黒い家

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黒い家
著者 貴志祐介
発行日 1997年6月27日
発行元 角川書店
ジャンル ホラー小説
日本の旗 日本
言語 日本語
形態 上製本
ページ数 365
コード ISBN 4041979021(文庫版)
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黒い家』(くろいいえ)は、貴志祐介による日本ホラー小説ホラー漫画及びそれを原作とした日本と韓国ホラー映画。第4回日本ホラー小説大賞受賞作。

概要[編集]

保険金殺人がテーマとなっており、本作品の発表翌年に発生した和歌山毒物カレー事件と内容が酷似していることで話題となった。

書評家の西上心太は、超能力や妖怪などの超自然的存在を利用せずに血も凍る恐怖を描くことに成功した、と評している[1]

1999年には、森田芳光監督内野聖陽大竹しのぶ主演で映画化された。2007年には韓国でリメイク版が制作された。

あらすじ[編集]

大手生命保険会社「昭和生命」の京都支社で保険金の査定業務を担当する主人公・若槻慎二は、保険加入者である菰田重徳からの呼び出しにより菰田家を訪問するが、そこで菰田家の子供(妻の連れ子)が首を吊った状態で死亡しているのを発見してしまう。

事件の疑いが濃厚な事案であったことに加え、菰田家には以前にも自傷とも疑われる不可解な保険金請求があったことから、昭和生命は保険金の支払いを保留していたが、重徳は執拗に支払いを求める。疑念を抱いた若槻は、一連の事件の首謀者を重徳と推測し、妻の幸子宛に注意を促す匿名の手紙を送ってしまう。

そこから、若槻自身とその周囲の生命が脅かされる、恐怖の日々が始まった。まず、若槻の恋人である恵が勤務する大学の研究室の心理学助教授、金石がプロファイリングによって菰田夫妻はサイコパスだと判断を下した矢先に、金石が惨殺された。

刊行情報[編集]

小説[編集]

漫画[編集]

映画[編集]

日本版 (1999)[編集]

黒い家
監督 森田芳光
脚本 大森寿美男
製作 柘植靖司
三沢和子
山本勉
製作総指揮 原正人
角川歴彦
大谷信義
出演者 内野聖陽
大竹しのぶ
西村雅彦
音楽 山崎哲雄
主題歌 m-flochronopsychology
撮影 北信康
編集 田中愼二
配給 松竹
公開 日本の旗 1999年11月13日
上映時間 118分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
配給収入 1億5000万円[2]
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1999年11月13日松竹配給で公開。原作者の貴志が営業マン役で出演している。角川ホラー文庫のシナリオ集「映画版黒い家」では山崎まさよしの役名を当てるクイズキャンペーンが行われた。

スタッフ[編集]

キャスト[編集]

保険会社「昭和生命」で働く査定や保全担当の会社員。真面目だが気弱な性格で、話し方も大人しい。趣味は水泳だが、泳ぎ方にクセがありしぶきが隣のレーンの人にかかるぐらい立つ。
常に夢うつつのような個性的な話し方が特徴。重徳とは再婚。
趣味はボウリング。黄色が好きで、作中では普段着ている服や水着、サングラスのフレームなどに黄色いものを取り入れており、ボウリング場で使うボールも黄色である。
過去に障害給付金を取るために自分で自分の指を切断する「指狩り族」として保険に加入していた。
実は小学校は幸子や大西光代と同じ。小学6年生の時の遠足で同じ学年の女の子が池で亡くなった事件があり、重徳が好意を寄せていたことから、彼女を殺した疑いがかけられたことがある。
若槻の恋人。大学で働いおり、同じ大学の助教授である金石については人にレッテルを張るようなものの見方をすることに抵抗があると評している。
若槻の直属の上司。ベテラン職員で知識も経験も豊富であり、様々な保険加入者のクレームや難癖をなんとか穏便に対処する。
金沢中警察署の刑事。怪我のせいか詳しくは不明だが、右足を引きずって歩いている。金石の遺体の身元確認で、遺体が若槻の名刺を持っていたため引きあわせた。
普段は穏やかな口調だが、どこか凄みのある人物。葛西によると実は元極道関係の人で結婚を機に辞めて、保険会社に転職したとのこと。
  • 金石克己:桂憲一
犯罪心理学が専門の助教授。怪しげな雰囲気を持つ人物。重徳(名前は伏せた状態)の小学生の時の作文を読むなどして「情勢欠如ではないか」と判断した。
昭和生命の保険加入者。昭和生命の1回の入院給付金の限度日数が120日で、ちょうど120日ごとに病名を変えて入院を続けている。作中では診断している病院もグルで、角藤は給付金をもらって入院しており、昼間はいつもパチンコに行っているとされる。
幸子と重徳の小学5年生の時の担任教師。幸子については目立たない性格ということもあり「あまり良く覚えていない」、重徳については「色々と問題のある子だった」と語っている。
国語力をつけさせるため、作文が苦手な子でも個性的な文章が書けるという理由で自身が担当を受け持ったクラスの児童に「夢(昨夜見た夢など」について作文を書かせている。
元保険外交員。幸子とは同じ小学校の同級生だが、それほど仲が良かったわけではない。務めていた保険会社のノルマもあり、偶然再会した幸子に保険を薦めた。
重徳が働いている工場での事故により腕を切断した時の様子などを若槻に説明した。
  • 菰田和也:針谷俊
幸子の連れ子。両親によって保険にかけられていたが、自宅で縊死した。死体発見者は若槻であるが、保険を受け取るために殺された疑いを持って若槻が調査を始める。
  • 高倉嘉子:西美子
  • 守衛:荒谷清水
保険会社「昭和生命」の建物を見まわっている警備員。作中では夜に会社内を見まわっており、時々残業をしている若槻に声をかけている。

