五臭化リン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
五臭化リン
{{{画像alt2}}}
識別情報
CAS登録番号 7789-69-7 チェック
PubChem 62678
ChemSpider 56429 チェック
特性
化学式 PBr5
モル質量 430.49
外観 黄色固体
密度 3.61 g/cm3
融点

大约100 °C (分解)

沸点

106 °C (分解)

への溶解度 分解
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

五臭化リンは化学式PBr5の鮮やかな黄色の固体であり、固体の場合はイオン結晶PBr4+Br-であるが、気体状態ではPBr 3 とBr2に完全に分解される。このとき、15Kまで急冷すると、イオン性化合物が生成される[PBr4]+[Br3]-[1]

有機化学では、カルボン酸臭化アシルに変換するために使用される。腐食性が強く、丁寧な保管が求められる。100℃以上で分解し、三臭化リン臭素を生成する[2]

PBr5PBr3+Br2

さらに反応してPBr7([PBr4]+[Br3]-)。[3]

脚注[編集]

  1. ^ 张青莲. 《无机化学丛书》第四卷:氮、磷、砷分族. 北京: 科学出版社. pp. P235. ISBN 7-03-002238-6 
  2. ^ グリーンウッド, ノーマン; アーンショウ, アラン (1997). Chemistry of the Elements (英語) (2nd ed.). バターワース=ハイネマン英語版. ISBN 978-0-08-037941-8
  3. ^ Popov, A. I.; Skelly, N. E. (1954). “Spectrophotometric Study of Phosphorus Pentabromide in Various So1vents”. J. Am. Chem. Soc. 76 (15): 3916–3919. doi:10.1021/ja01644a014.