日清GoFan

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日清GoFan(にっしんゴーハン)は、2009年平成21年)に日清食品から発売された加工米飯。同社の後のヒット商品であるカップヌードルごはんの前身であり、カップヌードルごはんと同様、カップ入りの電子レンジによる加熱で調理する商品である。

概要[編集]

当時の日本の電子レンジの世帯普及率は100パーセントに近く[1]、さらに若年世帯では調理器具を持たずに電子レンジだけを持ち、温かい飲み物を飲むために火で湯を沸かさずにレンジで加熱する者が多くなっていた[2][3]。加えて単身世帯では、電子レンジの普及率は炊飯器の普及率を上回っており、飯を炊飯器で炊くという固定観念が崩れつつあることが、電子レンジ調理による加工米飯の開発のヒントとなった[4]

また、日清のカップ入り加工米飯としては、1975年昭和50年)に発売されたカップライスがあり、そちらはチキンラーメンカップヌードル瞬間油熱乾燥法と同様、炊いた飯をで揚げたものであった。それに対してGoFanは油を用いず、を高温・高速の熱風で膨化させてパフライス(ポン菓子に近いもの)とする新技術「膨化乾燥技術」が用いられた[3][4]

発売時のラインナップは「五目チャーハン」 「トマトが香るチキンライス」 「スパイシージャンバラヤ」の3種で、後に「シーフードパエリア」が加わった。値段はいずれも270円[5][6]。米をスープで炊き込んで作るため、米の一粒一粒にしっかり味が染み込んでいるとして、商談では高く評価された[3]

しかし、当時の電子レンジ食品の当時の市場は年間56億円であり、年間3900億円に昇るカップ麺市場に比べれば圧倒的に小さかった[2][3]。また、即席食品といえば湯で調理するカップ麺という固定観念を持つ消費者がいまだに多く、レンジ調理に慣れない消費者が多いことから、GoFanは消費者にはなかなか受け入れられず、市場拡大までには至らなかった[1][2]。このことから、カップヌードルの味や容器のデザインを取り入れることで、カップ麺市場の消費者を加工米飯の市場へ引き込むという発想が生まれ、2010年(平成22年)発売のカップヌードルごはんの成功に繋がった[1][3]。前述の「膨化乾燥技術」は、カップヌードルごはんの製法にもそのまま引き継がれている[4]

カップヌードルごはんのヒットにより、一部地域ではGoFanに興味を持つ消費者が増え、GoFanの売れ行きが増すという相乗効果ももたらされている[1][2]2012年(平成24年)にはGoFanブランドの3品がリニューアルで発売されている[7]

脚注[編集]

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  1. ^ a b c d ヒット商品を支えた知的財産権 (PDF) 」 、『パテント・アトーニー』第67号、日本弁理士会2012年9月、 2頁、 全国書誌番号:010004072015年9月25日閲覧。
  2. ^ a b c d 「新市場を開く「これが欲しかった!」の作り方」、『日経デザイン』第293号、日経BP社2011年11月、 30-33頁、 NCID AN10464741
  3. ^ a b c d e メガブランドのパワーを活かした「カップヌードルごはん」開発秘話”. 立正大学 経営学部. 2015年9月22日閲覧。
  4. ^ a b c 「日清カップカレーライス ビーフカレー」ユニークさを追求したらこうなった!”. 中小企業ビジネス支援サイト J-Net21. 中小企業基盤整備機構 (2013年11月13日). 2015年9月23日閲覧。
  5. ^ “「日清GoFan 五目チャーハン」 「日清GoFan トマトが香るチキンライス」 「日清GoFan スパイシージャンバラヤ」” (プレスリリース), 日清食品, (2009年1月15日), https://www.nissin.com/jp/news/1502 2015年9月23日閲覧。 
  6. ^ “「日清GoFan シーフードパエリア」” (プレスリリース), 日清食品, (2009年1月15日), https://www.nissin.com/jp/news/1740 2015年9月23日閲覧。 
  7. ^ “リニューアル発売のご案内「日清GoFan」ブランド 3品” (プレスリリース), 日清食品, (2012年2月20日), https://www.nissin.com:443/jp/news/2581 2015年9月22日閲覧。