ゾーイ・クラヴィッツ

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ゾーイ・クラヴィッツ
Zoë Kravitz
Zoë Kravitz
2020年
本名 Zoë Isabella Kravitz
生年月日 (1988-12-01) 1988年12月1日(35歳)
出生地 カリフォルニア州ロサンゼルス
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
民族 アフリカ/ユダヤ系アメリカ人
職業 女優、歌手、モデル
活動期間 2007年 -
配偶者 カール・グルスマン英語版(2019 - 2000 )
著名な家族 レニー・クラヴィッツ(父)
リサ・ボネット(母)
主な作品
映画
ブレイブ ワン
X-MEN:ファースト・ジェネレーション
ダイバージェント』シリーズ
マッドマックス 怒りのデス・ロード
レゴバットマン ザ・ムービー
ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生
スパイダーマン:スパイダーバース
THE BATMAN-ザ・バットマン-
テレビドラマ
ビッグ・リトル・ライズ
ハイ・フィデリティ
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ゾーイ・イザベラ・クラヴィッツ(Zoë Isabella Kravitz, 1988年12月1日 - )[1]は、アメリカ合衆国女優モデル歌手。父親はミュージシャンレニー・クラヴィッツ、母親は女優のリサ・ボネット

生い立ち[編集]

カリフォルニア州ロサンゼルスヴェニスビーチで、リサ・ボネットレニー・クラヴィッツの間に生まれる[2]。父方の祖母は、マイアミ出身でバハマ系の女優のロキシー・ローカー。母方の祖父はアフリカ系アメリカ人であり、父方の祖父でNBCテレビプロデューサーセイ・クラヴィッツと母方の祖母はユダヤ系アメリカ人[3]

両親は1987年に結婚し、6年後の1993年、彼女が5歳の時に離婚している[4]。11歳までは母と暮らし、その後は父と暮らしながら、夏の間を母と過ごす[5]フロリダ州マイアミマイアミ・カントリー・デイ・スクールに通い、その後、マンハッタンルドルフ・シュタイナー・スクールを2007年に卒業する[6] 。この年に、ニューヨーク州立大学パーチェス校で演技を学び始める[7]。1年間の後、映画で働くためにブルックリンへ引っ越す[8]

キャリア[編集]

俳優[編集]

2007年公開の『幸せのレシピ』で長編映画デビューを果たし、キャサリン・ゼタ=ジョーンズアーロン・エッカートと共演する。同じ年に『ブレイブ ワン』で十代の娼婦を演じ、ジョディ・フォスターテレンス・ハワードと共演。

2010年、Beware the Gonzoのプレミアにて、ジェシー・マッカートニー、ブライアン・ゴルボフ、エズラ・ミラーと

2008年には、ジェイ・Zのシングル曲「I Know」のミュージックビデオに出演[9]。そして、ウィル・アイ・アムの大統領候補バラク・オバマを支持する「We Are The Ones」のミュージックビデオでは歌を歌う。その年に、マシュー・ペリーが出演した、機能不全家族のコメディ・ドラマ『Birds of America』に登場[10]。2009年のサンダンス映画祭で初公開されたインディペンデント映画『グレイティスト』では、悲嘆カウンセリングのグループにはまってしまう人物を演じる[11]

2009年に、ガボレイ・シディベティム・ブレイク・ネルソンと共に『Yelling to the Sky』に出演[12]。これは、ヴィクトリア・マホニーの初監督作品であり、第61回ベルリン国際映画祭金熊賞を争った。ニューヨーククイーンズ区の問題を抱えた17歳の少女を演じる[13]

2010年、ネッド・ヴィッツーニの同名小説を原作とする『なんだかおかしな物語』に出演。同年、マンハッタンアッパー・イースト・サイドの裕福で向こう見ずな若者たちの話であり、ニック・マクドネルのカルト小説を脚色した『トゥエルヴ』に出演する。これは2010年のサンダンス映画祭でプレミアされた[14]。コメディ映画『Beware the Gonzo』では、高校のセックスコラムニストを演じる[15][16]。これは、2010年トライベッカ映画祭で初公開[17]

2011年は、ショウタイムのテレビドラマ『カリフォルニケーション』に出演、奔放なミュージシャン、パールを演じ、劇中でマドレーヌ・マーティン演じるベッカをガールズバンド「クイーンズ・オブ・ドッグタウン」に誘う[18]ジョージ・ミラー監督の、『マッドマックス/サンダードーム』直後の世界を舞台にした『マッドマックス 怒りのデス・ロード』に出演する事が決まった[19]。本来は2011年の早期にオーストラリアで撮影が始まる予定だったが、製作は2012年に延期された[20]

