次亜塩素酸

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
次亜塩素酸
{{{画像alt1}}}
識別情報
CAS登録番号 7790-92-3 チェック
PubChem 24341
ChemSpider 22757 チェック
UNII 712K4CDC10 チェック
EINECS 232-232-5
特性
化学式 HClO
モル質量 52.46 g/mol
外観 無色の水溶液
密度 可変
への溶解度 可溶
酸解離定数 pKa 7.53[1]
危険性
主な危険性 酸化剤 (O)
関連する物質
関連物質 塩素
次亜塩素酸カルシウム
次亜塩素酸ナトリウム
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

次亜塩素酸(じあえんそさん、: hypochlorous acid)は塩素オキソ酸の1つで、塩素の酸化数は+1である。組成式では HClO と表されるが、水素原子と塩素原子が酸素原子に結合した構造 H-O-Cl を持つ。不安定な物質であり、水溶液中で徐々に分解する。次亜塩素酸および次亜塩素酸の塩類は酸化剤漂白剤、外用殺菌剤、消毒剤として利用される。

性質[編集]

実験室的には水酸化カリウム水溶液などに塩素を通じたりして調整した次亜塩素酸塩水溶液を硫酸で中和し、水蒸気蒸留して遊離酸の水溶液を得る。また、酸化水銀(II)四塩化炭素懸濁液に塩素を通じた後に水で抽出したり、あるいは酸化ビスマスBismuth Oxide)を水懸濁液中に塩素を通じることで遊離酸の水溶液を得る方法も知られている。

薄い水溶液としては存在するが、25 %以上の濃度では一酸化二塩素に変化するので遊離酸を単離することはできない。濃厚水溶液は淡黄色である。また、遊離酸が弱酸 (pKa = 7.53)[2] のため、次亜塩素酸ナトリウムなどの次亜塩素酸塩水溶液はかなり強い塩基性を示す。

水溶液中でも不安定で、次のような不均化により塩化水素を放出しながら徐々に分解する。特に酸性物質水溶液と化合するとこの分解が促進される。

\rm 2 HClO \longrightarrow 2 HCl + O_{2}
\rm 3 HClO \longrightarrow 2 HCl + HClO_{3}

次亜塩素酸やその塩の水溶液は、カルキ臭と呼ばれるプールの消毒槽のようなにおいを持つ。

また、塩素を水に溶かすと、次のような平衡により一部が塩酸と次亜塩素酸となる[3]


{\rm Cl_2 + H_2O \ \overrightarrow\longleftarrow \ HCl + HClO}  \quad K _{\rm w}=1.56 \times 10^{-4}

すなわち、中性〜酸性条件ではこの反応はあまり進行しないが、アルカリ性条件では生成する遊離酸が次亜塩素酸塩となり平衡が右に偏るので、次亜塩素酸塩を製造する方法の1つとなる。

  • 水と一酸化二塩素の反応

\rm Cl_2O + H_2O \longrightarrow 2HClO

\rm HClO + H_2O_2 \longrightarrow HCl + H_2O + O_2
  • ハロホルム反応により、アルカリ性条件下で次亜塩素酸(塩)はメチルケトンアルコール類を塩素化する。
  • 炭素二重結合に次亜塩素酸が付加すると、クロロヒドリン体を与える。

[編集]

出典[編集]

  1. ^ Harris, Daniel C. (2009). Exploring Chemical Analysis, Fourth Edition. p. 538. 
  2. ^ 「次亜塩素酸」、『岩波理化学辞CD-ROM版』 第5版、岩波書店、1998年。
  3. ^ 「次亜塩素酸」、『世界百科事典CD-ROM版』 V1.22、平凡社、1998年。

参考文献[編集]

  • R・B・ヘスロップ、K・ジョーンズ 『ヘスロップ ジョーンズ無機化学(下)』 第1版、斎藤喜彦訳、東京化学同人、1977年。

関連項目[編集]