ジュラシック・パーク・ザ・ライド

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ジュラシック・パーク・ザ・ライド
アトラクションのフィニッシュ(ユニバーサル・スタジオ・ハリウッド / 2009年)
ユニバーサル・スタジオ・ハリウッド
エリアロウアー・ロット
座標北緯34度08分25.7秒 西経118度21分25.4秒 / 北緯34.140472度 西経118.357056度 / 34.140472; -118.357056
状態閉鎖
オープン1996年6月21日 (27年前) (1996-06-21)
クローズ2018年9月3日 5年前 (2018-09-03)
Replaced byジュラシック・ワールド・ザ・ライド(2019年7月21日 - )
アイランズ・オブ・アドベンチャー
エリアジュラシック・パーク
座標北緯28度28分14.2秒 西経81度28分23.6秒 / 北緯28.470611度 西経81.473222度 / 28.470611; -81.473222
状態営業中
オープン1999年3月27日 (25年前) (1999-03-27)
オープン1999年5月28日 (24年前) (1999-05-28)
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン
エリアジュラシック・パーク
座標北緯34度39分51.8秒 東経135度25分50.4秒 / 北緯34.664389度 東経135.430667度 / 34.664389; 135.430667
状態営業中
オープン2001年3月31日 (23年前) (2001-03-31)
主なデータ
種類 ライド・アトラクション(ウォーターライド
製造者 Vekoma
設計者 ユニバーサル・クリエイティブ
テーマ ジュラシック・パーク
落差 85 ft (26 m)
全長 1,900 ft (580 m)
速度 50 mph (80 km/h)
定員 3000 riders per hour
両ごとの定員数 25名
列数 5
列ごとの定員数 5
所要時間 約7分
身長制限 122cm以上
付き添い者同伴の場合は107cm以上
協賛 アート引越センター
チャイルドスイッチ 利用可能
ウィッグ 着用可能
車椅子から降りる必要あり

ジュラシック・パーク・ザ・ライド: Jurassic Park - The Ride)は、世界のユニバーサル・パークス&リゾーツにある、マイケル・クライトン1990年に発表された小説『ジュラシック・パーク』とそれを基に製作されたスティーヴン・スピルバーグによる1993年公開の同名の映画をテーマにしたライド・アトラクションである。

存在するパーク[編集]

過去に存在したパーク[編集]

ストーリー[編集]

ジュラシック・パークをボートで楽しむリバーツアーに参加したゲストは、ウルトラサウルスステゴサウルスなど草食恐竜の観察を楽しむ。しかし、パラサウロロフスにぶつかり立ち入り禁止区域だった肉食恐竜エリアに迷い込む。そこでは獰猛なヴェロキラプトルが脱走しており、パークは倉庫エリアからの脱出を計画する。T-REXなどの肉食恐竜の襲撃から果たして生還できるか!?

概要[編集]

アイランズ・オブ・アドベンチャー[編集]

ジュラシック・パーク・リバー・アドベンチャー: Jurassic Park River Adventure)として、1999年5月28日ジュラシック・パークにオープンした。

アトラクション内に150万ガロンの水が使用されており、オープン当時85フィートからの落下は、これまでに建設されたテーマパークのウォーターライド型アトラクションの中で最大となった[1]

ナレーションは、グレッグ・バルソン英語版が務めている。

ユニバーサル・スタジオ・ジャパン[編集]

2001年3月31日、パークの開園と同時にジュラシック・パークにオープンした。

ナレーションは、江原正士が務めている。

2023年9月4日より大規模改修のため休止されている[2]

ユニバーサル・スタジオ・ハリウッド[編集]

1996年7月21日ロウアー・ロットにオープンし、2018年9月3日にクローズした。

後継のアトラクションとして、「ジュラシック・ワールド・ザ・ライド」が2019年7月21日にオープンした。

ナレーションは、グレッグ・バルソンが務めていた。

登場する恐竜[編集]

製作[編集]

オリジナルのアトラクション[編集]