マーベルコミックスの『X-メン』を原作とする『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』に、ミュータントの一人エンジェル・サルバドーレとして助演した[21]。これは、映画『X-MEN』シリーズの前日譚であり、60年代のキューバ危機中に舞台を置いている。ロンドンで撮影され、キャラクターの飛行能力を演じるためにワイヤーアクションを行った[5]

モデル[編集]

フランスのJalouse、Venus Zine、ELLEなどの雑誌でモデルをする。2009年にヴェラ・ウォンの香水、プリンセス(Princess)の顔として選ばれ、ウェブサイトなどブランドの広告に登場[22]。2011年にも新しい香水のプリティ・プリンセス(Pretty Princess)を代表する[23]。ファッションデザイナーアレキサンダー・ワンのキャンペーンに出演[24]

私生活[編集]

母と俳優のジェイソン・モモアの間に生まれた異父妹と異父弟がいる[25]。父レニー・クラヴィッツのセカンドアルバム、『ママ・セッド』に収録されている「Flowers for Zoë」は3歳のクラヴィッツへのトリビュートとして書かれた[26]

ニューヨーク/フィラデルフィアを拠点とするバンド、エレベーター・ファイト(Elevator Fight)を2009年につくり、フロントをしている[6]。サウス・バイ・サウスウエスト音楽祭や、ザ・ルーツ、TV・オン・ザ・レディオ、ブラック・キーズと共に、2009年6月のルーツ・ピクニックのメインステージで演奏した。彼女は音楽は趣味だと言明している[5]

2008年に俳優のベン・フォスターと交際していた[27]。2010年には『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』で共演したマイケル・ファスベンダーと交際[28]

2019年、2016年から交際していた俳優のカール・グルスマン英語版と結婚し、父レニーのパリの家で挙式をあげた[29]が、2020年12月23日、離婚を申請した[30]

フィルモグラフィー[編集]

映画[編集]

邦題/原題 役名 備考 吹き替え
2007 幸せのレシピ
No Reservations
シャーロット
ブレイブ ワン
The Brave One
クロエ
2008 処刑教室
Assassination of a High School President
ヴァレリー・トーレス
2009 グレイティスト
The Greatest
アシュリー 日本劇場未公開 (吹き替え版なし)
2010 トゥエルヴ
Twelve
ギャビー
なんだかおかしな物語
It's Kind of a Funny Story
ニア 別題『ボクの人生を変えた5日間』
日本劇場未公開
2011 X-MEN:ファースト・ジェネレーション
X-Men: First Class
エンジェル・サルバドーレ 志田有彩[31]
2013 アフター・アース
After Earth
センシ・レイジ 山下真琴[32]
2014 ダイバージェント
Divergent
クリスティーナ 志田有彩
X-MEN:フューチャー&パスト
X-Men: Days of Future Past
エンジェル・サルバドーレ 写真のみ (台詞なし)
ドローン・オブ・ウォー
Good Kill
ヴェラ・スアレス 種市桃子
2015 DOPE/ドープ!!
Dope
ナキア 兼田奈緒子
ダイバージェントNEO
The Divergent Series: Insurgent
クリスティーナ 志田有彩
マッドマックス 怒りのデス・ロード
Mad Max: Fury Road
トースト 田村睦心(劇場公開版)[33]
弘松芹香ザ・シネマ版)[34]
2016 ダイバージェントFINAL
The Divergent Series: Allegiant
クリスティーナ 志田有彩
ロキシー
Vincent N Roxxy
ロキシー 別題『ロキシー 美しき復讐者』 白石涼子
ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅
Fantastic Beasts and Where to Find Them
リタ・レストレンジ 写真のみ (台詞なし)
2017 レゴバットマン ザ・ムービー
The Lego Batman Movie
キャットウーマン 声の出演 中恵光城[35]
ミッシング・ガール
Gemini
ヘザー・アンダーソン 日本劇場未公開 (吹き替え版なし)
ラフ・ナイト 史上最悪!?の独身さよならパーティー
Rough Night
ブレア 日本劇場未公開 田中杏沙[36]
2018 KIN/キン
Kin
ミリー (吹き替え版なし)
ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生
Fantastic Beasts: The Crimes of Grindelwald
リタ・レストレンジ 森なな子[37]
スパイダーマン:スパイダーバース
Spider-Man: Into the Spider-Verse
メリー・ジェーン・ワトソン 声の出演 甲斐田裕子[38]
2020 Viena and the Fantomes マッジ N/A
2022 KIMI/サイバー・トラップ
KIMI
アンジェラ・チャイルズ 日本劇場未公開 白石涼子
THE BATMAN-ザ・バットマン-
The Batman
セリーナ・カイル / キャットウーマン ファイルーズあい[39]
TBA Pussy Island N/A 監督・脚本
撮影中
N/A

