日本テレネット (ゲーム会社)

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株式会社日本テレネット
TELENET JAPAN Co. LTD
種類 株式会社
略称 日本テレネット
本社所在地 日本の旗 日本
170-0013
東京都豊島区東池袋4-21-6 第3キンズメンビル2F
設立 1983年(昭和58年)10月27日
業種 ゲームソフト販売
法人番号 2013301022692 ウィキデータを編集
事業内容 家庭用ゲームソフトの企画・開発・販売
情報通信機器およびソフトウェアの企画・開発・販売
インターネットによる情報配信サービス
コンピュータシステムの設計・販売
上記に付帯する一切の事業
代表者 代表取締役社長 福島和行
資本金 1億8,135万円
従業員数 18人(2007年10月時点)
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株式会社日本テレネット(にほんテレネット)は、かつて存在していたゲームソフト制作会社。1983年10月27日に設立され、2007年10月に事業停止した。

歴史[編集]

1983年、パソコン用ゲームソフトの制作を目的に設立された。ただし当初は通信関連企業を設立する予定であった。8ビットパソコン時代は、後にウルフ・チームとして独立する開発チームが製作した『ファイナルゾーン』や『夢幻戦士ヴァリス』といった、オープニングやエンディング、ステージ間でビジュアルシーンを採用した作品がヒットしたことで、ビジュアル重視の製作スタイルを確立。以後このスタイルは同社作品最大の特徴となる。

1990年代前半にCD-ROM²SUPER CD-ROM²メガCDで大容量メディアのCD-ROMを扱えるようになると、ビジュアルシーンにアニメーションを積極的に導入し、鍋島修や、一時期同社に所属していた越智一裕といった有名アニメーターをビジュアルシーン制作(演出、デザイン、原画)に迎えるなど、この傾向をさらに加速化させた。

一方で、短い納期[注釈 1]などゲーム開発のノウハウを無視した経営だったという指摘もあった[1]。 『ガイアレス英語版』のプログラムおよびゲームデザインを担当したM.Yは4Gamer.netとのインタビューの中で、当時社長を務めていた福島和行がCD-ROMへの投資を考えていた一方、CD-ROMの容量をゲームだけで埋めることができないため、ゲーム内広告収入を得ようとしたという話もあり、ただでさえスケジュールがひっ迫しているのに外部の人間が絡む案件を入れてほしくないという理由により辞退していたことを明かしている[1]。一方、インタビューに同席していた新日本レーザーソフトの元社員・川出陽一は、自分が携わった『アヴェンジャー』に、営業部長からの頼みで同社と同じビルの1階に入居していた近畿日本ツーリストのゲーム内広告があったことを明かしており、そのようなことが社内の環境悪化につながった要因だと話している[1]

こうして社内の開発チームが次々に独立していく[1]。その後は開発をスーパーファミコンに絞り、ブランドをウルフ・チームに統一。1995年頃からテイルズシリーズの開発、パチンコパチスロ関連の事業が中心となっていった。

2003年3月10日、ナムコ(現・バンダイナムコエンターテインメント)との共同出資でナムコ・テイルズスタジオを設立し[2]、開発スタッフの大半はそちらへ異動した。ウルフ・チームブランドは消滅し、コンシューマー事業から事実上撤退。2004年には雄図グループが運営していたアダルトゲームストリーミング配信サイト・BB5.jpを買収し、ダウンロード販売事業に進出した。

2000年代には譲渡後の一部の作品がアダルトゲーム化されるなど、それまでの作品と異なる方向性を取り入れている。このうち、『夢幻戦士ヴァリス』をアダルトゲーム化した『ヴァリスX』は過激な内容からシリーズのファンやオリジナル版のスタッフを中心に抗議の声が相次いだ[3]

2007年、アメリカ合衆国に置いていたゲームセンター関連の子会社での経営失敗や採算性の低下で債務超過に陥ったため、子会社だったコムシードなどの保有株式の売却やゲームソフトの営業権譲渡などで経営再建を図ったが、同年10月25日に事業を停止し、事実上の倒産を迎えた。負債総額は約10億円と報じられている[4]。法的倒産手続はされていないが、登記面は放置されている。M.Yは、4Gamer.netとのインタビューの中で、テレネットの上層部にも目標や基軸はあったものの、ブランドイメージを大事にする部署ががなかったため、倒産に至ったのではないかと推測している[1]

倒産後[編集]

2009年2月28日に発売されたコミック単行本『夢幻戦士ヴァリス Vol.2』のコピーライト表示が「©STARFISH-SD」となっている。同年12月には、サン電子が日本テレネットから発売されていたゲーム(100タイトル以上)の版権を取得した[5]スターフィッシュ・エスディよりニンテンドーDS向けソフト『東京トワイライト・バスターズ』が、パソコン用に日本テレネットが発売した同タイトルソフトと同じロゴで2010年10月に発売された。 その後、日本テレネットの版権はシティコネクションに渡り、2020年1月14日にソーシャルゲームメーカーのエディアがシティコネクションが所有していたテレネットの版権を取得した[6]

沿革[編集]

主なソフト[編集]

ウルフ・チームブランドでの発売タイトルはウルフ・チーム参照

PC[編集]

PCエンジン[編集]

メガドライブ[編集]

メガCD[編集]

スーパーファミコン[編集]

NINTENDO64[編集]

PlayStation[編集]

PlayStation 2[編集]

ニンテンドーゲームキューブ[編集]

ゲームボーイ[編集]

ゲームギア[編集]

その他[編集]

アダルトゲーム化されたタイトル[編集]

カッコ内は発売メーカー。

かつて在籍していた主なクリエイター[編集]

コンポーザー[編集]

漫画家・イラストレーター[編集]

ゲームブランド[編集]

  • ウルフ・チーム(親会社に吸収後、ブランド消滅)
  • マイクロワールド(ローカライズされた海外タイトルの販売ブランド)
  • レノ(RENO/Renovotion game)
  • ライオット(RIOT/第1開発事業部)

独立・売却した会社[編集]

ウルフ・チームから独立[編集]

ライオットから独立[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 川出によると、アニメ業界出身者の方が短い納期に対応できたという[1]

出典[編集]

参考文献[編集]

書籍
  • 多根清史、箭本進一、阿部広樹『超エロゲー ハードコア』太田出版、2012年10月。 

外部リンク[編集]