ワウペダル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
ブッダ・ワウ

ワウペダル (Wah-wah pedal)とは、車のアクセルペダルのようなイメージで筐体につけられたペダルを足で操作する事により、聴感上強調される周波数帯を変えるエフェクターである。回路的にはバンドパスフィルタの一種と言える。エレキ・ギターだけでなく、ベースやキーボード、クラビネット、トランペットなど、多くの楽器で使用されている。

概要[編集]

ペダルの下部にある可変抵抗器が回転し、文字通りペダルを踏んだとおりに「ワウ・ワウ」と鳴る。商品名によって「クライベイビー」との名称でも示されるように感情に最も近いエフェクトとも言われる。VOXワウワウやクライベイビー、ブッダ・ワウなどの種類がある。

踏み込んだペダル位置に応じて音質が変化し、ぎらついたり、こもったように聞こえる。 代表的な使用方法として、リズミカルに開閉させるように踏む方法で、ジミ・ヘンドリックスに代表されるようなパブリックなワウサウンドになる。また、ジェームス・ブラウンアイザック・ヘイズカーティス・メイフィールドテンプテーションズBTエクスプレスらのファンク・サウンドでのワウワウ・ギターの使用は大変有名である。ラロ・シフリンも、「燃えよドラゴン」でワウワウを使っていた。モータウンのワーワー・ワトソン(Melvin Ragin)やデニス・コフィーは、ワウワウ・ギターの名手として知られている。ワーワー・ワトソンは、テンプテーションズやローズ・ロイスのアルバムで、ワウペダルを使用した演奏を披露した。ブルースでは、ハウリン・ウルフやマディ・ウォーターズの70年代のアルバムで、ワウワウ・ギターを使用したサウンドを聴くことができる。 ロックでは、シカゴやローリング・ストーンズも、ワウペダルを使用した曲を発表している。また、エリック・クラプトンがギターのトーン操作で多用したウーマントーンに近い音質や、フランク・ザッパマイケル・シェンカーが多用する鼻をつまんだ様な音も作ることが出来る。スティーヴ・ヴァイは、人の声や猫の鳴き声などをワウペダルを用いた演奏によって再現した。

エレキ・ギター以外でも、ベースクラビネットキーボードトランペットスネアドラムサックスなどで使用するアーティストが存在する。ベースではマイケル・ヘンダーソンが、マイルス・デイヴィス「オン・ザ・コーナー」(1972年)で。クラビネットではジョン・メデスキ、スライド・ギターではロバート・ランドルフが、それぞれワウペダルを使用している。ザ・バンドのガース・ハドソンやピンク・フロイドのリック・ライトは、キーボードでワウペダルを使った。キング・カーティスのサックスでの使用も確認できる。トランペットではランディ・ブレッカーマイルス・デイヴィス近藤等則等の使用が知られている。彼らはピックアップによって電気化したトランペットによってワウペダルの効果を得ている。マイルス・デイヴィスによって広く知られるようになったが、初めて使用したのはランディ・ブレッカーで、ジョン・アバークロンビーの機材をスタジオで借りたのが最初だと語っている。近藤等則は、さらにワーミーやディストーションを加えて、さらに過激な音を得ている。

ワウエフェクトをバイパスした状態で操作すると、ボリュームペダルとしての効果を得られる物も多くあるが、内部構造のギアの噛み合わせと音色の兼ね合いによっては、使い難くなる事がしばしば発生する。

筐体が共通又は良く似たボリュームペダル自体はジョージ・ハリスンビートルズ時代に、(本人が意図したかどうかは別として)ストリングスとオルガンとの中間的な効果を狙って、ピッキングの音を消すのに使用したり、ROOM335で有名なラリー・カールトンが非常に細かくヴォリュームペダルを操作する事で有名(ストラトキャスターなどのギターの場合、リッチー・ブラックモアなどのハードロック系ギタリストやジェフ・ベックなどのインストルメンタル系ギタリストがよく使用した、ピッキングの際にボリュームを下げ、その直後にボリュームを上げる方法もあり、同様の効果を得られるが、これは、エフェクターではないので除く)。

発音について[編集]

英語発音に近い片仮名表記は「ワーペダル」だが、日本では「ワウ」と発音される。

由来[編集]

ジャズトランペッターが演奏中にミュートの開閉によって音質のコントロールをしている様を鍵盤演奏者が気に入り、元々キーボード用に開発されたワウペダルがギター演奏にも流用されてきたことで、現在[いつ?]のように普及した。

ワウは元々Jazz発祥のエフェクターである。

ワウペダル使用の主な楽曲[編集]

関連項目[編集]