「662 BPM BY DG」の版間の差分

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'''662 BPM BY DG'''(ろくろくに・ビーピーエム・バイ・ディージー)は、[[日本]]の[[テクノ]][[音楽ユニット|ユニット]]である[[電気グルーヴ]]の[[インディーズ|インディーズ・レーベル]]よりリリースされた1枚目のアルバム。
'''662 BPM BY DG'''(ろくろくに・ビーピーエム・バイ・ディージー)は、[[日本]]の[[テクノ]][[音楽ユニット|ユニット]]である[[電気グルーヴ]]の[[インディーズ|インディーズ・レーベル]]よりリリースされた1枚目のアルバム。


== 背景 ==
[[1990年]][[6月28日]]に[[SSE COMMUNICATIONS|SSE]]よりリリースされた。
当時インディーズにて活動していた電気グルーヴに対して、[[ソニー・ミュージックエンタテインメント (日本)|ソニー・レコード]]からメジャー・デビューのオファーがあった際に、同グループの中心人物であった石野卓球の「どうしてもインディーズでアルバムを出しておきたい」という思いから本アルバムは制作された。


タイトルの「662BPM」とは、収録されている楽曲のそれぞれの[[テンポ|BPM]]を単純に総て足した数値から来ていると一般的には言われている。ただし、ライナーノーツに記載の各曲の[[テンポ|BPM]]を足し合わせると合計622BPMとなり、[[テンポ|BPM]]の記載がない6曲目の「LEE」が40BPMでなければならない。また、[[テンポ|BPM]]が記載されている図表では、12曲目の120BPMを後から足してTOTAL662+120との記載になっている。このことについて[[石野卓球]]は「全部の曲を足したBPMをタイトルにしたんだけど、計算を間違っていた」と語っている<ref>『[[レオナルド犬プリオ]]』オーディオコメンタリーより</ref>
タイトルの「662BPM」とは、収録されている楽曲のそれぞれの[[テンポ|BPM]]を単純に総て足した数値から来ていると一般的には言われている。ただし、ライナーノーツに記載の各曲の[[テンポ|BPM]]を足し合わせると合計622BPMとなり、[[テンポ|BPM]]の記載がない6曲目の「LEE」が40BPMでなければならない。また、[[テンポ|BPM]]が記載されている図表では、12曲目の120BPMを後から足してTOTAL662+120との記載になっている。このことについて[[石野卓球]]は「全部の曲を足したBPMをタイトルにしたんだけど、計算を間違っていた」と語っている<ref>『[[レオナルド犬プリオ]]』オーディオコメンタリーより</ref>


後に至るまで演奏されている「電気ビリビリ」「WE ARE」「N.O.」の原曲を収録。7曲目から11曲目は1分ずつの無音トラックとなっている。また、6曲目の「LEE」は映画『ドラゴンへの道』からサンプリングした、[[中国]]の[[俳優]]である[[ブルース・リー]]の音声が入っているだけである。因みにこの音声は、1995年の石野の1枚目のソロ・アルバム『DOVE LOVES DUB』の一曲目でも使用されている。
== 解説 ==

当時インディーズにて活動していた電気グルーヴに対して、[[ソニー・ミュージックエンタテインメント (日本)|ソニー・レコード]]からメジャー・デビューのオファーがあった際に、同グループの中心人物であった石野卓球の「どうしてもインディーズでアルバムを出しておきたい」という思いから本アルバムは制作された。無許可で多数の[[テレビ番組]]や[[有名人]]の音声を[[サンプリング]]して使用(サンプリングの元ネタはジャケットに記載)、さらに差別的な表現を含む歌詞を多用している(後に契約することとなるソニーの歌詞検閲では、この頃の歌詞はほとんどNGとなり、改詞してリリースしている。しかし、ライヴにおいては原曲の歌詞、もしくは原曲とも異なる歌詞で歌っていた)
== 録音 ==
無許可で多数の[[テレビ番組]]や[[有名人]]の音声を[[サンプリング]]して使用(サンプリングの元ネタはジャケットに記載)、さらに差別的な表現を含む歌詞を多用している(後に契約することとなるソニーの歌詞検閲では、この頃の歌詞はほとんどNGとなり、改詞してリリースしている。しかし、ライヴにおいては原曲の歌詞、もしくは原曲とも異なる歌詞で歌っていた)。
*改詞の一例:「とっとと帰って[[スカトロジー|糞でも食べて]] [[ネクロフィリア|犬の死体]]で[[オナニー]]しろよ」→「とっとと帰ってメシでも食べて ママの[[下着]]で[[サタデー・ナイト・フィーバー|フィーバー]]しろよ」(電気ビリビリ)
*改詞の一例:「とっとと帰って[[スカトロジー|糞でも食べて]] [[ネクロフィリア|犬の死体]]で[[オナニー]]しろよ」→「とっとと帰ってメシでも食べて ママの[[下着]]で[[サタデー・ナイト・フィーバー|フィーバー]]しろよ」(電気ビリビリ)
:「邪魔な奴らは[[ひき逃げ|跳ね飛ばせ]] 特に[[デス・レース2000年|ババアやジジイは高得点]]」→「邪魔な奴らはブッ飛ばせ 特に[[ゲゲゲの鬼太郎の登場キャラクター |砂かけババア]]は高得点」(電気ビリビリ)
:「邪魔な奴らは[[ひき逃げ|跳ね飛ばせ]] 特に[[デス・レース2000年|ババアやジジイは高得点]]」→「邪魔な奴らはブッ飛ばせ 特に[[ゲゲゲの鬼太郎の登場キャラクター |砂かけババア]]は高得点」(電気ビリビリ)
:「[[イラマチオ|強制フェラチオ]] [[泉重千代]] [[ギネスブック]]で長寿世界一」→「ネオンにおやじ 野獣におやじ 三つ子の魂百までおやじ」(ウィアー/WE ARE  2コーラス目以降は全て書き直されている)
:「[[イラマチオ|強制フェラチオ]] [[泉重千代]] [[ギネスブック]]で長寿世界一」→「ネオンにおやじ 野獣におやじ 三つ子の魂百までおやじ」(ウィアー/WE ARE  2コーラス目以降は全て書き直されている)
:「[[気違い|キチガイ]]」を曲全編に渡って連呼(映画『[[その男、凶暴につき]]』の1シーンからのサンプリング)する「D・E・P」は楽曲そのものがお蔵入りになっている。
:「[[気違い|キチガイ]]」を曲全編に渡って連呼(映画『[[その男、凶暴につき]]』の1シーンからのサンプリング)する「D・E・P」は楽曲そのものがお蔵入りになっている。
ちなみに、リリース元のレーベルであるSSEの前身は[[トランス・レコード]]であり、[[人生 (バンド)|人生]](電気グルーヴ以前に石野と[[ピエール瀧]]が在籍していたバンド)時代に[[ナゴム]]と[[キャプテン・レコード]]からリリースしていた同グループは、当時「インディーズ三大レーベル」と言われていた全てのレーベルからリリースしたことになる。


