ビデオ判定
ビデオ判定(ビデオはんてい)とは、スポーツ競技において審判員の肉眼での判定が難しいときに、録画されたビデオ映像を活用して判定を行う方式である。
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NFL [編集]
NFLでは、インスタント・リプレイというビデオ判定制度が導入されている。これは、主審の判定に対して異議がある場合にタイムアウトの権利1回分を賭けて、審判にビデオ映像による判定の再確認を要求する制度である。異議が認められた場合には、問題の判定を覆した状態で試合が再開される。
観客が固唾を呑んで見守るなか、主審によってインスタントリプレイの結果が高らかと発表される瞬間はNFLの試合において特に盛り上がる場面の1つである。判定の透明性確保と共に、観客をわくわくさせるショー的要素も含んでいる。
1986年から1991年まで導入されたが乱発による試合遅延をまねき一旦廃止され、システムを練り直して1999年に再導入された。
詳細は「アメリカンフットボール#インスタント・リプレイ」を参照
大相撲 [編集]
大相撲では、1969年五月場所より導入されている。前場所の大鵬 - 戸田戦が誤審として物議をかもしたのを受けてのもの。審判長の場内説明も同時に始まった。
詳細は「物言い」を参照
野球 [編集]
野球では、プレー中の審判の判定が、選手によるその後のプレーの選択に影響するため、デメリットなくビデオ判定が導入可能となる局面は、如何なる判定となった場合でもその直後にボールデッド(ボールを用いたプレーが行われない状態)となるケースに限られる。具体例として、観客席に入った打球が本塁打であるかファウルボールであるかの判定が挙げられる。
メジャーリーグ [編集]
メジャーリーグでは、2005年のポストシーズンで疑惑の判定があったことでビデオ判定の導入が考えられた。また、2006年11月15日(現地時間)のGM会議でも、判定検証のためのビデオ導入などが議題にあがった[1]。本塁打の判定、およびフェア・ファウルの判定に用いるという方向で話が進んだ。
そして、2007年11月6日(現地時間)にフロリダ州オーランドで開催されたGM会議において、本塁打の判定に限定したビデオ判定制度の導入が可決された(賛成25、反対5)。ビデオ判定の対象となるのは、フェンス際やポールぎりぎりの際どい本塁打の判定に限られ、打球がポールのどちら側を通過したのか、観客の妨害があったのか、フェンスのどの部分に当たったのか、などを審判が映像で確認することになる[2]。
2008年8月27日、MLBのバド・セリグコミッショナーがビデオ判定を導入することを発表。アメリカ4大プロスポーツで最後の導入となった。初めにチェックを兼ねて28日のオークランド・アスレチックス対ミネソタ・ツインズ戦、ロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイム対テキサス・レンジャーズ戦、シカゴ・カブス対フィラデルフィア・フィリーズ戦の3試合で採用され、その他の試合では29日から導入された。
2008年9月3日、トロピカーナ・フィールドで行われたタンパベイ・レイズ対ニューヨーク・ヤンキース戦で、初めてビデオ判定が適用された。6-3とヤンキースのリードで迎えた9回表二死二塁、アレックス・ロドリゲスがトロイ・パーシバルから放った左翼ポール上部への打球を三塁塁審ブライアン・ランジが本塁打とコール。レイズのジョー・マドン監督が抗議し、二塁塁審を務めていたチャーリー・レリフォード主任審判員がビデオ判定の適用を決めた。違う角度からの複数の映像を検証した結果、打球がポールの内側を通ったことを確認。判定は覆らず本塁打となった[3]。中断時間は2分15秒だった。なお、アレックス・ロドリゲスはこの本塁打で通算549本塁打となり歴代単独12位に浮上した。
2008年9月19日、ビデオ判定で初めて判定が覆された。同じくトロピカーナ・フィールドで行われたタンパベイ・レイズ対ミネソタ・ツインズ戦の4回裏1死一、二塁の場面で、レイズのカルロス・ペーニャの打球が右翼フェンス上部付近に当たりグラウンドへ落ちた。一塁塁審マイケル・ディミューロはファンが触ったとして二塁打と判定したが、ジョー・マドン監督が抗議しビデオ判定となった。4分10秒の検証の結果、二塁打から3ラン本塁打に訂正された。ビデオ判定が導入されてから3度目の適用例だった。
