ホスフィン

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ホスフィン
識別情報
CAS登録番号 7803-51-2
特性
化学式 PH3
モル質量 34.00 g/mol
外観 無色気体
密度 1.379 g/l, 気体 (25 ℃)
融点

-134 ℃

沸点

-87.8 ℃ (185.2 K)

への溶解度 31.2 mg/100 ml (17 ℃)
構造
分子の形 三角錐形
双極子モーメント 0.58 D
危険性
EU分類 非常に強い可燃性 (F+)
猛毒 (T+)
環境への危険性 (N)
NFPA 704
NFPA 704.svg
4
4
2
Rフレーズ R12, R17, R26, R34, R50
Sフレーズ (S1/2), S28, S36/37, S45,
S61, S63
引火点 可燃性気体
発火点 38 ℃
関連する物質
その他の陽イオン アンモニア
アルシン
スチビン
ビスムチン
関連物質 トリメチルホスフィン
トリフェニルホスフィン
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

ホスフィン (phosphine) は分子式 PH3 で表される無機化合物リン化水素(リンかすいそ、phosphorus hydride)、水素化リンとも呼ばれる。IUPAC組織名はホスファン (phosphane) である。「ホスフィン」は PH3 を母化合物とする有機化合物 R3P の総称でもある。

ホスフィンは半導体製造のドーピングガスの原料であり、ケイ素をn形にする場合や、InGaP(インジウムガリウムリン)などといった半導体を製造するときにも用いる。

常温では無色腐魚臭の可燃性気体で、常温の空気中で自然発火する。極めて毒性が強く(許容量 0.3 ppm)、吸入すると肺水腫や昏睡状態に陥る。融点 -134 ℃、沸点 -87.8 ℃、密度 1.379 g/L (気体, 25 ℃)。

アンモニアと同様に強酸性媒体中で水素イオンを受け取りホスホニウムイオン PH4+ となる塩基としての作用を持つが、アンモニアと比べて弱塩基であり、水溶液中では水分子から水素イオンを受け取り水酸化物イオン OH- を放出する作用は極めて弱い。


\rm H_2O + PH_3 \ \overrightarrow\longleftarrow \ PH_4^+ + OH^-
,   \mbox{p}K_{b} = 26 \,

生成方法[編集]


\rm Ca_3P_2 + 6H_2O \longrightarrow 3Ca(OH)_2 + 2PH_3

有機リン化合物[編集]

有機化学では、一般式が RR'R''P (R, R', R'' は H または有機基)と表される一連の有機リン化合物群を指してホスフィンと呼ぶ。これらは、ホスフィン(リン化水素)の誘導体に当たる。詳細は項目: 有機リン化合物#ホスフィン を参照のこと。