「ワイナリー」の版間の差分
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2017年10月29日 (日) 15:55時点における版
ワイナリー(英語: Winery)あるいは日本語でワイン醸造所(ワインじょうぞうしょ)、葡萄酒醸造所(ぶどうしゅじょうぞうしょ)は、ワインを生産する建物または不動産、もしくはワイン会社などワイン製造に関わる事業をいう。ワイン会社によっては自社ワイナリーを所有するものがある。ワイン製造の設備のほかに、大規模なワイン醸造所では倉庫、ビン詰めライン (Bottling line) 、研究室、巨大なタンクなども備えているものがある。
目的
ワイン醸造所は通常ワイン職人を雇用して、以下のワイン醸造 (Winemaking) 工程によりブドウから種々のワインを生産する。この工程では果実の発酵および果汁の熟成とブレンドが進行する。このブドウはワイナリー所有の葡萄園で生産したものである場合も、他の場所で生産したものである場合もある。多くのワイナリーではツアーを催し、顧客が購入を決定する前にワインの試飲 (Wine tasting) 用に試飲室を備えている。
その種類と立地
アメリカ・カリフォルニア州のナパバレー (Napa County, California) やソノマバレー (Sonoma Valley) など広大なワイン産地でほとんどの住民がワイン醸造所に従事する土地や、イタリアで長い伝統を誇るワイン産地などでは、いたるところにワイン醸造所がある。ブドウはどこにでも輸送できるので、ワイン醸造所はブドウ園に隣接しているとは限らない。さらに、他の果物や植物を原料にしたワイン(ダンデライオンワイン、りんごワイン、いちごワインなど)もつくられ、他の素材が育つ土地では特殊なワイン醸造所が出現する。たとえばマウイ島ではパイナップルのワイン醸造所がある。アメリカ、イタリア、スペインのワイン醸造所では栽培データを無線で採取し最適状態に保つなどの精密農業化が行われている(例)。
農場ワイン醸造所
近年アメリカ合衆国の数多くの州ではワイナリーのライセンスにファームワイナリー(農場ワイナリー)というクラスを新設し、農場が敷地内でワインを製造・販売することを許可した。農場ワイナリーは商業ワイナリーと違い、その農場内でワインの原料となる果実を生産し、最終製品もその農場で販売する。ニューヨーク州などでは観光地に付属の販売店を開設する特別許可を与えている。ニューヨーク州が1976年に議決したファームワイナリー法 (Farm Winery Law) は、他の州が類似の法律を成立させる手本になった。
農場ワイナリーはふつう、商業ワイナリーよりはるかに小規模である。農場ワイナリーにはきわめて高品質のワインを生産するものがある。ワインコンテストは部門優勝してプレステージの獲得を狙おうというワイナリー間の競争が熾烈である。農場ワイナリーは付加価値営業の一形態であり、また利益の捻出に奮闘する農夫にとってはアグリツーリズムともなる。
ワイン醸造所の汚水
ワイン醸造所の汚水はワイン製造の道具や設備の洗浄のさいにまず発生する。汚水の量と質は季節により差を生じる。汚水の取り扱いは、回収、場合により処理、その後排水または再利用となる。