長都駅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
長都駅
西口 手前が駅構外に設けられた待合室「長都駅前広場待合室」(2017年5月)
おさつ
Osatsu
(キリンビール北海道千歳工場前)
H13 千歳 (3.5 km)
地図
所在地 北海道千歳市上長都922
北緯42度51分6.72秒 東経141度37分23.02秒 / 北緯42.8518667度 東経141.6230611度 / 42.8518667; 141.6230611座標: 北緯42度51分6.72秒 東経141度37分23.02秒 / 北緯42.8518667度 東経141.6230611度 / 42.8518667; 141.6230611
駅番号 H12
所属事業者 北海道旅客鉄道(JR北海道)
所属路線 千歳線
電報略号 オツ
駅構造 地上駅
ホーム 2面2線
乗降人員
-統計年度-
2,296人/日
-2014年-
開業年月日 1958年昭和33年)7月1日[1]
備考 無人駅
テンプレートを表示
東口駅舎(2017年5月)

長都駅(おさつえき)は、北海道千歳市上長都にある、北海道旅客鉄道(JR北海道)千歳線駅番号H12電報略号オツ副駅名は「キリンビール北海道千歳工場前[2]事務管理コードは▲131409[3]

歴史[編集]

1976年の長都駅と周囲約750m範囲。左上が札幌方面。簡易型の長さ60m程度の短い相対式ホーム2面2線。この頃の周囲にはまだ工場があるだけで現在のような住宅地は整備されておらず、付近の道路から上りホーム南東端への通路とホーム連絡用構内踏切しかない。その後下りホームへも千歳側に見える踏切からの通路が作られた。通路脇に待合室が設置されている。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成

第二次世界大戦後、1946年(昭和21年)から翌年にかけ、千歳町(当時)長都地区では入植が行われ、その後の緊急入植などもあり、同地区の人口は激増した[4]

このため地元住民と町から国鉄に対し設置の請願が行われ、開業することになった[4]

年表[編集]

  • 1953年昭和28年)
    • 地元住民による「長都駅設置期成同盟」が千歳町を通じ、札幌鉄道管理局に長都駅(仮称)の設置を請願[4]
  • 1957年(昭和32年)
    • 12月3日:設置期成同盟と町関係者らが札幌鉄道管理局に出向き、設置工事における住民の労力奉仕と、工費(104万円)のうちの7割を千歳町が負担することを約束[4]
  • 1958年(昭和33年)
    • 3月1日:正式な開業に先行して仮乗降場として設置[4]
    • 7月1日日本国有鉄道千歳線の駅として開業[1][4]。旅客のみ取り扱い[1]
      • この時点では、60 m 級1面1線のホームがあるのみ(待合室無し)の駅であった[4]
      • また、停車列車も普通列車上下各13本中、札幌方面5本、千歳方面6本のみに限られていた[4]
    • 7月3日:開業日に千歳町が市制施行しその記念式典を実施していため、開業式に替えて落成式を同日実施[4]
  • 1965年(昭和40年)9月27日:千歳駅 - 恵庭駅間複線供用開始により、下りホームが増設されて、相対式ホームとなる[4]
  • 1970年(昭和45年)頃:千歳・苫小牧方面ホーム(現:1番線)入口側(東口)に地元住民がブロック造2畳ほどのの待合室を設置[5]
  • 1977年(昭和52年)6月:北海道千歳北陽高等学校通学生の利便を図って、札幌方面ホーム(現:2番線)入口側(西口)にブロック造28平米のトイレ付待合室を設置[5]
  • 1987年(昭和62年)4月1日国鉄分割民営化によりJR北海道に継承[6]
  • 1989年平成元年)11月4日:西口側の駅構外に駅機能を持たない鉄骨造平屋112平米のトイレ付待合室「長都駅前広場待合室」が、地元企業の今村商店(現:北潤ボトリング、セイコーマートグループ企業[7])から寄贈され竣工する[8]
  • 1991年(平成3年):同年千歳市により長都駅前広場整備計画が策定される[8]。また、同年頃上りホーム待合室が撤去される[8]
  • 1992年(平成4年)
    • 6月:同年7月1日新千歳空港駅開業に合わせホームが6両編成対応に延長される[8]
    • 12月:同月までに駅前広場整備計画の一環で先行して西口広場の整備を完了[8]
  • 1993年(平成5年)
    • 8月27日:千歳市により跨線橋の建設に着手[8]
  • 1994年(平成6年)12月17日:跨線橋「おさつスカイロード」開通式を挙行[8]
  • 1996年(平成8年)10月:「おさつスカイロード」から各ホームへの乗換通路を同年12月にかけ設置[8]
  • 1999年(平成11年)
    • 7月16日:自動改札機を設置し、供用開始[9]
    • 8月:JR北海道による簡易駅舎が西口・東口の「おさつスカイロード」からの乗換通路を取り込む形で完成[8]
  • 2008年(平成20年)10月25日ICカードKitaca」使用開始[6]
  • 2018年(平成30年)10月:東口ロータリー整備工事に着手[8]
    • 市民の反対により広場用地が残された道路(鉄北通)によって分断されていた状態を解消した。
  • 2019年令和元年)8月1日:副駅名称を麒麟麦酒が購入し、「キリンビール北海道千歳工場前」の副駅名称を制定[2]
  • 2021年(令和3年)
    • 3月:「札幌圏無人駅案内システム」(液晶画面で列車の発着情報などを案内)設置[10]
    • 11月:ホームの端にCPライン(赤色の線で注意喚起を図る)を整備[10]
  • 2023年令和5年)JR北海道により、長都駅2番線(下り:札幌方面)のホーム拡幅工事が開始される。翌年、工事完了。[11]