アトラクションの第1号は、1996年7月21日にユニバーサル・スタジオ・ハリウッドでオープンした。当時、映画と同時進行で製作されており、ユニバーサル・スタジオのアトラクションのほとんどは既出の映画を基に製作するため、本アトラクションは例外となった。開発と設計は、映画が公開される3年前の1990年11月から開始された。監督を務めたスティーヴン・スピルバーグは、映画製作前から本アトラクションの構想を練っていたことを明かしている。アトラクションのために製作された小道具が、映画に使われているものもある。映画冒頭の食事をするシーンでは、本アトラクションのコンセプトアートが映し出されている。ゲイリー・ゴダード英語版率いるアトラクション製作会社、ランドマーク・エンターテインメント英語版は、1991年からプロジェクトに取り掛かった。映画ではカットされた小説のリバーライドのシーンを採用することとなった。プロジェクト開始直後は、映画同様にジープをライドにしたアトラクションにする構想があったものの、ジープを恐竜のアニマトロニクスが追いかけたり、ジャングルを切り裂くようなリアルなアクションを製作する技術は、当時の技術では製作不可能と確信し、ゴダードは代わりに小説に登場するボートに目を付けた。水辺を進むボートライドであれば、ジープほどのアクションを付けずとも、アトラクションが成り立つと考えたためだ。ボートに乗ることで映画の要素も取り入れつつ、個性を生かした独自のストーリーを製作できると確信したゴダードは、スピルバーグにコンセプトを売り込み、同意を得ることに成功した。ボートライドを導入することにより、より大規模なキャパシティーの実現が可能となり、パーク初の水上アトラクションとなった[3][4]

実物大のアニマトロニクス制作[編集]

最初のステップとして、施設の設計マネージャーであるクレイ・グロイルがコスタリカスタイルと呼ばれるジャングルと、巨大な山をビジュアルモデルとして考えた。主役である恐竜は、「キングコング・エンカウンター英語版」のクリエイターであるボブ・ガーに、アニマトロニクスでできることについて話し合った。スピルバーグは、アトラクションに登場する恐竜を全て実物大にしたいと考えていた。しかし、当時の予算の制約では難しいこととなり、デジタルエフェクトで恐竜を製作しようという案も出されたが、最終的に映画の特殊メイククリエイターであるスタン・ウィンストンと共にアニマトロニクスで恐竜を製作することとなった。ユニバーサル・スタジオは、「コスト削減のみを理由にデジタルエフェクトに依存することはよくない。より良いアトラクションを製作するには、完全な等身大のアニマトロニクスを製作する必要がある。」と認識した。ユニバーサル・スタジオはサルコス産業にアニマトロニクスの作成を委託し、クリエイターは各恐竜の実物大の模型を作成し、リアルな皮膚の襞や皺まで再現しようと試みた。次に製作した模型を油性粘土とシリコンの層で覆い、スキンのための型を作成した。その後は、これらのスキンをロボットに取り付け、ペイントした。当初は、恐竜のアニマックスに加え、人間の演者を配置する予定もあったが、お蔵入りとなった。恐竜の音響効果は、映画から唸り声を抽出し、アクションに合わせて発声させた[3][4]

アトラクションの規模[編集]

アトラクションのフィナーレは、角度51度、全長85フィートのドロップとなり、ボートは最高速度時速50マイルに達し、船底では40フィートの波が発生する。ドロップ部分は、オープンの1年以上前に完成させた。ボートは最大25人収容でき、これまでに制作されたライドの中で最大となった。ライドは2003年の初めに改装され、どの位置でも停止することが可能になった。ドロップ部分の最下部のトラック部分の高さは天候条件に応じて、調整できるよう上下操作が可能となっている。

本アトラクションをより引き立てるジャングルは、ユニバーサル・スタジオ・ハリウッドで行われた植栽プロジェクトの中で最大のものとなった。

ボート発車場のための制御室は、実際にライド・コントロール・センターとして機能している。クルーは、カメラを通じてライドを監視しており、問題発生時に直ちにライドを停止することができる。ボートを発車するコマンドは、人間のオペレーターによって発動されるが、それ以外の全てのコントロールはコンピューターシステムの制御下にある。