なおビデオ判定が08年8月に導入されて以降100本以上が対象となっている。
日本プロ野球 [編集]
導入までの経緯 [編集]
日本プロ野球では、現場や各球団関係者から相当数の要望があったが、長らく導入されなかった。2006年6月11日の千葉ロッテマリーンズ対読売ジャイアンツ戦で、李承ヨプの本塁打が取り消しになった[4]ことをきっかけとして、巨人がビデオ判定の導入を訴えたことにより、9月28日のコミッショナー事務局で開かれた事業委員会(委員長:清武英利巨人球団代表)でビデオ判定の一部導入が議論された。その後、10月2日のプロ野球実行委員会で12球団に提案され、特に異論はなく導入される運びとなり、2007年のオープン戦で本塁打の判定に関してビデオ判定を試験導入する予定だった。
予定では、審判員控え室にモニターのある球場でのテレビ中継のある試合に限って、予備審判を置き判定の補助を行うことになっていた(この試験導入に先駆けて2006年の日米野球でも試験導入された)。しかし、審判員控え室にモニターの設置されていない球場が2006年時点では3球場(ナゴヤドーム、横浜スタジアム、明治神宮野球場)あったことから、2007年3月6日に開催された実行委員会で、2007年度の試験導入は見送りとなった。以降は、モニターの設置を急ぎ、予備審判が映像などをチェックすることで、判定技術の向上に役立てることにした。
その後2009年7月6日に開催されたセントラル・リーグの理事会で、モニターの設置が済んでいない3球場にも装置を設置し、同年8月11日から試験的に導入されることとなり[5]、同年11月11日に開催されたセ・リーグの理事会にてビデオ判定が2010年のシーズンから、本塁打に限り正式に導入されることが決定した。
一方のパシフィック・リーグは導入に消極的であったが、同年12月7日の理事会で2010年のシーズンから本塁打に限りビデオ判定を導入することを決めた。こうして、ビデオ判定はセ・パ両リーグが同じ運用方法で行い、本拠地球場にのみ適用され、交流戦でも実施されることとなった。
導入後 [編集]
適用第1号は、2010年3月27日、巨人対東京ヤクルトスワローズ戦(東京ドーム)における9回表にアーロン・ガイエルの放った打球で、バックスクリーン付近のフェンスに当たったため、当初はインプレーとして二塁打と判定されたもの。後にビデオ判定により「オーバーフェンスしていた」として本塁打に訂正された。パ・リーグ適用第1号は、翌28日のロッテ対北海道日本ハムファイターズ戦(千葉マリンスタジアム)の7回裏に西岡剛が打った右翼ポール際の打球で、こちらはビデオ判定後も当初の判定のまま(本塁打)となった。
一方、ビデオ判定により本塁打が取り消された初のケースとなったのは、同年5月1日の広島東洋カープ対中日ドラゴンズ戦(MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島)の6回表に和田一浩が打った左翼ポール際の打球(この打球はポールの上空を通過したため、即座の判断が難しい打球であった)。また、その逆にビデオ判定によりファウルが取り消され本塁打となった初のケースは、同年5月13日の横浜ベイスターズ対ロッテ戦(横浜スタジアム)の6回表に福浦和也が右翼ポール際へ放った打球だった。
なお、ビデオ判定に使用される映像についての統一ルールはなく、当日の試合を中継しているテレビ映像を見て判断される。また、使用するテレビについても統一ルールはないため、各球場に設置されているものを見て判定している。京セラドーム大阪では、2010年開幕直後に岡田監督からの要請を受けて、それまでのブラウン管テレビから液晶テレビに取り替えられている。 2012年の横浜スタジアムでは「日本野球機構から提供された家庭用のビデオデッキ」と「16インチの小型テレビ」が使用されており、「コマ送りをすると画像が粗くなる」という状況で判定が行われ、映像では分からなかったために最初の判定通りファウルと判定されることとなった[6][7]。
その後、プロ野球実行委員会でビデオ判定をより正確にするために本拠地球場の映像はデジタル化する方針が決まった。
その他 [編集]
学生野球・社会人野球では2011年現在、都市対抗野球大会・選抜高等学校野球大会・全国高等学校野球選手権大会をはじめどの大会でも導入されていない。
なお、現行の野球規則上は、ルール解釈に誤りがあった場合を除き、一度下された審判の判定は終局のものであり覆らないとされている。
