ミツウロコプロビジョンズ
RICマート(リックマート)とは株式会社ミツウロコプロビジョンズが九州地区で展開するコンビニエンスストアである。本項では、同社によるその他の展開ブランドについても触れる。
概要
RICマートやRICはボランタリー・チェーン方式をとっており、ロイヤルティーが大手コンビニチェーンよりも低い。24時間営業・年中無休を強制しない方針で、深夜や土日祝日などには休業する店舗もある。また、パンや弁当を店で作っている店舗もある。
一時期は630店にまでなっており[広報 1]、2001年の店舗数は537店、2000年の売り上げは310億円と九州コンビニエンスシステムズ内のコンビニでは最も規模が大きかった[1]。しかしその後は店舗数の減少が目立ち、2006年11月には新たに10店舗を出店して230店舗体制にすることを経済誌で明らかにしている[2]が、2009年には193店にまで落ち込んでいる。
ミツウロコグループの傘下へ
2015年11月には、翌年4月に株式会社ファミリーマートがミツウロコグループへココストアリテールの全株式を売却することが決定、これと並行して2015年時点でココストアリテールが事業展開する食料品店や飲食店など約150店に、ファミリーマートの店舗と立地が重なるココストア系コンビニなど約250店を合わせ、株式会社ファミリーマートよりミツウロコグループへ譲渡することが発表された[3]。
2016年4月15日に予定通り全株式譲渡が実施されるとともに、ファミリーマートはココストア系全店舗約800店舗(ボランタリーチェーンを含む)のうち最大約380店舗を譲渡することとなった[4]。ココストアリテールはイズミックを中心としたMICSグループの会社であったが、同社が事業展開するコンビニ(RICマートを含む)、小売店などの一部を含めてミツウロコグループの傘下に入ることとなった。交渉の結果、ファミリーマートは同年8月26日にココストア・エブリワンの69店舗を10月1日付でココストアリテールに譲渡することを発表[広報 2][5]。さらにその後、譲渡の時期が12月10日に変更されるとともに、店舗数も30店舗に減少し[広報 3]、前述のココストア系コンビニの譲渡はこの30店舗に留まった。なお、株式会社ファミリーマートとミツウロコグループは包括提携契約を結んでいる[6]。
なお、長崎県五島列島地域などのように一部の店舗については運営会社の意向でファミリーマートやミツウロコのいずれにも属さず、ポプラなど、他のコンビニチェーン店に転換した店舗もあった[7]。
ココストアの関東、東海、近畿地方と沖縄県の店舗は「タックメイト」、同チェーンの九州地区とエブリワンの店舗は「RICストア」への屋号(ブランド)変更が同年9月より順次実施されることとなった[5][8]。この内沖縄県のタックメイトの店舗は転換から1年足らずで閉店している。ただし、同月下旬にはミツウロコグループが旧ココストアの一部店舗について"従来のココストアの名称"に戻す方針を表明したとする一部の報道も出ていた[9]が2021年時点では実現していない。
更に2017年から、地域に根ざした手作りの店というコンセプトで、新たにミツウロコグローサリー(MG)を展開している[10]。従来の焼き立てパンや手作り弁当といったサービスを継続させつつ、「おめで鯛焼き本舗」のサービスを新たに取り入れるなど、食に特化したブランドである。これはどの店舗も元タックメイト・RICストアからの転換店である。三重県の1号店を革切りに、東海3県・大分県・福岡県に7店舗を転換させた(2018年7月時点)。その後、福岡県・岐阜県・愛知県の店舗は閉店。
九州地方の店舗はポプラと提携した複合店であり[11]、「ポプラRIC」や「ポプラMG」の店舗で、ポプラのサービスも受けれるようになっていた。しかし、2021年にはヤマザキショップとの複合店に切り替わり、また新たに茨城県・熊本県に展開していった。
その後の結果、閉店や転換を行った事により、「RICストア」「ポプラRIC」「ポプラMG」の屋号は消滅した(但し、同社が営業する他の屋号は存続)。
株式会社ミツウロコプロビジョンズ
種類 | 株式会社 |
---|---|
市場情報 | 非上場 |
本店所在地 |
日本 東京都中央区京橋三丁目1番1号 |
設立 | 2001年5月 |
業種 | 小売業 |
法人番号 | 4090001010473 |
事業内容 | ショップ&レストラン事業 |
代表者 | 大森 基靖(代表取締役) |
資本金 | 6,500万円 |
従業員数 | 510名 |
決算期 | 3月末 |
主要株主 | 株式会社ミツウロコフーズ100% |
