速水融

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速水 融
生誕 (1929-10-22) 1929年10月22日(87歳)
国籍 日本
研究機関 (機関)国際日本文化研究センター
研究分野 歴史人口学
母校 慶應義塾大学学士修士博士
影響を
与えた人物
斎藤修鬼頭宏友部謙一黒須里美田代和生
実績 日本における歴史人口学の導入、勤勉革命
受賞 紫綬褒章1994年
日本学士院賞1995年
文化功労者2000年
勲二等旭日重光章2003年
文化勲章2009年
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速水 融(はやみ あきら、1929年10月22日 - )は、日本経済学者国際日本文化研究センター名誉教授慶應義塾大学名誉教授、麗澤大学名誉教授。経済学博士歴史人口学日本経済史専攻。文化勲章受章者。日本に歴史人口学を導入したことで知られる。また「勤勉革命」を唱え、世界における勤勉革命論のきっかけを作った。英文著作も刊行している。

来歴・人物[編集]

東京府豊多摩郡高円寺出身、東京都杉並区在住。東京府立一中を経て、1950年(昭和25年)に慶應義塾大学経済学部を卒業。1966年(昭和41年)に、同大学にて「初期検地帳の研究」で経済学博士号を取得する。

日本常民文化研究所研究員として江戸時代の漁業史を研究し、1953年(昭和28年)に慶應義塾大学助手、助教授を経て、1967年(昭和42年)に教授、1989年(平成元年)に同大学を退職する。国際日本文化研究センター教授、1995年(平成7年)、麗澤大学国際経済学部教授、2005年(平成17年)に退職する。斎藤修鬼頭宏友部謙一黒須里美田代和生などの弟子を育てた。「武士の家計簿」の著者としても知られる磯田道史は田代和生の弟子に当たり、速水からも学んだ。近年は江戸時代を離れ大正期について研究を続けている。

1994年(平成6年)に紫綬褒章1995年(平成7年)に日本学士院賞2000年(平成12年)に文化功労者、翌年に学士院会員2003年(平成15年)に学術会議会員、勲二等旭日重光章2009年(平成21年)に文化勲章2010年(平成22年)に杉並区名誉区民。他に慶應義塾福沢賞など。

府立一中時代の同級生には宇沢弘文(経済学者、東京大学名誉教授)がいる。

親族[編集]

國學院大学元教授速水敬二の長男。敬二は京都大学哲学科の先輩にあたる哲学者三木清の義兄で、東畑精一の弟。三木の娘永積洋子東京大学名誉教授は従姉妹。融の伯父である東畑も、融同様、文化勲章を受章し学士院会員でもあった。なお東畑の長男・隆介は慶應義塾大学文学部教授であったので、従兄弟同士が慶応の教授を務めていたことになる。また、岡田元也イオン社長、岡田克也民主党幹事長は従甥。

歴史人口学[編集]

西欧における「教区簿冊」を元に、特定地域の人口の変遷を詳細におう方法に習い、「宗門改帳」をもとに生誕・死亡や結婚などをBDS(Basic Data Sheet)を積み重ねる方法により、江戸時代の人口動態から経済を読み解く方法を開拓した。速水融『歴史人口学で見た日本』(文春新書、2001年)は、歴史人口学に志した経緯と主な成果とが簡潔に語られている。

勤勉革命[編集]

西欧の産業革命(industrial revolution)に対し、速水は日本の江戸時代にも高い経済成長と経済の高度化が見られることを指摘し、それを「勤勉革命」(industrious revolution) と名づけた[1]1986年(昭和61年)に、講演で速水の話を聞いたJan de Vriesは、後にヨーロッパにおいても、産業革命に先立つ勤勉革命があったとしてThe Industrious Revolutionを書いた[2]De Vriesの勤勉革命論(Industrious revolution)は、その後、賛否を含む大きな反響を生んでいる。

著書[編集]

単著[編集]

  • 『日本経済史への視角』東洋経済新報社、1968
  • 『日本における経済社会の展開』慶應通信、1973
  • 『近世農村の歴史人口学的研究 信州諏訪地方の宗門改帳分析』東洋経済新報社、1973
  • 『江戸の農民生活史 宗門改帳にみる濃尾の一農村』日本放送出版協会NHKブックス〉、1988
  • 『近世濃尾地方の人口・経済・社会』創文社、1992
  • 歴史人口学の世界』岩波書店〈岩波セミナーブックス〉、1997/岩波現代文庫、2012
  • 『歴史人口学で見た日本』文春新書 、2001
  • 『江戸農民の暮らしと人生 歴史人口学入門』麗澤大学出版会、2002
  • 『近世日本の経済社会』麗澤大学出版会、2003
  • 『日本を襲ったスペイン・インフルエンザ 人類とウイルスの第一次世界戦争』藤原書店、2006
  • 『歴史人口学研究 新しい近世日本像』藤原書店、2009
  • 『近世初期の検地と農民』知泉書館、2009
  • 『歴史学との出会い』慶應義塾大学出版会、2010
  • 『汽車とレコード』慶應義塾大学出版会、2010

編著[編集]

  • 『歴史のなかの江戸時代』藤原書店、2011

共編著[編集]

  • 新保博、西川俊作共編『数量経済史入門 日本の前工業化社会』日本評論社、1975
  • 『歴史のなかの江戸時代』東洋経済新報社、1977
  • 鬼頭宏友部謙一共編『歴史人口学のフロンティア』東洋経済新報社、2001
  • 『近代移行期の家族と歴史』ミネルヴァ書房、 2002
  • 『近代移行期の人口と歴史』ミネルヴァ書房、2002
  • 『歴史人口学と家族史』藤原書店、2003
  • 小嶋美代子共著『大正デモグラフィ 歴史人口学で見た狭間の時代』文春新書、 2004

翻訳[編集]

  • B.H.スリッヘル・ファン・バート『西ヨーロッパ農業発達史』日本評論社、1969
  • E.A.リグリィ『人口と歴史』平凡社、1971
  • D.C.ノース、R.P.トマス(穐本洋哉共訳)『西欧世界の勃興 新しい経済史の試み』ミネルヴァ書房、1980
  • E.A.リグリィ『人口と歴史』筑摩叢書、1982
  • スーザン・B・ハンレー、K.ヤマムラ(穐本洋哉共訳)『前工業化期日本の経済と人口』ミネルヴァ書房、1982
  • ロナルド・トビ 『近世日本の国家形成と外交』創文社、1990

脚注[編集]

  1. ^ Hayami, Akira 1986 A Great Transformation: Social Economic Change in Sixteenth and Seventeenth Century Japan. Bonner Zeitschrift für Japonolgie 8: 3-13. Hayami, Akira 1992 The Industrious Revolution. Look Japan 38: 38-43.
  2. ^ Jan de Vries 2006 The Industrious Revolution Cambridge University Press. 速水との討論についてはp.xi をみよ。

関連人物[編集]