丹東市

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中華人民共和国 遼寧省 丹東市
Dandong street.JPG
旧称:安東
遼寧省中の丹東市の位置
遼寧省中の丹東市の位置
中心座標 北緯40度07分33.32秒 東経124度22分43.49秒 / 北緯40.1259222度 東経124.3787472度 / 40.1259222; 124.3787472
簡体字 丹东
繁体字 丹東
拼音 Dāndōng
カタカナ転記 ダンドン
国家 中華人民共和国の旗 中華人民共和国
遼寧
行政級別 地級市
建置 1876年
改称 1965年
市党書記 朱紹毅
市長 趙連生
面積
総面積 15,030 km²
市区 563 km²
人口
総人口(2004) 241 万人
人口密度 70 人/km²
市区人口() 2004 万人
経済
電話番号 0415
郵便番号 118000
行政区画代碼 210600
市樹 イチョウ(1984年3月)
市花 ツツジ(1984年3月)
公式ウェブサイト http://www.dandong.gov.cn/

丹東市(たんとうし)は、中華人民共和国遼寧省南部に位置する地級市。鴨緑江を隔てて朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)と接する国境の街である。旧名は安東朝鮮族が20万人以上居住している。中朝貿易最大の物流拠点であり、その7割以上がここを通過すると言われている[1]

地理[編集]

北は遼寧省本渓市、西は鞍山市大連市と接し、東は鴨緑江を隔てて北朝鮮新義州特別行政区と対する。鴨緑江には中朝友好橋が架かる。南は西朝鮮湾である。

歴史[編集]

古代には高句麗の領域であり、の高句麗征服後は安東都護府に属した。代に婆速府路となり、代にも婆娑府が置かれた。朝は満州での漢人入植を禁止する封禁政策を取ったが、1874年に全面的に解禁し、1876年に安東県を設置した。

安東港は1903年に対外開港し、鴨緑江水運の発達により流域の物資集散地として発展した。 1931年満州事変が勃発すると直ちに日本軍占領され、満州国1934年安東省を新設、安東県を省城とした。1937年安東県は安東市に昇格している。この時代には多数の日本企業が安東に進出した。1945年日本の降伏後は中国共産党軍接収し、朝鮮戦争(1950年~1953年)では中国人民義勇軍の兵站前線となった。1965年安東市は丹東市に改称された。

2010年8月21日、鴨緑江上流における集中豪雨のため河川が氾濫。5万人以上が避難した事が伝えられた[2]

行政区画[編集]

3市轄区・2県級市・1自治県を管轄する。

年表[編集]

遼東省安東市[編集]

  • 1949年10月1日 - 中華人民共和国遼東省安東市が発足。金湯区元宝区中央区鎮興区鎮安区浪頭区五龍坡区九連城区が成立。(8区)
  • 1950年8月2日(3区)
    • 金湯区が五龍坡区に編入。
    • 元宝区・中央区・鎮興区が浪頭区に編入。
    • 鎮安区が九連城区に編入。
  • 1951年9月13日 - 市内行政区域の再編により、一区から八区までの区が成立。(8区)
  • 1953年 - 四区の一部が分立し、九区が発足。(9区)
  • 1954年6月19日 - 遼東省の分割により、遼寧省安東市となる。

遼寧省安東市[編集]

  • 1954年12月13日 - 一区が金湯区に、二区が元宝区に、三区が中央区に、四区が鎮興区に、五区が鎮安区に、六区が浪頭区に、七区が五龍背区に、八区が九連城区に、九区が湯池区にそれぞれ改称。(9区)
  • 1955年9月2日(7区)
    • 鎮安区が元宝区に編入。
    • 中央区が湯池区に編入。
  • 1955年5月23日 - 九連城区の一部が安東専区安東県に編入。(7区)
  • 1956年6月22日(5区)
    • 九連城区が五龍背区に編入。
    • 湯池区が浪頭区に編入。
  • 1957年12月3日(3区)
    • 金湯区が元宝区に編入。
    • 浪頭区・五龍背区が合併し、郊区が発足。
  • 1958年12月20日 - 安東専区安東県鳳城県寛甸県岫岩県を編入。(3区4県)
  • 1959年8月 - 元宝区の一部が分立し、金湯区が発足。(4区4県)
  • 1960年3月29日 - 金湯区が元宝区に編入。(3区4県)
  • 1965年1月20日 - 安東市が丹東市に改称。