== リリース ==
後に至るまで演奏されている「電気ビリビリ」「WE ARE」「N.O.」の原曲を収録。7曲目から11曲目は1分ずつの無音トラックとなっている。また、6曲目の「LEE」は映画『ドラゴンへの道』からサンプリングした、[[中国]]の[[俳優]]である[[ブルース・リー]]の音声が入っているだけである。因みにこの音声は、1995年の石野の1枚目のソロ・アルバム『DOVE LOVES DUB』の一曲目でも使用されている。
[[1990年]][[6月28日]]に[[SSE COMMUNICATIONS|SSE]]よりリリースされた。


ちなみに、リリース元のレーベルであるSSEの前身は[[トランス・レコード]]であり、[[人生 (バンド)|人生]](電気グルーヴ以前に石野と[[ピエール瀧]]が在籍していたバンド)時代に[[ナゴム]]と[[キャプテン・レコード]]からリリースしていた同グループは、当時「インディーズ三大レーベル」と言われていた全てのレーベルからリリースしたことになる。
== リリース履歴 ==
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! No.
! 日付
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! 規格
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! 最高順位
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| 復刻版、帯が緑色
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== 収録曲 ==
== 収録曲 ==
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#'''D・E・P'''
#'''D・E・P'''


== 参加ミューシャン ==
== スタッフ・クレット ==
=== 参加ミュージシャン ===
*'''石野卓球''' - [[司会者|MC]]、[[サンプラー]]
*'''石野卓球''' - [[司会者|MC]]、[[サンプラー]]
*'''ピエール瀧''' - [[司会者|MC]]、[[サンプラー]]、瀧
*'''ピエール瀧''' - [[司会者|MC]]、[[サンプラー]]、瀧
*'''若王子耳夫''' - [[ストリングス]]、[[ギター]]
*'''若王子耳夫''' - [[ストリングス]]、[[ギター]]
*'''高橋嵐''' - システム
*'''高橋嵐''' - システム
=== スタッフ ===
*'''石野卓球''' - エキップメント、[[ミュージックシーケンサー|プログラム]]、[[音楽プロデューサー|プロデューサー]]
*'''カワモトコウジ''' - [[レコーディング・エンジニア]]、ミックス・エンジニア
*'''イチノヘヒロアキ''' - アシスタント・エンジニア
*'''電気グルーヴ''' - ミックス・エンジニア
*'''ニシダユリ''' - カバー・ドローイング
*'''イナガキキヨシ''' - DGロゴデザイン
*'''コマツヨウスケ''' - 写真撮影
*'''キタムラマサシ''' - アート・ディレクション、[[エグゼクティブ・プロデューサー]]

== リリース履歴 ==
{|class="wikitable" style="white-space:nowrap; font-size:smaller"
|-
! No.
! 日付
! [[レコードレーベル|レーベル]]
! 規格
! [[規格品番]]
! 最高順位
! 備考
|-
| style="text-align:right" | 1
| [[1990年]][[6月28日]]
| [[SSE COMMUNICATIONS|SSE]]
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| [[1993年]]
| SSE
| CD
| SSE 4001
| -
| 復刻版、帯が緑色
|}