本アトラクションは、これまでで最も高価なライドであり、映画の2倍の費用である1億1千万ドル掛かった[3][4]

アトラクションのオープン[編集]

アトラクションのフィナーレ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン / 2011年)

アトラクション第1号として、ユニバーサル・スタジオ・ハリウッドに1996年6月21日に正式にオープンした。オープニングセレモニーには、スピルバーグと映画キャストであるジェフ・ゴールドブラムが参加し、燈火を灯した。オープン後の数週間は、待ち時間が2時間を超えるほど、ゲストにヒットし、ユニバーサル・スタジオ・ハリウッドの象徴的アトラクションとなった。人気アトラクションとなったため、その後は1999年5月28日にアイランズ・オブ・アドベンチャー、2001年3月31日にユニバーサル・スタジオ・ジャパンに同アトラクションがオープンした。2010年3月18日には、アトラクション名とボートの形態は異なるものの、同様のストーリーの「ジュラシック・パーク・ラピッド・アドベンチャー英語版」がユニバーサル・スタジオ・シンガポールにオープンした[4]

各パークごとの違い[編集]

アメリカの2パークと日本では進行方向が異なり、アメリカは反時計回り、日本は時計回りに進行する。これ以外は、日本版はオーランド版とほぼ同一である。ハリウッド版は、ジュラシック・パークのゲートの前にトンネルがあり、出現する恐竜は、若干前後するが、3パークとも変わりはない。

警告音後の恐竜が逃走したと思われるシーンでは、3つのパークで恐竜に襲われたボートがそれぞれ異なる。ハリウッド版はゲストが乗っているボートと同様のもの、オーランド版は赤いボート、日本版は青いボートである。

また、その付近では2匹のコンプソグナトゥスがおり、オーランド版と日本版では服の取り合いをしているが、ハリウッド版ではポップコーン容器の取り合いをしている。

その他にも、オーランド版と日本版では恐竜の入った貨物が落下するシーンがあるが、ハリウッド版では車が落下する。

クライマックスでは、ハリウッド版にのみ天井から恐竜が1匹登場し、T-レックスが2回登場する。オーランド版と日本版ではT-レックスは1度しか登場しない。

さらにハリウッド版では、フィナーレのドロップ後にもディロフォサウルスが1匹登場する[3][4]

新たなアトラクション[編集]

ユニバーサル・スタジオ・ハリウッドは2018年9月3日から9か月にも及ぶ大規模な改修工事のため、本アトラクションをクローズし、2015年の映画『ジュラシック・ワールド』に基づく新たなアトラクション、「ジュラシック・ワールド・ザ・ライド」を製作することが発表された[5]。その後2019年7月21日にオープンした。新たな映画に焦点を当て、異なるライドシステムを導入したアトラクションとなった[4]

脚注[編集]

  1. ^ Universal Orlando” (英語). www.universalorlando.com. 2019年8月28日閲覧。
  2. ^ “USJ「ジュラシック・パーク・ザ・ライド」当面休止へ”. シネマトゥデイ (株式会社シネマトゥデイ). (2023年6月1日). https://www.cinematoday.jp/news/N0137168 2023年6月1日閲覧。 
  3. ^ a b c d keatonbrows (2018年6月19日). “The Secret Reason Why Steven Spielberg Made Jurassic Park” (英語). Cracked.com. 2021年1月27日閲覧。
  4. ^ a b c d e f Jurassic World: The Ride” (英語). theStudioTour.com. 2021年1月27日閲覧。
  5. ^ Sanza, Cristina (2018年5月10日). “New Jurassic World ride announced for Universal Studios Hollywood in 2019, replacing Jurassic Park: The Ride” (英語). Inside the Magic. 2021年1月27日閲覧。

外部リンク[編集]