安東専区[編集]

  • 1955年11月11日 - 荘河県岫岩県安東県寛甸県鳳城県桓仁県を編入。安東専区が成立。(6県)
  • 1955年5月23日 - 安東市九連城区の一部が安東県に編入。(6県)
  • 1956年6月22日 - 本渓市本渓県を編入。(7県)
  • 1956年6月30日 - 本渓県が本渓市に編入。(6県)
  • 1958年12月20日
    • 荘河県が旅大市に編入。
    • 安東県・鳳城県・寛甸県・岫岩県が安東市に編入。
    • 桓仁県が本渓市に編入。

遼寧省丹東市[編集]

  • 1965年1月20日 - 安東市が丹東市に改称。(3区4県)
  • 1965年2月26日 - 鎮興区が振興区に改称。(3区4県)
  • 1965年12月27日 - 旅大市荘河県を編入。(3区5県)
  • 1966年1月27日 - 本渓市桓仁県を編入。(3区6県)
  • 1968年12月26日(3区4県)
    • 荘河県が旅大市に編入。
    • 桓仁県が本渓市に編入。
  • 1980年3月8日 - 郊区が振安区に改称。(3区4県)
  • 1984年11月28日 - 東溝県の一部が振安区に編入。(3区4県)
  • 1985年1月17日(3区2県2自治県)
    • 岫岩県が自治県に移行し、岫岩満族自治県となる。
    • 鳳城県が自治県に移行し、鳳城満族自治県となる。
  • 1986年2月24日 - 寛甸県の一部が振安区に編入。(3区2県2自治県)
  • 1987年6月20日 - 寛甸県の一部が振安区に編入。(3区2県2自治県)
  • 1989年9月7日 - 寛甸県が自治県に移行し、寛甸満族自治県となる。(3区1県3自治県)
  • 1992年1月23日 - 岫岩満族自治県が鞍山市に編入。(3区1県2自治県)
  • 1993年6月18日 - 東溝県が市制施行し、東港市となる。(3区1市2自治県)
  • 1994年3月8日 - 鳳城満族自治県が市制施行し、鳳城市となる。(3区2市1自治県)
  • 1999年6月16日(3区2市1自治県)
    • 振安区の一部が元宝区・振興区に分割編入。
    • 東港市の一部が振興区に編入。
    • 元宝区・鳳城市のそれぞれ一部が振安区に編入。
  • 2008年8月14日 - 東港市の一部が振興区に編入。(3区2市1自治県)

住民、少数民族[編集]

29の民族が存在するが、古くから住んでいる民族は、漢族満族回族朝鮮族モンゴル族シボ族などである。北朝鮮との国境に位置することから、少数民族の中では朝鮮族の影響が最も強く、標識や、商業用の看板などいたるところに、ハングルが併記されている。また朝鮮料理・韓国料理の店も数多い。朝鮮族の児童が通う民族学校も存在する。満族は、人名、言語、外見、風俗などが多数派の漢族と変わらないため、その存在はほとんど目立たないが、市全体の総人口の30%以上を占めている。また丹東周辺は、満族の主要な故地の一つでもある。回族は人口約1.8万人。回族および、イスラム教徒が丹東周辺に流入したのは、末期から初期と言われる。回族は飲食業に従事するものが多いため、丹東にはイスラム教徒専門の清真料理店も多く存在する。丹東のモスクは以前は中国寺院風の様式であったが、2004年に老朽化のため取り壊し、新たにアラブ様式の寺院が建てられた。

交通[編集]

