クラビネット
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クラビネット(clavinet)は、電気式のキーボード。
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[編集] 概要
鍵盤楽器のクラヴィコードに、ギターなどで用いる電気ピックアップで音を拾い、ボリュームやトーンなどによる電気的加工を可能にしたもので、ホーナー社 (Hohner) のエルンスト・ザカリアス (Ernst Zacharias) が開発、商品化した。メカニズムはクラヴィコードよりも簡略化されている。クラヴィコードでは鍵盤に連動したタンジェントが弦を突き上げて発音するが、クラビネットでは鍵盤の下に棒(ハンマー。先端に硬質ゴム製のチップがついている)が突き出ており、これが押鍵により直接弦を金属フレームに叩き付けて発音する(弦はハンマーチップとフレームに挟まれているため、クラヴィコードと異なりビブラートは不可能)。鍵盤を戻すと、弦の端に巻き付けられた毛糸によって弦振動が抑制され、音が止まる。
Clavinet I、Clavinet II、Clavinet C(スティーヴィー・ワンダーが『迷信』で使用した白い外観のもの)、Clavinet L(キース・エマーソンが初期ELPで使用した、台形ボディで白黒反転鍵盤のもの)を経て、最も有名なD6となる。その後、外装を軽く簡素なものとしたE-7、ピアネットを内蔵した最終モデルDuoと変遷を遂げていった。Duoを以てクラビネットの歴史は幕を閉じるが、1980年代になってホーナー社は日本で製造されたデジタルピアノを"Clavinet DP"の名称で発売した。勿論、楽器としてのクラビネットとは関係はない。
音色は最も発展したD6の場合、ブリリアント/トレブル/ミディアム/ソフトの4種類と、2つのピックアップの位相スイッチを組み合わせて作ることが出来る。また、弦の振動を抑制するミュートレバーが付いており、減衰の早い音色も作成可能。
スティーヴィー・ワンダーの『迷信』で使用されたのを初め、1970年代のファンク、ソウルミュージック系の音楽でのギター的なバッキングで多用されたが、レッド・ツェッペリンやグランド・ファンクなどロックバンドで使用される例も多く、様々な使い方をされた。意外なことにELPやリック・ウェイクマン、キャメル、TRACEなど、プログレッシブ・ロックでの使用も多い。トリーナ・ニ・ゴーナルは自身のバンド「ナイトノイズ」などで、ケルト音楽に使用している。日本では、主に70年代の大滝詠一作品で使われている事がCD化された際に付属する当時のプロダクション・ノートの演奏者クレジットから確認出来る。当時大滝のバックセッションに多数参加していた井上鑑が弾いている事が多い。尚、「ナイアガラ音頭」のシングルバージョンでは坂本龍一が演奏している。
[編集] モデルリスト
- Claviphon(1963?):もっとも初期の物で、量産には至らなかった。4つのトーン・スライダーを装備。
- Clavinet(1964):最初の量産モデルで、2つのピックアップのフェイズスイッチと内蔵スピーカーを装備。
- Clavinet II(1965?):内蔵スピーカーが廃止された。
- Clavinet C(1968):白いボディが特徴。Echolette社でも生産された("Beat Spinett"の名称で、白黒反転鍵盤を採用)。
- Clavinet L(1968):C型のバリエーションで、エルンスト・ザチャリアスが自らの為に中世のスピネット風にデザインした。販売台数はごく少数。
- Clavinet D6(1971):最も多く生産されたモデル。4つのトーン・タブレットとミュートレバーを追加。
- Clavinet E7(1977):ノイズを軽減した新設計となる。ボリュームノブはスライダーに置き換えられた。
- Clavinet Duo(1977):E7にピアネット(Pianet)を内蔵した最終型。低音・高音部それぞれ別に両者の音をミックス可能。
[編集] ホーナー社の他のエレクトリック・キーボード
- Pianet:各音程に調律された金属板を、鍵盤に取り付けられたラバースポンジが吸い付いて引っぱり、金属板が張力で離れた際の振動音を増幅する。ビートルズやゾンビーズ、ジェネシスなどが使用した。
- Cembalet:金属板をプレクトラムで引っ掻いた音を増幅する。チェンバロよりもカリンバに類似した構造。生産数は非常に少ない。
- Electra Piano : アップライトピアノ型のボディで、ウーリッツァーピアノとよく似た内部構造。内蔵スピーカーを装備。レッド・ツェッペリンのジョン・ポール・ジョーンズが最も著名なユーザー。

