自動車重量税

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自動車重量税(じどうしゃじゅうりょうぜい)は検査自動車と届出軽自動車に対して課される日本の租税国税)である。揮発油税とともに田中角栄が提案し、施行された[1][2]

概要[編集]

1971年昭和46年)に施行された自動車重量税法に基づいて、検査自動車と届出軽自動車に対して課される[3]。納税義務は自動車検査証の交付等を受ける者、あるいは車両番号の指定を受ける者にあり、自動車を新規登録または新規届出した時や、継続検査構造等変更検査を受け、車検証または届出済証の交付を受ける際に納付し、原則として、収入印紙を購入し所定の納付書に貼付して納付する。

自動車重量税で得た税収の1000分の407[4]は、「自動車重量譲与税」として、市町村道の延長及び面積に応じて市町村に譲与される。この譲与税は以前は「譲与を受けた自動車重量譲与税の総額を道路に関する費用に充てなければならない[5]」とされていたが、平成21年の地方税法改正[6]で「その使途について条件を付け、又は制限してはならない[7]」となり一般財源となった。

課税標準は自動車の数量に応じて、税額は自動車の区分ごと重量に応じて、それぞれ定められている。

2010年平成22年)4月1日以降に自動車検査証の交付を受けるものは、暫定税を含む税額が約20%引き下げられた。ただし、車齢が18年を越えるものは、2010年(平成22年)3月31日以前の税額のまま引き下げられていない一方、エコカー減税の対象となる車輌は、ランクに応じて減免措置がある。

例:自家用乗用車、車輌重量1トン超1.5トン以下の場合。
新車購入時(3年分) 本則税額22,500円→暫定上乗せ税を含む総額45,000円
車検時(2年分) 本則税額15,000円→暫定上乗せ税を含む総額30,000円

税額[編集]

本則による税額[編集]

自動車重量税法によると税額は次の通りである。

乗用車(軽自動車と二輪車を除く)
2500円/0.5トン(車両重量あたり)/年
乗用車以外(例:トラックなどの貨物車)
2500円/1トン(車両総重量あたり)/年
軽自動車
2500円/1台あたり/年
二輪自動車
1500円/1台あたり/年

特例税率込み税額[編集]

本則とは別に、長年にわたって『暫定税額』が定められていて、根拠法の延長に継ぐ延長を経ていた。暫定と冠する課税が導入されてから、既に40年以上もの長期間にわたって、本則より重く課税され続けていることは、常々問題視されていた[8]

さらには、重量税の使い道である「道路特定財源制度」のうち、本州四国連絡橋公団債務返済が、2007年(平成19年)度に完了することや、昨今の公共事業費縮小による「財源余剰(税金の余り)」が7000億円も見込まれることから[9]、自動車保有者はもとより、売り上げ低迷に悩む自動車メーカーなどが作る日本自動車工業会日本自動車連盟からも見直しを求める声が挙がっていた[9]

さらに、一般財源化が検討されていて、従来より一般財源である自動車税軽自動車税と分けて課税した上で、暫定税額を上乗せする税制の目的が失われる点も指摘されていた[10]

そして、2010年3月の税制改正により、道路特定財源が、一般財源とされるとともに、暫定税率が特例税率として適用期間の定めが廃止され、当分の間適用されることとされ、暫定税率の適用が特例税率として事実上恒久化されることになった[11]。その後、2012年(平成24年)の税制改正で税率の引き下げがされた[12]

なお新車登録から13年超過、18年超過車両については環境負荷の観点から自動車税と同じくグリーン化税制として重課税がなされる(#経年超過車両に対する重課税)。

2012年5月1日以降[編集]

出典[13]

