インパクトレンチ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
エアインパクトレンチ

インパクトレンチ: Impact wrench)は工具の一種。ボルトナットを回す際、手で回すよりも簡単に大きなトルクをかけることができる。インパクトドライバーも動作原理は同じであるため、本項で詳述する。

電気や圧縮空気を動力源として内蔵されたモーターを回転させ、同じく内蔵されたハンマーを回転させる。ハンマーはソケットが接続された軸に、回転方向に打撃(インパクト)を与える。この打撃により先端に取り付けられたソケットなどが回転し、ボルトやナットを回すことができる。ソケットが接続された軸は常にインパクトを受けながら回転しているため、大きなトルクをかけることができる。

ハンマー式では、ドライバーが回転するとハンマー(名称は外部リンク[外部リンク 1]参照の事)とフレームも同時に回転する。この時アンビルの先端に付いているボックスレンチはボルト・ナットにはまっていてアンビルの回転に抵抗する。その為ハンマーは、アンビルのつばに沿って回転しながらハンマーはピンを中心に傾き、アンビルのつば元に衝突してハンマーがアンビルに衝撃(インパクト)を与え、その先のボックスレンチを回す。そして衝突直後には、ハンマーは元の状態に戻って、次の衝撃の準備にはいる。この動作を繰り返してボルト・ナットをすこしずつ衝撃を与えながら絞めつけたり緩めたりする[1]

インパクトレンチ[編集]

ピンクラッチインパクト機構のアニメーション

一般に軸先端にはソケットなどを接続する差込角が設けられており、通常のソケットレンチと同様に、ソケットやアクセサリーを接続して使用する。

インパクトレンチ用のソケットには専用のものを使用しなければならない。その理由は、通常のソケットやアクセサリーはインパクトレンチの大トルク(回転力)に耐えられず、破損、めっき剥がれなどの不具合が生じるおそれがあるためである。専用のソケットやアクセサリーにはめっき処理が施されず、外形も通常のものより厚く、また柔らかく作られており、大トルクに耐えられるよう設計されている。

また、高速回転するインパクトレンチからソケットが外れて飛散することを防止するため、ピンとリングで差込角とソケットを串刺し状に抜け止めするようになっている[外部リンク 2]

インパクトドライバー[編集]

一般に軸先端には、電動ドライバー電気ドリルと同様の、六角軸を差し込んで接続する部分が設けられており、六角軸のビットを接続して使用する。

ビットと本体の接続には、ドリルチャックやワンタッチスリーブ(差込部の外側にロック機構を内蔵したスリーブが設けられ、引っ張るだけでビットが脱着できる機構)が使用されている。ビットには二面幅5mm、6.35mm、8mmなどのものが用いられるが、利便性や国内での流通性から、6.35mmのものが圧倒的に多く使用されている。また、使用されるビットには、プラス・マイナスドライバービットやソケットビット(後端に六角軸が付いたソケット)がある。

最近では、インパクトドライバーに電動ドライバー・ドリルの機能(打撃を与えない・クラッチ機構など)や、振動ドリルの機能を備えた商品も販売されている。なお、電動ドライバー・ドリル用のドリル錐をインパクトドライバーに使用すると、簡単に折れる可能性があるため非常に危険である。

参考文献[編集]

  1. ^ 技能士の友編集部 『技能ブックス(19) 作業工具のツカイカタ』 大河出版、2002年8月25日13版発行、144-145頁。 
  • 西沢正和 『DIY道具の便利帳』 大泉書店、2010年9月11日発行、104-109頁。 

外部リンク[編集]

  1. ^ ピンクラッチ機構' ベッセル・エアーインパクトレンチマニアル
  2. ^ 『正しい作業工具の使い方』1.インパクト用ソケットとアタッチメント、全国作業工具工業組合発行