十戒 (映画)

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十戒
The Ten Commandments
監督 セシル・B・デミル
脚本 イーニアス・マッケンジー
ジェシー・L・ラスキー・Jr
ジャック・ガリス
フレドリック・M・フランク
製作 セシル・B・デミル
ナレーター セシル・B・デミル
出演者 チャールトン・ヘストン
ユル・ブリンナー
アン・バクスター
音楽 エルマー・バーンスタイン
撮影 ロイヤル・グリッグス
編集 アン・ボーチェンズ
配給 パラマウント映画
公開 アメリカ合衆国の旗 1956年10月5日
日本の旗 1958年3月5日
上映時間 220分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $13,500,000
興行収入 $80,000,000 アメリカ合衆国の旗
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十戒』(じっかい、The Ten Commandments)は、1956年アメリカ合衆国の映画歴史映画

旧約聖書」の「出エジプト記」を原作として制作されたスペクタクル映画。セシル・B・デミル監督。出演はチャールトン・ヘストンユル・ブリンナーなど。海が割れ、その中をモーセ一行が進むクライマックスシーンはあまりに有名。上映時間232分。

ストーリー[編集]

ヘブライ人エジプトの奴隷とされていた時代、一人のヘブライ人の男の子が生まれる。ファラオは救世主の誕生を恐れたため、ヘブライ人の男の幼児をすべて殺すように命令する。難を逃れるため、その子は籠に入れられ、ナイル川に流されたが、沐浴していたエジプトの王女ベシアに拾われる。ベシアはその子をモーセと名付け、自分の子として育てる。

モーセは武運に優れ知恵のある立派な青年に育ち、王からもその優秀さを認められつつあった。だが王子のラメセスに出生の秘密を知られ砂漠に追放される。放浪の末に彼はシナイ山の麓に辿り付き、そこで羊飼い達に救われた。彼は族長のジェスロから仲間として認められ、7人姉妹の長女・セファラを妻として新たな生活を始める。そんなある日、モーセは山の頂に不思議な光を見た。彼は光の中から声を聴く。神からの啓示を受けたモーゼは、ヘブライ人をエジプトから連れ出すように言われる。

モーセはエジプトに戻り、王となっていたラメセスと交渉しヘブライ人を解放するように求めるが、認めようとはしない。モーゼは神からの10の災いがエジプトを襲うと警告し、その言葉通り国土は次々に災禍に襲われるも、ラメセスは頑として首を縦に振らなかった。しかし最後の災い――門に子羊の血を塗らない家の長男は全て死ぬ――がエジプト全土に広がり、ラメセスの息子までもが死の淵に立たされる。遂にヘブライ人を去らせることに同意するラメセス、だがその直後彼の息子は息絶えてしまう。

翌朝、モーゼは大勢のヘブライ人達と共に旅立つ。しかしラメセスは気を変え、エジプト軍を引き連れ紅海の手前までヘブライ人達を追い詰める。しかしモーセが神に祈ると、神は火の柱でラメセスの軍の進攻を妨げ、その後紅海を二つに割り、モーセ達にその海底を歩かせ対岸まで逃れさせた。暫くして火の柱が消え、道が開けたエジプト軍がヘブライ人を追おうとすると、紅海は元へ戻り、結果としてラメセス一人を残し軍勢を壊滅させる。

その後、モーセは神から十戒を授かるため40日間シナイ山に籠るが、彼が不在の間にヘブライ人達は神に対する信仰を忘れ、金の子牛に対する偶像崇拝を始め、享楽に耽っていた。神はモーセを通じ彼らに罰を与える。そして約束の地カナンを目指すが、到着を目の前にしてモーセは死去する。

キャラクターと配役[編集]

預言者モーセを演じたチャールトン・ヘストン
エジプト王ラメセスを演じたユル・ブリンナー
  • エキストラの中に、『ナポレオン・ソロ』のロバート・ボーン(ヘブライ人)、「タイトロープ」のマイク・コナーズ(ヘブライ人)、『ララミー牧場』のロバート・フラー、『新荒野の七人」のゴードン・ミッチェル(エジプト人奴隷監視人)等々、後のスターが多数出演している。

日本語吹き替えキャスト[編集]

日本語吹き替え版
役名 DVD・テレビ朝日
日曜洋画劇場
フジテレビ
ゴールデン洋画劇場
モーセ 磯部勉 納谷悟朗
ラメセス 小川真司 磯部勉
ネフレテリ 深見梨加 勝生真沙子
セティ1世 阪脩 加藤精三
ベシア 小山茉美 花形恵子
デーサン 池田勝
ヨシュア 小森創介 池田秀一
リリア 樋浦茜子 安達忍
セフォラ 坪井木の実 佐々木優子
ヨシャベル 京田尚子
メムネット 沼波輝枝
ミリアム 竹口安芸子
エジプト軍の隊長 若本規夫
神の声 久米明
ナレーション 有川博 矢島正明
配役不明 北村弘一
嶋俊介
加藤正之
西村知道
島香裕
宮田光
弥永和子
石井敏郎
村松康雄
筈見純
大山高男
近藤玲子
滝沢ロコ
小島敏彦
伊井篤史
家中宏
小室正幸
佐々木みち代
(日本語版スタッフ) 翻訳:久保善昭
演出:福永莞爾
調整:高橋昭雄
制作:東北新社
翻訳:佐藤一公
演出:小林守夫
調整:熊倉亨
制作:東北新社
  • テレビ朝日版:2002年6月9日初放送「日曜洋画劇場」
  • フジテレビ版:1991年頃放送?「ゴールデン洋画劇場」

※また、長年チャールトン・ヘストンの吹き替えを務めてきた納谷悟朗は吹き替えのキャリアにおいて十戒を思い入れの深い作品の一つとしてあげいる。

逸話[編集]

デミル監督は構想に際して自らローマへ赴き、ミケランジェロ造像のモーセ像を下調べ、これにより配役のイメージを練り上げ、容貌が好適のへストンに白羽の矢を立てたという。

当時の上流階層の子弟の証である辮髪をヘストンがしていなかったり(辮髪のウィッグはつけているが毛を剃っていない)、衣装がやや舞台衣装的など稚拙な面もあるが、専門の学者を呼んで制作するなど当時としては時代考証に力をいれたとされる。

「シュヴァルツヴァルトの野獣」のあだ名を持つ、ドイツの連続殺人犯ハインリッヒ・ポメレンケ(Heinrich Pommerenke)(1937-2008)は、10件の強姦殺人、20件の強姦などで起訴され、1960年10月22日に終身刑6回の刑に処せられた。彼は、1959年に映画『十戒』を見て、金の子牛の周りで女たちが踊るシーンで気分が悪くなり、諸悪の根源である女性に説教しなければならないと思い込み、映画館を出て直ぐに、公園で18歳の少女の喉をかき斬って殺害したのが最初の殺人だった。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]