テレビ[編集]

邦題/原題 役名 備考 吹き替え
2011 カリフォルニケーション
Californication
パール 計8話出演
2017, 2019 ビッグ・リトル・ライズ
Big Little Lies
ボニー・カールソン メインキャスト
計14話出演
鷄冠井美智子
2020 ハイ・フィデリティ
High Fidelity
ロビン・“ロブ”・ブルックス 主演、兼製作総指揮
計10話出演
吉田麻実
2022 サタデー・ナイト・ライブ
Saturday Night Live
本人(ホスト) Zoë Kravitz/Rosalía

脚注[編集]

  1. ^ "Zoe Kravitz. Alternate Name: Zoe Isabella Kravitz" at All Movie Guide via The New York Times
  2. ^ Seebacher, Noreen (1988年12月1日). “Lisa Bonet has baby”. The Pittsburgh Press. https://news.google.com/newspapers?id=6t4cAAAAIBAJ&sjid=fGMEAAAAIBAJ&pg=3614,561849&hl=en 2010年6月13日閲覧。 
  3. ^ 新キャットウーマンは、ゾーイ・クラヴィッツに決定! - Peachy - ライブドアニュース
  4. ^ O'Kelly, Emer (2000年3月21日). “Lisa returns to the screen from a different world”. Irish Independent. http://www.independent.ie/entertainment/arts/lisa-returns-to-the-screen-from-a-different-world-514346.html 2010年6月13日閲覧。 
  5. ^ a b c “Zoë Kravitz – Is she gonna go dad's way?”. The Independent. (2011年3月11日). http://www.independent.co.uk/arts-entertainment/films/features/zo-kravitz--is-she-gonna-go-dads-way-2238326.html 2011年3月13日閲覧。 
  6. ^ a b Wolf, Jonah (2010年6月7日). “Zoe Kravitz's Band Elevator Fight Plays Delancey Lounge”. Paper. http://www.papermag.com/2010/06/zoe_kravitzs_band_elevator_fig.php 2010年6月13日閲覧。 
  7. ^ Nome, Valerie (2007年9月15日). “Zoe Kravitz opens up about family, college life”. OK!. http://www.okmagazine.com/2007/09/zoe-kravitz-opens-up-about-family-college-life-1337/ 2010年6月14日閲覧。 
  8. ^ Lovece, Frank (2011年6月5日). “Talking to Zoe Kravitz”. Miami Herald. http://www.miamiherald.com/2011/06/05/2250742/talking-to-zoe-kravitz.html 2011年6月5日閲覧。 
  9. ^ “Zoe Kravitz Stars in Jay-Z's Latest Video”. People. (2008年2月28日). http://www.people.com/people/article/0,,20180853,00.html 2010年6月13日閲覧。 
  10. ^ Harvey, Dennis (2008年1月31日). “Birds of America”. Variety. http://www.variety.com/review/VE1117936012.html?categoryId=2471&cs=1 2010年6月13日閲覧。 
  11. ^ Germain, David (2010年3月29日). “Review: Grief goes by the book in 'The Greatest'”. The Boston Globe. http://www.boston.com/ae/movies/articles/2010/03/29/review_grief_goes_by_the_book_in_the_greatest/ 2010年6月14日閲覧。 
  12. ^ Yadegaran, Jessica (2009年11月12日). “Gabourey Sidibe on being 'Precious'”. San Jose Mercury News. http://www.mercurynews.com/movies-dvd/ci_13763264 2009年11月15日閲覧。 
  13. ^ Zoe Kravitz wows audiences in ‘Yelling to the Sky’”. IrishCentral (2010年12月15日). 2011年2月21日閲覧。
  14. ^ McCarthy, Todd (2009年12月3日). “Sundance unveils complete lineup”. Variety. http://www.variety.com/article/VR1118012123.html 2009年12月8日閲覧。 
  15. ^ McClintock, Pamela (2010年3月15日). “Tribeca unveils complete lineup”. Variety. http://www.variety.com/article/VR1118016451.html?categoryId=13&cs=1 2010年3月21日閲覧。 
  16. ^ Saito, Stephen (2010年4月24日). “Review: "Beware the Gonzo," not your typical teen comedy”. Indie Eye. Independent Film Channel. 2010年6月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年6月14日閲覧。