テニス [編集]
テニスでは、イギリスのホーク・アイ・イノベーションズが開発を手がけた「ホークアイ」(鷹の目)と呼ばれるシステムが導入されている。このシステムはミサイル誘導技術を応用したもので、コート周囲に10台のカメラを設置し、ボールがどのような軌跡を描いたか瞬時に映像解析を行う。
国際テニス連盟は、ライン付近の微妙な判定に同システムを導入することを2005年10月に承認。2006年3月22日からのナスダック100オープンで、テニス史上初のビデオ判定が行われた(Jamea Jacksonが初の権利行使者となった)。2006年8月28日 - 9月10日の全米オープンで、4大大会では初めてビデオ判定が導入された。設置されたのはセンターコートなど2会場。2007年以降は全豪オープン、ウィンブルドン選手権でも導入、日本では2008年の東レ パン・パシフィック・オープン・テニストーナメントにおいて初使用されるなど、広がりをみせている。
選手はライン際のイン、アウトの微妙な判定に対し、1セットにつき3回までビデオ判定を要求(チャレンジ)する権利を持つ(ビデオ判定の結果誤審であった場合は、要求権は保持される)。ビデオ判定の際には、CG加工された映像が場内の大型スクリーンに映され、観客やテレビ視聴者にもシステムが行った判定の是非が分かるようになっており、ショー的要素も含んでいる。同システムの導入は、プロテニス界にとって1971年のタイブレーク導入以来のルール上の革命とも言われ、単に判定の正確性という観点のみならず、チャレンジ要求のタイミング・巧拙が試合の流れを大きく左右することも少なくない。ルール改正をめぐっては、トップ選手であるロジャー・フェデラーやレイトン・ヒューイットが反対の意向を示すなどして話題となった。
サッカー [編集]
概要 [編集]
サッカーでは、2012年7月5日にゴール機械判定技術(ゴールライン・テクノロジー (Goal Line Technology)、略称GLT)導入が決定され、2012年12月6日、横浜国際総合競技場で行われたFIFAクラブワールドカップ2012開幕戦サンフレッチェ広島対オークランド・シティ戦で、史上初めて公式戦でGLTの一つゴールレフ(GoalRef)が使用された[8]。だが、2012年12月7日現在まで、試合中のビデオ判定自体は導入されていない。判定のトラブルが発生するたびに、導入を訴える声が上がったが、国際サッカー連盟(FIFA)及び国際サッカー評議会(IFAB)は「サッカーの判定は人間がするもの」、「試合の流れを妨げる」などの理由で、ビデオ判定及び機械判定導入に長らく反対していた。フランスが国内リーグに独自に導入しようとした際にも、FIFAの反対によって中止された。 ビデオ技術と誤審との間の問題は、TV社会に伴い早くから取り沙汰されている。IFABは1970年の年次総会で「主審の判定に敵対的な影響をもたらす、あるいはもたらし得るスロー再生について、TV局側の自粛を要求する」声明を出している[9]。
サッカーでは審判の死角でのアンフェアなプレーやラフプレーが横行してきたこともあり、審判の死角などで裁定できなかったラフプレーなどの悪質な行為に対しては試合後に数試合の出場停止や罰金といった処分を科すことが多くなっている(つまり「試合後のビデオ判定」は行っている事になる)。 ただ近年では放送用カメラの性能と台数が向上し、フィールド全体を細かく「監視」できる状況になっており、ドイツで開催された2006 FIFAワールドカップ決勝でのジネディーヌ・ジダンの頭突き(ジダンの頭突き問題)や2010年南アフリカW杯決勝トーナメント1回戦、ドイツ対イングランド戦での同点ゴールを見逃した誤審に象徴されるように、審判が判定するより早くあるいは正しく観客や視聴者が事の次第を把握してしまう事態がより顕在化している。
ゴール機械判定導入までの経緯 [編集]
2005年9月16日から10月2日に開催された2005年U-17世界選手権(現U-17W杯)で、世界で初めてゴール機械判定技術がテストされた。これはドイツのハード、ソフトウェア会社「カイロス」とスポーツ用品会社の「アディダス」(センサー内蔵のボールを開発)が共同で開発したシステムで、ボールの中に内部センサーを埋め込み、ペナルティエリアを細い電流ケーブルで囲み、磁場の変化でボールを追跡するシステムで、ボールがゴールラインを超えていなければ1秒以内に無線で審判の腕時計に送信される。テストの結果、判定スピード、正確性、設置にかかる時間などでいくつかの課題が出た(このシステムを改良したのが3番目のGLT「カイロス」)[10][11][12]。
