ARMホールディングス

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ARMホールディングス
ARM Holdings plc
ARM Logo
種類 公開会社
市場情報 NASDAQ: ARMHLSEARM
本社所在地 イギリスの旗 イギリス
イングランド ケンブリッジ
設立 1990年
業種 電気機器
事業内容 RISCマイクロプロセッサのIP
代表者 Doug Dunn(会長)
Warren East(CEO)
売上高 4億660万UKポンド(2010年)
営業利益 1億700万UKポンド(2010年)
従業員数 1,700名 (2010年)
外部リンク www.arm.com
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ARM本社の正面玄関

ARMホールディングス(ARM Holdings plc) はイギリスケンブリッジに本社を置く持株会社。傘下の事業会社である"ARM Ltd."によるARMアーキテクチャ、RealView や KEIL というブランドのプログラミングツールシステムおよびプラットフォームSystem-on-a-chip基板とソフトウェアなどの開発で知られている。ケンブリッジ周辺のハイテク企業集積地(シリコンフェン)内では良く知られた企業である。

概要[編集]

エイコーン・コンピュータアップルコンピュータVLSIテクノロジージョイントベンチャーとして創業した。当初の社名は"Advanced RISC Machines"で、エイコーンが開発し Acorn Archimedes で初めて使ったARMアーキテクチャRISCチップ開発を行う会社という位置づけだった。ARMアーキテクチャは今では様々なASICのプロセッシングコアとして採用されている。特に携帯電話市場では寡占状態にある[1]

英ARM社は、サニーベールオースティンオリンピアトロンハイムソフィア・アンティポリスミュンヘンルーヴェン台北市横浜市北京市バンガロールシェントイェルニェイなど世界中にオフィスとデザインセンターを持つ[2]

ARMアーキテクチャ[編集]

ARMアーキテクチャを採用したプロセッサは携帯機器への組み込みに適した低消費電力が特徴である[3]。32ビット組み込みCPUの75%以上がARMアーキテクチャに基づいたCPUが採用されており、特に低消費電力と同時に高い演算能力が求められる高機能携帯電話携帯情報端末で顕著であり、32ビットとしては世界で最も普及しているマイクロプロセッサである[4]

ARMアーキテクチャをコアとして採用したプロセッサは、ノキアソニー・エリクソンサムスン電子などのメーカーが携帯電話の主CPUとして採用しており[5]アップルiPodiPhoneのような携帯情報端末にも使われている[6]。また、任天堂ゲームボーイアドバンスニンテンドーDS、GamePark Holdings GP2X などの携帯ゲーム機でも使われている。他にも、GPS機器、デジタルカメラデジタルテレビネットワーク機器、ハードディスクドライブなどで使われている[7]プレイステーション・ポータブル無線LANプロセッサは ARM9 である[8]

AMD社、米インテル社、米フリースケール・セミコンダクタ社、日ルネサス エレクトロニクス社といった企業のマイクロプロセッサとは異なり、ARM社は技術を知的財産権 (IP) として各社にライセンス提供するだけであり、自社でCPUを生産していない[9]。そのため、ARMの設計に基づくプロセッサを製造している企業は数十社に及ぶ。インテル、フリースケール、ルネサス テクノロジはいずれもARMテクノロジーのライセンス供与を受けている。2007年には、ARMの設計に基づくチップが29億個も生産された[10]

歴史[編集]

ARMの歴史は次の通り[11]

  • 1990年 - エイコーン・コンピュータ、アップルコンピュータ、VLSIテクノロジーのジョイントベンチャーとして創業
  • 1993年 - 初めて黒字化
  • 1994年 - シリコンバレーと東京に支社を開設。日本法人はアーム株式会社[12]
  • 1998年 - Advanced RISC Machines Ltd から ARM Ltd に改称。年間5000万コアを出荷。ロンドン証券取引所とNASDAQに上場
  • 1999年 - Micrologic Solutions(ケンブリッジにあるソフトウェアコンサルティング会社)を買収
  • 2000年 - Allant Software(デバッグ用ソフトウェア開発会社)と Infinite Designs(シェフィールドにある設計会社)と EuroMIPS(フランスのスマートカード設計会社)を買収
  • 2001年 - Noral Micrologics(デバッグ用ハードおよびソフトの開発会社)の開発チームを取得
  • 2002年 - Artisan Components がサンディエゴの NurLogic Design(通信用チップ設計)を買収。中国支社を開設
  • 2003年 - ベルギーの Adelante Technologies(DSP OptimoDE の開発元)を買収
  • 2004年 - Axys Design Automation(EDAの下工程用ツールの開発)と Artisan Components(集積回路の各種 Physical IP の設計)を買収
  • 2005年 - KEIL Software(マイクロコントローラ向けプログラミングツール開発)を買収。これには同社が保有していた Intel 8051 と C16x プラットフォームも含まれていた[13]。PowerEscape の開発チームも取得
  • 2006年 - ノルウェーの Falanx(SOI Physical IP を得意とする企業で、GPUなども開発)を買収

企業名[編集]

"ARM" は元々は "Acorn RISC Machine" の略だった。しかし企業名としては Advanced RISC Machines の略である。株式公開のころ、"ARM Ltd" に改称し、"ARM Holdings"の子会社となっている[14]。( "ARM Holdings" が株式公開されている持株会社で、"ARM Ltd" がその子会社として実際の事業を行っている)。改称の理由は、"RISC" が "risk"(危険)と同じ発音であるため、コンピュータに詳しくない人に誤解を与えると考えたためである。

関連項目[編集]

脚注[編集]

外部リンク[編集]