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RPK軽機関銃

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RPK
30発弾倉を装着したRPK
概要
種類 軽機関銃
製造国 ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦(開発国)
設計・製造 設計 ミハイル・カラシニコフ
製造 モロト造兵廠
性能
口径 7.62mm(RPK)
5.45mm(RPK-74)
銃身長 590mm
ライフリング 4条 右回り
使用弾薬 7.62x39mm弾(RPK)
5.45x39mm弾(RPK-74)
装弾数 30発(AK-47/AK-74マガジン
40発(RPK専用マガジン)
45連発(RPK-74専用マガジン)
75発(RPK専用ドラムマガジン
作動方式 ガス圧作動方式
全長 1,040mm(基本型)
重量 5,000g
発射速度 600発/分
銃口初速

745m/s(2,444ft/s, RPK, RPKS)

960m/s(3,149.6ft/s, RPK-74, RPKS-74)
有効射程 100-1,000m
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RPKロシア語РПКエルペカーручной пулемёт Калашниковаルチノーイ・プリミョート・カラーシニカヴァの略・「カラシニコフの手持ち機関銃」の意)(GRAU:6P2)は、RPD軽機関銃の後継分隊支援火器として、1961年ソビエト連邦軍が制式採用した軽機関銃アサルトライフルであるAKMを発展させた軽機関銃である。

概要

第二次世界大戦後に発足したNATO(北大西洋条約機構)加盟諸国では、歩兵の装備する小火器自動小銃短機関銃汎用機関銃で構成する道を選んだが、ソ連は、分隊AK-47分隊支援火器を配備し、中隊に汎用機関銃を置く道を選び、第一世代の分隊支援火器としてRPDを採用していた。

しかし、RPDの弾薬はAK-47と共通だが、部品の互換性がなかったため調達上の効率が阻害されていた他、給弾方式がベルトリンク式であるため、部隊ではAKの弾倉が使用できないことに不満が出ていた。そのため、主用アサルトライフルであったAKMをベースとした軽機関銃の開発が計画され、RPKが開発された。

構造

RPKの内部構造はAKMとほとんど同一で、弾丸の初速を増大させて射程を延長するため銃身長が通常のAKMより長く、また、フルオート連射により銃身が加熱し反ることによる命中率の低下を防ぐためと、フルオート連射時の反動を抑えやすくするために肉厚の銃身を装備している。銃身はAKと同様に機関部に固定されているため交換できない。銃本体のレシーバーはAKMと同様に鋼板のプレス加工によって製造されているが、鋼板の厚みはAKMの1mmから1.5mmに強化されている。他に、レシーバー前方に強化リブがある、マガジン装着部上部に窪みがない[注 1]など、AKMとは異なる部分がある。照門には左右微調整機能が追加された。

AKMをベースとしているが、グリップやトップカバー、デッキロックはAK-47と同型であるなど、AK-47とAKM両方の仕様が入り混じった構成である。これはAK-47からAKMへの更新の過渡期に製造開始されたため[要出典]である。ただし、製造が開始された1960年から1962年頃に掛けて製造されたものは、グリップやトップカバーがAKMと同型の構成であり、デッキロックはAK-47とAKM両方の仕様がある[1]

また、銃口部下方にプレス加工による軽量の折りたたみ式二脚(バイポッド)を追加してある。これに伴い、銃床は伏射時に片手を添えて肩付保持するのに適した大型のものに変更された。初期製造品の二脚は起倒するだけだったが、中期からは首振り機構が追加され、後継のRPK-74では二脚の可動域がさらに大きくなった。AKと共通の30発弾倉の他、それを長くした40発の弾倉、75発のドラム型弾倉などが開発され、供給された。

バリエーション

RPK

75発ドラム型弾倉を装着したRPK

使用する弾倉は、AKMの30発バナナ型弾倉、40発バナナ型弾倉、75発ドラム型弾倉などがある。しばしば「100連ドラム型弾倉は存在しない」とされるが、ノリンコによって製造されたものが存在する。AKMと部品の交換性を達成してAKの弾倉が使用できなかった問題をクリアした他、取扱法も統一されたため兵員の訓練にかかる手間も大きく減少した。その後、ソビエト連邦軍のみならず、多くの東側諸国に輸出され、第三世界にも広がるなど世界中で使用された。