== 脚注 ==
== 脚注 ==

2013年9月1日 (日) 08:59時点における版

662 BPM BY DG
電気グルーヴスタジオ・アルバム
リリース
録音 1990年
Studio EGM
ジャンル テクノ
時間
レーベル SSE
プロデュース 石野卓球
電気グルーヴ アルバム 年表
662 BPM BY DG
1990年
FLASH PAPA
1991年
テンプレートを表示

662 BPM BY DG(ろくろくに・ビーピーエム・バイ・ディージー)は、日本テクノユニットである電気グルーヴインディーズ・レーベルよりリリースされた1枚目のアルバム。

背景

当時インディーズにて活動していた電気グルーヴに対して、ソニー・レコードからメジャー・デビューのオファーがあった際に、同グループの中心人物であった石野卓球の「どうしてもインディーズでアルバムを出しておきたい」という思いから本アルバムは制作された。

タイトルの「662BPM」とは、収録されている楽曲のそれぞれのBPMを単純に総て足した数値から来ていると一般的には言われている。ただし、ライナーノーツに記載の各曲のBPMを足し合わせると合計622BPMとなり、BPMの記載がない6曲目の「LEE」が40BPMでなければならない。また、BPMが記載されている図表では、12曲目の120BPMを後から足してTOTAL662+120との記載になっている。このことについて石野卓球は「全部の曲を足したBPMをタイトルにしたんだけど、計算を間違っていた」と語っている[1]

後に至るまで演奏されている「電気ビリビリ」「WE ARE」「N.O.」の原曲を収録。7曲目から11曲目は1分ずつの無音トラックとなっている。また、6曲目の「LEE」は映画『ドラゴンへの道』からサンプリングした、中国俳優であるブルース・リーの音声が入っているだけである。因みにこの音声は、1995年の石野の1枚目のソロ・アルバム『DOVE LOVES DUB』の一曲目でも使用されている。

録音

無許可で多数のテレビ番組有名人の音声をサンプリングして使用(サンプリングの元ネタはジャケットに記載)、さらに差別的な表現を含む歌詞を多用している(後に契約することとなるソニーの歌詞検閲では、この頃の歌詞はほとんどNGとなり、改詞してリリースしている。しかし、ライヴにおいては原曲の歌詞、もしくは原曲とも異なる歌詞で歌っていた)。

「邪魔な奴らは跳ね飛ばせ 特にババアやジジイは高得点」→「邪魔な奴らはブッ飛ばせ 特に砂かけババアは高得点」(電気ビリビリ)
強制フェラチオ 泉重千代 ギネスブックで長寿世界一」→「ネオンにおやじ 野獣におやじ 三つ子の魂百までおやじ」(ウィアー/WE ARE  2コーラス目以降は全て書き直されている)
キチガイ」を曲全編に渡って連呼(映画『その男、凶暴につき』の1シーンからのサンプリング)する「D・E・P」は楽曲そのものがお蔵入りになっている。

リリース

1990年6月28日SSEよりリリースされた。

ちなみに、リリース元のレーベルであるSSEの前身はトランス・レコードであり、人生(電気グルーヴ以前に石野とピエール瀧が在籍していたバンド)時代にナゴムキャプテン・レコードからリリースしていた同グループは、当時「インディーズ三大レーベル」と言われていた全てのレーベルからリリースしたことになる。

収録曲

#タイトル作詞作曲編曲時間
1.電気ビリビリ(DENKI BIRI BIRI)石野卓球石野卓球石野卓球
2.あしたのジョー(JOE)石野卓球石野卓球石野卓球
3.ブス女≪B・A・S・S≫(B・A・S・S)石野卓球石野卓球石野卓球
4.ウィアー(WE'RE)石野卓球、ピエール瀧電気グルーヴ電気グルーヴ
5.無能の人(LESS THAN ZERO)石野卓球石野卓球石野卓球
6.LEE   
7.(無音トラック)   
8.(無音トラック)   
9.(無音トラック)   
10.(無音トラック)   
11.(無音トラック)   
12.D・E・P 電気グルーヴ電気グルーヴ
合計時間:

曲解説

  1. 電気ビリビリ - DENKI BIRI BIRI
  2. あしたのジョー - JOE
  3. ブス女≪B・A・S・S≫
    後に篠原ともえが歌詞を一部改めて「アルファベットでB・A・S・S」としてカバーしている(シングル「チャイム」のカップリング曲として収録されている)。
  4. ウィアー - WE'RE
  5. 無能の人 - LESS THAN ZERO
  6. LEE
  7. (無音トラック)
  8. (無音トラック)
  9. (無音トラック)
  10. (無音トラック)
  11. (無音トラック)
  12. D・E・P

スタッフ・クレジット

参加ミュージシャン

スタッフ

リリース履歴

No. 日付 レーベル 規格 規格品番 最高順位 備考
1 1990年6月28日 SSE CD SSE 4001 - 帯が黄色
2 1993年 SSE CD SSE 4001 - 復刻版、帯が緑色

脚注

  1. ^ レオナルド犬プリオ』オーディオコメンタリーより