乗用車
自家用 車両重量0.5トン毎 4100円/年
事業用 車両重量0.5トン毎 2600円/年
自家用貨物自動車
車両総重量1トンまで 3300円/年
車両総重量2トンまで 6600円/年
車両総重量2.5トンまで 9900円/年
車両総重量3トンまで 12300円/年
以降1トン毎に 4100円加算
事業用貨物自動車
車両総重量1トン毎 2600円/年
乗合自動車(バス)および特種用途自動車
自家用 車両総重量1トン毎 4100円/年
事業用 車両総重量1トン毎 2600円/年
軽自動車(検査対象)
自家用 3300円/年
事業用 2600円/年
二輪の軽自動車(新車届出時一回限り)
自家用 4900円
事業用 4100円
二輪以外の検査対象外軽自動車(新車届出時一回限り)
自家用 9900円
事業用 800円
小型二輪自動車
自家用 1900円/年
事業用 1500円/年

2010年4月1日以降[編集]

乗用車
自家用 車両重量0.5トン毎 5000円/年
事業用 車両重量0.5トン毎 2700円/年
自家用貨物自動車
車両総重量1トンまで 3800円/年
車両総重量2トンまで 7600円/年
車両総重量2.5トンまで 11400円/年
車両総重量3トンまで 15000円/年
以降1トン毎に 5000円加算
事業用貨物自動車
車両総重量1トン毎 2700円/年
乗合自動車(バス)および特種用途自動車
自家用 車両総重量1トン毎 5000円/年
事業用 車両総重量1トン毎 2700円/年
軽自動車(検査対象)
自家用 3800円/年
事業用 2700円/年
二輪の軽自動車(新車届出時一回限り)
自家用 5500円
事業用 4300円
二輪以外の検査対象外軽自動車(新車届出時一回限り)
自家用 11300円
事業用 8100円
小型二輪自動車
自家用 2200円/年
事業用 1600円/年

2010年3月31日以前[編集]

乗用車
自家用 車両重量0.5トン毎 6300円/年
事業用 車両重量0.5トン毎 2800円/年
自家用貨物自動車
車両総重量1トンまで 4400円/年
車両総重量2トンまで 8800円/年
車両総重量2.5トンまで 13200円/年
車両総重量3トンまで 18900円/年
以降1トン毎に 6300円加算
事業用貨物自動車
車両総重量1トン毎 2800円/年
乗合自動車(バス)および特種用途自動車
自家用 車両総重量1トン毎 6300円/年
事業用 車両総重量1トン毎 2800円/年
軽自動車(検査対象)
自家用 4400円/年
事業用 2800円/年
二輪の軽自動車(新車届出時一回限り)
自家用 6300円
事業用 4500円
二輪以外の検査対象外軽自動車(新車届出時一回限り)
自家用 13200円
事業用 8400円
小型二輪自動車
自家用 2500円/年
事業用 1700円/年

経年超過車両に対する重課税[編集]

新規登録から13年または18年超過した車両については段階的に増税となる。たとえば2017年5月1日時点での乗用自家用車は車両重量0.5トン毎に4100円/年だが、13年超過車では5700円/年、18年超過車では6300円/年となる[14]

税収の推移[編集]

財務省の統計による。

  • 1997年度 812,841 ほか地方譲与分 270,947
  • 1998年度 816,528 ほか地方譲与分 272,176
  • 1999年度 843,115 ほか地方譲与分 281,039
  • 2000年度 850,669 ほか地方譲与分 283,556
  • 2001年度 853,600 ほか地方譲与分 284,533
  • 2002年度 847,977 ほか地方譲与分 282,659
  • 2003年度 767,086 ほか地方譲与分 383,543
  • 2004年度 748,846 ほか地方譲与分 374,423
  • 2005年度 757,419 ほか地方譲与分 378,710
  • 2006年度 734,952 ほか地方譲与分 367,476
  • 2007年度 739,857 ほか地方譲与分 369,929
  • 2008年度 717,047 ほか地方譲与分 358,523
  • 2009年度 635,112 ほか地方譲与分 317,556
  • 2010年度 446,541 ほか地方譲与分 306,479
  • 2011年度 447,754 ほか地方譲与分 307,312
  • 2012年度 396,894 ほか地方譲与分 272,404
  • 2013年度 381,356 ほか地方譲与分 261,740
  • 2014年度 372,773 ほか地方譲与分 255,849
  • 2015年度 384,930 ほか地方譲与分 264,193
  • 2016年度 391,506 ほか地方譲与分 268,706

