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レイズ・ヴァイブレーション

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『レイズ・ヴァイブレーション』
レニー・クラヴィッツスタジオ・アルバム
リリース
録音 バハマ エルーセラ島 グレゴリー・タウン・サウンド
ジャンル ロック
ファンク
R&B
時間
レーベル ロキシー・レコード
プロデュース レニー・クラヴィッツ
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 2位(イタリア[1]
  • 3位(スイス[2]、ドイツ[3]、フランス[4]
  • 4位(オーストリア[5]、ベルギー・フランデレン地域[6]、ベルギー・ワロン地域[7]
  • 5位(スペイン[8]
  • 8位(オランダ[9]
  • 19位(イギリス[10]
  • 38位(日本[11]
  • 43位(アメリカ[12]
  • レニー・クラヴィッツ アルバム 年表
    ストラット
    (2014年)
    レイズ・ヴァイブレーション
    (2018年)
    ブルー・エレクトリック・ライト
    (2024年)
    テンプレートを表示

    レイズ・ヴァイブレーション』(Raise Vibration)は、レニー・クラヴィッツ2018年に発表した11作目のスタジオ・アルバム

    背景

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    2018年4月17日付の『ローリング・ストーン』誌のインタビューによれば、2015年のワールド・ツアー終了後、クラヴィッツは曲作りに関してスランプに陥り、当時のことを「ここまでどうすればいいか混乱したことはなかった」と振り返っている[13]。しかし、ある日の朝4時に曲想が浮かんで、すぐに自宅スタジオでラフ・レコーディングを行い、創作意欲を取り戻したという[13]

    収録曲「ロウ」では、マイケル・ジャクソンが生前に録音した肉声が使用された。クラヴィッツは1999年、ジャクソンとのコラボレーション曲「(アイ・キャント・メイク・イット)アナザー・デイ」(ジャクソンの没後の2010年に発売されたアルバム『MICHAEL』に収録)のデモ録音を行っており、本作で使用されたボーカル・パートは、この曲のセッションで録音された未発表音源である[14]。「ジョニー・キャッシュ」はカントリー歌手ジョニー・キャッシュに捧げられた曲で、クラヴィッツは1995年に母を亡くして落ち込んでいた際、キャッシュおよび彼の妻であるジューン・カーター・キャッシュと会い、精神的に支えられたという[15]。「イッツ・イナフ!」は戦争や環境問題などについて言及した曲で、当初はパンク・ロック的な音楽性だったが、娘のゾーイ・クラヴィッツが難色を示したため、カーティス・メイフィールド風のグルーヴ・チューンとなり、クラヴィッツは「彼女が正しかったよ。俺は滑らかなウィスパー・ボイスで歌ってみた。そうしたらよりパワフルになった」と説明している[16]

    反響

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    本作からの先行シングル「ロウ」は、ベルギーのワロン地域では2018年6月30日付のシングル・チャートで初登場43位となり、同年9月22日には最高6位を記録して、19週トップ50入りするヒットとなった[17]

    母国アメリカのBillboard 200では、2018年9月22日に初登場43位となるが、翌週にはトップ200圏外に落ち、『ママ・セッド』(1991年)以降のアルバムとしては初めて、全米トップ40入りを逃す結果となった[12]。一方、ヨーロッパの一部地域では高い人気を維持し、フランスのアルバム・チャートでは初登場3位となり、合計24週にわたりトップ200入りした[4]。また、オランダのアルバム・チャートでは初登場8位となり、同国では『ママ・セッド』以降の全アルバムとも連続でトップ10入りを果たした[9]

    評価

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    Stephen Thomas Erlewineはオールミュージックにおいて5点満点中4点を付け、アルバムの全体像に関して「いつもながらクラヴィッツは、様々な物をかき集める職人としても、プロデューサーとしても卓越しており、彼が尊敬する人々の要素を寄せ集めて、あくまで彼らしいサウンドに結実させている」、「フー・リアリー・アー・ザ・モンスターズ?」に関して「エレクトロ・ファンク・ビートが脈打つ、彼が以前までに試みたことのないサウンドだが、2016年にプリンスが悲劇的な死を遂げたことを考えれば合点がいく」と評している[18]。また、山西絵美は『bounce』2018年10月号において「デビュー25周年に合わせて登場した前作では、原点回帰をテーマに力強いロックンロールを披露していましたが、4年ぶりとなる今作に若作り感は希薄」「堂々と老いを受け入れていまを全力で生きようとする姿に、これまでとは違う色気を感じます」と評している[19]

