ボストン・ダイナミクス

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ボストン・ダイナミクス
Boston Dynamics
種類 非公開企業[1]
本社所在地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
マサチューセッツ州ミドルセックス郡
ウォルサム市
設立 1992年
業種 精密機器
事業内容 ロボットの研究開発
外部リンク www.bostondynamics.com
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ボストン・ダイナミクス英語: Boston Dynamics)は、ロボットの研究開発を手がけるアメリカ合衆国企業国防高等研究計画局 (DARPA) の支援の下開発した四足歩行ロボットビッグドッグ[2]や、人間のシミュレーションを行うCOTSソフトウェアDI-Guyといった製品を開発している。2013年12月にインターネット関連サービス大手のGoogle社に買収された[1]

沿革[編集]

ボストン・ダイナミクスは1992年マサチューセッツ工科大学 (MIT) においてロボットと人工知能を研究していたマーク・レイバート英語版(当時教授)が、同大学をスピンアウトして設立された。[3][1]

設立当初は、American Systems Corporation社とともにNAWCTSD英語版との契約に下、DI-Guyというソフトウェアによる3Dシミュレーションを用いた米海軍用の航空機の発進トレーニングビデオを更新する業務に携わっていた。[4]

2013年12月13日、ボストン・ダイナミクス社はインターネット関連サービス大手のGoogle社に買収された。この買収はアンディ・ルービンが進める同社のロボティクスプロジェクトにおける8社目の買収であった。[5]

製品[編集]

ビッグドッグ[編集]

ビッグドッグは、2005年にボストン・ダイナミクス社がFoster-Miller英語版社、NASAジェット推進研究所ハーバード大学と共同で開発した四足歩行ロボットである。[6] ビッグドッグはDARPAの出資の下[7]、車両が走行できない荒地において、兵士に随伴し物資を運搬するロボットラバを実現することを目指して開発された。車輪の代わりとして、ビッグドッグには4本の脚が装備されており、この脚を用いることで車輪以上の踏破性を実現している。ビッグドッグは"世界で最も野心的な脚を持ったロボット" ("the world's most ambitious legged robot") とされており、340 lb (150 kg) の荷物を運びながら4 mph (6.4 km/h) の速度で兵士に随伴して行動することが可能で、35度以上の傾斜を持つ荒れた地形をも踏破することができる。[8]

ボストン・ダイナミクス社では、ビッグドッグを発展させた米軍向けの四足歩行ロボットLegged Squad Support System英語版 (LS3) の開発も行っている。[9]

チーター[編集]

チーター (Cheetah) は、ボストン・ダイナミクス社が開発した四足歩行ロボットである。28 mph (45.06 km/h) でのギャロップ走行が可能で、2012年8月には脚を持ったロボットによる陸上移動において世界最速を記録した。これ以前の世界記録は、1989年MITにおける13.1 mph (21.08 km/h) であった。チーターの開発は、DARPAのMaximum Mobility and Manipulationプログラムの出資の下で行われた。チーターは脚に関節を持っており、それらを一歩ごとに曲げることで、実際の動物のような歩行と速度を実現している。最初に公開されたチーターは、研究室内で外部からケーブルによる電力供給を受けた上で、高速のトレッドミル上で走行する実験室レベルのものであった。しかし2013年10月3日には、ワイルドキャットと名付けられた新型による、屋外でのより自然に近い環境での実験の模様が公開されている。[10]

リトルドッグ[編集]

リトルドッグ (LittleDog) は、ボストン・ダイナミクス社がDARPA向けに開発した小型の研究用四足歩行ロボットである。リトルドッグは他の研究機関が用いるテストベッドとして開発された。ボストン・ダイナミクスはリトルドッグをDARPAの標準プラットフォームとして整備している。[11][12]

RiSE[編集]

RiSEは、ボストン・ダイナミクス社が開発したロボットの一つで、小型の鉤爪を備えた脚を用いて、壁や木々、フェンスといった垂直な構造物を登ることができる。RiSEは壁面の状態に応じて姿勢を変えることができ、さらに急勾配でのバランス取りを助ける尻尾も備える。RiSEは小型のロボットで、長さが0.25 m、重量は2 kgで、登攀速度は0.3 m/sである。[13]

RiSEの6本の脚はペアのモーターにより駆動される。搭載されたコンピュータは脚の動きの制御と通信の管理、それに姿勢や脚ごとの負荷、接触状況などの各種センサーの機能を提供する。

ボストン・ダイナミクスによるRiSEの開発には、ペンシルベニア大学カーネギーメロン大学カリフォルニア大学バークレー校スタンフォード大学それにルイス・アンド・クラーク・カレッジ英語版の研究成果が用いられている。RiSEの研究もDARPAの出資の下行われた。

PETMAN[編集]

PETMAN (Protection Ensemble Test Mannequin)[14]は、ボストン・ダイナミクス社が開発した化学防護服のテスト用の人型ロボットである。PETMANは同社が公開した初の人型ロボットであり、二足歩行に加え、実際の人間のような様々な動きを再現することが可能となっている。こうした技術の多くは、ビッグドッグの開発から派生したものである。[15]

Legged Squad Support System[編集]

Legged Squad Support System (LS3) は、ビッグドッグの軍用バージョンである。

アトラス[編集]

アトラスは、2013年にボストン・ダイナミクス社が公開した人型ロボットである。[16]

参考文献[編集]

  1. ^ a b c Google、四足ロボット「BigDog」のメーカーBoston Dynamicsを買収”. ITmedia (2013年12月15日). 2013年12月16日閲覧。
  2. ^ David Hambling, Robotic 'pack mule' displays stunning reflexes, New Scientist, 3 March 2006.
  3. ^ About Boston Dynamics (2005), Retrieved on 4 July 2007.
  4. ^ Sharon Foster, "Updating Technology Without Upping the Price: Boston Dynamics completes first phase of catapult trainer upgrade", (subscription required), National Defense, November 1, 2001.
  5. ^ "Google Adds to Its Menagerie of Robots", New York Times, December 14, 2013.
  6. ^ Boston Dynamics”. 2007年6月30日閲覧。
  7. ^ Markoff, John (2012年4月9日). “Pentagon Contest to Develop Robots to Work in Disaster Areas”. The New York Times. http://www.nytimes.com/2012/04/10/science/pentagon-contest-to-develop-robots-to-work-in-disaster-areas.html?_r=1 
  8. ^ BigDog - The Most Advanced Rough-Terrain Robot on Earth”. Boston Dynamics. 2011年2月22日閲覧。
  9. ^ http://www.bostondynamics.com/robot_ls3.html
  10. ^ Creepy Cat Robot Can Run 16mph”. Breitbart. 2013年10月6日閲覧。
  11. ^ Greenemeier, Larry "DARPA Pushes Machine Learning with Legged LittleDog Robot", Scientific American, April 15, 2008
  12. ^ "LittleDog: The Legged Learning Robot". Accessed on October 20, 2008.
  13. ^ RiSE: The Amazing Climbing Robot”. www.bostondynamics.com. 14-10-2013閲覧。
  14. ^ http://www.army-technology.com/projects/petman/
  15. ^ Video of petman on the Boston Dynamics youtube channel
  16. ^ http://www.bostondynamics.com/robot_Atlas.html

関連項目[編集]

外部リンク[編集]