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[[日本]]でのスカイマーシャルは、[[2002年]]の[[2002 FIFAワールドカップ|日韓サッカーワールドカップ]]開催時に、航空機テロ予防・[[フーリガン]]騒乱時の対策として、大会期間中の日韓便および試合開催地への国内便に、武装私服[[警察官|警官]]が警乗したのが始まりである。このときは臨時的な対応であり、ワールドカップの無事の閉幕とともにスカイマーシャルは終了している。
[[日本]]でのスカイマーシャルは、[[2002年]]の[[2002 FIFAワールドカップ|日韓サッカーワールドカップ]]開催時に、航空機テロ予防・[[フーリガン]]騒乱時の対策として、大会期間中の日韓便および試合開催地への国内便に、武装私服[[警察官|警官]]が警乗したのが始まりである。このときは臨時的な対応であり、ワールドカップの無事の閉幕とともにスカイマーシャルは終了している。


2004年12月には[[国土交通省]]・[[警察庁]]からスカイマーシャル制度の実施が公表されている<ref>[http://www.npa.go.jp/hakusyo/h19/honbun/pdf/19p04000.pdf 平成19年警察白書] - 警察庁</ref>。
2004年12月には[[国土交通省]]・警察庁からスカイマーシャル制度の実施が公表されている<ref>[http://www.npa.go.jp/hakusyo/h19/honbun/pdf/19p04000.pdf 平成19年警察白書] - 警察庁</ref>。<!--スカイマーシャル「組織」ってのは言葉としてややスワリが悪いが、単独もしくは少人数行動のスカイマーシャルに「部隊」「チーム」「グループ」もしっくり来ないので一応暫定的に-->


=== 編成 ===
=== 編成 ===
スカイマーシャルのメンバーは、[[機動隊]]員からの選抜を経て編成されているが、その任務の性質上、正確な人数は不明である。乗客を装って搭乗するが、すべてのアメリカ行き旅客機に搭乗できるほど人員は多くないとみられるため、便を選んで警乗しているものと思われる。
スカイマーシャル組織のメンバー(航空機警乗警察官)は、機動隊員からの選抜を経て編成されているが、その任務の性質上、正確な人数は不明である。乗客を装って搭乗するが、すべてのアメリカ行き旅客機に搭乗できるほど人員は多くないとみられるため、便を選んで警乗しているものと思われる。


詳細は不明であるが、選抜・訓練にあたっては下記のようなものがなされていると言われる。
詳細は不明であるが、選抜・訓練にあたっては下記のようなものがなされていると言われる。
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* 選抜には語学能力や身体能力が重視される。
* 選抜には語学能力や身体能力が重視される。
* 主たる任務がハイジャック対策であるため、[[特殊急襲部隊|特殊部隊(SAT)]]のOBも含まれている。
* 主たる任務がハイジャック対策であるため、[[特殊急襲部隊|特殊部隊(SAT)]]のOBも含まれている。
* 入隊後は、航空機内における[[CQB|近接射撃]]、ならびに[[近接格闘術|格闘術]]の訓練を徹底して行う。
* 入隊後は、航空機内における近接射撃、ならびに格闘術の訓練を徹底して行う。


=== 装備 ===
=== 装備 ===
形式は不明であるが、[[拳銃]]を装備しているとされる。2004年11月に[[警察庁長官]]が行った記者会見によると、スカイマーシャルのメンバーは「多数の乗客が搭乗した飛行中の旅客機内で射撃することを考慮し、特殊な銃弾を装備している」としており、航空機の機体を破損させない弾丸としては、フランジブル弾([[:en:frangible bullet]])<ref>銅や錫などの[[粉体]]を押し固めた弾丸。人体は貫通するが、機体の壁など硬い物質に当たると砕ける。[[弾丸#弾丸の種類]] </ref>のことを指していると思われる。
形式は不明であるが、[[拳銃]]を装備しているとされる。2004年11月に[[警察庁長官]]が行った記者会見によると、スカイマーシャル組織のメンバーは「多数の乗客が搭乗した飛行中の旅客機内で射撃することを考慮し、特殊な銃弾を装備している」としており、航空機の機体を破損させない弾丸としては、フランジブル弾([[:en:frangible bullet]])<ref>銅や錫などの[[粉体]]を押し固めた弾丸。人体は貫通するが、機体の壁など硬い物質に当たると砕ける。[[弾丸#弾丸の種類]] </ref>のことを指していると思われる。


