伊勢うどん
伊勢うどん(いせうどん)とは、三重県伊勢市を中心に食べられるうどん。 たまり醤油に鰹節やいりこ、昆布等の出汁を加えた、黒く濃厚なつゆ(タレ)を、軟らかく煮た極太の緬に絡めて食べる。徹底的にコシをなくした極太麺と濃厚なタレは、コシの強さとさっぱりしたつゆが持ち味の讃岐うどんと対極にある。麺を茹でる時間が非常に長く、通常のうどんが15分程度であるのに対して1時間弱ほど茹でる。
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[編集] 特徴
非常に濃いタレの色(そばつゆとは別物)から塩辛いと誤解されやすいが、甘みが強く、濃い目の味ではあるが後味はまろやかである。店によって味に違いがある。この濃いタレの色は、たまり醤油の色である。麺は太めで非常に柔らかくもちもちしており、一般的なうどんとはかけ離れた食感を持つ。具をあまり載せないことも特徴である。
[編集] 歴史
江戸時代以前からこの地の農民が食べていた地味噌のたまりをつけたうどんを、食べやすく改良したものといわれる。 もともと農民が自分たちの食事のために作っていたことから、できるだけ手間がかからず延ばす手間がいらない太い麺と、また安く済むネギだけの具といううどんが形作られたのではないかと考えられている。
浦田町橋本屋七代目である小倉小兵がお蔭参りの参詣客へと供するためにうどん屋を開業したのが、伊勢うどん屋の最初と言われている。すぐに参拝客に提供できるように常に茹で続け、必要量を釜揚げしていたため、茹で時間を気にしなくてよいコシのないうどんが適していたとの説がある。他に、神宮へ長旅をしてきた人向け(疲労が溜まっている人向け)の食事として江戸時代に開発された料理であり、疲労が溜まった人向けなので消化が良くなるように麺が柔らかいという特徴を持つようになったのではないかという説もある。いずれにしても料理人ごとに手法は異なる場合もあるが、それぞれの料理人が伊勢うどんの特徴である麺の柔らかさを出すべく工夫している。
伊勢うどんは、ゆで続けているため、すぐに提供できること、また、汁がないため、すぐに食べ終わることができる。すなわち、「うどん版ファストフード」ということができる。お伊勢参りで混み合う客を次々さばくのにも適したメニューであったのであろう。
ベトナムのホイアンには「カオラウ」という小麦を原料とする太麺の料理があり、17世紀前半の朱印船貿易時代の伊勢商人が持ち込んだ伊勢うどんをルーツとする説がある。
[編集] 名称
「伊勢うどん」という名称は1960年代中期(昭和40年代)以降に名づけられ定着していったが、それまでは地元の家庭では特に他地域のうどんと違う点があると意識されることのない料理の一つであった。伊勢市麺類飲食業組合ではそれまで「並うどん」や「素うどん」と呼ばれていたものを、1972年に「伊勢うどん」に統一した。
永六輔がこのうどんを最初食べたときに「これは伊勢うどん」と言ったのがこの名称のはじまりだとラジオ番組(土曜ワイドラジオ東京、TBSラジオ)で発言している。中日新聞でも永六輔が命名したと紹介された[1]。
[編集] 小麦の種類
この地方の小麦栽培では「農林61号」が主流であったが、地域産業振興の活動の中、低アミロース品種である「あやひかり」がこの伊勢うどんに向いていることが明らかとなり、2003年(平成15年)より奨励品種として採用されている。
[編集] 提供地域
神宮のある伊勢市以外にも、近隣の松阪市や津市などでも提供するうどん店がある。
最近では、三重県内の高速道路SA・PA(2007年時点で、東名阪自動車道御在所SA、伊勢自動車道安濃SA・嬉野PA)で供されたり、主に期間限定商品として東海地方のコンビニエンスストア(ローソンおよびセブンイレブン。セブンイレブンに関しては、夏季用と冬季用が存在し、夏季用は冷やしうどんになっている)で売られたりしている。ゆで麺を真空パックにしてだしをつけた商品は、三重県内だけでなく、中京地区・京阪神などの百貨店や近畿日本鉄道の駅売店などでも販売されている。
[編集] 脚注
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 伊勢うどん(伊勢市観光協会)