2007年3月3日に、イギリスのマンチェスターで開かれたIFABの年次総会で、テニスなど他のスポーツでは導入されている前述の「ホーク・アイ」システムの導入を検討することを決定した。イギリスでの報道によると、FAプレミアリーグが、ユースレベルの試合で実験を行った。
2008年、IFABの年次総会で、ボールがゴールラインを越えたかを判定する電子システム「ゴールライン・テクノロジー(GLT)」は効率性や正確性、コスト面で難があるとして、テストを含め、凍結された。
2010年3月6日に、スイスのチューリッヒで開かれたIFABの年次総会で、「GLT」の導入を見送り、今後、検討や試験も行わないことを決めた[13]。「GLT」はこれまで、ボールに電子チップを埋め込む方式やビデオカメラの設置が試されてきたが、この決定により、事実上、審判の補助としてのビデオ判定装置の導入も否定された。
但し、その決定は全会一致ではなかった。IFABの決定はイギリス本土4協会(イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランド)が各1票、FIFAが4票を持ち、規則改正には計8票の内、4分の3(つまり6票)以上の賛成が必要となる[14]。この総会においてイングランドとスコットランドは試験継続を求めたが、FIFAに加え、ウェールズと北アイルランドも、導入せずさらに検討や試験も今後は行わないとする立場に回った[15]。
2010年南アフリカW杯予選及び本大会(本大会では決勝トーナメント1回戦イングランド対ドイツ戦でフランク・ランパードの得点が認められない判定ミス等)やそれ以降にもそれ以降の試合や大会でも、勝敗に直結するような誤審が続いたため、ビデオ判定(特にゴール可否について)に関しては内外から意見が飛び交った。しかしIFABやFIFAはあくまでビデオ判定ではなく、ゴール横審判の増員[16]、および即報性を有し、審判以外には動作が非公開、などの条件を満たしたゴール判定システムの試験継続[17]で対応する方向であった。 2010年10月のIFAB事務会議で、機械によるゴール判定システムについての議論再開と試験継続を決めた[18]。
2011年12月5日、これまで機械での判定全てに反対の立場だったブラッターFIFA会長もゴール判定に限り、新技術を早ければ2012年から導入すると表明した[19]。2012年3月3日英国のサリーで開催されたIFAB年次総会で、2011年2月7日~2月13日にスイス・チューリッヒの研究機関で試験した10社の技術のうち2社分について2012年3~6月に最終試験(第2段階の実験)を行い、同年7月の特別会合でゴール判定技術(ゴールライン・テクノロジー、略称GLT)を採用するかどうかを決定すると決まった[20]。
最終候補の2社分の内、1つはソニーが2011年3月7日に買収したイギリスのホーク・アイ・イノベーションズ社のホークアイ(Hawk-Eye)システム[21][22]。両ゴール裏や両ゴール付近に設置した6台から8台のハイスピードカメラがそれぞれ違う角度からボールの正確な位置を撮影し、映像ソフトウェアが瞬時に解析、正確な位置を三次元で割り出す。ボールがゴールラインを通過すると審判の腕時計に暗号化された信号が送られる仕組み。「試合の流れを妨げない」ようにとのFIFAの要求通り1秒以内に判定を下すことが出来る[23]。もう1つは、デンマークとドイツの合弁会社の「ゴールレフ(GoalRef)」システム。マイクロチップを埋め込んだボールを使用し、ゴール周辺の磁場の変化からボールの動きを感知する。ボールがゴールラインを完全に越えたとき、ボール内部に埋め込まれたコイルと、ゴールの枠内に発生させた磁場が反応し、ゴールの判定結果が電波によって審判の持つ時計に「GOAL」と表示され、通達される仕組みで、こちらもホークアイと同様に1秒以内に判定を下すことが出来る[23]。最終試験(第2段階の実験)は、「ホークアイ」は2012年4月にイングランド下部リーグのカップ戦決勝、5月9日のイングランド・サザンプトンでのセミプロの試合、6月2日の親善試合イングランド対ベルギー戦で行われ、「ゴールレフ」はデンマーク1部リーグ2試合、6月2日の親善試合デンマーク対オーストラリア戦で行われた[24][25][26][27]。ここまでのテストで100万ドル以上を費やしたという[27]。
