生物彗星WoO

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生物彗星WoO
ジャンル 特撮ドラマ
放送国 日本の旗 日本
制作局 NHK円谷プロダクション
出演者 谷村美月
矢崎広
黒谷友香
永島敏行
豊原功輔
影丸茂樹
ほか
音声 ステレオ放送
オープニング 「Guardian Angel」Splash Candy
エンディング 「傘はひとつで足りるのかな…」
ガールズ・オン・ザ・ラン
NHKデジタル衛星ハイビジョンでの放送時間
放送時間 日曜日19:30~20:00
放送期間 2006年4月9日~8月13日
NHK総合テレビジョンでの放送時間
放送時間 金曜日25:10~25:40
放送期間 2006年11月17日~2007年3月16日
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生物彗星WoO』(せいぶつすいせい ウー)は、2006年4月9日から8月13日までNHKデジタル衛星ハイビジョンで放送された特撮テレビ番組。全13話。

円谷英二らが『ウルトラマン』以前に企画していたテレビシリーズ案『WOO』を原案としている。

概要[編集]

本作は円谷プロにとって『電光超人グリッドマン』以来となるウルトラシリーズ以外の特撮ヒーローテレビシリーズであり、巨大ヒーロー・怪獣作品としては、日本初のハイビジョン撮影を使用したテレビシリーズである[1]。ただし、巨大ヒーローと怪獣が戦わない回が全13話中5話あり、作品全体の内容はヒーロー作品というより、「一人の少女が逆境の中で人との交わりを通じて精神的に強くなっていく」というジュブナイルSFとなっている[2][3]

また、合成やミニチュアを部分的に使用している作品はNHKでも過去にも存在しているが、全編通しての特撮作品としてはNHKでは初めてである[2]。当初NHK側はウルトラシリーズの新作を希望していたが、当時すでに『ULTRA N PROJECT』の企画が進行していたため現在の形となった。

可愛いWoOのキャラクターに相反し、重苦しいドラマ展開や残虐描写などが多い作品でもある。一方で、民放ではなくNHKでの放送のため、玩具などの商品展開を気にせず作品作りに打ち込めたことが本作の番組製作における最大のメリットとなった。

ストーリー[編集]

サッカー好きな女子中学生、神代アイはある日、彗星から落ちてきた不定形生物を見つけ、WoOと名づける。しかしWoOを捕らえるべく追いかけてくる防衛隊から、アイはWoOと共に逃げることになる。怪獣が現れた時にはWoOはアイ吉となって戦う。

『WOO』[編集]

原案となった『WOO』は、円谷英二と金城哲夫が円谷プロ最初のテレビドラマとしてフジテレビに持ちこんだ企画である。不定形の宇宙人が活躍するというもので、予算や技術的な問題から中止となった。

円谷プロは『WOO』による収益を見込んで、この作品を制作するために、当時世界に二台しかなかったオプチカル映像合成機を発注していた。しかし企画の頓挫で支払いが不可能になり、当時TBSのディレクターだった円谷一を通じてTBSに購入を肩代わりしてもらい、皮肉にもこれが『ウルトラQ』制作のきっかけとなった。また「人間に味方する宇宙人」という設定は後の『ウルトラマン』に採り入れられている。

『ウルトラマン』第30話に登場する伝説怪獣ウーの名前の元にもなっている[4]

WoO[編集]

異星からやってきた生命体。卵の状態で地球に落下し、公園でアイに拾われた。

変身能力をもち、アイ吉やリュックに変身する。

また、触角を発光させることで、電気機器を触れずに操作したり、物を修復したりするなどの超能力が使える。しかし力を使い過ぎると化石状の姿に縮んでしまうがエネルギー源である水を得ると元に戻る。 地球落下以前の記憶は失われているようだ。

デザインは原案の「目だけが見える巨大なアメーバのような生物」というコンセプトを元に、勾玉やオタマジャクシ、および『ウルトラマン』に登場したガヴァドン(A)がモデルとなっている。

  • 体長:20cm
  • 体重:20kg

アイ吉[編集]

