配偶者控除
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配偶者控除(はいぐうしゃこうじょ)とは、一定の配偶者がいる場合に認められる税金の控除制度をいう。
目次
日本の制度[編集]
日本では、所得税及び個人住民税において、納税者に収入のない又は少ない配偶者がいる場合に納税者の総所得金額等から控除される。所得控除であり、人的控除である。(所得税法第83条・租税特別措置法第41条の16及び地方税法第314条の2)
配偶者の要件[編集]
控除対象配偶者の身分要件は、納税者と婚姻して生計を一にする者で、年間の合計所得金額が38万円(給与所得のみの場合、給与収入103万円)以下のものである。但し、青色申告者の青色事業専従者として給与の支払を受ける者、白色申告者の事業専従者に該当する者は除かれる。控除対象配偶者に該当するかどうかは、その年12月末日現在(死亡時はその時の現況)で判定される。
配偶者特別控除[編集]
配偶者特別控除は、配偶者控除を補なう形で定められた別の所得控除の制度。配偶者の合計所得金額が38万円を超えて配偶者控除を受けられない場合でも、合計所得金額が76万円未満(2018年分から、123万円以下)であれば、本人と配偶者の合計所得金額に応じて所定の特別控除が受けられる。
但し、納税者本人の合計所得金額が1,000万円を超える場合や、夫婦間でお互いに控除を受けることが出来ない。(所得税法第83条の2)
注意点[編集]
- 2018年分から、納税者本人の合計所得金額が1,000万円(給与所得のみの場合、給与収入1,220万円)を超えると、配偶者控除の適用はない。
- 事実婚、内縁の者は控除の対象にならない[1]。
- 事業専従者になると、専従者給与・専従者控除を自己否認しても、控除を受けられない。
- 配偶者の死亡した年に限り、所得・扶養等の要件次第で、配偶者控除と寡婦控除・寡夫控除を同時に受けられる場合がある。なお、その年に納税者が再婚しても、2人分の控除は認められない。
| 対象者 | 配偶者控除の控除額 |
|---|---|
| 一般の控除対象配偶者:70歳未満 | 38万円(住民税:33万円) |
| 老人控除対象配偶者:70歳以上 | 48万円( 〃 38万円) |
| 配偶者の合計所得金額 | 配偶者特別控除の控除額 |
| 38万円超40万円未満 | 38万円(住民税:33万円) |
| 40万円以上45万円未満 | 36万円( 〃 33万円) |
| 45万円以上50万円未満 | 31万円( 〃 同額) |
| 50万円以上55万円未満 | 26万円( 〃 同額) |
| 55万円以上60万円未満 | 21万円( 〃 同額) |
| 60万円以上65万円未満 | 16万円( 〃 同額) |
| 65万円以上70万円未満 | 11万円( 〃 同額) |
| 70万円以上75万円未満 | 6万円( 〃 同額) |
| 75万円以上76万円未満 | 3万円( 〃 同額) |
| 配偶者の合計所得金額 | 控除額 | ||
|---|---|---|---|
| 納税者の合計所得金額 900万円以下 |
納税者の合計所得金額 900万円超950万円以下 |
納税者の合計所得金額 950万円超1,000万円以下 |
|
| 配偶者控除 | |||
| 38万円以下 (一般の控除対象配偶者:70歳未満) |
38万円(住民税:33万円) | 26万円(住民税:22万円) | 13万円(住民税:11万円) |
| 38万円以下 (老人控除対象配偶者:70歳以上) |
48万円( 〃 38万円) | 32万円( 〃 26万円) | 16万円( 〃 13万円) |
| 配偶者特別控除 | |||
| 38万円超85万円以下 | 38万円(住民税:33万円) | 26万円(住民税:22万円) | 13万円(住民税:11万円) |
| 85万円超90万円以下 | 36万円( 〃 33万円) | 24万円( 〃 22万円) | 12万円( 〃 11万円) |
| 90万円超95万円以下 | 31万円( 〃 同額) | 21万円( 〃 同額) | 11万円( 〃 同額) |
| 95万円超100万円以下 | 26万円( 〃 同額) | 18万円( 〃 同額) | 9万円 ( 〃 同額) |
| 100万円超105万円以下 | 21万円( 〃 同額) | 14万円( 〃 同額) | 7万円 ( 〃 同額) |
| 105万円超110万円以下 | 16万円( 〃 同額) | 11万円( 〃 同額) | 6万円 ( 〃 同額) |
| 110万円超115万円以下 | 11万円( 〃 同額) | 8万円 ( 〃 同額) | 4万円 ( 〃 同額) |
| 115万円超120万円以下 | 6万円 ( 〃 同額) | 4万円 ( 〃 同額) | 2万円 ( 〃 同額) |
| 120万円超123万円以下 | 3万円 ( 〃 同額) | 2万円 ( 〃 同額) | 1万円 ( 〃 同額) |
- ※住民税の改正は、2019年度より。
手続き[編集]
年末調整で配偶者控除を受けるときは「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を、また配偶者特別控除を受けるときは「給与所得者の保険料控除申告書兼給与所得者の配偶者特別控除申告書」を記載して、勤務先に提出しなけばならない。
98万円の壁・100万円の壁・103万円の壁・106万円の壁・130万円の壁・141万円の壁・160万円の壁[編集]
- パートタイマーやアルバイトで働き、配偶者控除を受ける者は年末になると就労調整をして、給与収入を103万円以内に収めようとする。これは、103万円を超えると、配偶者控除の対象から外れるからである(「103万円の壁」と言う)。しかし、税法上給与収入が103万円を超えても141万円までは、配偶者特別控除の対象となって段階的に控除が受けられる仕組みになっており、141万円を超えて初めて控除が無くなる(「141万円の壁」と言う)。
- 103万円の壁を超えると本人に所得税が発生するため、本人の手取りの歩留まりが悪くなるのを嫌がって就労調整することがある。もっとも企業側が家族手当の支給対象を控除対象配偶者に限っている場合、103万の壁を超えると、総合収支では家族の収入が減少する可能性があるため、必ずしも年末の就労調整が非合理的とはいえない。
- しかも、住民税では控除対象配偶者でなくなると、均等割・所得割の非課税基準の加算額の人数に算定されないため、配偶者控除であれば住民税非課税又は均等割課税であったものが、住民税の均等割課税又は所得割課税の対象となることがある。
- 所得税では給与収入が103万円を超えると本人にも税金が課されるが、住民税では給与収入が100万円を超えると本人にも税金が課される(「100万円の壁」と言う)。住民税の基礎控除が33万円なので、給与収入が98万円を超えると税金が課されると思われがちであるが(「98万円の壁」と言う)、実際には合計所得金額が35万円以下の場合には所得割が課されない仕組みになっている。
- 健康保険の披扶養者でも同様な問題が起きる。配偶者の年収が130万円以上(60歳以上や障害者は180万円以上)、或いは被保険者の年収の1/2以上だと、被扶養者から外れて、自ら国民健康保険や国民年金に加入することにより、逆に社会保険料の負担が増えてしまう(「130万円の壁」と言う)。このため年収が160万円を超えないと、手取り額が増えない(「160万円の壁」と言う)。
- 2016年10月より、パートであっても、年収106万円以上の週20時間以上労働になると(勤務期間1年以上で従業員数501人以上の企業に限る、学生は対象外)、会社の社会保険への加入義務が生じることになり、新たに「106万円の壁」が追加された。