人頭税
人頭税(じんとうぜい/にんとうぜい、poll tax,capitation)は納税能力に関係なく、全ての国民1人につき一定額を課す税金である。
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[編集] 概要
古代から封建制にかけての時代には、多くの国で導入されていたが、所得に対して逆進性の強い税制であるため、現在ではほとんどの国で導入されていない。所得が無くてもそこに住んでいるだけで課税される。そのため、困窮した庶民が逃亡したりすることもあった。
古代ローマにはカピタティオ・ユガティオス制があり、中世ヨーロッパ、ロシアにも存在。
中国では人頭税に相当する口算や力役があり、均田制においては丁を単位に租庸調が課された。780年の両税法により資産額への課税に移行。
イスラーム諸王朝では、ジズヤ (jizya) が知られている。ジズヤは非ムスリム(イスラム教徒)に対して一定程度の人権の保障の見返りとして課せられるもので、非ムスリムに対しイスラームの優位を誇示する効果があった。非ムスリムがイスラームへ改宗した場合には免除された(ウマイヤ朝時代には改宗した場合でも徴収された)。
[編集] 日本
日本では、琉球王国により宮古島・八重山諸島において「正頭(しょうず)」と呼ばれた15歳から50歳まで(数え年)の男女を対象に1637年から制度化され、年齢と住んでいる村の耕地の状況(村位)を組み合わせて算定された額によって賦課が行われた(ただし、その由来については古琉球時代説もある)。琉球本土でも類似の「夫遣」と呼ばれる賦課があったが、こちらの方が賦課が重く、加えて村役人の恣意的な徴収(中間搾取)が起こりやすい制度で貧民・病人に重い負担となった。この制度は中村十作らの努力により帝国議会などでも取り上げられ、1903年(明治36年)に廃止された[1]。
近年では、イギリスでサッチャー政権時代の1990年に導入された例があるが、国民世論の反発が強く1990年11月22日に辞任する一因となり、1993年に廃止された。
消費税と同様に所得の無い人にも課税する税であるが、消費税の場合、消費額に比例して課税額が増えるのに対して、人頭税の税額は一律で所得の少ない人の負担が大きい税制である。 この点、形式的平等を重視する新自由主義の立場を徹底すると、人頭税が最も合理的な税制ということもできる。すなわち、理念的に見て、人頭税は国民一人あたりの行政コストを均等に負担させる税であり、行政コストへの負担を均等に意識させることによって、小さな政府の実現を志向する税制だといえる。 もっとも、現実には低所得者にとり相対的に重い負担となることにより格差の増大が極大化し、社会不安を招きかねないことから、新自由主義の立場をとる論者の中でも主流の論調となっているわけではない。日本での人頭税導入論者としては竹中平蔵がいる。
2005年(平成17年)現在ではこうした制度を採っている国はない。なお、国民年金の保険料が一定の条件下での免除規定を除けば実質的に人頭税になっているという批判はある。
なお、国によっては、外国人メイドの雇用や出入国の際に使用人税を課す場合があり、これらも人頭税と呼ばれる[要出典]。
[編集] 脚注
- ^ 高良倉吉「人頭税」(『国史大辞典 15』(吉川弘文館、1996年) ISBN 978-4-642-00515-9)