RPKS

空挺部隊向けに折りたたみ式銃床を装備したRPK。(GRAU:6P8)

RPKN

暗視装置を装着するためのマウントプレートがレシーバー左側面に付属した、RPKの夜間戦闘型。(GRAU:6P2N)

RPKSN

空挺部隊向けに折りたたみ式銃床を装備したRPKN。(6P8N)

RPK-74

6L18を装着したRPKS-74

1970年代小口径5.45x39mm弾を使用するAK-74が制式採用されると、AK-74と同一の弾丸を使用するRPK-74(GRAU:6P18)が新たに登場した。RPKからは、銃口フラッシュサプレッサーが装着され、レシーバーカバーにリブが加えられるなどの改良がなされている。弾倉はAK-74用の6L20と呼ばれる30発箱型弾倉か、延長型の6L18という45発箱型弾倉がある。旧来のようなドラム型弾倉は開発時にテストされたが、最終的には採用されなかった。しかし、RPKのものを5.45x39mm用にコンバートしたサードパーティ製品が複数存在する。ほかにも、6L31と呼ばれる弾倉内部でダブルカラムを二つ並べて、その頂点で二個のマガジンフォロアーが合流するという、非常に珍しい構造を持った60発複々列式箱型弾倉も存在する。

初期に生産されたものはAK-74に準じて、合板のストックとハンドガード、赤茶色のベークライト製グリップに、AG-4S[2]と呼ばれるオレンジ色のガラス繊維強化フェノール樹脂製弾倉を採用していた[注 2]1980年代に入って生産された後期型は、ストックやハンドガード、グリップ、弾倉が、新素材である焦茶色(プラム・カラー)に染色されたPA6-211-DS[3][4]と呼ばれるガラス繊維強化ポリアミド樹脂製に改良され、弾倉の形状もリブの数を大幅に増やした新型となった。

また、RPK-74はBMD-3歩兵戦闘車に、自衛用火器として1挺搭載されている。

RPK-74N

暗視装置を装着するためのマウントプレートがレシーバー左側面に付属した、RPK-74の夜間戦闘型。(GRAU:6P18N)

USP-1を装備したモデルはRPK-74P(GARU:6P18P)と呼ばれ、NSPUを装備したモデルはRPK-74N1(GARU:6P18N1)と呼ばれ、NSPUMを装備したモデルはRPK-74N2(GARU:6P18N2)と呼ばれる。

RPKS-74

空挺部隊向けに折りたたみ式銃床を装備したRPK-74。(GRAU:6P19)

RPKS-74N

暗視装置を装着するためのマウントプレートがレシーバー左側面に付属した、RPKS-74の夜間戦闘型。(GRAU:6P19N)

USP-1を装備したモデルはRPKS-74P(GARU:6P19P)と呼ばれ、NSPUを装備したモデルはRPKS-74N1(GARU:6P19N1)と呼ばれ、NSPUMを装備したモデルはRPKS-74N2(GARU:6P19N2)と呼ばれ、NSPU-3を装備したモデルはRPKS-74N3(GARU:6P19N3)と呼ばれる。

RPK-74M

BMD-3の車上でRPK-74Mを構える、ロシア連邦刑執行庁特殊部隊『サトゥルン』の隊員

RPK-74M(GARU:6P39)は、RPK-74の改良型であり、AK-74M分隊支援火器仕様である。ストックが折り畳み式となり、銃床右側の本体付近にスイベルリングが存在する。ハンドガードとグリップの形状はRPK-74後期型と同じである。プラスチック部品の成型色が、RPK-74後期型のPA6-211-DSポリマーから黒色のポリマーに変更された。