WoOが怪獣と戦うために変身した巨人。小太郎がアイにプレゼントした自作のフィギュア「アイ吉」がモデル。身軽でひょうきんな動きで怪獣と戦う。身体を丸めて高速回転しながら行う体当たりが必殺技。アイに教えられたサッカーの技術を活かして戦うことも。なお、アイ吉のフィギュアはミクロマンの男性素体をベースに作られている。

  • 身長:38メートル
  • 体重:5千トン
  • 必殺技
    • リバウンド・クラッシュ
    相手の力を利用して、頭から体当たりする。第3話で使用。
    • トルネード・キック
    体の回転でつむじ風を起こし、それにより浮き上がった車を敵に蹴り込む。第4話で使用。
    • スピニング・アタック(アイ吉バージョン)
    WoOも使用した高速回転のアイ吉バージョン。第3話・第4話で使用。
    • アイス・シュート
    ジュース缶の中の水を瞬時に氷結させて撃つ。第5話で使用
    • アイ吉拳
    全身にエネルギーをみなぎらせて放つパンチ。第10話で使用。
    • スピニング・アタック
    アイとともに放つ、スピニングアタックの強化版。第13話で使用してゲルノイドと化した永倉を倒した。

登場人物[編集]

神代 アイ(くましろ アイ)
サッカー部に所属していた女子中学生で母親と二人暮し。スタンドプレーが原因で試合に負け、優勝を逃した事で部員達に疎まれ、レギュラーへの道を断たれた上にサッカー部を追放される。彗星が爆破した後、拾った卵からWoOが生まれたことで運命が左右されることになる。中学校が襲われた際、幼馴染であるマドカを眼前で失い、自身はWoOの力によりただ一人生き残った。その後、防衛隊に保護されるが、WoOの力で隊員達の会話を偶然聞いてしまい、WoOも自分も殺されると思い、逃亡生活が始まる。
小太郎に想いを寄せており両思いである。食べ物の好き嫌いが多く、特に野菜が大嫌いで野菜ジュースにさえあからさまな嫌悪を示すほど。
神代 清美(くましろ きよみ)
アイの母親で雑誌「ケミストリー」の副編集長をしているシングルマザー。ワーカホリックな一面があり、帰りは常に深夜。アイからの電話も常に留守電で、仕事関係の人間以外の電話に出る事は決して無い。
元木 小太郎(もとき こたろう)
アイの先輩で、高校中退のフリーター。作中ではコンビニでアルバイトをしている。特撮映画監督になるのが夢。フィギュアを作るのが得意で、アイにアイ吉をプレゼントした。アイのことが好きで、アイのためならどこまでも行くという情熱を持っているが、偶然に遭遇した永倉により怪獣化してしまう。
葛城 シオン(かつらぎ シオン)
防衛隊少尉。元は研究者だが、恋人の権田大尉が彗星の爆発に巻込まれ、その捜索のため情報管理室三課に加わった。最初はWoOは宇宙から来た凶悪生物だと思っていたが、権田に会ったというWoOを信じ、アイを守ることを決意。
山南 大輔(やまなみ だいすけ)
防衛隊情報管理室三課の指揮官でマドカの父親。アイを幼い時の頃から知っており、「おじさん」と呼び慕われていたが、一人娘であるマドカを失った事がきっかけとなり、仕事一筋の鬼軍人となった。妻に関しては作中で一切描写が無い。
桜庭 賢三(さくらば けんぞう)
情報管理室三課の一員。
雑崎 尚人(さいが なおと)
情報管理室三課の一員。
桐島 隆司(きりしま りゅうじ)
情報管理室三課の一員。WoO捕獲のみならずアイの抹殺までも辞さない防衛隊の命令に疑問を抱くようになる。
秋田 譲二(あきた じょうじ)
雑誌「ケミストリー」の記者。シオンとは旧知の仲でもあり、彼女の頼みでアイを守ることに協力するようになる。
権田 一郎(ごんだ いちろう)
防衛隊のパイロット。シオンの恋人で、秋田の大学の後輩。宇宙探査機「とらざめ」で彗星の調査に向い、爆発に巻込まれ行方不明となる。
永倉 泰三(ながくら たいぞう)
研究者[注 1]でシオンの元上司。WoOに対して並々ならぬ執念を示し、新WoO細胞を開発した事で眠っていた野心が目覚め、小太郎を怪獣に変化させたり、自らを怪獣化したりする等して、一連の事件の元凶となった。
ウエーバー参謀
SWORD(宇宙環境保全局、Space Wonder Observer Rhea Defenderの略)の参謀。日本を守ることを建前としながら、実は日本をWoO共々消滅させようと企んでいる、もうひとりの事件の元凶でもある。
山南 マドカ(やまなみ マドカ)
第1話に登場。山南大輔の一人娘でアイの幼馴染。サッカー部ではエース的存在。部員から「要らない」と蔑まれ、部を追放されたアイを最後まで庇った。アイの眼前でゲルネイクに捕食されてしまう。

