タイムアウト

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タイムアウトtime out

  1. スポーツにおける競技休止時間。本項で詳述。
  2. コンピュータ用語で時間切れ。データ処理などに長時間要する場合、途中で打ち切り終了すること。 タイムアウト (コンピュータ)参照。
  3. 育児教育用語。アメリカ合衆国で主流の躾の一種。子どもを落ち着かせたり自己の行動を反省させるため、または親や教師が怒りを収めたり対処方法を考える時間を持つために、子どもを所定の場所で一定時間じっとさせておくこと。

タイムアウトは、スポーツにおいて競技を一時停止し、その間に作戦協議や水分補給、治療、選手交代などを行うことである。主に試合時間のある団体競技で制度化されている。

大きく分けて、チームに一定数与えられ、そのチームが必要に応じて使用するものと、審判員などが試合を止める必要がある場合にとられるもの(ジャッジング・タイムアウト、レフリー・タイムアウト)があるが、狭義では前者を指す。また、テレビ放送におけるコマーシャルタイムのために取られるもの(コマーシャル・タイムアウト、TVタイムアウト)もある。

基本的にコーチ(監督)が審判に請求し、認められて初めて成立する。競技によっては選手が請求できる場合もある。

タイムアウトの取り方次第で試合を左右するとも言われている。

競技別のタイムアウト[編集]

バスケットボール[編集]

バスケットボールの場合、タイムアウトを請求できる競技者が連盟によって異なる。FIBAルールでは、前半2回、後半3回まで取る事が可能である。クォーター制の場合は最初の3Qは1Qにつき1回、第4Qのみ2回取る事ができる。延長戦は1ピリオドにつき1回取れる。時間は60秒。コーチのみ請求可能。

NBA[編集]

NBAルールでは各ハーフごとに20秒タイムアウトが1回ずつ取ることができるのに加えて、ゲームを通じて6回ずつ1分間のタイムアウト(フルタイムアウト)を取ることができる。ただし第4クォーターでのフルタイムアウトは3回。延長戦では3回までフルタイムアウトを取る事ができる。ボールを持つ選手のみ請求可能。なお各Qにおいて、両チームともタイムアウトを請求せず一定時間が経過した場合、コマーシャル・タイムアウトとして審判団によってタイムアウトがかけられる場合もある。

カレッジバスケットボール[編集]

アメリカのカレッジバスケットボールでは各ハーフ(20分)に75秒タイムアウトを4回ずつ、30秒タイムアウトを2回ずつ取ることができる。コーチ・選手いずれも請求可能。

bjリーグ[編集]

bjリーグではFIBAルールに基づく60秒タイムアウトと1試合で2回与えられる20秒タイムアウトがあり、コーチ・選手いずれも請求可能。さらに、第2・4クォーターの競技時間5分経過後、初めてボールがデッドになった後に、自動的に90秒のタイムアウト(オフィシャルタイムアウト)となる。

NBL[編集]

NBLの場合、FIBAルールに基づくチームタイムアウトに加え、第2ピリオドと第4ピリオドの残り5分以降、最初にボールデッドになった場合に限り、自動的に90秒のオフィシャルタイムアウトに入る。チームタイムアウトが同時に申請されていた場合は、オフィシャルタイムアウトが優先。

前身たるJBLでは、第1・3ピリオドはそれぞれ最初の2回、第2・4ピリオドはそれぞれ最初の1回のタイムアウトをTVタイムアウトとして通常60秒のところが90秒になっていた。このタイムアウトルールは日本で開催された2006年バスケットボール世界選手権でも採用されていた。

アメリカンフットボール[編集]

アメリカンフットボールでは前後半それぞれ3回ずつ取る事が可能である。時間は90秒。その他、怪我をした選手が出た場合やインスタント・リプレイにより判定をする必要がある場合など、審判によるレフリー・タイムアウトも存在する。アメリカンフットボールでは、反則があった場合やパス不成功となった場合、あるいはランプレイ、パスプレイでボールを持った選手がアウト・オブ・バウンズに出た場合などを除いて時計は止まらないので、タイムアウトの取り方は戦術上重要なものとなっている。(第2クオーターと第4クオーターでは、プレイ時間が残り2分を切ったときは、2ミニッツウォーニングといい、レフリー・タイムアウトで時計が止められる。)ディフェンスがタイムアウトを取るケースとしては、得点機会を与えないために、相手チームがプレイを長引かせ無駄に時間を費やそうとすることを阻止するためのものがある。また、フィールドゴールが蹴られる前にキッカーのプレイへの集中を妨害するためにタイムアウトが使われることがある。

