ケイウーマン

リンクを追加
出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』
ケイウーマン
1995年12月10日　阪神競馬場
欧字表記 Kei Woman[1]
品種 サラブレッド[1]
性別 牝[1]
毛色 鹿毛[1]
生誕 1990年2月13日[1]
死没 2023年3月20日（33歳没）
父 ラストタイクーン[1]
母 Friendly Finance[1]
母の父 Auction Ring[1]
生国 アイルランドの旗 アイルランド[1]
生産者 E. J. Loder[1]
馬主 内田恵司[1]
調教師 浅見国一（栗東）[1]
競走成績
生涯成績 29戦2勝
獲得賞金 1億5678万8000円[1]
勝ち鞍
GIII 京都4歳特別 1993年
テンプレートを表示

ケイウーマン（欧字名: Kei Woman、1990年2月13日 - 2023年3月20日）は、日本の競走馬、繁殖牝馬[1]。主な勝ち鞍に1993年の京都4歳特別。

経歴[編集]

競走馬時代[編集]

1992年11月15日、京都競馬場第4競走の3歳新馬戦にて、武豊を鞍上にデビュー。米国産馬クイーンジャガーが単勝1.7倍の圧倒的1番人気、ケイウーマンは5.1倍の2番人気に収まったが、結果はケイウーマンが2着に9馬身もの差をつけて圧勝した。年明け後、続くこぶし賞（500万下）、アーリントンカップ、れんげ賞（500万下）では1番人気に支持されたが、それぞれマイシンザンの2着、グランドシンゲキの3着、シーデージーの4着となり、あと少しで人気に応えられない競馬が続く。あずさ賞では良血馬キョウワアリシバ[注 1]の2番人気となり、着順も人気通りの結果となる。続く京都4歳特別では4番人気の評価となったが、ドージマムテキを3/4馬身交わして勝利[注 2]。初重賞制覇を果たした。その後のニュージーランドトロフィー4歳ステークスではトーヨーリファールの2着。CBC賞では9着と惨敗するものの、続くセントウルステークス、サファイヤステークス、ローズステークスと重賞で3戦連続2着となる。そして、ローズステークスを経て参戦した初のGI・エリザベス女王杯では8番人気の中間の評価に収まる。しかし、レースは9番人気のホクトベガが優勝する大波乱となり、ローズステークスでケイウーマンを破り1番人気に支持されていたスターバレリーナも9着に沈み、ケイウーマン自身も13着と大敗した。その後12月のポートアイランドステークスに出走しワイドバトルの2着となり、このレースを最後に4歳シーズンを終えた。

翌年はスポーツニッポン賞金杯より始動、3番人気に支持されるも8着に敗れる。この年以降精彩を欠いてしまい、1996年2月まで現役を続けるも、16戦しすべてで掲示板を外してしまうという結果に終わった。淀短距離ステークスがラストランとなり、引退した。

引退後[編集]

引退後は下河辺牧場で繁殖牝馬となる。9番仔のモンテクリスエス（父：シンボリクリスエス）が2009年のダイヤモンドステークスを制すなど51戦5勝[2]の成績を挙げたほか、6番仔のマチカネキララもオープンで1勝を挙げ、2006年の札幌記念では3着となった。

2011年10月28日付で用途変更となり[3]、繁殖から引退。その後は日高町の外舘孝一牧場に移動し、引退名馬繋養展示事業の助成対象馬として余生を送っている[4]。

2021年8月19日に、この時までJRA重賞勝ちのある牝馬として最高齢だったラビットボールが死亡したことにより、判明している限りではケイウーマンが存命の重賞勝ち、また存命している中で最高齢の牝馬ということになった。また性を問わずとも、重賞勝ち馬としては2023年2月現在、ナイスネイチャに続く2番手に高齢となっていたが、2023年3月20日、加齢による起立不能のため死亡した[5]。33歳没。

競走成績[編集]

