性同一性障害学会

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トランスジェンダーを象徴する旗

日本GI(性別不合)学会(にほんじーあいせいべつふごうがっかい、日本GI学会、日本性別不合学会、英語:Japanese Society of Gender Incongruence)は、性同一性障害(現在は性別不合もしくは性別違和)を診断する専門の医療関係者を中心とした学会である[1]。2024年3月に性同一性障害学会(せいどういつせいしょうがいがっかい、GID学会、英語:Japanese Society of Gender Identity Disorder)から改名した[2]。当初は性同一性障害研究会であった。本部は岡山大学に設置されている。

活動[編集]

1998年に発足され、性同一性障害やトランスジェンダーに関する研究の推進、知識の向上を目的とした日本の学会である[3]。本部は岡山大学に設置されている。岡山大学病院では1999年に精神科神経科・婦人科・泌尿器科・形成外科の合同でチーム医療を行う「岡山大学ジェンダークリニック」を設置し、その後、病院の中央診療部門として性別適合手術を専門に行う「岡山大学病院ジェンダーセンター」も設立されている[3]

2016年に、性同一性障害に関する認定医制度を開始し、2021年からは心理専門職、看護師、法曹関係者、教員などを対象とした認定コーディネーター制度を始めている[4]

2024年3月に、「GID学会(性同一性障害学会)」から「日本GI(性別不合)学会」に名称を変えた[2]。これは性同一性障害と訳されてきた「Gender Identity Disorder」が国際的な疾病分類では診断名として使われてきたものの、ICD-11にて「GI(Gender Incongruence)」に改め、新しい日本語訳が「性別不合」となったためである[2]。他の名称案には「日本性別不合およびトランスジェンダーの健康学会」や「日本トランスジェンダーの健康学会」があった[2]

脚注[編集]

  1. ^ 性別変更に診断書は必要? 専門医の指摘「本来は自身が決めること」”. 朝日新聞 (2023年10月27日). 2024年3月4日閲覧。
  2. ^ a b c d GID学会→日本GI学会に名称変更 性同一性障害の改称に合わせ”. 朝日新聞 (2024年3月17日). 2024年4月13日閲覧。
  3. ^ a b 難波祐三郎「GID(性同一性障害)学会第22回研究大会報告」『岡山医学会雑誌』第131巻、2019年、109-110頁、2024年3月4日閲覧 
  4. ^ 松本洋輔「性同一性障害/性別違和の診療ガイドラインとGID(性同一性障害)学会認定医/認定コーディネーター制度」『医学のあゆみ』第279巻第4号、2021年、268-272頁、2024年3月4日閲覧 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]