駅名の由来[編集]

当駅の所在する地名より。アイヌ語の「オサッナイ[注釈 1]」(川尻・乾く・川)に字を当てたものである[12]。かつての長都川の姿を表しているとされる。

駅構造[編集]

2面2線の相対式ホームをもつ地上駅。待合施設としては、長らく2番線(札幌方面)ホームに面した西口構外に待合室「長都駅前広場待合室」があるのみで、これが事実上の駅舎となっていたが、1999年(平成11年)に西口・東口の双方に、自由通路「おさつスカイロード」に連なる形で簡易な駅舎が設けられている[8]

また、双方のホームは長らく千歳方の踏切でのみ連絡していたが、1994年(平成6年)に完成した東西自由通路を兼ねる跨線橋「おさつスカイロード」によっても結ばれている[8]

千歳駅管理の無人駅。簡易自動券売機・簡易自動改札機(Kitaca・磁気券ともに対応)設置。

のりば[編集]

番線 路線 方向 行先
1 千歳線 上り 千歳苫小牧方面[13]
2 下り 札幌手稲方面[13]

利用状況[編集]

千歳市によると、1998年の1日平均乗車人員は587人。2014年の1日平均乗車人員は1,148人、乗降人員は2,296人。

JR北海道内の駅別乗車人員(2014年)で無人駅としては3番目に利用者が多い駅となっている。

1日の平均乗降人員は以下の通りである[14]

乗降人員推移
年度 1日平均人数
2011 2,182
2012 2,192
2013 2,294
2014 2,296

駅周辺[編集]

西側は工場地帯、東側は住宅街になっている。

隣の駅[編集]

北海道旅客鉄道(JR北海道)
千歳線
特別快速「エアポート」・快速「エアポート
通過
区間快速「エアポート」
千歳駅 (H13) - 長都駅 (H12) - *サッポロビール庭園駅 (H11)
普通
千歳駅 (H13) - 長都駅 (H12) - *サッポロビール庭園駅 (H11) - 恵庭駅 (H10)
*:一部の普通列車は、サッポロビール庭園駅を通過する。

脚注[編集]

注釈[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b c 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 II』(初版)JTB、1998年10月1日、836頁。ISBN 978-4-533-02980-6 
  2. ^ a b JR北海道で初となる「副駅名称」を恵庭駅、長都駅の2駅に設置します!』(PDF)(プレスリリース)北海道旅客鉄道、2019年7月11日。 オリジナルの2019年7月11日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20190711051215/http://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20190711_KO_hukuekimei.pdf2019年7月11日閲覧 
  3. ^ 日本国有鉄道営業局総務課 編『停車場一覧 昭和41年3月現在』日本国有鉄道、1966年、221頁。doi:10.11501/1873236https://doi.org/10.11501/18732362022年12月10日閲覧 
  4. ^ a b c d e f g h i j 千歳市史編さん委員会 編『新千歳市史 通史編 下巻』千歳市史編さん委員会、2019年3月28日、424-425頁https://dl.ndl.go.jp/pid/11517141/1/72023年11月14日閲覧 
  5. ^ a b 千歳市史編さん委員会 編『新千歳市史 通史編 下巻』千歳市史編さん委員会、2019年3月28日、424-425頁https://dl.ndl.go.jp/pid/11517141/1/72023年11月14日閲覧 
  6. ^ a b 曽根悟(監修) 著、朝日新聞出版分冊百科編集部 編『週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR』 24号 石勝線・千歳線・札沼線、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2009年12月27日、21頁。 
  7. ^ 会社概要 | 株式会社 北潤ボトリング”. www.hokujun.co.jp. 2023年11月15日閲覧。
  8. ^ a b c d e f g h i j k l 千歳市史編さん委員会 編『新千歳市史 通史編 下巻』千歳市史編さん委員会、2019年3月28日、441頁https://dl.ndl.go.jp/pid/11517141/1/72023年11月14日閲覧 
  9. ^ 「JR年表」『JR気動車客車編成表 '00年版』ジェー・アール・アール、2000年7月1日、184頁。ISBN 4-88283-121-X 
  10. ^ a b 駅について|お客様満足(CS)の向上を目指した取り組み”. 北海道旅客鉄道. 2023年11月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年11月15日閲覧。
  11. ^ JR北海道グループ経営改善に関する取り組み【2023年度 KPIの設定】(PDF)”. 北海道旅客鉄道. 2024年2月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年2月11日閲覧。
  12. ^ アイヌ語地名リスト エン~オニシ P21-30P” (PDF). アイヌ語地名リスト. 北海道 環境生活部 アイヌ政策推進室 (2007年). 2014年1月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年10月20日閲覧。
  13. ^ a b 長都|駅の情報検索(時刻表・バリアフリー)|駅・鉄道・旅行|JR北海道- Hokkaido Railway Company”. 北海道旅客鉄道. 2020年4月13日閲覧。
  14. ^ 国土数値情報 駅別乗降客数データ - 国土交通省、2020年9月24日閲覧
  15. ^ ちとせバスマップ” (PDF). 千歳市. 2019年5月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年5月31日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]