2012年7月5日、スイスチューリッヒのFIFA本部で行われたIFAB特別会合で、満場一致で前述の「ホークアイ」と「ゴールレフ」の両方のゴール機械判定技術(ゴールライン・テクノロジー、略称GLT)採用が決定した。但し、GLTはあくまでも主審のジャッジを補助するためのものであり、主審の決定が最終決定なのは変わらない。また、観客に向け、場内のスクリーンやテレビで、ジャッジの模様を放映するようには作られていない(ソニーはホークアイでの判定時の映像リプレイも提供すると発表している[22])。費用はホークアイが1会場につき20万ドル(約1600万円)、ゴールレフはホークアイより若干安い[28]。大会や各国リーグの主催者がこれらGLTの費用を負担することになる為、GLTを採用するかどうかは大会や各国リーグ主催者が決定する[29]。さらに、GLTをその試合で実際に使用するかどうかは、試合開始90分前に審判団が判断する[30]。FIFA主催の大会では、日本開催のFIFAクラブワールドカップ2012で初めて採用され、問題が無ければFIFA主催の大会では、ブラジル開催のFIFAコンフェデレーションズカップ2013及び2014 FIFAワールドカップでも続けて使用される予定であり、これらの大会ではFIFAがGLTの費用を負担する。2012年7月5日のIFAB特別会合では同時に、2011-12シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ及びUEFAヨーロッパリーグ、2012年欧州選手権で試験導入されたゴール脇に1人ずつ置く追加審判採用も決定した[31]。
ゴール機械判定導入後 [編集]
2012年12月6日、横浜国際総合競技場で行われたクラブW杯2012開幕戦サンフレッチェ広島対オークランド・シティ戦で、史上初めて公式戦でGLTの一つゴールレフが使用された。横浜国際総合競技場の試合ではゴールレフ、豊田スタジアムの試合ではホークアイが使用された。同大会中は、GLTが必要な微妙な場面は無かったが、関係者の評価は高かったという[32]。なお、当初GLT導入する予定だったアフリカネイションズカップ2013(2013年1月19日開催)は、クラブW杯でのGLT初導入からの期間が短すぎるという理由でGLT不採用となった。現在、イギリス(プレミアリーグでは2013-2014シーズンから)、ドイツ、ハンガリー、イタリアでGLTが導入される予定である[33]。2013年2月25日、FIFAは、2005年9月のU-17世界選手権(現U-17W杯)で世界で初めてテストされた「カイロス」社のGLT(以下「カイロス」)を3番目のGLTとして認可した。改良された「カイロス」は、ゴール裏に磁場を構築し、ボールの中のセンサーが受信機にボールの位置情報を送信し、そこから審判にゴールが決まったか否かを1秒以内に伝える方式[34]。続いて、同年3月1日、FIFAは独の企業が開発した「ゴールコントロール4D」を4番目のGLTとして認可した[35]。ゴールコントロール4Dは、スタジアムの高所に計14個の高速度カメラを設置し、1か所のゴールエリアにつき、7台のカメラがゴールエリアを監視し、ボールを補足する。審判の腕時計を振動させ、視覚的なシグナルも送ってゴール認定を知らせる。設置費用は、スタジアム1カ所当たり推定26万米ドル(約2548万円)。運用費用は1試合当たり4000ドル以下。2013年4月7日、FIFAは、現在4つあるGLTのうち、4番目に認可した「ゴールコントロール4D」をコンフェデレーションズカップ2013で採用すること、そして、コンフェデ杯での成果によってはブラジルワールドカップ2014でも続けてゴールコントロールを採用すると発表した[36]。
ラグビー [編集]
ラグビーでは、2008年度シーズンのジャパンラグビートップリーグのプレーオフ、マイクロソフトカップで導入。また海外では、スーパーラグビーにおいてテレビマッチオフィシャル(TMO)というシステムが導入されているが、映像を確認するのは主審ではなく特設室の別人であり、最終的な判断は主審が行うなど、アメリカンフットボールのアシスタント・リビューに近いシステムとなっている。
ボクシング [編集]