    収録曲

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    特記なき楽曲は作詞・作曲:レニー・クラヴィッツ。

    1. ウィ・キャン・ゲット・イット・オール・トゥゲザー / We Can Get It All Together - 4:40
    2. ロウ / Low - 5:19
    3. フー・リアリー・アー・ザ・モンスターズ? / Who Really Are the Monsters? - 5:19
      • 作詞:レニー・クラヴィッツ/作曲:レニー・クラヴィッツ、クレイグ・ロス
    4. レイズ・ヴァイブレーション / Raise Vibration - 5:27
    5. ジョニー・キャッシュ / Johnny Cash - 6:18
    6. ヒア・トゥ・ラヴ / Here to Love - 4:42
    7. イッツ・イナフ! / It's Enough! - 7:55
    8. 5モア・デイズ・ティル・サマー / 5 More Days 'Til Summer - 4:02
    9. ザ・マジェスティー・オブ・ラヴ / The Majesty of Love - 5:49
    10. ゴールド・ダスト / Gold Dust - 5:08
      • 作詞:レニー・クラヴィッツ/作曲:レニー・クラヴィッツ、クレイグ・ロス
    11. ライド / Ride - 5:58
    12. アイル・オールウェイズ・ビー・イン・ユア・ソウル / I'll Always Be Inside Your Soul - 4:01

    日本盤ボーナス・トラック

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    1. ロウ(デヴィッド・ゲッタ・リミックス) / Low (David Guetta Remix) - 3:30

    参加ミュージシャン

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    脚注

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    1. ^ italiancharts.com - Lenny Kravitz - Raise Vibration
    2. ^ Lenny Kravitz - Raise Vibration - hitparade.ch
    3. ^ Offizielle Deutsche Charts
    4. ^ a b lescharts.com - Lenny Kravitz - Raise Vibration
    5. ^ Lenny Kravitz - Raise Vibration - austriancharts.at
    6. ^ Lenny Kravitz - Raise Vibration - ultratop.be
    7. ^ Lenny Kravitz - Raise Vibration - ultratop.be
    8. ^ spanishcharts.com - Lenny Kravitz - Raise Vibration
    9. ^ a b Lenny Kravitz - Raise Vibration - dutchcharts.nl
    10. ^ Lenny KRAVITZ | full Official Chart History | Official Charts Company - 「ALBUMS」をクリックすれば表示される。
    11. ^ レイズ・ヴァイブレーション - レニー・クラヴィッツ”. オリコン. 2022年6月19日閲覧。
    12. ^ a b Lenny Kravitz Chart History - Billboard 200”. Billboard. 2022年6月19日閲覧。
    13. ^ a b Browne, David (2018年4月17日). “Lenny Kravitz Talks Overcoming Dry Spell for New Album 'Raise Vibration'”. Rolling Stone. 2022年6月19日閲覧。
    14. ^ (I Can't Make It) Another Day by Michael Jackson”. Songfacts. 2022年6月19日閲覧。
    15. ^ Johnny Cash by Lenny Kravitz”. Songfacts. 2022年6月19日閲覧。
    16. ^ Barlow, Eve (2018年5月24日). “Lenny Kravitz on 30 years in music: 'I did whatever I had to do to survive'”. The Guardian. Guardian News and Media. 2022年6月19日閲覧。
    17. ^ Lenny Kravitz - Low - ultratop.be
    18. ^ Erlewine, Stephen Thomas. “Lenny Kravitz Raise Vibration Album Reviews, Songs & More”. AllMusic. 2022年6月19日閲覧。
    19. ^ 山西絵美. “レニー・クラヴィッツ 『Raise Vibration』 老いを受け入れ全力でいまを生きようとする姿に感じる、これまでとは違う色気”. Mikiki. TOWER RECORDS JAPAN. 2022年6月19日閲覧。