登場怪獣[編集]

ゲルネイク
第1~2話に登場。アメーバのような不定形の姿をしている。身体から無数の触手を伸ばしてアイの通う中学校の生徒を捕食したが、アイを守ろうと巨大化したWoOと交戦。触手で捕縛して取り込もうとするが、回転体当たりを受けてバラバラになった。
  • 身長:48メートル 体重:1万1千トン
  • 特別番組『トクサツ・ナイツ メトロン星人の怪獣大作戦』では名無しだった所をメトロン星人に名前を命名されている。意味はメトロン星の言葉で「邪悪な蛇」とのこと。同番組のテロップによる肩書きは「WoO星獣」。
ゲルローブ
第3話に登場。魚類に似た姿をしている。尖った手の先から触手を伸ばし、殴打する攻撃を多用した。口があるが、人間を捕食する時は触手の先端を開いてそこから体内に取り込む。初めてアイ吉に変身したWoOと戦い、回転体当たりで爆散した。
  • 身長:53メートル 体重:1万2千トン
ゲルベイロ
第4話に登場。昆虫に似た姿をしている。口から触手を伸ばし、クワガタに似た顎で獲物を噛み砕く。アイ吉の回転シュートで大量の自動車をぶつけられ、弱ったところに回転体当たりを受けて爆発した。
  • 身長:54メートル 体重:1万3千トン
ゲルバイル
第5話に登場。地下に潜伏していた生物彗星の欠片がWoOを取り込むために集結した怪獣。口から高熱火球を吐き、迎撃に出た防衛隊の戦車や戦闘機を次々に撃破した。アイ吉と交戦し、水を散弾状に打ち出すシュートで蜂の巣にされた。
  • 身長:50メートル 体重:1万4千トン
ゲルバイルMK
第10話に登場。WoO細胞を改造した新WoO細胞をその身に取り込んで怪獣細胞を操る力を持った永倉が、WoO抹殺のために小太郎を変化させた怪獣。語尾の"MK"とは小太郎のイニシャルである。アイ吉の渾身のパンチでバラバラになった。
  • 身長:50メートル 体重:1万4千トン
ゲルノイド
第12~13話に登場。永倉が新WoO細胞の力で怪獣細胞と一体化した怪獣。口から吐く火球と地面を踏み付けて発生させる衝撃波が武器。巨大な体躯を持つが、ホバリングで身軽に移動する。一度はアイ吉を体内に取り込むが、アイと一体化して脱出したアイ吉の回転体当たりで完全に滅んだ。
  • 身長:60メートル 体重:2万トン
  • 『円谷プロ全怪獣図鑑』では、新型WoO細胞を移植した永倉の名称を「ゲル永倉」と記載している[5]

登場兵器・メカニック[編集]

とらざめ
第1話、第12話に登場した防衛隊の有人宇宙探査機。航空機に近い形状を持つ一人乗りの宇宙船で、機首下部に大型のミサイルを格納している。地球に接近するポルナレフ彗星(生物彗星)の調査の為に、権田大尉が搭乗して米国アリゾナ基地から打ち上げられたが、原因不明の彗星の爆発に巻き込まれ、残骸の破片は東京都内に落下。権田も消息不明となった。
その後、第12話で彗星の爆発はとらざめが放ったミサイルによる物で、ウェーバーが彗星への攻撃命令を拒んだ権田からミサイルのコントロールを奪い、自らの名声の為に彗星への攻撃を強行していたことが明らかになった。
90式戦車F-1
第5話に登場した防衛隊の兵器。双方ともに実在する主力戦車支援戦闘機であり、ゲルバイル攻撃の為に出動したが、有効な打撃は与えられなかった。また、同時に登場した歩兵部隊はマーベリックM88を使用している。