ボクシングでは、WBCが2008年より世界戦で導入予定で、2007年12月15日にメキシコ・カンクンで行われた世界フェザー級タイトルマッチで試験導入された。
試合後でも誤審や違反行為等が発覚した、あるいはその可能性がある場合は、検証としてビデオ判定に持ち込まれることも多い。判定の結果、試合終了時に下した判定が不適当であったと判定されれば、無効試合が適用されるが、試合終了時に下した判定とは180度異なる判定に覆ることもある。
2008年8月11日に行われたWBCF世界アトム級タイトルマッチウィンユー・パラドーンジムvs小関桃において、小関の2RKO勝利が宣告されたが、ウィンユーのダウンがバッティングによるのではないかとウィンユーサイドからの抗議があり、初めてビデオ判定に持ち込まれた。しかし、あまりにも判断が難しいため暫定的に小関の勝利としてWBC本部へビデオを送付した上で最終的な判断の結果、バッティングが認められるもののヒッティングもしており、バッティング(のみ)によるダウンであるという確証が得られないため、小関の勝利を正式決定した。
柔道 [編集]
柔道では、シドニーオリンピック100kg超級決勝での篠原信一とダビド・ドゥイエ戦での「誤審」騒ぎを契機にビデオ判定の導入が検討されることになり、2006年の世界ジュニアで試験導入されたのを受けて、2007年より本格的な運用が始まった[37][38]。審判委員会による監督の下、CARE(Computer Aided Replay)システムと呼ばれる2台のビデオカメラで2方向から撮影する方式で、主に投げ技の評価が微妙な場合や、足取りがなされたか否かの確認などでビデオ判定の検証が行われる[39]。国内の試合においては審判委員(ジュリー)が審判員の下した技の評価の高低(例えば、技ありを一本とするなど)を訂正することはないが、IJF主催の大会では、審判委員が状況に応じて訂正することができる[40][41]。
ショートトラックスピードスケート [編集]
ショートトラックスピードスケートでは、オリンピックの場合、2002年のソルトレイクシティオリンピック男子1500m決勝で、韓国の金東聖が失格し、アメリカのアポロ・アントン・オーノが繰り上げ金メダルになった出来事や、寺尾悟が男子1000mで失格になった出来事がきっかけで、トリノオリンピック以降は同様の出来事が起こった場合に取り入れられるようになった。
レスリング [編集]
レスリングにおいては、2009年から「チャレンジ」と呼ばれるルールが導入された。セコンドがスポンジをマットに投げて要求し、マットチェアマンに認められたら会場の大型映像装置に映し出すというもの。なお、判定が覆らなかった場合は「チャレンジ失敗」と呼ばれ1ポイントを失い、チャレンジ失敗は1試合に付き2回まで。
その他 [編集]
2010年-2012年に開催されたAKB48の「シングル選抜じゃんけん大会」でも導入されている。同大会は後だしでの勝利は無効となるため、疑われた場合にVTRで確認する。
脚注 [編集]
- ^ “GMs want to explore instant replay” (英語). MLB.com. (2006年11月15日) 2012年7月26日閲覧。
- ^ “Baseball general managers recommend instant replay for first time” (英語). ESPN. AP通信. (2007年11月6日) 2012年7月26日閲覧。
- ^ “Instant replay used for first time” (英語). MLB.com. (2008年9月4日) 2012年7月26日閲覧。
- ^ 幻のホームラン一覧を参照。
- ^ “セ・リーグが8月からビデオ判定試行へ”. スポニチannex (スポーツニッポン). (2009年7月7日) 2012年7月26日閲覧。
- ^ “ラミレス先制弾 幻に、ビデオ判定画像に問題”. 神奈川新聞. (2012年5月20日) 2012年5月20日閲覧。
- ^ “テレビは16型、ビデオは家庭用 友寄塁審「確認できないので判定通り」”. スポーツニッポン. (2012年5月20日) 2012年5月20日閲覧。
- ^ ゴール判定システム導入も微妙シーンなし ゴールポスト裏にはめ込まれたゴール判定システム写真=日産スタジアム-デイリースポーツ2012年12月7日