以下の内容は、netkeiba.com[6]およびJBISサーチ[7]に基づく。

競走日 競馬場 競走名 格 距離（馬場） 頭
数		 枠
番		 馬
番		 オッズ
（人気）		 着順 タイム
（上り3F）		 着差 騎手 斤量
[kg]		 1着馬（2着馬） 馬体重
[kg]
1992.11.15 京都 3歳新馬 芝1400m（良） 10 7 8 005.10（2人） 01着 R1:22.1（47.1） -0.5 0武豊 53 （ハギノエンデバー） 460
1993.02.13 京都 こぶし賞 500万下 芝1600m（良） 15 4 7 001.70（1人） 02着 R1:35.2（47.9） -0.3 0武豊 53 マイシンザン 460
0000.03.07 阪神 アーリントンC GIII 芝1600m（良） 14 7 12 002.60（1人） 03着 R1:39.3（50.4） -1.0 0河内洋 53 グランドシンゲキ 458
0000.03.27 阪神 れんげ賞 500万下 芝1200m（良） 16 3 6 001.70（1人） 04着 R1:11.8（48.3） -0.5 0河内洋 53 シーデージー 450
0000.04.24 京都 あずさ賞 500万下 芝1600m（重） 12 8 12 003.30（2人） 02着 R1:36.1（37.5） -0.3 0岸滋彦 53 キョウワアリシバ 450
0000.05.09 京都 京都4歳特別 GIII 芝2000m（良） 15 7 13 009.00（4人） 01着 R2:02.2（35.9） -0.1 0武豊 53 （ドージマムテキ） 452
0000.06.06 東京 NZT4歳S GII 芝1600m（稍） 12 5 6 007.80（4人） 02着 R1:34.9（35.5） -0.3 0横山典弘 54 トーヨーリファール 450
0000.06.27 京都 CBC賞 GII 芝1200m（良） 12 2 2 005.20（4人） 09着 R1:08.7（34.6） -0.8 0岸滋彦 52 トシグリーン 454
0000.09.12 阪神 セントウルS GIII 芝1400m（良） 14 8 14 003.20（1人） 02着 R1:22.3（37.0） -0.2 0武豊 53 エリザベスローズ 468
0000.10.03 阪神 サファイヤS GIII 芝2000m（良） 12 8 11 002.70（2人） 02着 R2:05.2（39.0） -1.1 0武豊 54 アルファキュート 470
0000.10.24 京都 ローズS GII 芝2000m（良） 14 5 7 003.50（2人） 02着 R2:00.7（34.8） -0.5 0武豊 55 スターバレリーナ 468
0000.11.14 京都 エリザベス女王杯 GI 芝2400m（良） 18 3 5 029.90（8人） 13着 R2:26.6（37.6） -1.7 0田原成貴 55 ホクトベガ 460
0000.12.12 阪神 ポートアイランドS OP 芝1600m（良） 15 5 8 002.10（1人） 02着 R1:36.6（37.2） -0.1 0田原成貴 55 ワイドバトル 466
1994.01.05 阪神 金杯 GIII 芝2000m（良） 16 2 4 006.50（3人） 08着 R2:04.3（37.7） -1.5 0武豊 54 エイシンテネシー 466
0000.02.06 東京 東京新聞杯 GIII 芝1600m（良） 16 7 14 026.50（9人） 07着 R1:34.1（35.8） -0.5 0横山典弘 55 セキテイリュウオー 462
0000.03.06 中京 マイラーズC GII 芝1700m（良） 11 1 1 033.40（5人） 08着 R1:42.3（36.6） -1.7 0田原成貴 54 ノースフライト 474
0000.04.23 東京 京王杯SC GII 芝1400m（良） 16 2 4 027.00（9人） 11着 R1:22.8（35.7） -1.4 0柴田政人 54 スキーパラダイス 464
0000.05.14 阪神 京阪杯 GIII 芝2000m（良） 14 8 13 139.9（11人） 08着 R2:00.2（37.1） -1.3 0松永幹夫 54 ネーハイシーザー 466
0000.06.05 阪神 阪急杯 GIII 芝1400m（良） 16 3 6 025.60（8人） 15着 R1:22.3（37.3） -1.4 0松永幹夫 54 ゴールドマウンテン 462
0000.11.27 中京 シリウスS OP 芝1200m（良） 12 7 9 067.60（6人） 12着 R1:10.8（36.0） -2.9 0松永幹夫 56 エイシンワシントン 458
1995.03.18 京都 コーラルS OP 芝1400m（良） 13 7 10 018.00（7人） 06着 R1:22.1（36.4） -0.3 0武豊 54 フィールドボンバー 466
0000.04.02 中山 ダービー卿CT GIII 芝1200m（稍） 14 6 10 067.7（13人） 13着 R1:12.0（37.5） -2.0 0岡部幸雄 55 オギティファニー 462
0000.06.03 阪神 阪急杯 GIII 芝1400m（良） 18 2 4 106.3（13人） 14着 R1:21.4（36.2） -1.4 0田原成貴 53 ボディーガード 462
0000.06.25 中京 CBC賞 GII 芝1200m（良） 15 6 10 098.3（12人） 10着 R1:10.0（36.0） -1.4 0田原成貴 55 トーワウィナー 466
0000.10.01 京都 セントウルS GIII 芝1400m（稍） 16 2 4 138.1（12人） 16着 R1:25.2（38.9） -4.0 0藤田伸二 55 ビコーペガサス 474
0000.11.26 中京 シリウスS OP 芝1200m（良） 11 1 1 111.4（10人） 06着 R1:09.0（35.5） -1.0 0千田輝彦 55 ニホンピロスタディ 486
0000.12.10 阪神 ポートアイランドS OP 芝1600m（良） 16 3 6 055.7（14人） 16着 R1:35.3（37.6） -1.8 0河内洋 55 ニホンピロプリンス 486
1996.01.07 京都 洛陽S OP 芝1600m（良） 15 1 1 140.4（13人） 12着 R1:37.4（39.0） -2.8 0松永幹夫 55 フジワンマンクロス 486
0000.02.18 京都 淀短距離S OP ダ1200m（重） 11 8 10 047.70（9人） 11着 R1:13.2（38.1） -2.3 0飯田祐史 50 フィールドボンバー 490