外部リンク | www.mitsuuroko-provisions.com |
当社はミツウロコグローサリー、RICおよびRICマート、RICストア、タックメイトといった直営とボランタリー・チェーン方式の小売店事業・コンビニ事業約150店[広報 4]の他、各種売店や食堂、愛知県にて和風カフェ「珈琲古今堂」1店舗(2019年4月時点)を展開している。
展開ブランド
小売店・コンビニ事業
- ヤマザキYショップMG(ヤマザキYショップとの複合店)
- ヤマザキショップ
- RIC[5]
- RICマート[5] - 24時間営業の強制などはないものの、比較的フランチャイズチェーン寄りのブランド。かつては収納代行サービスの取り扱いもしていた。
- Rショップ
- タックメイト(ココストアより屋号変更した店舗を含む)[5]
かつて展開していたブランド
- ミツウロコグローサリー(MG)-ミツウロコ譲渡後に誕生した新業態。
- RICストア -九州地区のココストア・エブリワン転換店用のブランド。本州・沖縄地区はタックメイトに転換された。
- ポプラ -ミツウロコグループはココストアリテールの譲渡を受ける以前よりポプラのフランチャイジーをしていた。その後一部の元ココストア店舗もポプラに転換。
- ポプラRIC
- ポプラMG(ヤマザキYショップMGに転換)
- 生活彩家(田川市立病院店、ヤマザキショップに転換)
カフェ事業
- 珈琲古今堂
運営している店舗
- ヤマザキYショップMG 辻久保店(熊本県) ココストアからの転換店
- ヤマザキYショップMG 大空団地店(大分県) エブリワンからの転換店
- ヤマザキYショップMG 荘園店(大分県) エブリワンからの転換店
- ヤマザキYショップMG 桑名木曽三川公園店(三重県) ココストアからの転換店
- ヤマザキYショップMG 水戸鯉淵店(茨城県) ココストアからの転換店[12]
- タックメイト 松屋店 ココストアからの転換店
沿革
ミツウロコグローサリー
- 1984年
- 1992年4月 - リョーユーパン子会社のコンビニエンス事業会社として、株式会社リョーユーチェーンサポートシステム設立。
- 1998年9月 - 熊本県にRICマートの第1号店がオープン。
- 1999年11月 - 株式会社コトブキヤ・コンビニエンスシステムズ(後のココストアウエスト)と九州地域スパー本部株式会社と共に九州コンビニエンスシステムズを設立、同社の子会社となる。
- 2000年
- 2001年6月 - 親会社の九州コンビニエンスシステムズがココストア傘下になった[14]。
- 2006年6月 - 九州コンビニエンスシステムズが吸収合併されたことに伴い、株式会社ココストアの子会社となった。
- 2009年11月 - 株式会社ココストアリテールに商号変更。
- 2010年9月1日 - ミニストップと業務提携し、ココストア・エブリワンと共に九州地区で商品開発・調達を開始した[広報 5]。
- 2012年6月1日 - ココストアがイズミックよりボランタリー・チェーンのタックメイト事業を譲り受けた[15]。
- 2015年
- 2016年
- 2017年
- 2019年1月22日 - ミツウロコGHDは、同年3月1日に株式会社ミツウロコプロビジョンズが当社を吸収合併することを取締役会にて決議[広報 4]。
ミツウロコプロビジョンズ
- 2001年5月 - 有限会社富士清水(ふじせいすい)として設立。
- 2005年2月 - 株式会社ミツウロコ(後のミツウロコグループホールディングス)の資本参加を受け、株式会社富士清水に商号変更。
- 2012年4月 - 株式会社ミツウロコビバレッジに商号変更(株式会社ミツウロコの完全子会社)。
- 2016年4月 - 吸収分割により看板商品であるミネラルウォーター「富士清水」を含めた飲料事業を勝水株式会社(後の株式会社ミツウロコビバレッジ〈2代〉)に承継し、株式会社ミツウロコプロビジョンズに商号変更。またココストアリテール(現・ミツウロコグローサリー)を完全子会社とした。
- 2019年
- 2021年3月 - ミツウロコグローサリー・ポプラMG・ポプラRIC・ポプラ・RICストアが閉店ないしヤマザキYショップMGに転換。
脚注
- ^ BUSINESS ANGLE「コンビニの常識を破る新型店が好調」 財界九州、2007年11月17日時点でのオリジナルよりアーカイブ
- ^ ふくおか経済 2006年11月1日号 やまかさ
- ^ ファミマ、ココストア系コンビニ250店売却 経営資源集中(日本経済新聞 2015年11月30日)
- ^ “【ファミマ】 ココストアリテール売却で正式合意、ミツウロコと”. ダイヤモンド・リテイルメディアオンライン. (2016年2月22日)