- ^ IFAB (1970年6月27日). “Minutes of the AGM”. Inverness: Soccer South Bay Referee Association. p. §5(i). 2009年11月29日閲覧。
- ^ “company”. Cairos.com. 2012年3月13日閲覧。
- ^ “Goal-line technology – Getting it right”. The WIPO Journal (2010年8月). 2012年3月13日閲覧。
- ^ “GLT System”. Cairos.com. 2012年3月13日閲覧。
- ^ “ゴール電子判定導入せず=国際サッカー評議会”. 時事通信. (2010年3月6日)
- ^ 競技規則の解釈と審判員のためのガイドラインP132~P136 国際サッカー評議会の規約-1993年2月承認
- ^ “新技術導入論争に終止符=サッカーの判定、異議の声も”. 時事通信. (2010年3月8日)
- ^ “ゴール審判の試験継続へ=国際サッカー評議会”. 時事通信. (2010年5月19日)
- ^ “IFAB agrees to one-year extension of Goal Line Technology tests”. fifa.com. (2011年3月5日)
- ^ 3月のIFAB総会でゴールライン・テクノロジーのテスト結果を報告へ-講談社ゲキサカ:ブログ版2011/2/14
- ^ ゴール判定技術、来季にも導入 FIFA会長語る-47NEWS2011/12/06
- ^ ゴール判定新技術、最終試験へ=4人目の交代は取り下げ-時事ドットコム2012/3/4
- ^ ソニーニュースリリース ソニー・ヨーロッパが英Hawk-Eye社(ホークアイ)を買収-ソニージャパン公式HP2011/3/7
- ^ a b ソニーニュースリリース ホークアイのゴール判定技術をFIFA(国際サッカー連盟)が正式採用決定-ソニージャパン公式HP2012/7/6
- ^ a b 【図解】サッカー、ゴールライン・テクノロジー2方式-AFPBBニュース2013年2月20日
- ^ 2012年競技規則の改正について(12.06.21)-FIFA通達2012/6/21
- ^ サッカー=FIFA、6月の試合で「ゴール判定技術」検証へ-ロイター2012/5/25
- ^ FIFA、ゴール判定技術を実地検証へ[社会]-EUの経済ビジネス情報NNA.EU 2012/5/28
- ^ a b 史上初の導入となる『ゴールラインテクノロジー』(リンク先にゴールレフと腕時計写真有)-Goal.com日本語版2012/12/5
- ^ 英国在住ライター原田公樹のプレミアシップコラム#187 ついにゴールラインテクノロジー導入-J SPORTS 2012/7/9
- ^ “ゴール判定に先進技術 国際サッカー評議会”. 日本経済新聞 (2012年7月6日). 2012年7月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年7月24日閲覧。
- ^ FIFA事務局長、ゴール判定システムに自信-サンスポ2012年12月5日
- ^ FIFA、GLT導入を正式決定 クラブ・ワールドカップから本格導入-goal.com日本語版2012/7/6
- ^ ゴール判定機器、評判は上々 サッカークラブW杯で初採用-日本経済新聞2012/12/17
- ^ 2013年アフリカ杯はゴール判別システムを採用せず-qoly FOOTBALL web magazine2012年10月27日
- ^ FIFA、3つ目のゴールライン・テクノロジーを認可-AFPBBニュース2013年3月3日
- ^ FIFA「ゴールコントロール」を認可-サンスポ2013年3月1日
- ^ ゴール判定技術、コンフェデ杯での採用方式決定 FIFA-CNNニュース2013年4月7日
- ^ 全日本柔道連盟 審判委員会からの報告
- ^ 柔道の解説
- ^ 国際柔道連盟(IJF)試合審判規定改正 (PDF)
- ^ 全柔連だより 第31号 (PDF)
- ^ 平成23年度全日本柔道選手権大会の審判員
関連項目 [編集]
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| この「ビデオ判定」は、相撲に関連した書きかけ項目です。記事を加筆・訂正してくださる協力者を求めています(PJ相撲)。 |