スタッフ[編集]

キャスト[編集]

ゲスト[編集]

声の出演[編集]

スーツアクター[編集]

主題歌[編集]

オープニングテーマ
『Guardian Angel』
作詞:Babee 作曲:Franken 歌:Splash Candy
エンディングテーマ
『傘はひとつで足りるのかな…』
作詞: 海老岡宏子 作曲:斉藤高広 歌:ガールズ・オン・ザ・ラン

放映リスト[編集]

放送日 話数 サブタイトル 登場怪獣 脚本 演出・特技監督
4月9日 1 あいつが宇宙から落ちてきた! ゲルネイク 江良至 大橋守
北浦嗣巳
4月16日 2 わたし殺される!
5月7日 3 ヒーロー?誕生 ゲルローブ 北浦嗣巳
5月14日 4 WoO、死なないで ゲルベイロ 小林雄次
5月21日 5 迎撃命令 ゲルバイル 岡野勇気 川崎郷太
6月11日 6 さよならWoO -
6月18日 7 新たなる恐怖 江良至 北浦嗣巳
6月25日 8 わたしの居場所 大橋守
北浦嗣巳
7月2日 9 追いつめられて 江良至
北浦嗣巳
北浦嗣巳
7月9日 10 ごめんね、小太郎 ゲルバイルMK 北浦嗣巳
高野敏幸
7月16日 11 ラブ・フォー・オール - 江良至
小林雄次
岡野勇気
北浦嗣巳
大橋守
7月23日 12 最後の闘い ゲルノイド 小林雄次 北浦嗣巳
8月13日 13 未来への絆

上記のほか、2006年8月7日よりBS2、同年11月17日から2007年3月16日まで総合テレビミッドナイトチャンネル枠・金曜深夜1:10)で放映されていた。

DVD[編集]

2006年10月27日から2007年3月23日にかけて、6巻に分けられてDVDが発売された。発売元はNHKエンタープライズ、販売元はバンダイビジュアルである。第1巻から第5巻は2話ずつ、第6巻は3話本編が収録されたほか、各巻20分から40分程度の映像特典が本編ディスクに収録されている。

漫画[編集]

加々見絵里による同名漫画が、集英社の漫画雑誌『りぼん』2006年9月号から2007年2月号まで連載された。エブリデイ・マジック作品へ変更され、学校を中心とした普通の日常生活が描かれる。WoOのデザインやアイ、小太郎などの登場人物は一致するものの、設定は「アイの両親が健在」「小太郎が高校生」等、大きく異なる。いわゆる怪獣物の記号は全て廃されたため、アイ吉や怪獣、防衛隊の面々は登場しない。

単行本が2007年3月に発売された。全1巻。

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ 『円谷プロ全怪獣図鑑』では、「生物学博士」と記載している[5]
  2. ^ 江川生と誤記。

出典[編集]

  1. ^ 宇宙船YB 2007, p. 64.
  2. ^ a b 宇宙船YEAR BOOK 2006』 朝日ソノラマ〈ソノラマMOOK〉、2006年4月20日、11頁。ISBN 4-257-13086-5
  3. ^ 宇宙船YB 2007, p. 44.
  4. ^ 『大人のウルトラマン大図鑑』2013年[要ページ番号]
  5. ^ a b 大石真司、江口水基・島崎淳・間宮尚彦 『円谷プロ全怪獣図鑑』 小学館、2013年、351頁。ISBN 9784096820742
  6. ^ a b 生物彗星WoO Vol.2 (DVD). NHKエンタープライズ.. (2006年11月24日). BCBS-2708. http://www.nhk-ep.com/shop/commodity_param/ctc/+/shc/0/cmc/10136A1/backURL/http%28++www.nhk-ep.com+shop+main/detail.html 

参考文献[編集]

外部リンク[編集]

NHK総合テレビ 金曜25:10枠(ミッドナイトチャンネル枠)
前番組 番組名 次番組
生物彗星WoO