また、RPK-74MはBMD-3およびBMD-4歩兵戦闘車に、自衛用火器として1挺搭載されている。

RPK-201

RPK-201(GARU:6P55)は、AK-101に対応した分隊支援火器仕様である。RPK-74M同様、ハンドガードやストック、グリップにプラスチックを使い、プラスチック製の折りたたみ式銃床を標準装備し、銃床右側の本体付近にスイベルリングが存在する。RPK-201は5.56x45mm NATO弾に対応しているので、輸出向けモデルと見られる。

RPK-203

RPK-203(GARU:6P8M)は、AK-103に対応した分隊支援火器仕様である。おそらく輸出向けモデルである。RPK-74Mと変わらない仕様のものと、より人間工学に適応した形状のグリップとダストカバーにピカティニーレールを備えた改良型モデルが存在する。

RPK-16

96連ドラムマガジンとサプレッサーを備えたRPK-16。

RPK-16は、RPK-74Mをさらに近代化したもの。 ロシア軍におけるRPK-74の役割を引き継ぐことが期待されている[5]。これは、伝統的なカラシニコフのレイアウトとデザインに基づいており、AK-12プログラムから派生した新しい技術と人間工学的機能を備えている。

RPK-16は5.45×39mm弾薬を使用し、RPK-74の固定バイポッドの代わりにピカティニーレールに取り付けられた取り外し可能なバイポッドを装備する。

従来のカラシニコフガス式ロングストロークピストンシステム、取り外し可能なサプレッサー、レシーバーの上部にあるピカティニーレール、さまざまな光学機器/スコープを取り付けるためのピカティニーレール、ハンドガードの下部にあるバイポッドマウント、人間工学に基づいたピストルグリップ、折りたたみのバットストックを備える。銃身には2種類あり、550mm のロングバレル(軽機関銃としてのパーツ構成の場合)および370mmのショートバレル(アサルトライフルとしてのパーツ構成の場合)がある[6]。これら銃身を簡単に交換できる設計となっている。

戦闘重量は6kg、全長は1076mm、フルオート射撃時の連射レートは毎分700発、有効射程は800mで、96連ドラムマガジンを標準使用する[7]AK-74とRPK-74のマガジンとも互換性がある[8]

各国で生産されたRPK

以下、RPKやAKをベースにした軽機関銃

国名 名称 相当品、備考
中華人民共和国の旗 中国 56式分隊支援火器S-7型(56S-7式)
81式班用軽機槍
RPK
81式ベース
東ドイツの旗 東ドイツ LMG-K
LMG-K-74
ヴィーガーK500
RPK、RPK-74ベース
ユーゴスラビアの旗 ユーゴスラビア連邦共和国
セルビアの旗 セルビア
M72
M72A
M77B1(en
M82
M82A
RPK、ツァスタバ M70ベース
RPK、M72ベース、ストックAKMSタイプ
RPK、7.62x51mm弾仕様
RPK、5.56x45mm弾仕様
RPK、5.56x45mm弾仕様、ストックはAKMSタイプ
 ハンガリー RPK RPK
 ルーマニア PM md. 64
PM md. 89
M1993
PM md. 93
RPK
RPK-74、弾倉が金属製になっている。
同上、輸出向け
RPKS-74、PA md.86ベース、弾倉が金属製になっている。旧東ドイツ製の側面折畳ストックを装備
前述の各型の中には、フロントサイト基部の右側面にキャリングハンドルが付いた個体が存在する。
 ブルガリア アーセナル RPK-7
アーセナル RPK-5
LMG
RPK、AK-47ベース
5.56x45mm弾仕様RPK、AK-47ベース
イラクの旗 イラク アル・クズ ツァスタバ製M72のライセンス生産
 フィンランド ヴァルメ M78
M78A2
オリジナル
7.62x39mm弾仕様
7.62x51mm弾仕様、H&K G3の弾倉を使用
アルバニアの旗 アルバニア ASh-78-2 RPK、ASh-78-1ベース