キャッチコピー[編集]

  • この人間には心がない

韓国版 (2007)[編集]

黒い家
검은 집
監督 シン・テラ
脚本 イ・ヨンジョン
出演者 ファン・ジョンミン
カン・シニル
ユソン
キム・ソヒョン
音楽 チェ・スンヒョン
撮影 チェ・ジュヨン
編集 ナム・ナヨン
配給 角川映画
公開 韓国の旗 2007年6月21日
日本の旗 2008年4月5日
上映時間 104分
製作国 韓国の旗 韓国
言語 韓国語
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黒い家
各種表記
ハングル 검은집
漢字
発音 コムンジプ
英題: Black House
(Geom-eun Gip)[3]
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韓国では2007年6月21日公開。ホラー映画史上では最多の353館で公開され、公開2週目で観客動員数100万人を記録した。日本では2008年4月5日角川映画の配給で公開。R-15指定。

2007年10月、東京国際映画祭で特別招待作品として上映された。

あらすじ[編集]

トンプ保険会社査定員のチョン・ジュノは、シン・イファに名乗る女から自殺の場合の保険金が下りるかという奇妙な電話を受ける。数日後、チョンジン(清津)洞のパク・チュンベの家で彼の息子パク・ポフンが首吊り自殺しているのをチュンベの目前で目撃させられてしまう。その後、チュンベと再婚したイファによるしつこく異常な保険金催促が始まった。

スタッフ[編集]

  • 監督:シン・テラ
  • 撮影:チェ・ジュヨン
  • 脚本:イ・ヨンゾン
  • 美術:チョ・ファソン
  • 編集:ナム・ナヨン
  • 音楽:チェ・スンヒョン
  • 脚色:キム・ソンホ
  • 照明:イ・ソンジェ

キャスト[編集]

  • チョン・ジュノ(トンプ保険会社査定員):ファン・ジョンミン、チェ・スハン(幼少期)
  • パク・チュンベ:カン・シニル、シン・ジェフン(幼少期)
  • シン・イファ(チュンベの妻):ユソン、ペ・ソヨン(幼少期)
  • チャン・ミナ:キム・ソヒョン
  • ナム・サンス課長:キム・ジョンソク
  • マ・ヨンシク:ユ・スンモク
  • オ刑事:チョン・インギ
  • ハン・スン:ギュイ・ヘヨン
  • キム・テヨン:キム・ジュヒ
  • キム刑事:イ・ギョンフン
  • コ・ミジャ(トンプ保険女性職員):カン・ムニ
  • カン・ギテ(入院患者):イ・チャニョン
  • 女教頭(チュンベ・イファの卒業小学校教師):イ・ジュシル
  • イ・ホンヨン(ラストの少女):ペ・ソヨン
  • パク・ポフン(チュンベの息子):キム・ヒス
  • 悲鳴をあげる少女:クォン・スヒョン
  • ジュンソク:キム・ミンソン
  • ホンヨンの母:キム・ヨンソン
  • リポーター:キム・ヨンピル

出典[編集]

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  1. ^ 池上冬樹編『ミステリ・ベスト201日本編』新書館(MYSTERY HANDBOOK) 、1997年 ISBN 4403250297(ISBN-13 978-4403250293)
  2. ^ 大高宏雄 『日本映画逆転のシナリオ』 WAVE出版、2000年4月24日、224頁。ISBN 978-4-87290-073-6
  3. ^ 검은집 (黒い家) KMDb 2011年8月4日閲覧。

外部リンク[編集]

日本版[編集]

韓国版[編集]