)
一年を通して見られる鳥。ただし、同じ個体が一年中同じ場所にいるわけではなく、スズメなど一年中見られるものでも短距離の移動を行なっている。
漂鳥(ひょうちょう、英:wandering bird)
日本国内で一年中見られるが、季節的に北部から南部に、高地から低地に移動するもの。

関連項目 [編集]

地域別野鳥一覧 [編集]

8つの生物地理区 (Ecozone) および、区内の地域の野鳥一覧。

他の鳥類関連項目 [編集]

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