  • 航空:丹東中心部より14kmの東港市に丹東浪頭空港があり、1985年4月開港。北京、上海、成都、深圳、三亜などの国内線空路がある。
  • 鉄道:市中心に丹東駅があり、瀋陽との間を結ぶ路線がある(瀋丹線)。平壌北京モスクワを結ぶ国際列車の経路でもある。2011年から丹大高速鉄道(大連北駅~荘河東港~丹東)の建設が始まっていて、全長は292キロメートルで、設計速度は毎時200キロ。 [3]
  • 主要道路:G201国道G304国道高速道路は瀋陽との間(瀋丹高速道路)が2002年に、大連との間(丹大高速道路)が2005年に開通した。丹大高速には、荘河サービスエリアと丹東サービスエリア(丹東東ICと丹東ICの間)がある。
  • 北朝鮮への道路・鉄道:鴨緑江大橋(中朝友誼橋)。2011年から新鴨緑江大橋が建設されていて、全長は3キロメートル、幅33メートルで建設期間は3年の予定で、現在の鴨緑江大橋の下流8キロ、丹東の新開発区浪頭と新義州の南の龍川を結ぶ。 [4] [5] [6]
  • バス路線:大連の凱旋広場(大連駅北口)から高速バスが一日8往復、大連長途汽車総站からミニバスが一日16往復出ている。所要時間は高速バス4時間、ミニバス6時間。瀋陽からは高速バスが一日少なくとも19往復、長春などとの間にバス路線がある。なお、北朝鮮・平壌間に一日一便国際旅客バスが運行しているという。
  • 航路:韓国の仁川港との間を、ほぼ隔日でフェリーが往復している(東方明珠号)。

気候[編集]

丹東 (1971−2000)の気候
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
平均最高気温 °C (°F) −2.3
(27.9)
1.1
(34)
7.2
(45)
14.6
(58.3)
20.0
(68)
24.1
(75.4)
26.7
(80.1)
27.8
(82)
23.8
(74.8)
16.9
(62.4)
7.7
(45.9)
0.1
(32.2)
14.9
(58.8)
平均最低気温 °C (°F) −11.4
(11.5)
−8.6
(16.5)
−2.4
(27.7)
4.1
(39.4)
10.2
(50.4)
15.9
(60.6)
20.3
(68.5)
20.1
(68.2)
13.7
(56.7)
6.3
(43.3)
−1.2
(29.8)
−8.3
(17.1)
4.9
(40.8)
降水量 mm (inch) 7.1
(0.28)
9.5
(0.374)
18.1
(0.713)
46.2
(1.819)
73.1
(2.878)
107.5
(4.232)
251.6
(9.906)
217.8
(8.575)
104.6
(4.118)
49.0
(1.929)
28.4
(1.118)
12.7
(0.5)
925.6
(36.441)
平均降水日数 (≥ 0.1 mm) 3.8 3.6 5.0 8.2 9.8 11.7 15.6 12.0 7.9 6.8 6.2 3.9 94.5
 % 湿度 55 53 60 66 72 82 89 86 78 69 63 59 69.3
平均月間日照時間 195.0 199.7 228.4 234.0 243.4 212.9 159.3 199.5 225.5 215.5 171.7 174.0 2,458.9
出典: China Meteorological Administration [7]

経済[編集]

丹東新区(新城区)が振興区の浪頭付近に建設されていて、ここに市政府の引っ越しも終わっている。ここは計器計測器産業区・ソフトウェア産業区も建設予定で、丹東浪頭空港へも近く、北朝鮮へ新鴨緑江大橋も建設中で、北朝鮮との共同作業が進む黄金坪にも隣接している。この計画は遼寧省の「五点一線計画」に沿って、さらに下流の東港にある港口工業区へ続いている。 [8] [9]

農業・漁業[編集]

後背地で農業が行なわれ、黄海では海産物の採取が盛んである。

工業[編集]

丹東黄海バスなどの自動車産業自動車部品産業計器・計測機製造などが盛んである。[10]

サービス産業[編集]

市内の鴨緑江公園、虎山長城など、郊外の鳳凰山などへの観光が有名である。中国から北朝鮮への出入国の多くは、丹東市から行なわれている。

観光[編集]

丹東広域市

大学[編集]

  • 遼寧丹東大学
  • 丹東広播電視大学
  • 遼東学院
  • 遼寧機電職業技術学院
  • 遼寧地質工程職業技術学院

特産品[編集]

姉妹都市[編集]

出典[編集]

外部リンク[編集]


中国地名の変遷
建置 1876年
使用状況 丹東市
安東県
中華民国 安東県
満州国 安東市
現代 安東市
丹東市(1965年)