- ^ a b c d e “ミツウロコHD/ファミリーマートから九州の69店を承継”. 流通ニュース (流通ニュース). (2016年8月25日) 2019年9月3日閲覧。
- ^ “ファミリーマート/ココストアリテールの店舗をミツウロコHDに譲渡”. 流通ニュース (流通ニュース). (2016年2月18日) 2019年9月3日閲覧。
- ^ “「五島列島コンビニ史」 99年、県内離島初“24時間”店 10年代ATM新設で利便性向上”. 長崎新聞 (2021年2月18日). 2023年4月23日閲覧。
- ^ “ミツウロコグループHD、子会社がファミリーマートより69店舗を承継”. M&Aタイムス (KSG、トラフィックラボ). (2016年8月26日) 2019年9月3日閲覧。
- ^ “名古屋発祥コンビニ「ココストア」の一部店舗が復活”. まいじつ. (2016年9月24日) 2016年12月30日閲覧。
- ^ “MG第1号店 桑名木曽三川公園店グランドオープンのお知らせ”. ミツウロコプロビジョンズ. 2021年3月7日閲覧。
- ^ “RICストア(旧エブリワン、ココストア)、残存店舗を整理してポプラグループと提携 | 都市商業研究所”. 2021年3月7日閲覧。
- ^ ココストアから転換された際、ミツウロコプロビジョンズがポプラグループと提携していたため一時的にポプラのFCとなっていた
- ^ “ココストアがKCSなどと業務提携、大手に対抗”. 日本食糧新聞 (日本食糧新聞社). (2000年6月23日) 2023年4月23日閲覧。
- ^ “ココストア、壽屋CVSを完全傘下に、グループ総店舗2200店でCVS界7位へ”. 日本食糧新聞 (日本食糧新聞社). (2001年6月22日) 2023年4月23日閲覧。
- ^ “ココストアが宅配コンビニ事業譲受”. 中部経済新聞 (中部経済新聞社). (2012年3月9日). オリジナルの2016年3月18日時点におけるアーカイブ。 2019年9月3日閲覧。
- ^ “コンビニ再編が加速 ファミマがココストア買収”. 日本経済新聞 (日本経済新聞社). (2015年3月13日) 2019年9月3日閲覧。
- ^ “ファミマ、ココストアの全株式取得 12月に吸収合併へ”. 日本経済新聞 (日本経済新聞社). (2015年10月1日) 2019年9月3日閲覧。
- ^ “ミツウロコ/レストラン子会社とコンビニ運営子会社を合併”. 流通ニュース (流通ニュース). (2019年1月23日) 2019年9月3日閲覧。
広報・プレスリリースなど一次資料
- ^ リョーユーパン歩み
- ^ 『株式会社ココストアリテールと株式会社ファミリーマートの吸収分割契約締結に関するお知らせ』(PDF)(プレスリリース)株式会社ミツウロコグループホールディングス、2016年8月25日 。2016年9月9日閲覧。
- ^ 『株式会社ココストアリテールと株式会社ファミリーマートの吸収分割契約締結に関するお知らせ』(PDF)(プレスリリース)株式会社ミツウロコグループホールディングス、2016年10月31日 。2016年10月31日閲覧。
- ^ a b 『子会社(孫会社)の組織再編に関するお知らせ』(PDF)(プレスリリース)株式会社ミツウロコグループホールディングス、2019年1月22日 。2019年1月31日閲覧。
- ^ ミニストップ 2011年2月期 第2四半期 決算発表会
- ^ 業務提携解消に関するお知らせ
- ^ 『株式会社ココストアリテールの株式譲渡に関する基本合意書締結に関するお知らせ』(PDF)(プレスリリース)株式会社ファミリーマート、2015年11月30日 。2016年9月19日閲覧。
- ^ 『株式会社ファミリーマート等との包括提携契約及び株式会社ココストアリテールに関する株式譲渡契約締結のお知らせ』(PDF)(プレスリリース)株式会社ミツウロコグループホールディングス、2016年2月18日 。2016年9月19日閲覧。
- ^ グローサリー(MG mitsuuroko grocery)事業開始のお知らせ株式会社ミツウロコグループホールディングス(2016年12月14日)
- ^ 孫会社の商号変更及び本店所在地移転に関するお知らせ株式会社ミツウロコグループホールディングス(2017年3月31日)
- ^ MG第1号店 桑名木曽三川公園店グランドオープンのお知らせ(ミツウロコグローサリー、2017年10月5日) (PDF)
- ^ 『当社連結子会社による事業譲受に関するお知らせ』(プレスリリース)シダックス株式会社 。