ボルトン・ワンダラーズFC

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ボルトン・ワンダラーズFC
原語表記 Bolton Wanderers Football Club
愛称 The Trotters
The Wanderers
The Whites
The White men
White Army
Superwhites
Superwhite Army
クラブカラー    
    紺色
創設年 1874年
所属リーグ EFLリーグ1
所属ディビジョン 3部(2023-24
昨季リーグ順位 5位(2022-23
ホームタウン ボルトン
ホームスタジアム
タフシート・コミュニティ・スタジアム
収容人数 28,723[1]
代表者 Football Ventures (Whites) Ltd[2][3]
監督 イングランドの旗 イアン・エヴァット英語版[4]
公式サイト 公式サイト
ホームカラー
アウェイカラー
テンプレート(ノート)サッカークラブPJ

ボルトン・ワンダラーズ・フットボール・クラブBolton Wanderers Football Club ([ˈbltən] ( 音声ファイル)))は、イングランドグレーター・マンチェスター州ボルトンを本拠地とするサッカークラブチームである。2023-24シーズンはEFLリーグ1(3部相当)に所属。

2015年以降、クラブは深刻な財政難に陥り、EFLからの追放の危機を迎えたが、2019年8月28日にFootball Ventures (Whites) Limitedがクラブを買収し、問題を回避した[2][3]

歴史[編集]

リーボック・スタジアム

1874年教会のクラブ、クライストチャーチFC(Christ Church FC)という名称として設立。ホームグラウンドが無く3つの場所を転々としていたため、1877年に改名する際ボルトン・ワンダラーズ(ボルトンのさまよう人々)とした[5]1888年に始まった、世界最古のサッカーリーグ、フットボールリーグに最初から参加した12クラブのうちの一つである[5]1923年ウェンブリー・スタジアムに移って初めてのFAカップを制覇した[5]

1987年には4部リーグまで陥落したが、リーボックのスポンサーを受けて昇格。1990年代にプレミアリーグに昇格し、2部に落ちた時期もあるが2001年から2012年までプレミアにとどまった[5]

2005年来日。ヴィッセル神戸川崎フロンターレと親善試合を行ったが、中田英寿獲得前で、日本人選手やビッグネームがいなかった事も響いてか、観客数は他の欧州クラブの試合と比較すると低調に終わった(神戸戦はサッカー中継のほとんどしないサンテレビが中継している)。来日前、稲本潤一三都主アレサンドロ獲得に向けて動いたと一部報道もあったが、結局獲得には至らなかった。

2011-12シーズンは開幕戦こそ勝利したもののその後5連敗を喫し、僅か1ヶ月で首位から降格圏に転落。2012年5月13日、アウェーでの最終節でストーク・シティと2-2で引き分け、同じく降格を争っていたクイーンズ・パーク・レンジャーズに勝ち点1及ばず、18位でチャンピオンシップ(2部相当)への降格が決まった[6]

2012-13シーズンはリーグカップでは、初戦の2回戦でクローリー・タウンに1-2で敗れ、リーグ戦でも開幕10試合で3勝しかできず、16位に低迷し、2012年10月9日、オーウェン・コイル監督を解任[7]クリスタル・パレスの監督だったダギー・フリードマンが就任した。最終的にレスター・シティに得失点差で及ばず、7位でプレーオフ進出を逃した。

2014-15シーズンは開幕10試合で1勝しかできず、2014年10月3日、双方の合意により、フリードマンはクラブを退団した[8]

2015-16シーズンは財政難のため満足な補強もできず[9]、2016年2月にクラブOBであるディーン・ホールズワース率いるスポーツ・シールド・コンソーシアムに買収されることが発表された[10]。しかしその後も成績は好転せず、結局フットボールリーグ・チャンピオンシップで最下位となり、1993年以来初めてフットボールリーグ1(3部相当)への降格が決まった[11]

2019年5月、破産を申請。これにより2019-20シーズンは勝ち点-12のペナルティが科せられた[12]EFLからは8月27日17時までにクラブの売却が完了、あるいは期限を延長する正当な理由が提示されない場合、リーグから追放すると通達された。結局期限までに売却交渉はまとまらなかったが、現在交渉中であるとして14日間の猶予が与えられた[13]。8月29日、Football Ventures(Whites)Limitedへの売却が完了した[2][3]

タイトル[編集]

国内タイトル[編集]

国際タイトル[編集]

  • なし

過去の成績[編集]