== 脚注 ==
== 脚注 ==

2021年2月13日 (土) 06:55時点における版

スカイマーシャル(Sky marshal)とは、旅客機搭乗し、ハイジャックなどの犯罪に対処する武装警察官のこと。日本語では警乗制度ともいう[1]

歴史

ハイジャック防止を目的とした武装警備員搭乗の制度は、1970年代から世界のいくつかの航空会社で行われてきた。イスラエル発の主要な国際便・国内便(エル・アル航空など)には、早くから武装したスカイマーシャルが搭乗していた。

米国のスカイマーシャル

アメリカでは、1968年連邦航空局傘下で航空関係者のボランティア活動によるスカイマーシャルプログラムが誕生したが、21世紀に入るまでは概して活動は低調で、ハイジャック事件が多発するたびに関連する官庁が制度を復活させるものの、数年後には中止・縮小されることが繰り返されてきた。

しかし、2001年に発生した9.11同時多発テロ以降は航空機テロの危険性に対応するため、国土安全保障省2003年設立)の連邦航空保安局が、アメリカ内のスカイマーシャル任務を本格的に担当することになった。

また同年、米国内に着陸(もしくは領空内を通過)する旅客機を運航する各国航空会社に対し、出発地から武装警備員を搭乗させるようアメリカ政府が要請したことから、多くの国でスカイマーシャルの制度が創設されることになった。

日本のスカイマーシャル

経緯

日本でのスカイマーシャルは、2002年日韓サッカーワールドカップ開催時に、航空機テロ予防・フーリガン騒乱時の対策として、大会期間中の日韓便および試合開催地への国内便に、武装私服警官が警乗したのが始まりである。このときは臨時的な対応であり、ワールドカップの無事の閉幕とともにスカイマーシャルは終了している。

2004年12月には国土交通省・警察庁からスカイマーシャル制度の実施が公表されている[2]

編成

スカイマーシャル組織のメンバー(航空機警乗警察官)は、機動隊員からの選抜を経て編成されているが、その任務の性質上、正確な人数は不明である。乗客を装って搭乗するが、すべてのアメリカ行き旅客機に搭乗できるほど人員は多くないとみられるため、便を選んで警乗しているものと思われる。

詳細は不明であるが、選抜・訓練にあたっては下記のようなものがなされていると言われる。

  • 選抜には語学能力や身体能力が重視される。
  • 主たる任務がハイジャック対策であるため、特殊部隊(SAT)のOBも含まれている。
  • 入隊後は、航空機内における近接射撃、ならびに格闘術の訓練を徹底して行う。

装備

形式は不明であるが、拳銃を装備しているとされる。2004年11月に警察庁長官が行った記者会見によると、スカイマーシャル組織のメンバーは「多数の乗客が搭乗した飛行中の旅客機内で射撃することを考慮し、特殊な銃弾を装備している」としており、航空機の機体を破損させない弾丸としては、フランジブル弾(en:frangible bullet[3]のことを指していると思われる。

脚注

  1. ^ 国際組織犯罪等・国際テロ対策推進本部における「スカイ・マーシャルの実施について」の決定について 国土交通省、2017年7月16日閲覧。
  2. ^ 平成19年警察白書 - 警察庁
  3. ^ 銅や錫などの粉体を押し固めた弾丸。人体は貫通するが、機体の壁など硬い物質に当たると砕ける。弾丸#弾丸の種類

外部リンク