  17. ^ Hess, Mike (2010年4月23日). “5 Questions From Tribeca With Zoe Kravitz”. Moviefone. 2010年6月14日閲覧。
  18. ^ Patrick, Andy (2010年4月30日). “Exclusive: 'Californication' scores Lenny Kravitz's daughter”. Entertainment Weekly. オリジナルの2010年5月3日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20100503103620/http://ausiellofiles.ew.com/2010/04/30/exclusive-californication-scores-lenny-kravitzs-daughter/ 2010年3月2日閲覧。 
  19. ^ Kit, Borys (2010年1月28日). “"Single Man" co-star joins "Mad Max" movie”. Hollywood Reporter. Reuters. 2010年6月14日閲覧。
  20. ^ “Mad Max 4 delayed again”. ABC News. (2010年10月11日). http://www.abc.net.au/news/stories/2010/10/11/3034506.htm?site=idx-nsw 2010年12月12日閲覧。 
  21. ^ McClintock, Pamela (2010年8月17日). “January Jones joins 'X-Men'”. Variety. http://www.variety.com/article/VR1118023030.html 2010年8月18日閲覧。 . WebCitation archive.
  22. ^ “Lenny Kravitz's rock offspring stars in 'royal' perfume ads”. The Independent (London). (2009年11月21日). http://www.independent.co.uk/life-style/fashion/news/lenny-kravitzs-rock-offspring-stars-in-royal-perfume-ads-1825411.html 2009年11月22日閲覧。 
  23. ^ 5 Things You Don't Know About Zoe Kravitz”. Us Magazine (2011年6月2日). 2011年6月3日閲覧。
  24. ^ “Zoe Kravitz Appears in Alexander Wang Ads; Cat Fashion Infiltration Continues”. New York. (2010年8月12日). http://nymag.com/daily/fashion/2010/08/zoe_kravitz_appears_in_alexand.html 2010年8月13日閲覧。 
  25. ^ Lisa Bonet's new baby's name is a mouthful”. Access Hollywood. msnbc.com (2009年1月9日). 2010年6月13日閲覧。
  26. ^ Alan, Ryan (2008年1月24日). “Lenny Kravitz”. Foster's Daily Democrat. http://www.fosters.com/apps/pbcs.dll/article?AID=/20080124/GJENTERTAINMENT_01/805452265 2011年3月13日閲覧。 
  27. ^ Beggy, Carol; Shanahan, Mark (2008年4月4日). “Greening up”. The Boston Globe. http://www.boston.com/ae/celebrity/articles/2008/04/04/greening_up/ 2009年2月2日閲覧。 
  28. ^ X-Men Costars Zoe Kravitz, Michael Fassbender Take Relationship Public”. Us Magazine (2011年6月1日). 2011年7月11日閲覧。
  29. ^ Zoë Kravitz Gets Married to Karl Glusman at Her Dad Lenny Kravitz's Paris Home”. People (2019年6月29日). 2019年6月29日閲覧。
  30. ^ Zoë Kravitz Files for Divorce from Husband Karl Glusman After 18 Months of Marriage”. People (Janary 2, 2021). 2021年1月3日閲覧。
  31. ^ X-MEN:ファースト・ジェネレーション”. ふきカエル大作戦!! (2011年6月11日). 2021年3月8日閲覧。
  32. ^ アフター・アース”. ふきカエル大作戦!!. 2021年3月8日閲覧。
  33. ^ マッドマックス 怒りのデス・ロード”. ふきカエル大作戦!! (2015年5月31日). 2021年3月8日閲覧。
  34. ^ マッドマックス 怒りのデス・ロード [ザ・シネマ新録版]”. ふきカエル大作戦!! (2019年6月17日). 2021年3月8日閲覧。
  35. ^ レゴ(R) バットマン ザ・ムービー”. ふきカエル大作戦!! (2017年4月1日). 2021年3月8日閲覧。
  36. ^ ラフ・ナイト 史上最悪!?の独身さよならパーティー”. ソニー・ピクチャーズ公式. 2021年3月8日閲覧。
  37. ^ ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生”. ふきカエル大作戦!! (2018年11月13日). 2021年3月8日閲覧。
  38. ^ スパイダーマン:スパイダーバース”. ふきカエル大作戦!! (2019年1月17日). 2021年3月8日閲覧。
  39. ^ THE BATMAN-ザ・バットマン- -日本語吹き替え版”. ふきカエル大作戦!! (2022年3月11日). 2022年3月11日閲覧。

外部リンク[編集]