バレーボール[編集]

バレーボールでは各セット2回ずつ取る事が可能である。時間は30秒。ラリー終了時に監督が請求する事でタイムアウトとなる。また、第5セット以外では両チームのいずれかが、8点と16点を先取した場合に自動的にタイムアウトとなり、これをテクニカル・タイムアウトという。テクニカル・タイムアウトは60秒であるが、コマーシャルタイム確保の施策であるため放映権を持つテレビ局が要請すれば時間変更も可[1]。タイムアウトに入るケースとしてはブレイク(連続ポイント)を取られた側が作戦を練り直すために取ることが多いが、稀にポイントを取った側が使う場合もある。

ビーチバレー[編集]

ビーチバレーでは1セット1回(大会によっては2回)まで取る事が可能であり、最高で60秒の連続も認められる。両者の得点の合計が21点になった場合にテクニカル・タイムアウトが取られる(大会によっては採用されない)。さらに故障者が出た場合のインジュリー・タイムアウトが1人1試合1回5分間認められる。

アイスホッケー[編集]

アイスホッケーではそれぞれのチームに30秒のタイムアウトが1回ずつ与えられている。タイムアウトを取ることができるのはプレイが止まったときだけである。国際ルールでは一方のチームがタイムアウトを取った際に、もう一方のチームがタイムアウトを請求することもできるが、最初のタイムアウトが終了する前に請求しなくてはいけない。NHLルールでは一方のチームが取ったタイムアウト中に別のチームからタイムアウトを請求して延長することはできない。

ハンドボール[編集]

ハンドボールではハーフごとに60秒のタイムアウトを取ることができる。自チームがボールを持っているときに限りヘッドコーチから審判に対して緑のカードを示すことで請求する。

フットサル[編集]

フットサルでは前後半に1回ずつタイムアウトを取る事ができる。時間は60秒。

卓球[編集]

卓球では1試合で1分間のタイムアウトを取ることができる。[2]

水球[編集]

水球では攻撃中に限り1試合で2回の1分間のタイムアウトを取ることができる。延長戦では1回追加される。つまりは延長戦までに1回もタイムアウトを取らなかった場合は3回取ることが可能である。

ローラーホッケー[編集]

ローラーホッケーでは前後半に1回ずつ1分間のタイムアウトを取ることができる。

インラインホッケー[編集]

インラインホッケーでは1試合に1回のみ30秒間もしくは1分間のタイムアウトを取ることができる。

カーリング[編集]

カーリングではエキストラエンドを除いて1試合に2回、エキストラエンドでは1エンドにつき1回のタイムアウトを取ることができる。タイムアウトをエキストラエンドに持ち込んだり、エキストラエンドから次のエンドに持ち込むことは出来ない。時間は60秒。

カバディ[編集]

カバディでは前半・後半で各2回タイムアウト(テクニカル・タイムアウト)を取ることができる。時間は30秒。その他に負傷者が出た場合のメディカル・タイムアウト、判定の審議を行うジャッジング・タイムアウトも存在する。

テニス[編集]

テニスでは負傷による治療のために採られるメディカル・タイムアウト(またはインジャリー・タイムアウト)を単にタイムアウトと呼ぶ場合がある。

その他[編集]

  • 野球においては、「タイムアウト」を略して「タイム」と呼ぶが、正式には「ボールデッド」である。
  • 制限時間の設けられているスポーツでもサッカーやラグビー、フィールドホッケーではタイムアウトはない。審判員が必要に応じて試合を止めてその間に作戦の確認及び水分補給、選手交代が行われる。ただし、サッカーでは一時期ブラジルカンピオナート・パウリスタにおいて、国際サッカー連盟の容認の下で実験的に導入されていたことがある。[3]また、1995年に開催されたFIFA女子ワールドカップでも試験的に採用された。[4]
  • 俗に用いられる「タンマ」という表現は、英語発音の「タイムアウト」が訛ったものである。

脚注[編集]

  1. ^ 日本有利おかしい、イラン監督が批判/バレー SANSPO.COM
  2. ^ 卓球のルール
  3. ^ No.94 タイムアウトはCM枠?”. サッカーの話をしよう 大住良之オフィシャルアーカイブサイト (1995年3月14日). 2012年9月3日閲覧。
  4. ^ No.106 タイムアウトを実際に見て”. サッカーの話をしよう 大住良之オフィシャルアーカイブサイト (1995年6月20日). 2012年12月29日閲覧。