シーズン リーグ戦 FAカップ リーグ杯 欧州カップ / その他 最多得点者
ディビジョン 順位 選手 得点数
1974-75 ディビジョン2 42 15 12 15 45 41 42 10位 3回戦敗退 2回戦敗退 ヒュー・クラン 11
1975-76 42 20 12 10 64 38 52 4位 5回戦敗退 2回戦敗退 ギャリー・ジョーンズ
ニール・ワットモア
13
1976-77 42 20 11 11 75 54 51 4位 3回戦敗退 準決勝敗退 ニール・ワットモア 31
1977-78 42 24 10 8 63 33 58 1位 3回戦敗退 3回戦敗退 ニール・ワットモア 21
1978-79 ディビジョン1 42 12 11 19 54 75 35 17位 3回戦敗退 3回戦敗退 フランク・ワーシントン 26
1979-80 42 5 15 22 38 73 25 22位 5回戦敗退 2回戦敗退 ニール・ワットモア 31
1980-81 ディビジョン2 42 14 10 18 61 66 38 18位 3回戦敗退 2回戦敗退 ニール・ワットモア 21
1981-82 42 13 7 22 39 61 46 19位 4回戦敗退 1回戦敗退 クリス・トンプソン 14
1982-83 42 11 11 20 42 61 44 22位 3回戦敗退 2回戦敗退 トニー・ヘンリー 11
1983-84 ディビジョン3 46 18 10 18 56 60 64 10位 3回戦敗退 1回戦敗退 フットボールリーグトロフィー 北セクション
1回戦敗退
トニー・コールドウェル 23
1984-85 46 16 6 24 69 75 54 17位 1回戦敗退 3回戦敗退 フットボールリーグトロフィー 北セクション
準決勝敗退
トニー・コールドウェル 22
1985-86 46 15 8 23 54 68 53 18位 1回戦敗退 2回戦敗退 フットボールリーグトロフィー 準優勝 トニー・コールドウェル 16
1986-87 46 10 15 21 46 58 45 21位 3回戦敗退 1回戦敗退 フットボールリーグトロフィー 北セクション
準々決勝敗退
トニー・コールドウェル 17
1987-88 ディビジョン4 46 22 12 12 66 42 78 3位 3回戦敗退 1回戦敗退 フットボールリーグトロフィー 北セクション
1回戦敗退
ジョン・トーマス 28
1988-89 ディビジョン3 46 16 16 14 58 54 64 10位 2回戦敗退 1回戦敗退 フットボールリーグトロフィー 優勝 トレヴァー・モーガン
スティーヴ・トンプソン
11
1989-90 46 18 15 13 59 48 69 6位 1回戦敗退 3回戦敗退 フットボールリーグトロフィー 北セクション
準決勝敗退
トニー・フィリスカーク 25
1990-91 46 24 11 11 64 50 83 4位 4回戦敗退 2回戦敗退 フットボールリーグトロフィー 北セクション
GS敗退
トニー・フィリスカーク 28
1991-92 46 14 17 15 57 56 59 13位 5回戦敗退 2回戦敗退 フットボールリーグトロフィー 北セクション
1回戦敗退
トニー・フィリスカーク 19
1992-93 ディビジョン2 46 27 9 10 80 41 90 2位 5回戦敗退 2回戦敗退 フットボールリーグトロフィー 北セクション
準々決勝敗退
アンディ・ウォーカー 33
1993-94 ディビジョン1 46 15 14 17 63 64 59 14位 準々決勝敗退 2回戦敗退 ジョン・マッギンレー 33
1994-95 46 21 14 11 67 45 77 3位 3回戦敗退 準優勝 ジョン・マッギンレー 22
1995-96 プレミアリーグ 38 8 5 25 39 71 29 20位 4回戦敗退 4回戦敗退 ジョン・マッギンレー 9
1996-97 ディビジョン1 46 28 14 4 100 53 98 1位 4回戦敗退 準々決勝敗退 ジョン・マッギンレー 30
1997-98 プレミアリーグ 38 9 13 16 41 61 40 18位 3回戦敗退 4回戦敗退 ネイサン・ブレイク 14
1998-99 ディビジョン1 46 20 16 10 78 59 76 6位 3回戦敗退 4回戦敗退 ボブ・テイラー 18
1999-00 46 21 13 12 69 50 76 6位 準決勝敗退 準決勝敗退 エイドゥル・グジョンセン 22
2000-01 46 24 15 7 76 45 87 3位 5回戦敗退 1回戦敗退 マイケル・リケッツ 24
2001-02 プレミアリーグ 38 9 13 16 44 62 40 16位 4回戦敗退 準々決勝敗退 マイケル・リケッツ 15
2002-03 38 10 14 14 41 51 44 17位 3回戦敗退 2回戦敗退 ユーリ・ジョルカエフ
オーガスティン・オコチャ
ヘンリク・ペデルセン
マイケル・リケッツ
7
2003-04 38 14 11 13 48 56 53 8位 3回戦敗退 準優勝 ケヴィン・ノーラン 12
2004-05 38 16 10 12 49 44 58 6位 準々決勝敗退 3回戦敗退 ケヴィン・デイヴィス
エル=ハッジ・ディウフ
9
2005-06 38 15 11 12 49 41 56 8位 5回戦敗退 準々決勝敗退 UEFAカップ ベスト32 ステリオス・ギアンナコプーロス 12
2006-07 38 16 8 14 47 52 56 7位 4回戦敗退 3回戦敗退 ニコラ・アネルカ 12
2007-08 38 9 10 19 36 54 37 16位 3回戦敗退 4回戦敗退 UEFAカップ ベスト16 ニコラ・アネルカ 11
2008-09 38 11 8 19 41 53 41 13位 3回戦敗退 2回戦敗退 ケヴィン・デイヴィス 12
2009-10 38 10 9 19 40 66 36 14位 5回戦敗退 4回戦敗退 ケヴィン・デイヴィス 9
2010-11 38 12 10 16 52 56 46 14位 準決勝敗退 3回戦敗退 ヨハン・エルマンデル 12
2011-12 38 10 6 22 46 77 36 18位 準々決勝敗退 4回戦敗退 イヴァン・クラスニッチ 9
2012-13 チャンピオンシップ 46 18 14 14 69 61 68 7位 3回戦敗退 1回戦敗退 クリス・イーグルス 12
2013-14 46 14 17 15 59 60 59 14位 4回戦敗退 2回戦敗退 ジャーメイン・ベックフォード
アンドレ・モリツ
ルーカス・ユトキエヴィッツ
7
2014-15 46 13 12 21 54 67 51 18位 4回戦敗退 3回戦敗退 アダム・ル・フォンドル 8
2015-16 46 5 15 26 41 81 30 24位 4回戦敗退 1回戦敗退 ザック・クラフ 7
2016-17 リーグ1 46 25 11 10 68 36 86 2位 3回戦敗退 1回戦敗退 EFLトロフィー GS敗退 ジョシュ・ヴェラ 10
2017-18 チャンピオンシップ 46 10 13 23 39 74 43 21位 3回戦敗退 3回戦敗退 ゲイリー・マディーン 10
2018-19 46 8 8 30 29 78 32 23位 4回戦敗退 1回戦敗退 ジョシュ・マゲニス 7
2019-20 リーグ1 34 5 11 18 27 66 14[注釈 1] 23位 1回戦敗退 1回戦敗退 EFLトロフィー 2回戦敗退 ダリル・マーフィー 8
2020-21 リーグ2 46 23 10 13 59 50 79 3位 1回戦敗退 1回戦敗退 EFLトロフィー GS敗退 オーエン・ドイル 19
2021-22 リーグ1 46 21 10 15 74 57 73 9位 1回戦敗退 2回戦敗退 EFLトロフィー 3回戦敗退 オラダポ・アフォラヤン 14
2022-23 46 23 12 11 62 36 81 5位 1回戦敗退 2回戦敗退 EFLトロフィー 優勝 ディオン・チャールズ 21
2023-24 46 2回戦敗退 EFLトロフィー
  1. ^ 破産申請により勝ち点12が剥奪