(単位:100万円) 自動車重量譲与税法により自動車重量税の税収の1000分の4073分の1(2002年度までは4分の1、2003年度から2009年度までは3分の1。2010年度からは当分の間1000分の407)は、自動車重量譲与税とするため、一般会計を経由せず直接交付税及び譲与税配付金特別会計に繰り入れられる。そのため財務省の税収統計でも、地方譲与分は別に計上されている。

問題点[編集]

自動車重量税は課税根拠の喪失や二重課税という問題点があることから、同様の問題がある自動車取得税とともに、自動車業界からは自動車重量税の廃止を求められている[15]。自動車重量税は普通税ではあるが、制定時の国会審議において道路特定財源として運用することとされたものの、道路特定財源が一般財源化されたことによって、自動車重量税はその課税根拠が失われていることになる[15]。自動車重量税と同時に、自動車税または軽自動車税が「自動車の保有」に対して課せられることから、自動車業界からは二重課税であると指摘されている[15]

日本では自動車の所有や使用に対して、複雑かつ多数の税金が課されており、自動車重量税の他に、自動車税(または軽自動車税)、自動車取得税燃料への課税(ガソリン税軽油引取税石油ガス税)、さらに車体の購入時と燃料の購入時に課される消費税があり、ほかの国と比べると負担額が大きい[16][17]。自動車業界からは、このことが国内の自動車産業を衰退させる原因だとして批判されている[8][18]

以前は、事故などで車検証の有効期間が残存しているものを抹消登録しても、自動車税や自賠責保険料などとは違って還付を受けられない点が課税の目的に沿わないことも批判の一つであった。2005年(平成17年)1月に自動車リサイクル法が施行されると同時に、自動車リサイクル法に基づいた適正な廃車解体を行う場合のみ申請をすることで、還付が受けられるようになった[19]

脚注[編集]

  1. ^ 朝日新聞 2013年1月24日朝刊
  2. ^ 「天才政治家・田中角栄と対比して現民主党の政治力を見抜く 塚本三郎」power lecture
  3. ^ 自動車重量税法第3条
  4. ^ 本則は3分の1だが、2010年の自動車重量税の引き下げの際に譲与税が減少しないように「当分の間」譲与率が引き上げられている(自動車重量譲与税法附則第2項)
  5. ^ 改正前の自動車重量譲与税法第7条
  6. ^ 地方税法等の一部を改正する法律(平成21年法律第9号)第6条による改正
  7. ^ 自動車重量譲与税法第7条
  8. ^ a b 知ってる?クルマの税金”. 日本自動車連盟(JAF). 2015年1月22日閲覧。
  9. ^ a b 私たちは、道路特定財源の「一般財源化」に反対します”. 日本自動車工業会(JAMA). 2015年1月22日閲覧。
  10. ^ 自動車の税金についてJAFと考えよう”. 日本自動車連盟(JAF). 2015年1月22日閲覧。
  11. ^ 平成26年度税制改正の大綱”. 財務省. 2015年1月22日閲覧。
  12. ^ 租税特別措置法等の一部を改正する法律 (平成24年法律第16号)
  13. ^ 平成24年度税制改正に伴う自動車重量税の変更について(H24.5.1~)
  14. ^ 平成29年5月1日からの自動車重量税の税額表
  15. ^ a b c 日本自動車会議所、自動車取得税・重量税の廃止求める。”. Response (2012年6月26日). 2012年11月9日閲覧。
  16. ^ 自動車ユーザーの98%が自動車にかかる税金に負担を感じています。”. 日本自動車連盟(JAF). 2012年10月22日閲覧。
  17. ^ JAMA レポート No.78 自動車関係諸税の国際比較”. 日本自動車工業会. 2012年1月6日閲覧。
  18. ^ JAMA レポート No.91 自動車の税金について”. 日本自動車工業会. 2012年10月29日閲覧。
  19. ^ 自動車リサイクル法附則第15条により租税特別措置法に第90条の12(現第90条の15)が追加されたことによる。

関連項目[編集]