繁殖成績[編集]

馬名 誕生年 毛色 父 性 厩舎 馬主 戦績・備考 出典
初仔 ケイウェイ 1997年 鹿毛 トニービン 牡 美浦・浅野洋一郎 内藤牧場 4戦0勝（引退） [8]
2番仔 ケイケヤキ 1998年 黒鹿毛 ニホンピロウイナー 牝 下河辺牧場 2戦0勝（引退・繁殖） [9]
3番仔 トニーディアマンテ 1999年 黒鹿毛 トニービン 牡 美浦・二ノ宮敬宇 松崎勉 19戦4勝（引退） [10]
4番仔 テンプテーション 2000年 鹿毛 牡 栗東・坂口正大 臼田浩義 10戦1勝（引退） [11]
5番仔 ケイウーマンの2001
（リトルケイ）		 2001年 栗毛 サンデーサイレンス 牝 （未出走） [12][13]
6番仔 マチカネキララ 2002年 鹿毛 牡 美浦・藤沢和雄
→道営・広森久雄		 細川益男
→（有）待兼牧場		 14戦5勝（エイプリルS優勝、引退） [14]
7番仔 シャドウストリーム 2003年 栗毛 牝 栗東・森秀行 飯塚知一 20戦4勝（引退・繁殖） [15]
8番仔 ピサノシェンロン 2004年 栗毛 ブライアンズタイム 牡 美浦・藤沢和雄
→名古屋・山本健二		 市川義美 38戦2勝（引退） [16]
9番仔 モンテクリスエス 2005年 鹿毛 シンボリクリスエス 牡 栗東・松田国英 毛利喜昭 51戦5勝（ダイヤモンドS優勝・引退） [17]
10番仔 （不受胎） 2006年 ダンスインザダーク
11番仔 マシュケナーダ 2007年 鹿毛 アグネスタキオン 牝 栗東・安田隆行 西尾誠一郎 8戦1勝（引退・繁殖） [18]
12番仔 レッドディアーナ 2008年 黒鹿毛 ディープインパクト 牡 東京ホースレーシング （未出走） [19]
13番仔 モンテエクリプス 2009年 鹿毛 牡 栗東・松田国英
→園田・重畠勝利
→園田・保利幸作
→栗東・松田国英
→佐賀・柳井宏之		 毛利喜昭
→瀬戸年美		 42戦3勝（引退） [20]
14番仔 （死産） 2010年
15番仔 プラチナジュエリー 2011年 黒鹿毛 牝 美浦・二ノ宮敬宇
→岩手・菅原右吉		 下河邉行雄
→下河辺牧場		 12戦0勝（引退・繁殖） [21]
16番仔 （不受胎） 2012年 ステイゴールド