欧州の成績[編集]

現所属メンバー[編集]

2019年10月11日現在[14]

注:選手の国籍表記はFIFAの定めた代表資格ルールに基づく。

No. Pos. 選手名
1 GK イングランド ベン・アニック
2 DF イングランド ジョシュア・エマニュエル
3 DF イングランド ジョー・バニー
4 MF イングランド ジェイソン・ロウ
5 DF イングランド ジャック・ホッブス
6 DF イングランド ジェイク・ライト
7 MF イングランド ウィル・バックリー
8 MF イングランド ルーク・マーフィー
9 FW アイルランド ダリル・マーフィー
10 FW イングランド クリス・オグレイディ
11 MF スコットランド アリスター・クロフォード
12 DF ジンバブエ アダム・チックセン
14 MF イングランド ジェームス・ウィアー
17 MF ベルギー ティボー・フェルリンデン
20 GK イングランド レミ・マシューズ
21 DF イングランド ハリー・ブロックバンク
22 MF ルーマニア デニス・ポリティック
23 FW ガーナ ジョー・ドードー
24 FW イングランド コナー・ホール
26 DF イングランド リアム・エドワーズ
No. Pos. 選手名
27 FW イングランド ロナン・ダーシー
28 MF スコットランド リアム・ブリッドカット ()
30 DF フランス ヨアン・ズマ
31 DF イングランド ジョーダン・ブーン
32 DF イングランド ジョシュア・アール
33 FW イングランド エディ・ブラウン
34 DF イングランド アダム・シニア
35 MF イングランド ソニー・グラハム
36 MF ウェールズ カラム・キング=ハームズ
37 MF イングランド フィンレイ・ハーフォード=ロケット
38 DF イングランド ジョー・ホワイト
39 MF イングランド デマリオ・ブラウン=スターリング
40 DF イングランド マイルズ・エドモンドソン
41 DF イングランド デニール・リチャーズ
42 MF イングランド クワメ・オシグウェ
44 MF イングランド リーガン・ライリー
45 DF イングランド ネイサン・ウォーリー
46 GK イングランド ルーク・ハッチンソン
47 MF イングランド ジェイ・フィッツマーティン
監督