画像

運用国

登場作品

RPK軽機関銃の登場作品を表示するには右の [表示] をクリックしてください。

映画・ドラマ

コマンドー
主人公、ジョン・メイトリックス大佐銃床ドラグノフ狙撃銃風に改造したバルメ M78を使用する。
ブラックホーク・ダウン
ソマリア民兵がツァスタバ M72を使用する。
ランボー/怒りの脱出
ベトナム河川海賊の見張りが樹上からバルメ M78を構えて警戒に当たる。
レッド・スコルピオン
『ロシア特殊部隊 スペツナズ』

漫画・アニメ

Angel Beats!
うぽって!!
擬人化されたRPKが登場。
『不死の猟犬』
リンが二丁持ちで使用。

ゲーム

ARMA 2
RPK-74が登場。
『Bullet Force』
MASSIVE ACTION GAME
RPK-74が「RTK-74」の名称でセイバーの武器として登場。
クロスファイア
パンデミック、ヒーローモード、アンデットモード(ゲームモード)で大活躍する。
コール オブ デューティシリーズ
CoD:BO
RPKが登場。ドットサイトドラムマガジン、IRスコープなどが搭載可能。
CoD:MWII
AKプラットフォームのLMGとして、75連ドラムマガジンを装着したモデルが登場。
バトルフィールドシリーズ
BF2
MEC援護兵でRPK-74を使用可能。
Project Reality(BF2)
ハマース自由シリア軍ターリバーンなどの民兵がRPKもしくは、RPK-74を装備している。また、ロシア連邦軍では1P29スコープを装着したRPK-74Mを装備している。
BFBC2V
RPKが登場。
BF3
RPK-74Mが登場。
BF4
RPK-74Mが登場。後のパッチで使用弾薬7.62x54mmR弾に変更され、それに伴って名称が「RPK」に変更された。
BFH
RPK・RPK-74が登場。
マーセナリーズ2 ワールド イン フレームス
「オートマチック式ライフル」という名称で登場する。ベネズエラ軍(ソラーノ軍)が使用する。
メタルギアソリッド ピースウォーカー
RPKが登場。開発するとドラムマガジンになる。
レッドクルシブル2
ドールズフロントライン
日本語版ではまだ未実装であるが、先行している中国版、韓国版の少女前線ではストーリー中盤から登場する特殊部隊、「叛逆小隊」の追加メンバーとしてRPK-16が星5戦術人形として登場する。

脚注

注釈

  1. ^ ルーマニア製やユーゴスラビア製などには、AKMと同じ形状の窪みがあるものも存在する。
  2. ^ ルーマニアなどではRPKのようなデザインの金属製弾倉を採用していた。
  3. ^ アーセナル社が製造するものを使用している(5.56mm NATO弾を使用するRPKも製造している)。

出典

  1. ^ Stott, Rob (2019). the AK47 catalog volume 8. pp. 50-54. ISBN 978-1798177693 
  2. ^ Прессматериалы АГ-4В, АГ-4С
  3. ^ Стеклонаполненный полиамид ПА6-211-ДС
  4. ^ Стеклонаполненный полиамид ПА6-211-ДС(МКС-21) высший сорт ГОСТ 17648-83
  5. ^ Sputnik. “Sniper Machinegun: Kalashnikov Unveils Universal Weapon for Special Forces” (英語). sputniknews.com. 2017年3月5日時点のオリジナルよりアーカイブ2017年3月14日閲覧。
  6. ^ Army 2016: Kalashnikov unveils RPK-16 LMG | IHS Jane's 360”. www.janes.com. 2017年3月15日時点のオリジナルよりアーカイブ2017年3月14日閲覧。
  7. ^ “RPK-16 light machine gun - Modern Firearms” (英語). Modern Firearms. (2016年9月1日). オリジナルの2018年6月24日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20180624074256/http://modernfirearms.net/en/machineguns/russia-machineguns/rpk-16-eng/ 2018年6月21日閲覧。 
  8. ^ Sputnik. “Sniper Machinegun: Kalashnikov Unveils Universal Weapon for Special Forces” (英語). sputniknews.com. 2017年3月5日時点のオリジナルよりアーカイブ2017年3月5日閲覧。

関連項目

外部リンク