血統表[編集]

ケイウーマンの血統 （血統表の出典）[§ 1]
父

*ラストタイクーン
Last Tycoon
1983 黒鹿毛
父の父
*トライマイベスト
Try My Best
1975 鹿毛 		Northern Dancer Nearctic
Natalma
Sex Appeal Buckpasser
Best in Show
父の母
Mill Princess
1977 鹿毛 		Mill Reef Never Bend
Milan Mill
Irish Lass Sayajirao
Scollata
母

Friendly Finance
1986 鹿毛 		Auction Ring
1972 鹿毛 		Bold Bidder Bold Ruler
High Bid
Hooplah Hillary
Beadah
母の母
River Lady
1963 鹿毛 		Prince John Princequillo
Not Afraid
Nile Lily Roman
Azalea
母系(F-No.) (FN:F10-a) [§ 2]
5代内の近親交配 Princequillo M4×S5、Nearco S5×S5、Nasrullah S5×M5 [§ 3]
出典
  1. ^ [22]
  2. ^ [22]
  3. ^ [22]


脚注[編集]

[脚注の使い方]

注釈[編集]

  1. ^ 重賞勝ちこそ無かったが種牡馬となり、母父としてゴールドアクターの血統表にその名を残している。
  2. ^ なお、このレースには後に天皇賞・秋を制するネーハイシーザーも登録していたが、出走取消している。

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n “ケイウーマン(IRE)”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2022年5月21日閲覧。
  2. ^ “モンテクリスエス｜JBISサーチ（JBIS-Search）”. www.jbis.or.jp. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2022年5月21日閲覧。
  3. ^ ケイウーマン（IRE） - 血統書サービス、2022年5月21日閲覧。
  4. ^ ケイウーマン - 引退名馬、2022年5月21日閲覧。
  5. ^ “ケイウーマンの死亡について”. 引退名馬. ジャパン・スタッドブック・インターナショナル (2023年3月20日). 2023年3月20日閲覧。
  6. ^ “ケイウーマンの競走成績”. netkeiba.com. Net Dreamers Co., Ltd.. 2022年5月21日閲覧。
  7. ^ “ケイウーマン 競走成績”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2022年5月21日閲覧。
  8. ^ ケイウェイ - JBISサーチ、2022年7月15日閲覧。
  9. ^ ケイケヤキ - JBISサーチ、2022年7月15日閲覧。
  10. ^ トニーディアマンテ - JBISサーチ、2022年7月15日閲覧。
  11. ^ テンプテーション - JBISサーチ、2022年7月15日閲覧。
  12. ^ [https://www.jbis.or.jp/horse/0000724257/ ＿＿＿＿＿＿＿＿＿ ] - JBISサーチ、2022年7月15日閲覧。
  13. ^ リトルケイ（JPN） - 血統書サービス、2022年7月15日閲覧。
  14. ^ マチカネキララ - JBISサーチ、2022年7月15日閲覧。
  15. ^ シャドウストリーム - JBISサーチ、2022年7月15日閲覧。
  16. ^ ピサノシェンロン - JBISサーチ、2022年7月15日閲覧。
  17. ^ モンテクリスエス - JBISサーチ、2022年7月15日閲覧。
  18. ^ マシュケナーダ - JBISサーチ、2022年7月15日閲覧。
  19. ^ レッドディアーナ - JBISサーチ、2022年7月15日閲覧。
  20. ^ モンテエクリプス - JBISサーチ、2022年7月15日閲覧。
  21. ^ プラチナジュエリー - JBISサーチ、2022年7月15日閲覧。
  22. ^ a b c “血統情報：5代血統表｜ケイウーマン(IRE)｜JBISサーチ（JBIS-Search）”. www.jbis.or.jp. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2022年5月21日閲覧。

外部リンク[編集]

「https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=ケイウーマン&oldid=99514934」から取得