ローン移籍選手[編集]

in

注:選手の国籍表記はFIFAの定めた代表資格ルールに基づく。

No. Pos. 選手名
6 DF イングランド ジェイク・ライト (シェフィールド・ユナイテッド)
17 MF ベルギー ティボー・フェルリンデン (ストーク・シティ)
No. Pos. 選手名
28 MF スコットランド リアム・ブリッドカット (ノッティンガム・フォレスト)
32 DF イングランド ジョシュア・アール (プレストン・ノースエンド)
out

注:選手の国籍表記はFIFAの定めた代表資格ルールに基づく。

No. Pos. 選手名
No. Pos. 選手名

歴代監督[編集]

歴代所属選手[編集]

GK[編集]

DF[編集]

MF[編集]

FW[編集]

エンブレム[編集]

ユニフォームの1888年以来。エンブレム1923年から使い始め、最初はボルトンの市章を簡略にしたランカシャーバラのモチーフだった。1951年から紺色の文字のBWが加わった。その後一時エンブレムを用いない期間もあったが、1975年からいBWFCの4字を丸くあしらう現在に近いエンブレムを使い始めた。2001年のプレミアリーグ再昇格を期に、4文字が紺色になり、その下に赤と紺のリボンを配するデザインとなった。リボンは2000年FAカップ準決勝に向かうサポーターの歓喜を表すと公式に説明されたが、スポンサーのリーボックに配慮したとの説もある[5]

脚注[編集]

  1. ^ Complete Handbook HI RES.pdf” (PDF). 2010年12月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年8月19日閲覧。
  2. ^ a b c David Rubin & Partners, Administrators For Bolton Wanderers”. Bolton Wanderers FC. BWFC. 2019年8月28日閲覧。
  3. ^ a b c “Bolton Wanderers: Football Ventures completes takeover to save League One club”. BBC Sport (BBC). (2019年8月28日). https://www.bbc.co.uk/sport/football/48906359 2019年8月28日閲覧。 
  4. ^ Hill appointed as Wanderers manager”. ボルトン・ワンダラーズFC (2019年8月31日). 2019年9月2日閲覧。
  5. ^ a b c d e エンブレムの世界 ボルトン『サッカーマガジン』2012年2月28日号、ベースボール・マガジン社、2012年、雑誌23884-2/28, 055頁。
  6. ^ Wilson, Paul (2012年5月13日). “Bolton are relegated after Jon Walters secures draw for Stoke”. The Guardian. https://www.theguardian.com/football/2012/may/13/stoke-city-bolton-wanderers-premier-league 2019年3月11日閲覧。 
  7. ^ Owen Coyle is sacked by Bolton Wanderers”. BBC Sport. 2012年10月9日閲覧。
  8. ^ Dougie Freedman: Bolton Wanderers manager leaves club, BBC Sport
  9. ^ 中田英寿の古巣ボルトンが絶体絶命の大ピンチ! - 2015年12月11日 日刊スポーツ
  10. ^ 中田氏ら古巣のボルトン、経営危機から買収に合意 - 2016年2月23日サンケイスポーツ
  11. ^ 中田英や宮市が所属したボルトン、3部降格が決定 - 2016年4月10日 Qoly
  12. ^ 中田英寿も在籍したボルトンが破産申請…来季は「勝ち点-12」からのスタートに”. サッカーキング (2019年5月14日). 2019年8月30日閲覧。
  13. ^ 存続危機のボルトンに14日間の猶予…ベリーは125年在籍のEFLから追放”. サッカーキング (2019年8月28日). 2019年8月30日閲覧。
  14. ^ First Team”. ボルトン・ワンダラーズFC. 2019年10月11日閲覧。

外部リンク[編集]

公式
ニュース
その他